⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

文字の大きさ
22 / 207
ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)

22 (花売り少女のラッダイト)

しおりを挟む
 舞台は産業革命前…。 
 序盤の主人公である女性は糸車を動かし、糸を作って売る…何処《どこ》にでもいる労働者だった。
 女性は、この糸がいつか良質な服に代わる事を想像し、それに自分の糸が使われるのを誇りに思っていた。
 だが娘が生まれ、父親が戦場に行き 服の需要が増すにつれて、彼女は糸をつむぐ工場に勤めることになる。
 そして時代は産業革命、ジェニー紡績機《ぼうせきき》が増えるにつれて大量のつむぎ師が解雇され、機械を修理するメンテナンススタッフに置き換わった。
 1度に大量の糸を生産出来るようになった事で、金食い虫である人件費を削られたんだ。
 そのおかげで、企業の業績はうなぎのぼりだが、その陰には大量の失業者がいた。
 日々日々、食べるものにも困る状態で、夫とは音信不通…。
 彼女はこれからどうなるかを知って娘を教会に預け、彼女は街路地に向かって歩き出し彼女の話が終わる…。

 そして数年後、修道女となった娘が新たな主人公となり、物語は進む。
 戦争で、食料不足になり庭で食べ物を育てる風景…。
 夜に自分より年上の上級生が立ち入り禁止の塔に向かう光景…。
 そして少女は好奇心から立ち入り禁止の部屋を覗いてしまう。
 そこにいたのは、胸が幾分《いくぶん》膨らみ、くびれが出来始めた上級生の裸と 裸の男で、金持ちなだった。
 上級生と身体を重ね、白い液体を注ぎ込み、気に入った子供を驚くほど安い金額で買い養女にする里親…。
 見ていた事がシスターにばれて、男を知った少女…。
 売って得た金の大半が教会に寄付され、手元に渡されるのはちっぽけな硬貨だけ。
 それでも、教会の運営の為、親から捨てられた子供を助ける為と、少女は稼ぎ続けた。
 ただその生活も長くは続かなかった。
 今までの客は性的目的があっても名目上、里親候補…少女を可愛がったりするが傷つける事はしない。
 DV里親は、真っ先に排除される項目だが、金に目がくらんだシスターの意図的なチェック漏れによって、少女はDV男の相手をする事になってしまった。
 おそらくシスターもこんな事になるとは思ってなかっただろう…。
 その夜 DV里親は、少女の部屋にあった『行為が終わった後に身体を洗う為の水瓶』で頭をカチ割られ死亡する。
 翌日の朝、シスターに客も取れない程ボコボコにされた少女は教会から放り出され、スラム街にたどり着いた…。
 そして、少女は全く何も知らない状態から恐ろしい速度で適用し始める…。
 勉強する機会がなかっただけで、実は彼女は頭が良いのだ。
 彼女のスラム街の生活はまず『うんこ争奪戦』から始まる。
 当時、馬糞、人糞、犬の糞は…肥料として売る事が出来、金になるので スラム街の住人は血眼になって探すのだ。
 更にスラム街で糞が多い所はそれぞれ縄張りがあり、それを犯せば死体にされ、バラバラにされて肥料として売られる…。
 最も少女は、拾ったナイフ1つで比較的弱い縄張りに攻め込み、大人を皆殺しにしてその縄張りを制圧。
 死体は近くのテムズ川まで引きずられて捨てられ、腹の減った人の食料になった。
 テムズ川では、通称『どぶさらい』と言われる仕事がある。
 当時のテムズ川は ゴミ捨て場で川底からまだ使えそうな物を拾い、売りさばいたり、溺死体があれば身に着けている持ち物はすべて貰い売る事が出来、遺体の発見で謝礼を貰う事も出来る。
 そして、溺れていたので助けようとしたと主張すれば、追加で報酬を貰えたりもする。
 もっとも人を溺死体にする仕事も出始めたのだが…。
 そんな生活を続け彼女と呼べるまで大きくなった少女だったが、殺しの才能は開花したものの学は無かった。
 『うんこ縄張り』をエサに子供達をかき集め、糞を回収させてその半額を貰う。
 情報と言うものに価値があると気づき子供達のネットワークを作ったのも彼女だ…。
 その情報を警察に売って…または、その対抗組織に情報を売り、利益にする。
 そして、経営者になった彼女は、当時の貿易用の服の製造会社を指揮していた軍人の情報網に引っ掛った。
 彼は、彼女に『軍人の養子』と言う立場を与え、血と汚物にまみれて手に入れた、継ぎ接ぎだらけのボロ服は、それなりに綺麗な1回目の服になった。
 服と言うものには、大量の人材と金がかかる…。
 紡績機《ぼうせきき》があり生産性が向上したと言っても需要がそれに勝り、服の値段は どんどん上ってゆく。
 よってスラム出身の人が使う服は、新品をギリギリまで使い売られ、中古品として売られ そこでも磨り潰す程使われ、また売られ…そう何度か持ち主を渡り、継ぎ接ぎだらけの服の形をした布を使うのだ…。
 ちなみにこの服はパン1個程度の値段で売れ、ボロ布として山単位で商人に売られる事になるものだ。
 彼女は営業もあり、3古品のギリギリの見た目の服を着ていたのだが、新品の服を着るのは初めてで、着ているだけで追剥ぎに殺されるリスクが上昇するが、それに見合うだけの信用も得られる。
 そして彼女は学んだ…。
 文字を覚え、計算を覚え、服の作り方、紡績機《ぼうせきき》の知識、そして経済と…。
 今まで死にかけて集めてきた情報より金になる情報がタダ同然で手に入る。
 これが、身分と服の効果だ。
 そして彼女は行きついた…労働問題に。
 労働者の賃金を上げれば、その労働者が客になり物を買う…。
 買ってもらう商品は自分の企業では無いかもしれないが、国全体から見れば、消費が上がり需要が増える。
 そうなれば、また物を作り、物を買って貰い…と好循環になる。
 それに気づいた…ケインズ経済学の基礎だ。
 だが、現実は真逆で労働者の単価はどんどん下がり、企業収益は上がるばかりだ。
 これでは、間接的な客である従業員が金を使わなくなるだろう。
 まぁ実際は外国が客であり、国民が客にならないから出来た事だ。
 父にそれを聞いても上からの指示としか言わず、その上はその上の指示だといい、その上はと永遠の伝言ゲームを通じ、命令を出しているのは全く経済知識のない現場を知らない人だった。
 そこからは父と協力し、上に掛け合い 理解させ、その上に掛け合うと言った無駄な作業を延々とこなし、当時の法や役員との交渉。
 雇用問題から、片っ端から機械を壊していく『ラッダイト運動』…。
 それに伴《ともな》う現場の交渉…。
 彼女生涯しょうがいの成果として、最低所得者の給与水準が2倍に上がった事や、それに伴《ともな》経済効果…スラム街の縮小。
 彼女と死ぬまで、隠し続けていたの父との成果は、のちの労働組合の発展に繋がり、最後は彼女と父そして紡績機《ぼうせきき》との白黒写真を撮るシーンで映画が終わる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ダンジョンマスターはフェンリルくんとのスローライフをご希望です

