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ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)
13 (葬式の予定がある)
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「なんでこんな所にDLが?」
ニューアキバに入るゲートにはアーチ形の『ようこそνアキバへ』の看板があり、それを2機のDLが支えている。
DL 2機はフィュギアの台座の様な物で固定され倒れないようになっている。
固定されている理由はDLは無人だと自立する事が出来ないからだ。
機種名は…DLS02疾風。
トニー王国が開発した二足歩行ロボットで、大きさは4.5m…。
第二次世界大戦の終盤、主にドイツとアメリカと戦った機体だ。
左側のDLは赤・黄・青のトリコロールカラーの機体で頭にあるV型アンテナが特徴…。
右側は赤い機体で角上のブレードアンテナがあり、肩にスパイクシールドが装備されている…が、パーツの問題か単眼カメラではなく、2つの複眼カメラになっている。
2機共に某有名ロボットアニメの思い出す外見ではあるものの、DLがコスプレしたみたいになっている。
2人が進んでいくとお目当ての店にたどり着く。
店は12階建てビルの1階にあり、2階の壁面には ここでは使われていない電車の模型店で緑色の高架風の塗装が施されており、1階にある電気街はスペース効率を無視したレトロ感のある昔の電気屋を思わせるそんな光景になっている。
「高架下《こうかした》の電気屋ってまだ残っていたんだ」
「アングラな電気屋は高架下に作るんじゃなかったか?」
「だったらコンベア…動脈下にすればいいのに」
「あそこの下は大通りだからな…流石に都市設計に違反してまで店は立てられない」
「おおトヨカズじゃないか?よく来たな」
スライドドアが開き中に入ると店の店長がトヨカズを見て真っ先に声をかけてきた…どうやら顔見知りらしい。
「よっおっちゃん頼んでた1エクサの3DQNCPU入ってる?」
「あいよ、ちょい待ち…ほら最後の1個だ。
需要が少なくて次の入荷が未定だってよ」
「あんがと やっぱ買う人がいないと単価が高くなるか。」
「ほとんど特注に近いからな…。
コレだって最近CPUの入れ替えをしている『ケインズシステム』用のスパコンのものだからな」
トヨカズが、キャッシャーに手を当て支払いを行う。
「PCのパーツって言ったら一番売れる商品だってのに 何で作ってないんです?」
不思議がってナオが聞いてみる。
「えーとコイツは?」
「あーナオ、オレの友達で2020年の人でハイブリット試験義体を使ってる。」
「ほう…遂に ここでも出来るようになったか。
あー機械ならばらして構造解析出来るんだろうがな」
店長がこっちをじっくり見ている。
「えーと」
「あーすまん売れない理由だったな。
2020年なら馴染みが無いかもしれないが、無線通信の性能向上によって大容量のデータを送れるようになってから、国の管理しているスパコンでデバイスの処理を肩代わりして入力と出力だけをデータ送信する技術が確立されたんだ。」
「5Gのリモートデスクトップ?」
「今は7Gだがね…で、そうすると個人で高性能なデバイスを持つことが無くなるんだ。
何せスパコンから出力するんだ。
常に最適で欲しい分だけ処理を得られるし、スパコン側も常に高処理してないとワット辺りのデータ処理効率が落ちるから一括処理する事で無駄な処理や電力を無くしたんだ。
で、コイツはそれに真っ向から反対している訳なんだな…。」
店長はトヨカズに指を差し言う。
「悪かったね、オレは割と非合法な事もやってるから都市のスパコンを使ったら一発で発覚する。
少なくとも公共用のデバイスにデータを持ち込めねーんだ。」
「じゃあ、そっちの兄ちゃん…ナオとか言ったな アンタは何か必要か?」
「そうだな…」
こっちに来てから腰が寂しくて免許は取ったんだけど…入手方法が分からなくて、後回しにしていたやつがあったな。
「電子機器では無いんですけど、リボルバーってあります?」
「こっちは、古い銃が好きなのか?
