ぼくらとせかいの在り方について

白紙 虚無太郎

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ポストオフィスは在宅勤務ですか

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「ポストオフィスは在宅勤務ですか」

向かい合う女生徒は曇りのない目でぼくを見つめながら、そんな言葉を投げかけた。
教師たるぼくはこの質問に対して正確な答えを投げ返さねばならない訳だが、肝心な彼女の意図を拾えていない。
ポストオフィスは郵便局だからだ。
彼女はいつも羊毛のような雰囲気を纏っていて掴み所が無いが、学業の成績に関しては申し分ない。
つまり、ポストオフィスが郵便局を意味するという認識を持っているはずなのだ。
多分恐らくきっと。

「郵便……」

言いかけたところで女生徒があからさまに残念そうな顔になったので、すぐに発言を中止する。
やっぱり知っている。となるとポストオフィスという単語について違う見方をしなくてはならない。

ポストオフィス……ポスト……オフィス……

なるほど。脱オフィス後について聞いているんだな。
そう考えれば在宅勤務であるかという問いも頷ける。
しかし、オフィス勤務の習慣が崩れたとして在宅勤務となるだろうか。
一ヶ所に留まる必要性がなくなるという捉え方をすれば、自宅に居続ける必要すら無いのではないだろうか。
つまりはこうだ。

「ポストオフィスは在宅勤務ではない。言うなれば自由勤務だよ」

よし。しっかりと答えてやった。
したり顔で女生徒の方を見やると、ニヤリと口角を上げてぼくにこう告げた。

「先生、ポストオフィスは郵便局ですよ」

あんまり嬉しそうにしているものだから、ぼくは叱る気にもならなかった。
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