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第12話 VSレッドベアー
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フィムとの繋がりを感じながら魔法を放つ、『精霊魔法』。この魔法さえあれば、森の覇者であるレッドベアーに勝てる気がした。しかし、油断は禁物である。
『精霊魔法』をしっかりと自分のモノにするために、昨日一日は魔獣狩りと並行して練習に費やした。その結果、今は自信をもってレッドベアーと戦えると感じている。
“裕介、準備は良い?”
レッドベアーの居場所を見つけてくれたフィムが、逸る気持ちを抑えて僕に問いかけて来た。僕は自分の胸に手を当て、穏やかな気持ちを保とうとする。あの日目にした、レッドベアーの背中。以前はその姿を想像するだけで、鼓動が早くなっていた。
でも今は違う。僕の隣にはフィムが居てくれる。フィムと一緒に放つ『精霊魔法』があれば、絶対に倒せるはず。その気持ちが、僕の心を支えてくれていた。
「勿論!行こうか、フィム!」
“おおー!レッドベアーを倒しに行くぞー!”
フィムを肩に乗せた僕は、ゆっくりと歩き始めた。今まではフィムを先に行かせていたが、『精霊魔法』を習得してから、周囲の索敵をする場合を除いては常にこんな感じでいる。
そしてその時はついに訪れた──
森の中にある、開けた場所。その空間に1歩足を踏み入れた瞬間、禍々しい空気が僕達を包み込んだ。あれだけ余裕があったはずなのに、呼吸が苦しくなった気さえしてしまう。その原因でもある、赤毛の熊が僕らの目の前にやってきたのだ。
紅い瞳に睨まれ、全身の産毛が逆立つ。その感覚は肩に乗っていたフィムにも伝わっていた。
“裕介、落ち着いて!冷静にならなくちゃだめだ!”
「わ、わかってるよ!僕は落ち着いてる!大丈夫だって!」
フィムにそう答えたものの、僕は今にも魔法を撃とうと右手をレッドベアーに向けていた。冷静さを欠いた行動が、レッドベアーに僕達が敵であることを認識させてしまった。
「グルォォォ!!!」
草木が揺れるほどの雄叫びが森に響き渡る。
“裕介!攻撃が来るよ!!”
フィムが慌てて叫ぶが、僕の足はすくんで動かない。『精霊魔法』という強力な攻撃手段を手に入れただけで思い上がっていたのだ。レッドベアーは強者で、僕は弱者である。そんな単純な事を忘れてしまっていた。
「あ、あ……」
「ガォォォォ!!」
雄叫びと共にこちらに向かって突っ込んでくるレッドベアー。
“裕介!!動くんだぁぁ!!”
「っつ!!」
フィムの必死の叫びにようやく身体が反応した。レッドベアーとぶつかる寸前のところで奴の突進を回避する。僕の身体を通り過ぎていった赤い身体が、太い木を枝のようにポキポキと折っていく。あれをくらっていたらと思うと──
「あ、ありがとう、フィム。死ぬとこだった……」
“なにやってるんだよ、もう!ほら、早く立って!”
震える足でなんとか立ち上がり、レッドベアーの方に身体を向ける。木を倒し続けたレッドベアーは、僕の姿を見失っているのか、その場でキョロキョロしていた。その間に僕を落ちつかせようと、フィムが顔の前にやってきた。
“裕介、ゆっくり深呼吸をするんだ。はい、吸って―……吐いてー!”
「スー……ハー……」
“どう、落ち着いた?”
「ああ。落ち着いたよ」
僕がそう返事をすると、フィムは満足したのかまた肩の上に戻ってチョコンとのっかった。微かな水の冷たさが、肩から頭にかけて伝わっていく。それだけで、自分が冷静さを取り戻しているのが自覚できた。
僕等の存在に気付いたレッドベアーがこちらを睨みつけている。血で染まったような紅い瞳に見つめられても、僕の足はもうすくまない。
「よしやるぞ、フィム!!今度はこっちの番だ!!」
“まってました!僕等の力を見せてやろう!”