製作用のアプリはあるから作れるが…そうなるとカスタムか?」
「どこまで出来ます?」
「余程の事が無ければ、設計データ自体は すぐに作れる…。
だが、肝心の銃を作る用の3Dプリンターがウチには無ぇ。
加工のほうは、専門家を紹介してやるからそっちに行け…で仕様は?」
「45口径6発標準シリンダーで、リロード方式がシリンダー交換式…バレル下に赤のレーザーサイトでセンサーは、トリガー方式…。」
ナオがスラスラと仕様を告げる。
「なんだ…ゲテモノかと思ったが 割と堅実じゃないか?」
店長がウィンドウを出し銃を作っていく…。
「昔のオレの銃だ…。
腰に銃を下げていないと落ち着かなくてね」
銃を評価されたのが嬉しかったのかナオの口調がいつも通りになる。
「2020年でもオートマが主流だろうに…何でまた?」
「ジャムらないし、現場に持ち込みがし易い。
通常弾だったらどこでも入手できるし、遊びが大きいから弾の自作も出来る。
弾数には問題があるが6発で片付かない敵にはそもそも使わない」
ナオがオタク特融の若干早口で理由を言ってく…。
「しかも技術レベルの差が大きいこの世界で、どこでも弾が入手出来るとなると9パラか45口径だろ…。
それにオレは、銃の扱いがヘタだから取り出して速射出来るほうがいい…。
レーザーポインターならろくに構えなくても狙えるしな」
「確かに護身用だったら それで十分か…ほら出来たぞ」
店長がウィンドウをポンと叩くと、手に銃が現れた。
設計データを元に作られたARの銃だ。
店長に渡されグリップ面はプレートの先端を交互に重ねて積み重ねた構造になっていて間にスキマが見える。
ナオが握ると、握力で重なっていたプレートがずれていき、ナオの手の形に合わせて変形する。
「おお」
前のリボルバーは自分の手に合わせてプラスチック樹脂をグリップに被せる事で馴染ませたが、今はそれ以上に手に馴染む。
「積層プレート型グリップだ…グリップにマガジンを入れるオートには出来ない機構なんだが、リボルバーには必須の機構だ…何せ衝撃吸収用の素材も使われるからな。
後は適当にカバーを付けて…」
店長はリアルタイムで、銃を更新しカバーを取り付ける…。
ナオの手にあるリボルバーが少し大きくなったが、それを織り込み 握りこむとまたしっくり手に合うようになる。
「どうだ?」
ナオは構えトリガーに指をかける…指をかけた事に反応してレーザーサイトがONになり銃の正面に赤い点を表示させる。
「良い銃だ…で、設計料はいくらだ?」
「1万でいい、どうせ作るのに2万はかかるからな…」
ナオはキャッシャーの読み取り口に手をかざす。
商品名と金額、その下は生活保障金か通常預金かが選べて、ナオは生活保障金を選択…更に今の口座残高と購入後の残高が記載されその下には『購入しますか?Y/N』が表示され、ナオはYを押し、画面に『ありがとうございました』が出る。
「そんじゃおっちゃんまた…いや…こないな。
次に会うのは葬式でだな」
「あーちゃんと来てくれるのか」
「まぁ世話になってるしな 誕生会の参加は無理だけど」
「それじゃ1週間後にまた」
「おう」
ん?…葬式?
あの後、紹介してもらった店に行き、店の厳つい店員がハンドガンの免許を見せろと言うので、ナオはウィンドウを出し、ARの電子免許を見せた。
その後は驚く程すんなり話は進み、データを読み込んで材料を入れて後は3Dプリンターにお任せだ。
30分程でパーツが出来上がり、仮組みは完成。
最後はホルスターから素早く抜き構える動作の『抜き撃ち』を見て細かな調整をかける。
最初から最後まで1時間も掛からず、値段は店長の言ってた通り2万トニーだった。
そして弾は、警察署の中の売店で売っている。
弾自体は1発100トニーと大量生産出来る需要が無いと考えれば それなりに安いのだが、ここでしか売ってなく弾の書類もここで書く…。
だが、銃の登録をしていてないと弾が買えないと分かった為、別の部署で銃の登録を済ませ、戻って弾の購入…。
非殺傷弾6発、殺傷弾6発、特殊弾の発信機弾、蛍光塗料弾がそれぞれ3発ずつ…そして標準シリンダーを3本買い、警察署内で弾に着色を行い、非殺傷3発、殺傷3発、のシリンダーを2本作り、もう1本には、特殊弾を入れる。
そしてホルスターの隣にあるシリンダーボックスに特殊弾シリンダーと通常シリンダーを入れ、もう1つのシリンダーは装填する。
シリンダーラッチを操作してロックを外しながら銃を横に振り、シリンダーパイプが露出する…。
そして下からシリンダーを入れ、押さえつけながらシリンダーを戻してロックする。
結局、警察署を出た頃には夕方になっていた。
ローラーコンベアのパレットに座り、二人は寮に戻る…。
ナオは気になっていた事を聞いてみた。
「さっき葬式とか言っていたが 誰の葬式なんだ?」
そもそも来週に葬式があるっておかしくないか?死ぬ予定があるって事だろう?
