仕事帰り休みの日=もっと仲良くなる時間

泡田日

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夏のイベント

夏休みについて

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 帰りの車、富塚君は運転しながら言った。
「コンビニ……行く?」
 私がとても疲れているのを気にしていた。自分だって、かなり疲れているはずなのに。
 すぐにスーツ脱ぎたいとかって言って、クーラーつけたくせに。
「行かない」
 ぶっきらぼうになってしまっただろうか。
「日下……そんな落ち込むなって」
「落ち込んではいないよ……。でもさ、きっとさ、言われるんでしょ? 私がどんなだったか……」
「そりゃあ、言うけど」
「言ってみてよ。散々注意したけど直らなかったって!」
「別にそれを言った所で、あ、そう……で終わりだよ。課長、イベントの事、あんまり聞きたがらないから」
「何でよ?!」
「好きじゃないからじゃない? 自分がまたそういうのやるの嫌だと思うし、日下がそれで更新ストップされることはないよ。課長、井村苦手みたいなこと言ってたし、井村がうちの課に居る間は要ることになるよ」
「それって、いつまで?」
「さあ? 派遣ってあれでしょ。最長でも三年だから……。それくらいは居るんじゃない?」
「三年も居たら、治ってるよ、この人間関係とかの辛さから解放されてるよ!」
「それは良い事じゃない。そういえば、日下って代休いつにした?」
「え? 代休? 今日の?」
「そう、俺は確か八月の八日だけど」
「私、その前の日」
「そうか……じゃあ、その代休のある週末からもう夏休みだって知ってる?」
「知ってるよ……。相楽さんに聞いたもん! 一週間くらいだよね……」
「そう。で、日下は夏休み、どうするの?」
「え? 特に何も……。仕事なくて良いな~って思いながら、寝るだけかも」
「涼しい部屋のベッドで?」
「そう。富塚君はゲーム? それともどっか行くの?」
「うん、それよ。料理教室の先生として言いたいんだけど。日下、夏休みは俺と旅行行かない? 一泊ぐらいだけど」
「え? それは、お金が発生する」
「そこ? 気にすんの。もっとあると思うけどなぁ……」
「例えば?」
「どこに泊まるかとか」
「温泉じゃないの? 温泉のある旅館が良いなぁ……、それでふかふかのお布団の中に入って浴衣で眠るの。あと美味しいご飯も良いよね!」
「ふーん、良いね、それも。探しとく」
「え? 行きたいの? 本当に?! 富塚君、私とそういうの」
「うん、まあ、あと社員旅行の事もあるしね……」
 また仕事ぉ!? なんて言いそうになったけど、言わなかった。
 仲良くするって、努力するって言ったものね。
 私は少し大人にならなければならない。
 何でも嫌だと言ってはいられない。
 仕事だってそう。嫌でもやらなきゃいけないんだから。
 私は富塚君と夏休みに旅行することにした。
 とてものんびりとした旅行にしよう。このダルさをなくさせるような、そして、前の彼女さんの事で富塚君がこれ以上困らないように忘れさせてあげよう。
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