昨日何度も練習した通り、僕は自分の手に力を込めていく。それからフィムとの繋がりを意識し、レッドベアーを斬るイメージを膨らませていく。僕の頭に流れる朧げなイメージを、フィムが確かなものにしていく。
再度僕等に向かって突進を仕掛けて来たレッドベアー。僕等はこいつを倒して、森の外に出るんだ。
「グルォォォ!!!」
「いけぇぇえ!!『水刃』!!」
身体からごっそりと魔力が奪われた感覚がした。『精霊魔法』を使用すると、通常よりも遥かに魔力を奪われる。それは昨日の練習で理解していた。だが今回はその比ではない程の、大量の魔力が『水刃』に乗せられたのだ。
僕の手から、放たれた『水刃』は僅かな瞬間で何倍もの大きさに膨れ上がった。レッドベア-の体躯を超えた水の刃が、一瞬の内に奴の身体を上下に両断した。
「はぁ、はぁ、はぁ……勝ったぞぉぉ!!」
“おー!僕達の勝利だぁー!”
あんなにも怯えていたはずなのに、戦いが始まって5分もせずに勝ってしまうとは。一度は死にかけたが、冷静に戦えばもっと簡単に勝てたかもしれない。とりあえず、今は反省するよりも、無事に勝利できたことを喜ぶとしよう。
レッドベアーを倒したせいか、沢山の経験値が入ったことで、僕の体はほのかに熱くなっていた。
「おぉ!?なんだか身体が熱いぞ!?もしかして、結構レベルが上がったんじゃないか!?」
“レッドベアーを倒したんだからそうかも知れないね!早くステータスを見てごらんよ!”
「おお、そうだ!ステータスオープン!……あれ?」
----------------------------------------------------
名前:近藤裕介
性別:男
年齢:17歳
職業:精霊術士
Lv : 16
体力:13000/13000
魔力:5000/11500
攻撃力:1850
防御力:1750
敏捷力:1600
知力:1600
運:1000
【魔法】
精霊魔法
会話
鑑定
収納
中級水魔法(フィム)
【呪い】
対人好感度補正(極大減少)(消去不可)
【称号】
紅毛狩り
----------------------------------------------------
もっとレベルが上がってると思ったんだけど、対して上がってなかった。でも水魔法が初級から中級に上がってるのは有難いな。それに、新しく【称号】なんて貰っちゃってるし。これには何の効果があるんだろう。
「ねぇ、フィム!水魔法が初級から中級に上がったよ!それに紅毛狩りっていう【称号】も手に入れたみたいだ!」
「へぇー凄いじゃないか、裕介!やっぱり、レッドベアーを倒してよかっただろ?」
「そうだなぁ。本当、逃げないで良かったよ!これで安心してオークの村に行ける!」
「それじゃあレッドベアーの死体を回収したら村に行こうか?今向かえば、陽が落ちる頃には着くと思うよ!」
「そうだな!とりあえず、死体だけでも回収しちゃおう!」
僕はフィムにそう返事をしてレッドベアーの死体に向かって歩いていく。その時、肩の上からフィムが離れていく感覚がした。いつものように、周囲を見てくれているのだろうと気にも留めず、レッドベアーの死体を収納していく。
二つに両断された死体を収納し終えた僕は、空に浮かんでいる筈のフィムを探そうと上を向く。だがフィムの姿はどこにも見当たらない。
「フィムー?どこにいるんだー?」
「ここだよ―裕介!」
隣からフィムの声が聞こえた。そのあり得ない出来事に、思わず顔を真横に向ける。フィムは実体を持たない精霊の筈。今までの会話だって、フィムの声は僕の頭に直接聞こえていたのだ。要するに、はたから見れば僕は変人だったということ。
そのフィムの声が、僕の耳を通して聞こえて来たのだ。突然の出来事に慌てる僕だったが、その数秒後にもっと凄い衝撃を受けることになる。
「裕介、回収は終わった!?はやくオークの村に行こうよ!」
そう言って僕に話しかけて来た、小さな女の子。髪の毛は青色で、白いワンピースのような服を着ているその子が、確かに僕の名前を呼んだのだ。
「も、もしかして……フィムなのか!?」
「え、そうだけど?……ってうわぁぁ!!実体になってる!!なんでぇぇぇ!?」
レッドベアーを倒したお陰なのか、僕の友達は光の球体から可愛らしい女の子に変わっていたのだった。
『精霊魔法』をしっかりと自分のモノにするために、昨日一日は魔獣狩りと並行して練習に費やした。その結果、今は自信をもってレッドベアーと戦えると感じている。
“裕介、準備は良い?”