「あ?おやっさんだけど」
「いやいやだから何で死ぬ予定になってるの?」
「??」
トヨカズは時代の差から会話が食い違いが発生している事が分かって少し考え、ARウィンドウを表示させ何かしら検索をかけていた。
「あーそういう事か」
「おやっさんってあれでも99歳なんだあと1週間で100歳」
「え?」
ナオが見た限りあの店長は精々が中年40~50位だと思っていたがまさか100歳になるとは?
「あの人サイボーグ?」
「いや完全に生身だ。
おやっさんは宇宙で作業してたからな」
「それは相対性理論の時間の遅れで実際40なのに戸籍上100歳とか?」
「んいや原因はNK細胞のマイクロマシンだ」
「ナチュラルキラー細胞だっけ?がん細胞を殺してくれるやつ」
「そう、老化ってのは細胞分裂のコピーミスからくる現象なんだ。
がんになるのも、そのコピーミスが突然変異を起こすのが問題。
だからコイツは、細胞分裂時にコピー元とコピー後の遺伝子誤差が出た場合コピー後を駆除するように出来てる。
まぁある程度の許容誤差を設定してるから緩やかに老化はするんだがな」
「なら100歳って…あー死刑か?あまりに関係ないから忘れてた。」
この都市は100歳を超えると死刑か国外退去かを選ぶことになる。
都市の人数は限られているし、長生きする事で出生人数が多く取れなくる…実質寿命が無いヒトが大量にいたら世代交代も出来ない。
なので出生人数も1年間に2000人前後に設定されていて ほぼ強制だ。
「つか何で国外退去しない?死刑内容は?絞首刑?薬殺?射殺?」
「いきなり物騒だな…オレらは『ザナドゥ』って呼んでいるんだが…。」
「桃源郷?」
「そ、脳を電子化して仮想世界を1から自分で世界を創造して そこに住むんだ…。
まさに神様だな。
そこで何千年でも何万年でも過ごして好きなだけ遊んだらシミュレーション終了…死ぬか電子化して国外退去か選べる。
まぁそのまま ザナドゥに行かんで、そのまま国外退去でも良いんだが…。」
「加速倍率は?等倍な訳ないだろ」
「1億倍位かな…1秒で3.2年、2000年で625秒だから10分くらい?
まぁそんな処理能力を1個人に与えられる訳ないんで、エレクトロンの神様のエクスマキナに任せてる。」
「確か自己学習、自己改造型のサーバーだっけか?」
「そ、後100年行かない位で宇宙の解析が終わって悟《さと》りを開くって言われてる。
機械の神様だな。」
『デウス・エクス・マキナ』…。
エレクトロンが作った人工的な機械の神様で、ご利益は『新技術の開発』だったか…?
何もしないで ただ傍観《ぼうかん》しているだけの神様より断然信頼できる為、エレクトロンは もちろん人の中でも かなりの信者がいるとか…。
「で、どうする?葬式にでは出るか?嫌なら別に構ないんだが」
「ん…」
店長とは初対面だ。
気の合う人だとは思うのだが、あった時間があまりにも少ない。
正直断るべきかと思ったが、ここでの死生観を知りたいと言うのもある。
「よし、出席しよう。ここの葬式にも興味があるしな」
人はいつか死ぬ。
そして遺体を処分する葬式は、土地の文化が色濃く反映されると聞く。
相手の文化を知らずに自分ルールを押し通せば、相手の憎悪値を稼ぎ、必ず不利益になる。
相手と自分の文化、思想を考えつつ交渉をし妥協ラインを構築するのがベストなんだ。
ニューアキバに入るゲートにはアーチ形の『ようこそνアキバへ』の看板があり、それを2機のDLが支えている。
DL 2機はフィュギアの台座の様な物で固定され倒れないようになっている。
