288 / 415
連載
292.1 獣人救出作戦1(偵察)✔
しおりを挟む
精霊の女王様に協力をお願いしたところ、迷いの森に住んでいる最上位精霊を呼んでくれるそうだ。ただ、協力するかどうかは精霊達に任せるので、女王権限で命令はしないと言われてしまった。
俺だけなら会えるかどうかすら分からないんだから、呼んでもらえるだけでも感謝しなきゃね。
精霊の女王様と他愛のない話をしながら待っていると、風の精霊シルフィーネ、土の精霊ノーム、樹木の精霊ドライアドが姿を現してくれた。
姿はどのようにでも変えられるが、俺が分かりやすいようにと人の形になってくれている。
風の精霊シルフィーネは透き通っており実体はなさそうだ。見た目は透明度の高いガラス細工の人形で身長は一・五メートル程だ。
あまりの綺麗さに触れてみたい衝動に駆られ、手を伸ばしてしまった。すると樹木の精霊ドライアドが木の枝をしならせ、俺の手を叩いて邪魔した。更に蔦が伸びると手と体を拘束する念の入れようだ。
複雑な風の渦や刃で人の形を形成されているため、触れていたら体がズタズタになっていたと怒られてしまった。
土の精霊ノームは、地面がモコモコと隆起して身長一・五メートル程の人の形になっている。足元に落ちていた枯れ枝を拾い上げると、風の精霊シルフィーネの透き通った体に突き刺した。ビチビチビチと音を立て枝はバラバラに分解され、体の中で舞ってから排出された。いくら枯れ枝だったとはいえ、一瞬で小さな木屑に分解されてしまった。
風の精霊シルフィーネは笑って許してくれたのでよかったが、普通なら生きてはいなかっただろうとお叱りを貰ってしまった。風の像とか凄過ぎるんですが、俺にも作り方を教えてくれませんか。
とても土で作られているようには見ないほど、柔軟な動きをしていた。土のゴーレムになるのだろうか? 土人形の作り方も教えて欲しいな。
樹木の精霊ドライアドが、蔦の拘束を解いてくれた。近くの木が突然動き出したんだが、流石に人の形にはなれないみたいだな。
えっ! 時間をかければ人の形にもなれるの? でも、根が土から出るから長い時間は活動できないんですね。
風の精霊シルフィーネ、土の精霊ノーム、樹木の精霊ドライアドとは、この前一緒に戦った。そのためだろう、友好的で協力してくれると即答してくれた。
風と土は普段からお世話になっているからか、親和性も高いみたいなんだ。樹木の精霊は、枯れる原因を取り除いたことで、信頼を得たようで親和性が高くなったみたいだ。
上位精霊になると、ちゃんと自我が存在し、意思の疎通もできて会話も楽しかった。
今回の作戦だが、囚われている獣人を救出することになる。次に邪神の施設を破壊することだ。破壊できれば、今後の被害が少なくなるのではないだろうか。
だが、洞窟内の施設がどのような構造なのかが全く分かっていない。獣人を救出するためには洞窟の中の構造と、どのように囚われているのかを知る必要があるんだ。
獣人を人質に取られてもいけないので、できるだけ短時間で邪神教の使徒を制圧する必要がある。敵の戦力についても知っておきたい。
そこで、精霊には洞窟内の偵察をお願いしたいんだ。それと、獣人を逃がすために力を貸して欲しい。
邪神教の使徒は顔半分が隠れる仮面を装着していると獣人から聞いている。全て無力化すれば、施設で何をやっていたのか分かるのではないだろうか。研究資料や他の施設の位置なども分かるモノがあるといいんだけど。
風の精霊が偵察任務を受けてくれ、下位の精霊を洞窟に送り出してくれた。下位精霊なら気づかれることはないみたいで、一時間もすれば洞窟内部の様子が分かるらしい。
偵察任務は精霊にかなうものなどいそうにないな。現在、精霊の女王様により、思考の共有化が行われている。下位精霊が見た映像が俺の頭の中にも見える。なんて便利なんだろうか、これが本当のステルス偵察機、いや、精霊だな。
獣人が言っていたように、崖の下には洞窟が口を開けている。洞窟の入口には岩が積まれており、高さは二メートルもない。チビとベビも一緒に戦ってもらう予定だが、そのままの大きさでは入れそうにないぞ。
洞窟は入り口を狭めてあるため、直ぐに薄暗くなってきた。下位精霊は暗視モードも完備しているようでよく見えている。すごく高性能なんだけど。俺も下位精霊が欲しい。
精霊から俺に向けて意識が飛んで来た。思考共有化されているんだった。変な意味ではないです。ごめんなさい。
いくつもの木の扉があるな。流石に中は見れないか?
