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俺はロラン④
しおりを挟む「それじゃあ、戦闘訓練を始めるぞ!!男共は剣と盾を持って競技場に集まれ!!!」
「「「「おおっ!!」」」
一時間目のチャイムが鳴ると同時に、元騎士団長の声が教室内に響く。元騎士団長とはいえ、元騎士団長の声と迫力は凄くカリスマ性があり、生徒達もそれに応えるように大きな声を出す。
(こいつら、さっきは俺のことを馬鹿にしやがって。戦闘で見返してやる。いつも俺が勝ってるんだ。今回も余裕だろ。)
ドタドタとロッカーから自身の剣と盾を持って走っていく男共を見て、俺も剣と盾を手に取る。どちらも高い金を払って作ってもらったオーダーメイド品で、他の奴が持っているのに比べ、鋭くて厚くて軽い。
武器の質でも、本来持っている実力も俺の方が上なのだ。
俺が勝つに決まっている。
どうしてやろうかな。
わざと最初は手を抜いて、平民共の貧弱な柔い剣を痛め付けて、後から本気を出してぶち壊すか。そうしたら、平民共は剣をまた買い直さなきゃいけないし、今回の訓練も途中から参加出来なくなる。
俺にさっき挨拶しなかった罰だ。
愚民共。心して自分のした罪を感じるがいい。
ドタドタと走る生徒達に、俺は虫けら以下を見るような視線を向けた。
■■■■■■
「おいおいどうした~?いつもより、調子悪いんじゃないのか~?」
「黙れ!!何かずるしてるだろお前!!俺より強いなんてあり得ない。」
「口だけはいつも通り達者だね♪」
「糞が!!」
目の前でへらへらと笑う愚民を見て、内側へ一度剣を引いて、思いっきり角度とスピードを付けて斬りかかる。空気が切れる音と共に、ここで相手のサビが目立つ弱そうな剣を破壊するつもりだっとというのに、何故か目の前の愚民は余裕そうな顔で、サビだらけの剣で俺の剣を受け止める。
どういうことだ。
何故壊れない。
俺の気合いを込めた一撃だぞ?
愚民に悟られないように、心の中で「こんなことは絶対に起きない!!」と思うと、俺は先程よりも強く剣を握りしめ、またも愚民に斬りかかる。金属と金属の交じりあう音が競技場に響き、俺と愚民は目が合う。俺と愚民の剣はお互いに相手の剣を押し合い、震えながら相手の剣を前にどっちも引かない。
何故だ。
何故押し切れない。
「流石王子。中々やりますね。それじゃあ、王子ばかり狡いので私からも攻勢に移させて貰います。」
「俺に向かって、”中々やりますね”だと?ふざけやがって。」
「それは、すみません。とりゃあ!!」
愚民の剣が一度俺から離れ、加速を付けてからもう一度俺の剣にぶつかる。剣と剣がぶつかり合った途端、鈍器で殴られたような衝撃が剣を通して俺の手に響き、あまりの衝撃に俺は顔をひきつらせる。どうしてそんな安物の剣でそれだけの衝撃が。あり得ない現実に、俺は愚民をはっきりと見つめてしまう。
その後、数十回と続けた戦闘訓練。
いつもなら余裕で勝てた筈が、彼は一度も勝てなかった。
そんな彼を、彼等生徒は「手を抜くのを止めた途端こうだ。」と、またしても王子を見てクスクスと笑っていた。
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