レッドベアーの居場所を見つけてくれたフィムが、逸る気持ちを抑えて僕に問いかけて来た。僕は自分の胸に手を当て、穏やかな気持ちを保とうとする。あの日目にした、レッドベアーの背中。以前はその姿を想像するだけで、鼓動が早くなっていた。
でも今は違う。僕の隣にはフィムが居てくれる。フィムと一緒に放つ『精霊魔法』があれば、絶対に倒せるはず。その気持ちが、僕の心を支えてくれていた。
「勿論!行こうか、フィム!」
“おおー!レッドベアーを倒しに行くぞー!”
フィムを肩に乗せた僕は、ゆっくりと歩き始めた。今まではフィムを先に行かせていたが、『精霊魔法』を習得してから、周囲の索敵をする場合を除いては常にこんな感じでいる。
そしてその時はついに訪れた──
森の中にある、開けた場所。その空間に1歩足を踏み入れた瞬間、禍々しい空気が僕達を包み込んだ。あれだけ余裕があったはずなのに、呼吸が苦しくなった気さえしてしまう。その原因でもある、赤毛の熊が僕らの目の前にやってきたのだ。
紅い瞳に睨まれ、全身の産毛が逆立つ。その感覚は肩に乗っていたフィムにも伝わっていた。
“裕介、落ち着いて!冷静にならなくちゃだめだ!”
「わ、わかってるよ!僕は落ち着いてる!大丈夫だって!」
フィムにそう答えたものの、僕は今にも魔法を撃とうと右手をレッドベアーに向けていた。冷静さを欠いた行動が、レッドベアーに僕達が敵であることを認識させてしまった。
「グルォォォ!!!」
草木が揺れるほどの雄叫びが森に響き渡る。
“裕介!攻撃が来るよ!!”
フィムが慌てて叫ぶが、僕の足はすくんで動かない。『精霊魔法』という強力な攻撃手段を手に入れただけで思い上がっていたのだ。レッドベアーは強者で、僕は弱者である。そんな単純な事を忘れてしまっていた。
「あ、あ……」
「ガォォォォ!!」
雄叫びと共にこちらに向かって突っ込んでくるレッドベアー。
“裕介!!動くんだぁぁ!!”
「っつ!!」
フィムの必死の叫びにようやく身体が反応した。レッドベアーとぶつかる寸前のところで奴の突進を回避する。僕の身体を通り過ぎていった赤い身体が、太い木を枝のようにポキポキと折っていく。あれをくらっていたらと思うと──
「あ、ありがとう、フィム。死ぬとこだった……」
“なにやってるんだよ、もう!ほら、早く立って!”
震える足でなんとか立ち上がり、レッドベアーの方に身体を向ける。木を倒し続けたレッドベアーは、僕の姿を見失っているのか、その場でキョロキョロしていた。その間に僕を落ちつかせようと、フィムが顔の前にやってきた。
“裕介、ゆっくり深呼吸をするんだ。はい、吸って―……吐いてー!”
「スー……ハー……」
“どう、落ち着いた?”
「ああ。落ち着いたよ」
僕がそう返事をすると、フィムは満足したのかまた肩の上に戻ってチョコンとのっかった。微かな水の冷たさが、肩から頭にかけて伝わっていく。それだけで、自分が冷静さを取り戻しているのが自覚できた。
僕等の存在に気付いたレッドベアーがこちらを睨みつけている。血で染まったような紅い瞳に見つめられても、僕の足はもうすくまない。
「よしやるぞ、フィム!!今度はこっちの番だ!!」
“まってました!僕等の力を見せてやろう!”