風の精霊が扉の隙間から難なく侵入した。倉庫みたいだな。剣や弓矢などの武器が置かれている。襲撃された時のために、入り口から一番近い場所におかれているのだろう。
風の精霊すごい。土と樹木の精霊から意識が飛んで来た。褒めているだけですよ。……土も樹木の精霊もすごいです。
次の扉の向こうも見せてほしい。風の精霊が武器の部屋からでると次の扉に向かう。
扉の向こうの映像が……おや、映らなくなったぞ。何が起きたんだ? 風の下位精霊との繋がりが切れたぞ。
風と土、樹木の精霊までも慌てている。洞窟の外に待機していた風と土の下位精霊からの映像に切り替わった。洞窟に入ろうと試みているが、結界に阻まれて入れないようだ。
結界が張られたせいで、風の下位精霊との繋がりが切れたのだろう。邪神の使徒に気が付かれたのだろうか?
俺が結界に魔力を流し込めば、魔道具を壊せるだろう。だが、それでは、俺だと気が付かれてしまう。何かいい方法は無いだろうか?
俺だけなら会えるかどうかすら分からないんだから、呼んでもらえるだけでも感謝しなきゃね。
精霊の女王様と他愛のない話をしながら待っていると、風の精霊シルフィーネ、土の精霊ノーム、樹木の精霊ドライアドが姿を現してくれた。
姿はどのようにでも変えられるが、俺が分かりやすいようにと人の形になってくれている。
風の精霊シルフィーネは透き通っており実体はなさそうだ。見た目は透明度の高いガラス細工の人形で身長は一・五メートル程だ。
あまりの綺麗さに触れてみたい衝動に駆られ、手を伸ばしてしまった。すると樹木の精霊ドライアドが木の枝をしならせ、俺の手を叩いて邪魔した。更に蔦が伸びると手と体を拘束する念の入れようだ。
複雑な風の渦や刃で人の形を形成されているため、触れていたら体がズタズタになっていたと怒られてしまった。
土の精霊ノームは、地面がモコモコと隆起して身長一・五メートル程の人の形になっている。足元に落ちていた枯れ枝を拾い上げると、風の精霊シルフィーネの透き通った体に突き刺した。ビチビチビチと音を立て枝はバラバラに分解され、体の中で舞ってから排出された。いくら枯れ枝だったとはいえ、一瞬で小さな木屑に分解されてしまった。
風の精霊シルフィーネは笑って許してくれたのでよかったが、普通なら生きてはいなかっただろうとお叱りを貰ってしまった。風の像とか凄過ぎるんですが、俺にも作り方を教えてくれませんか。
とても土で作られているようには見ないほど、柔軟な動きをしていた。土のゴーレムになるのだろうか? 土人形の作り方も教えて欲しいな。
樹木の精霊ドライアドが、蔦の拘束を解いてくれた。近くの木が突然動き出したんだが、流石に人の形にはなれないみたいだな。
えっ! 時間をかければ人の形にもなれるの? でも、根が土から出るから長い時間は活動できないんですね。
風の精霊シルフィーネ、土の精霊ノーム、樹木の精霊ドライアドとは、この前一緒に戦った。そのためだろう、友好的で協力してくれると即答してくれた。
風と土は普段からお世話になっているからか、親和性も高いみたいなんだ。樹木の精霊は、枯れる原因を取り除いたことで、信頼を得たようで親和性が高くなったみたいだ。
上位精霊になると、ちゃんと自我が存在し、意思の疎通もできて会話も楽しかった。
今回の作戦だが、囚われている獣人を救出することになる。次に邪神の施設を破壊することだ。破壊できれば、今後の被害が少なくなるのではないだろうか。
だが、洞窟内の施設がどのような構造なのかが全く分かっていない。獣人を救出するためには洞窟の中の構造と、どのように囚われているのかを知る必要があるんだ。