固定されている理由はDLは無人だと自立する事が出来ないからだ。
機種名は…DLS02疾風。
トニー王国が開発した二足歩行ロボットで、大きさは4.5m…。
第二次世界大戦の終盤、主にドイツとアメリカと戦った機体だ。
左側のDLは赤・黄・青のトリコロールカラーの機体で頭にあるV型アンテナが特徴…。
右側は赤い機体で角上のブレードアンテナがあり、肩にスパイクシールドが装備されている…が、パーツの問題か単眼カメラではなく、2つの複眼カメラになっている。
2機共に某有名ロボットアニメの思い出す外見ではあるものの、DLがコスプレしたみたいになっている。
2人が進んでいくとお目当ての店にたどり着く。
店は12階建てビルの1階にあり、2階の壁面には ここでは使われていない電車の模型店で緑色の高架風の塗装が施されており、1階にある電気街はスペース効率を無視したレトロ感のある昔の電気屋を思わせるそんな光景になっている。
「高架下《こうかした》の電気屋ってまだ残っていたんだ」
「アングラな電気屋は高架下に作るんじゃなかったか?」
「だったらコンベア…動脈下にすればいいのに」
「あそこの下は大通りだからな…流石に都市設計に違反してまで店は立てられない」
「おおトヨカズじゃないか?よく来たな」
スライドドアが開き中に入ると店の店長がトヨカズを見て真っ先に声をかけてきた…どうやら顔見知りらしい。
「よっおっちゃん頼んでた1エクサの3DQNCPU入ってる?」
「あいよ、ちょい待ち…ほら最後の1個だ。
需要が少なくて次の入荷が未定だってよ」
「あんがと やっぱ買う人がいないと単価が高くなるか。」
「ほとんど特注に近いからな…。
コレだって最近CPUの入れ替えをしている『ケインズシステム』用のスパコンのものだからな」
トヨカズが、キャッシャーに手を当て支払いを行う。
「PCのパーツって言ったら一番売れる商品だってのに 何で作ってないんです?」
不思議がってナオが聞いてみる。
「えーとコイツは?」
「あーナオ、オレの友達で2020年の人でハイブリット試験義体を使ってる。」
「ほう…遂に ここでも出来るようになったか。
あー機械ならばらして構造解析出来るんだろうがな」
店長がこっちをじっくり見ている。
「えーと」
「あーすまん売れない理由だったな。
2020年なら馴染みが無いかもしれないが、無線通信の性能向上によって大容量のデータを送れるようになってから、国の管理しているスパコンでデバイスの処理を肩代わりして入力と出力だけをデータ送信する技術が確立されたんだ。」
「5Gのリモートデスクトップ?」
「今は7Gだがね…で、そうすると個人で高性能なデバイスを持つことが無くなるんだ。
何せスパコンから出力するんだ。
常に最適で欲しい分だけ処理を得られるし、スパコン側も常に高処理してないとワット辺りのデータ処理効率が落ちるから一括処理する事で無駄な処理や電力を無くしたんだ。
で、コイツはそれに真っ向から反対している訳なんだな…。」
店長はトヨカズに指を差し言う。
「悪かったね、オレは割と非合法な事もやってるから都市のスパコンを使ったら一発で発覚する。
少なくとも公共用のデバイスにデータを持ち込めねーんだ。」
「じゃあ、そっちの兄ちゃん…ナオとか言ったな アンタは何か必要か?」
「そうだな…」
こっちに来てから腰が寂しくて免許は取ったんだけど…入手方法が分からなくて、後回しにしていたやつがあったな。
「電子機器では無いんですけど、リボルバーってあります?」
「こっちは、古い銃が好きなのか?