ゆるり
ファンタジー
リュウセイは死んだと思った次の瞬間、神と名乗る人物に究極の選択を迫られ、ダンジョンマスターとして転生することになった。 ダンジョンマスターは一体の特別な魔物を相棒とする。だが、それは自分の意志では選べないらしい。 もふもふ好きのリュウセイが、癒やしになる相棒が生まれることを望んだ結果——なんと強い魔物の代表格であるフェンリルが誕生した! リルと名付けたフェンリルに慕われることに喜びを感じ、リュウセイはこの幸せを保つために、ダンジョンを強くしていこうと決意したのだが—— 「え、リル、凄すぎるだろ……」 『マスターのためにがんばっただけだよー』 リュウセイががんばらなくても、仲間たちが強すぎるから問題ない!? だが、リルたちはほのぼのとした雰囲気で何気なく騒動を巻き起こし—— リルたちに振り回され、リュウセイは笑いに満ちた波乱万丈を楽しんでいく。 ——きっとこれもスローライフの一種になるはず! ……だよな? ****** 基本はダンジョンマスター視点。 時々フェンリルのリルくん視点で展開していきます。 リルくん視点はタイトルに『リルくん』を付けます。 カクヨム様で先行公開しております。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

超克の艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
「合衆国海軍ハ 六〇〇〇〇トン級戦艦ノ建造ヲ計画セリ」 米国駐在武官からもたらされた一報は帝国海軍に激震をもたらす。 新型戦艦の質的アドバンテージを失ったと判断した帝国海軍上層部はその設計を大幅に変更することを決意。 六四〇〇〇トンで建造されるはずだった「大和」は、しかしさらなる巨艦として誕生する。 だがしかし、米海軍の六〇〇〇〇トン級戦艦は誤報だったことが後に判明。 情報におけるミスが組織に致命的な結果をもたらすことを悟った帝国海軍はこれまでの態度を一変、貪欲に情報を収集・分析するようになる。 そして、その情報重視への転換は、帝国海軍の戦備ならびに戦術に大いなる変化をもたらす。

第1王子だった私は、弟に殺され、アンデットになってしまった

竹桜
ファンタジー
第1王子だった主人公は、王になりたい弟に後ろから刺され、死んでしまった。 だが、主人公は、アンデットになってしまったのだ。 主人公は、生きるために、ダンジョンを出ることを決心し、ダンジョンをクリアするために、下に向かって降りはじめた。 そして、ダンジョンをクリアした主人公は、突然意識を失った。 次に気がつくと、伝説の魔物、シャドーナイトになっていたのだ。 これは、アンデットになってしまった主人公が、人間では無い者達と幸せになる物語。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

陽あたりのいいパティオ 〜ももとさくらは人類最強です〜

あかぎ さわと
ファンタジー
神馬一族の末裔神馬もも(小学四年)とさくら(幼稚園年長組)は、ある特殊な能力を持っていた。それはももが念じると物や人を瞬間移動させる事ができるのと、さくらは念じると物を弾け飛ばす事ができるというものだ。 なぜなら、神馬一族は太古の昔から町を見守って人の進化を促し、悪意からこの土地を護ってきた、産土神「鬼王様」に託され、この土地を護るべく霊力を授けられた一族だからだ。 代々の末裔たちはそれぞれこうした霊力を持ち合わせて生まれていた。 そんな神馬一族が見守るこの町に、盗っ人団が入り込む。狙いは鬼王神社に祀られている宝玉だ。ももとさくらは、霊力を使って盗っ人団を追い払い、宝玉を守るが、盗っ人団は諦めず今度はさくらとももを誘拐して身代金を取ろうと画策する。 なぜなら神馬一族はこの町一体の地主で祖父の神馬権三は町長であり、昔で言えばお殿様みたいな存在であり、かつ、大金持ちだとわかったからだ。 また、神馬家は中道商店街のパティオと呼ばれる所に住んでおり、この場所は権三が知恵を絞って、天災や人災から町を守るべく建設した要塞なので、ももとさくらはそこに備えられている仕掛けと、特殊能力を使って盗っ人団との決戦の時を迎える。 町と子どもたちが主役の物語です。

処理中です...