獣人を人質に取られてもいけないので、できるだけ短時間で邪神教の使徒を制圧する必要がある。敵の戦力についても知っておきたい。
そこで、精霊には洞窟内の偵察をお願いしたいんだ。それと、獣人を逃がすために力を貸して欲しい。
邪神教の使徒は顔半分が隠れる仮面を装着していると獣人から聞いている。全て無力化すれば、施設で何をやっていたのか分かるのではないだろうか。研究資料や他の施設の位置なども分かるモノがあるといいんだけど。
風の精霊が偵察任務を受けてくれ、下位の精霊を洞窟に送り出してくれた。下位精霊なら気づかれることはないみたいで、一時間もすれば洞窟内部の様子が分かるらしい。
偵察任務は精霊にかなうものなどいそうにないな。現在、精霊の女王様により、思考の共有化が行われている。下位精霊が見た映像が俺の頭の中にも見える。なんて便利なんだろうか、これが本当のステルス偵察機、いや、精霊だな。
獣人が言っていたように、崖の下には洞窟が口を開けている。洞窟の入口には岩が積まれており、高さは二メートルもない。チビとベビも一緒に戦ってもらう予定だが、そのままの大きさでは入れそうにないぞ。
洞窟は入り口を狭めてあるため、直ぐに薄暗くなってきた。下位精霊は暗視モードも完備しているようでよく見えている。すごく高性能なんだけど。俺も下位精霊が欲しい。
精霊から俺に向けて意識が飛んで来た。思考共有化されているんだった。変な意味ではないです。ごめんなさい。
いくつもの木の扉があるな。流石に中は見れないか?
風の精霊が扉の隙間から難なく侵入した。倉庫みたいだな。剣や弓矢などの武器が置かれている。襲撃された時のために、入り口から一番近い場所におかれているのだろう。
風の精霊すごい。土と樹木の精霊から意識が飛んで来た。褒めているだけですよ。……土も樹木の精霊もすごいです。
次の扉の向こうも見せてほしい。風の精霊が武器の部屋からでると次の扉に向かう。
扉の向こうの映像が……おや、映らなくなったぞ。何が起きたんだ? 風の下位精霊との繋がりが切れたぞ。
風と土、樹木の精霊までも慌てている。洞窟の外に待機していた風と土の下位精霊からの映像に切り替わった。洞窟に入ろうと試みているが、結界に阻まれて入れないようだ。
結界が張られたせいで、風の下位精霊との繋がりが切れたのだろう。邪神の使徒に気が付かれたのだろうか?
俺が結界に魔力を流し込めば、魔道具を壊せるだろう。だが、それでは、俺だと気が付かれてしまう。何かいい方法は無いだろうか?
2
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
【完結】転生したら、なんか頼られるんですが
猫月 晴
ファンタジー
旧題:転生したら、なんか頼られるんですが。俺は楽しんでいただけですよ?
ブラック企業に勤めていた会社員の江崎塁。彼は、帰宅途中交通事故に遭って死亡したことを、謎の白髪の少女に告げられた。
矢継ぎ早に自身が転生することを告げられ、訳の分からないまま気を失う。
次に目を覚ましたのは、知らないはずなのに、どこか見覚えのある高級そうな部屋だった。
なんと江崎塁は、エルティードという名の幼児に転生したのだった。
魔法の使える世界で楽しく、時にはトラブルに巻き込まりして過ごす中、いつしかエルティードは頼られるようになっていく。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。