製作用のアプリはあるから作れるが…そうなるとカスタムか?」
「どこまで出来ます?」
「余程の事が無ければ、設計データ自体は すぐに作れる…。
だが、肝心の銃を作る用の3Dプリンターがウチには無ぇ。
加工のほうは、専門家を紹介してやるからそっちに行け…で仕様は?」
「45口径6発標準シリンダーで、リロード方式がシリンダー交換式…バレル下に赤のレーザーサイトでセンサーは、トリガー方式…。」
ナオがスラスラと仕様を告げる。
「なんだ…ゲテモノかと思ったが 割と堅実じゃないか?」
店長がウィンドウを出し銃を作っていく…。
「昔のオレの銃だ…。
腰に銃を下げていないと落ち着かなくてね」
銃を評価されたのが嬉しかったのかナオの口調がいつも通りになる。
「2020年でもオートマが主流だろうに…何でまた?」
「ジャムらないし、現場に持ち込みがし易い。
通常弾だったらどこでも入手できるし、遊びが大きいから弾の自作も出来る。
弾数には問題があるが6発で片付かない敵にはそもそも使わない」
ナオがオタク特融の若干早口で理由を言ってく…。
「しかも技術レベルの差が大きいこの世界で、どこでも弾が入手出来るとなると9パラか45口径だろ…。
それにオレは、銃の扱いがヘタだから取り出して速射出来るほうがいい…。
レーザーポインターならろくに構えなくても狙えるしな」
「確かに護身用だったら それで十分か…ほら出来たぞ」
店長がウィンドウをポンと叩くと、手に銃が現れた。
設計データを元に作られたARの銃だ。
店長に渡されグリップ面はプレートの先端を交互に重ねて積み重ねた構造になっていて間にスキマが見える。
ナオが握ると、握力で重なっていたプレートがずれていき、ナオの手の形に合わせて変形する。
「おお」
前のリボルバーは自分の手に合わせてプラスチック樹脂をグリップに被せる事で馴染ませたが、今はそれ以上に手に馴染む。
「積層プレート型グリップだ…グリップにマガジンを入れるオートには出来ない機構なんだが、リボルバーには必須の機構だ…何せ衝撃吸収用の素材も使われるからな。
後は適当にカバーを付けて…」
店長はリアルタイムで、銃を更新しカバーを取り付ける…。
ナオの手にあるリボルバーが少し大きくなったが、それを織り込み 握りこむとまたしっくり手に合うようになる。
「どうだ?」
ナオは構えトリガーに指をかける…指をかけた事に反応してレーザーサイトがONになり銃の正面に赤い点を表示させる。
「良い銃だ…で、設計料はいくらだ?」
「1万でいい、どうせ作るのに2万はかかるからな…」
ナオはキャッシャーの読み取り口に手をかざす。
商品名と金額、その下は生活保障金か通常預金かが選べて、ナオは生活保障金を選択…更に今の口座残高と購入後の残高が記載されその下には『購入しますか?Y/N』が表示され、ナオはYを押し、画面に『ありがとうございました』が出る。
「そんじゃおっちゃんまた…いや…こないな。
次に会うのは葬式でだな」
「あーちゃんと来てくれるのか」
「まぁ世話になってるしな 誕生会の参加は無理だけど」
「それじゃ1週間後にまた」
「おう」
ん?…葬式?
あの後、紹介してもらった店に行き、店の厳つい店員がハンドガンの免許を見せろと言うので、ナオはウィンドウを出し、ARの電子免許を見せた。
その後は驚く程すんなり話は進み、データを読み込んで材料を入れて後は3Dプリンターにお任せだ。
30分程でパーツが出来上がり、仮組みは完成。
最後はホルスターから素早く抜き構える動作の『抜き撃ち』を見て細かな調整をかける。
最初から最後まで1時間も掛からず、値段は店長の言ってた通り2万トニーだった。
そして弾は、警察署の中の売店で売っている。
弾自体は1発100トニーと大量生産出来る需要が無いと考えれば それなりに安いのだが、ここでしか売ってなく弾の書類もここで書く…。
だが、銃の登録をしていてないと弾が買えないと分かった為、別の部署で銃の登録を済ませ、戻って弾の購入…。
非殺傷弾6発、殺傷弾6発、特殊弾の発信機弾、蛍光塗料弾がそれぞれ3発ずつ…そして標準シリンダーを3本買い、警察署内で弾に着色を行い、非殺傷3発、殺傷3発、のシリンダーを2本作り、もう1本には、特殊弾を入れる。
そしてホルスターの隣にあるシリンダーボックスに特殊弾シリンダーと通常シリンダーを入れ、もう1つのシリンダーは装填する。
シリンダーラッチを操作してロックを外しながら銃を横に振り、シリンダーパイプが露出する…。
そして下からシリンダーを入れ、押さえつけながらシリンダーを戻してロックする。
結局、警察署を出た頃には夕方になっていた。
ローラーコンベアのパレットに座り、二人は寮に戻る…。
ナオは気になっていた事を聞いてみた。
「さっき葬式とか言っていたが 誰の葬式なんだ?」
そもそも来週に葬式があるっておかしくないか?死ぬ予定があるって事だろう?
「あ?おやっさんだけど」
「いやいやだから何で死ぬ予定になってるの?」
「??」
トヨカズは時代の差から会話が食い違いが発生している事が分かって少し考え、ARウィンドウを表示させ何かしら検索をかけていた。
「あーそういう事か」
「おやっさんってあれでも99歳なんだあと1週間で100歳」
「え?」
ナオが見た限りあの店長は精々が中年40~50位だと思っていたがまさか100歳になるとは?
