⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)

22 (花売り少女のラッダイト)

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 舞台は産業革命前…。 
 序盤の主人公である女性は糸車を動かし、糸を作って売る…何処《どこ》にでもいる労働者だった。
 女性は、この糸がいつか良質な服に代わる事を想像し、それに自分の糸が使われるのを誇りに思っていた。
 だが娘が生まれ、父親が戦場に行き 服の需要が増すにつれて、彼女は糸をつむぐ工場に勤めることになる。
 そして時代は産業革命、ジェニー紡績機《ぼうせきき》が増えるにつれて大量のつむぎ師が解雇され、機械を修理するメンテナンススタッフに置き換わった。
 1度に大量の糸を生産出来るようになった事で、金食い虫である人件費を削られたんだ。
 そのおかげで、企業の業績はうなぎのぼりだが、その陰には大量の失業者がいた。
 日々日々、食べるものにも困る状態で、夫とは音信不通…。
 彼女はこれからどうなるかを知って娘を教会に預け、彼女は街路地に向かって歩き出し彼女の話が終わる…。

 そして数年後、修道女となった娘が新たな主人公となり、物語は進む。
 戦争で、食料不足になり庭で食べ物を育てる風景…。
 夜に自分より年上の上級生が立ち入り禁止の塔に向かう光景…。
 そして少女は好奇心から立ち入り禁止の部屋を覗いてしまう。
 そこにいたのは、胸が幾分《いくぶん》膨らみ、くびれが出来始めた上級生の裸と 裸の男で、金持ちなだった。
 上級生と身体を重ね、白い液体を注ぎ込み、気に入った子供を驚くほど安い金額で買い養女にする里親…。
 見ていた事がシスターにばれて、男を知った少女…。
 売って得た金の大半が教会に寄付され、手元に渡されるのはちっぽけな硬貨だけ。
 それでも、教会の運営の為、親から捨てられた子供を助ける為と、少女は稼ぎ続けた。
 ただその生活も長くは続かなかった。
 今までの客は性的目的があっても名目上、里親候補…少女を可愛がったりするが傷つける事はしない。
 DV里親は、真っ先に排除される項目だが、金に目がくらんだシスターの意図的なチェック漏れによって、少女はDV男の相手をする事になってしまった。
 おそらくシスターもこんな事になるとは思ってなかっただろう…。
 その夜 DV里親は、少女の部屋にあった『行為が終わった後に身体を洗う為の水瓶』で頭をカチ割られ死亡する。
 翌日の朝、シスターに客も取れない程ボコボコにされた少女は教会から放り出され、スラム街にたどり着いた…。
 そして、少女は全く何も知らない状態から恐ろしい速度で適用し始める…。
 勉強する機会がなかっただけで、実は彼女は頭が良いのだ。
 彼女のスラム街の生活はまず『うんこ争奪戦』から始まる。
 当時、馬糞、人糞、犬の糞は…肥料として売る事が出来、金になるので スラム街の住人は血眼になって探すのだ。
 更にスラム街で糞が多い所はそれぞれ縄張りがあり、それを犯せば死体にされ、バラバラにされて肥料として売られる…。
 最も少女は、拾ったナイフ1つで比較的弱い縄張りに攻め込み、大人を皆殺しにしてその縄張りを制圧。
 死体は近くのテムズ川まで引きずられて捨てられ、腹の減った人の食料になった。
 テムズ川では、通称『どぶさらい』と言われる仕事がある。
 当時のテムズ川は ゴミ捨て場で川底からまだ使えそうな物を拾い、売りさばいたり、溺死体があれば身に着けている持ち物はすべて貰い売る事が出来、遺体の発見で謝礼を貰う事も出来る。
 そして、溺れていたので助けようとしたと主張すれば、追加で報酬を貰えたりもする。
 もっとも人を溺死体にする仕事も出始めたのだが…。
 そんな生活を続け彼女と呼べるまで大きくなった少女だったが、殺しの才能は開花したものの学は無かった。
 『うんこ縄張り』をエサに子供達をかき集め、糞を回収させてその半額を貰う。
 情報と言うものに価値があると気づき子供達のネットワークを作ったのも彼女だ…。
 その情報を警察に売って…または、その対抗組織に情報を売り、利益にする。
 そして、経営者になった彼女は、当時の貿易用の服の製造会社を指揮していた軍人の情報網に引っ掛った。
 彼は、彼女に『軍人の養子』と言う立場を与え、血と汚物にまみれて手に入れた、継ぎ接ぎだらけのボロ服は、それなりに綺麗な1回目の服になった。
 服と言うものには、大量の人材と金がかかる…。
 紡績機《ぼうせきき》があり生産性が向上したと言っても需要がそれに勝り、服の値段は どんどん上ってゆく。
 よってスラム出身の人が使う服は、新品をギリギリまで使い売られ、中古品として売られ そこでも磨り潰す程使われ、また売られ…そう何度か持ち主を渡り、継ぎ接ぎだらけの服の形をした布を使うのだ…。
 ちなみにこの服はパン1個程度の値段で売れ、ボロ布として山単位で商人に売られる事になるものだ。
 彼女は営業もあり、3古品のギリギリの見た目の服を着ていたのだが、新品の服を着るのは初めてで、着ているだけで追剥ぎに殺されるリスクが上昇するが、それに見合うだけの信用も得られる。
 そして彼女は学んだ…。
 文字を覚え、計算を覚え、服の作り方、紡績機《ぼうせきき》の知識、そして経済と…。
 今まで死にかけて集めてきた情報より金になる情報がタダ同然で手に入る。
 これが、身分と服の効果だ。
 そして彼女は行きついた…労働問題に。
 労働者の賃金を上げれば、その労働者が客になり物を買う…。
 買ってもらう商品は自分の企業では無いかもしれないが、国全体から見れば、消費が上がり需要が増える。
 そうなれば、また物を作り、物を買って貰い…と好循環になる。
 それに気づいた…ケインズ経済学の基礎だ。
 だが、現実は真逆で労働者の単価はどんどん下がり、企業収益は上がるばかりだ。
 これでは、間接的な客である従業員が金を使わなくなるだろう。
 まぁ実際は外国が客であり、国民が客にならないから出来た事だ。
 父にそれを聞いても上からの指示としか言わず、その上はその上の指示だといい、その上はと永遠の伝言ゲームを通じ、命令を出しているのは全く経済知識のない現場を知らない人だった。
 そこからは父と協力し、上に掛け合い 理解させ、その上に掛け合うと言った無駄な作業を延々とこなし、当時の法や役員との交渉。
 雇用問題から、片っ端から機械を壊していく『ラッダイト運動』…。
 それに伴《ともな》う現場の交渉…。
 彼女生涯しょうがいの成果として、最低所得者の給与水準が2倍に上がった事や、それに伴《ともな》経済効果…スラム街の縮小。
 彼女と死ぬまで、隠し続けていたの父との成果は、のちの労働組合の発展に繋がり、最後は彼女と父そして紡績機《ぼうせきき》との白黒写真を撮るシーンで映画が終わる。
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