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勇者は同じ場所をグルグルしてるらしい。

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魔王城のとある一室。
我こと大魔王の部屋である
ここには毎日頑張っている部下達が報告しに来てくれる



「クリーナ…今なんと言った」

今日はクリーナが報告に来てくれたのだが…
勇者の報告でおかしな事を言ったので
我はさすがに聞き返した

「ですから、勇者がグルグルしています。」

「なんだ、グルグルとは?」

「分かりませんが…部下の報告によりますと同じような場所を行ったり来たりグルグルしてるらしいです。」


「な、なるほど?…それ以外は?」

「はい、グルグルついでに沸いた魔物を討伐してるようです。」


「…我が思うに魔物を討伐するためにグルグルしてるのでは無いか?」


大魔王もテレビゲームでやったことある。
…つまるところ


「勇者、レベリングしてるのでは無いか?」


「レベリング…魔物を倒したり…人間を返り討ちにしたり、とにかく色々したあとにたまに何か力が漲る!という感じがする現象でしたでしょうか?」



「その通りだ…おそらく勇者は魔物を倒しケイケンチーを手に入れているのだ」 



「ケイケンチー…とは?」

「うむ、先程の現象…つまりレベリングについて我は若い頃研究していてな…ケイケンチーとゆう物質が関係しているのではないかと我は結論を出したのだ」


まぁ、結局ケイケンチーは
発見できず我は学会から冷ややかな目で見られたのだが…
ケイケンチーはあります!と会見した日が
昨日のように思い出せる…黒歴史だ。


「ケイケンチー…調べる必要がありますね」


「い、いや…あるか分からぬぞ…何せ…我は挫折したからな」


「大魔王様ともあろうお方が情けない!」

「な、なんだと!?」

「大魔王様があるというなら有るのです!我々はただ信じてそれをどうするべきか対策を練るだけです!」


「う、うむ」

「もし、勇者が今以上に力を手に入れようと今まさにしているのなら止めるべきなのです!」


「た、たしかにな!」

確かにケイケンチーが実在しているのなら
これ以上勇者をパワーアップさせてしまう可能性がある!


「クリーナよ!ただちにテンと協力してケイケンチーを発見せよ!」


我の夢…お主らに託す!


「お任せください大魔王様!」

我が諦めたケイケンチーの発見…次の世代に
託すきっかけを与えてくれたことだけは感謝すると
するぞ勇者よ!



翌日、ケイケンチーは発見された。
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