「あの人サイボーグ?」
「いや完全に生身だ。
おやっさんは宇宙で作業してたからな」
「それは相対性理論の時間の遅れで実際40なのに戸籍上100歳とか?」
「んいや原因はNK細胞のマイクロマシンだ」
「ナチュラルキラー細胞だっけ?がん細胞を殺してくれるやつ」
「そう、老化ってのは細胞分裂のコピーミスからくる現象なんだ。
がんになるのも、そのコピーミスが突然変異を起こすのが問題。
だからコイツは、細胞分裂時にコピー元とコピー後の遺伝子誤差が出た場合コピー後を駆除するように出来てる。
まぁある程度の許容誤差を設定してるから緩やかに老化はするんだがな」
「なら100歳って…あー死刑か?あまりに関係ないから忘れてた。」
この都市は100歳を超えると死刑か国外退去かを選ぶことになる。
都市の人数は限られているし、長生きする事で出生人数が多く取れなくる…実質寿命が無いヒトが大量にいたら世代交代も出来ない。
なので出生人数も1年間に2000人前後に設定されていて ほぼ強制だ。
「つか何で国外退去しない?死刑内容は?絞首刑?薬殺?射殺?」
「いきなり物騒だな…オレらは『ザナドゥ』って呼んでいるんだが…。」
「桃源郷?」
「そ、脳を電子化して仮想世界を1から自分で世界を創造して そこに住むんだ…。
まさに神様だな。
そこで何千年でも何万年でも過ごして好きなだけ遊んだらシミュレーション終了…死ぬか電子化して国外退去か選べる。
まぁそのまま ザナドゥに行かんで、そのまま国外退去でも良いんだが…。」
「加速倍率は?等倍な訳ないだろ」
「1億倍位かな…1秒で3.2年、2000年で625秒だから10分くらい?
まぁそんな処理能力を1個人に与えられる訳ないんで、エレクトロンの神様のエクスマキナに任せてる。」
「確か自己学習、自己改造型のサーバーだっけか?」
「そ、後100年行かない位で宇宙の解析が終わって悟《さと》りを開くって言われてる。
機械の神様だな。」
『デウス・エクス・マキナ』…。
エレクトロンが作った人工的な機械の神様で、ご利益は『新技術の開発』だったか…?
何もしないで ただ傍観《ぼうかん》しているだけの神様より断然信頼できる為、エレクトロンは もちろん人の中でも かなりの信者がいるとか…。
「で、どうする?葬式にでは出るか?嫌なら別に構ないんだが」
「ん…」
店長とは初対面だ。
気の合う人だとは思うのだが、あった時間があまりにも少ない。
正直断るべきかと思ったが、ここでの死生観を知りたいと言うのもある。
「よし、出席しよう。ここの葬式にも興味があるしな」
人はいつか死ぬ。
そして遺体を処分する葬式は、土地の文化が色濃く反映されると聞く。
相手の文化を知らずに自分ルールを押し通せば、相手の憎悪値を稼ぎ、必ず不利益になる。
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旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】
リコピン
ファンタジー
前世の兄と共に異世界転生したセリナ。子どもの頃に親を失い、兄のシオンと二人で生きていくため、セリナは男装し「セリ」と名乗るように。それから十年、セリとシオンは、仲間を集め冒険者パーティを組んでいた。
これは、異世界転生した女の子がお仕事頑張ったり、恋をして性別カミングアウトのタイミングにモダモダしたりしながら過ごす、ありふれた毎日のお話。
※日常ほのぼの?系のお話を目指しています。
※同性愛表現があります。
案山子の帝王
柚緒駆
SF
神魔大戦から百年。世界は『Dの民』が支配していた。そこにある日現われる、謎の存在。エリア・エージャンをパニックに陥れ、オリンポス財閥総合本社ビル『グレート・オリンポス』に迫る。迎え撃つのはジュピトル・ジュピトリス、しかし想像を超える敵に追い詰められたとき、彼が現われる。
「俺の名前は3J。デルファイの3J」
デルファイの『五人目の魔人』であり『案山子の帝王』と呼ばれる彼が現われたのは何故か。彼の目的は何か。謎が謎を呼び、世界は混沌に叩き込まれる。
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