昨日何度も練習した通り、僕は自分の手に力を込めていく。それからフィムとの繋がりを意識し、レッドベアーを斬るイメージを膨らませていく。僕の頭に流れる朧げなイメージを、フィムが確かなものにしていく。
再度僕等に向かって突進を仕掛けて来たレッドベアー。僕等はこいつを倒して、森の外に出るんだ。
「グルォォォ!!!」
「いけぇぇえ!!『水刃』!!」
身体からごっそりと魔力が奪われた感覚がした。『精霊魔法』を使用すると、通常よりも遥かに魔力を奪われる。それは昨日の練習で理解していた。だが今回はその比ではない程の、大量の魔力が『水刃』に乗せられたのだ。
僕の手から、放たれた『水刃』は僅かな瞬間で何倍もの大きさに膨れ上がった。レッドベア-の体躯を超えた水の刃が、一瞬の内に奴の身体を上下に両断した。
「はぁ、はぁ、はぁ……勝ったぞぉぉ!!」
“おー!僕達の勝利だぁー!”
あんなにも怯えていたはずなのに、戦いが始まって5分もせずに勝ってしまうとは。一度は死にかけたが、冷静に戦えばもっと簡単に勝てたかもしれない。とりあえず、今は反省するよりも、無事に勝利できたことを喜ぶとしよう。
レッドベアーを倒したせいか、沢山の経験値が入ったことで、僕の体はほのかに熱くなっていた。
「おぉ!?なんだか身体が熱いぞ!?もしかして、結構レベルが上がったんじゃないか!?」
“レッドベアーを倒したんだからそうかも知れないね!早くステータスを見てごらんよ!”
「おお、そうだ!ステータスオープン!……あれ?」
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名前:近藤裕介
性別:男
年齢:17歳
職業:精霊術士
Lv : 16
体力:13000/13000
魔力:5000/11500
攻撃力:1850
防御力:1750
敏捷力:1600
知力:1600
運:1000
【魔法】
精霊魔法
会話
鑑定
収納
中級水魔法(フィム)
【呪い】
対人好感度補正(極大減少)(消去不可)
【称号】
紅毛狩り
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もっとレベルが上がってると思ったんだけど、対して上がってなかった。でも水魔法が初級から中級に上がってるのは有難いな。それに、新しく【称号】なんて貰っちゃってるし。これには何の効果があるんだろう。
「ねぇ、フィム!水魔法が初級から中級に上がったよ!それに紅毛狩りっていう【称号】も手に入れたみたいだ!」
「へぇー凄いじゃないか、裕介!やっぱり、レッドベアーを倒してよかっただろ?」
「そうだなぁ。本当、逃げないで良かったよ!これで安心してオークの村に行ける!」
「それじゃあレッドベアーの死体を回収したら村に行こうか?今向かえば、陽が落ちる頃には着くと思うよ!」
「そうだな!とりあえず、死体だけでも回収しちゃおう!」
僕はフィムにそう返事をしてレッドベアーの死体に向かって歩いていく。その時、肩の上からフィムが離れていく感覚がした。いつものように、周囲を見てくれているのだろうと気にも留めず、レッドベアーの死体を収納していく。
二つに両断された死体を収納し終えた僕は、空に浮かんでいる筈のフィムを探そうと上を向く。だがフィムの姿はどこにも見当たらない。
「フィムー?どこにいるんだー?」
「ここだよ―裕介!」
隣からフィムの声が聞こえた。そのあり得ない出来事に、思わず顔を真横に向ける。フィムは実体を持たない精霊の筈。今までの会話だって、フィムの声は僕の頭に直接聞こえていたのだ。要するに、はたから見れば僕は変人だったということ。
そのフィムの声が、僕の耳を通して聞こえて来たのだ。突然の出来事に慌てる僕だったが、その数秒後にもっと凄い衝撃を受けることになる。
「裕介、回収は終わった!?はやくオークの村に行こうよ!」
そう言って僕に話しかけて来た、小さな女の子。髪の毛は青色で、白いワンピースのような服を着ているその子が、確かに僕の名前を呼んだのだ。
「も、もしかして……フィムなのか!?」
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