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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)
03 (労働の価値観)
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ナオ達が住んでいる寮の他に30棟の寮がある区画を『学生団地』と呼ぶ。
主に隣の区画にある学校に行く学生が住んでいる場所で、ここにある店は学生がバイトをしている所が多い…。
オレ達の寮の1階には大浴場にスーパーマーケット、カラオケにビリヤードが収まっていて、他の棟も1階は何かしらの店になっており、定期的に物資が必要な販売店は都市中を通る物流コンベアの『動脈』に接続される都合上、動脈の近くになる。
さて、オレ達が向かうのは 日本の牛丼屋やラーメン屋などのファストフードがある棟だ。
旧時代に梅の家が潰れ、当時の愛好家がレシピをネットにアップし、この時代で復活させた店だ。
ちなみに隣のラーメン屋は目高屋になる。
分厚いスライドドアと開け、ナオ達は店内に入る…。
店内にはカウンター席の12席と4人が座れる団体席が2席あり、カウンター席にトヨカズ、レナ、ロウ、カズナの『食べられるチーム』…。
団体席にはナオ、クオリア、ジガ、ハルミの『食べれないチーム』に分かれる…。
「カズナちゃん いらっしゃい…もうすっかり常連ですね…。」
店のドラムが カズナに話しかける。
「ここの おいしいから」
カズナはそう言うと背中に背負っている電動キックボードを下す…。
どうやらドラムが常連客認定する程の頻度で来ているらしい…。
オレは ARで表示されたメニューが見る。
トニー王国に移る前に日本で食べた梅の家のメニューは、牛丼、肉定食、ハンバーグ、カレーがメインで、後は季節ものの期間限定メニューがあった…。
今では、そのメニューに新たに揚げ物が追加され、カツや唐揚げが追加されている。
ARのメニューはラミネート加工された紙のメニューと変わらないが、商品をタッチすると横にキャッシャーが現れる。
ナオは手を乗せて Yボタンを押し、支払いを済ます。
料理は10秒で出され、ナオの目の前に召喚される。
もちろんオレ達『食べられないチーム』はARだ。
オレは、牛丼大盛つゆだくと生卵。
クオリアはハンバーグセットで、ジガはカルビ焼肉セットでハルミはカレー。
ARのピッチャーでコップに水を注ぐ。
「お先にどうぞ…。」
カウンター席のトヨカズが言う。
当然ながら現実で料理を出す方が遅くなる…。
「「それじゃあ頂きます…。」」
団体席組はそれぞれ食べ始める。
「それにしても良かったのか?
もっと高い所でも良かったのに…。」
「うん、ここがいい」
市販の量産品には無い味を楽しめるのが 外食店の魅力だが、ここは 500トニー前後で食べられるC級グルメの中では最上級の味を出している。
その味の美味さ故《ゆえ》に砦学園都市の政府から『B級グルメに格上げして値段を1000トニーまで上げろ』と言われた位だ。
だが、労働者のソウルフードたる牛丼をB級に上げる事を経営側は拒否し続け、その後 都市側から『無理やり価格を下げているのではないか?』と疑いを掛けられ、チェックされたりしたが…無事、労働基準をクリアし 正式にC級グルメとして認められた。
だからカズナがコスパの良いここを選ぶのは 大変賢い選択なのだが…。
父親としてはもっと…こう…欲望を持って欲しいなーと思う。
厨房ではドラムが驚くべき同時作業で料理を作る。
殆ど出来上がっていて最終調理だけとは言え、凄い。
オレが頼んだカツを揚げつつ、どんぶりにご飯を計量器無しで正確によそう。
よそい終わった所で電子レンジでの解凍が終わり、すぐに牛丼の具を出す。
これをご飯に盛り、特性のたれを かけて出来上がりだ。
「おまたせしました。」
カズナとレナ、ロウに牛丼が出される。
「ありがとう」
「ごゆっくり」
さてドラムがカツを揚げ、皿に乗せキャベツを盛り付ける。
サラダに味噌汁とサイドメニューも乗せ、トヨカズに出される。
「相変わらず、早いね…」
「この道100年の職人ですから…。」
ドラムが軽く礼をして下がる。
「ワンオペ、かわいそう…。」
カズナがスタッフルームに戻るドラムを見て言う。
「可哀想か…でもドラムにとって労働は趣味だからな…」
「しゅみ?」
カズナが首をかしげる。
「そう、カズナも遊べないとツライだろ…。
ドラムにとって働く事は遊ぶ事と同じなんだ。
だから仕事を取り上げたらドラムに怒られるぞぉ…。」
この都市ではそう言った問題も解決しているが、捨てられた『スレイブロイドファクトリー』のドラムが ピースクラフトで働く為に今回のワーム戦に参加して、ドラムの労働規制を緩和する運びにさせた。
ドラムは労働に対して貪欲で、こう言った策略めいた事もする。
なら労働をすべてドラムに任せれば良いかと言うと、それでは ただ介護されるだけの人になってしまい、それは人類の文明の崩壊を意味する。
結局の所…バランスなんだ…。
「また きたら、よろこぶ?」
「多分な…。」
「ごっさんでした。
おいしかったです。」
「また食べに来て下さい。」
カズナはドラムに軽く頭を下げて スライドドアを開けて外に出た…。
時刻は夜の8時で辺りは薄暗く…天井の壁紙ディスプレイが、綺麗な星空が映しだしている…。
「それじゃあ…私 りょうに もどる…。」
「ああ、気を付けて帰れよ。」
トヨカズはカズナの頭を撫でる。
「ナヴィがいるから、だいじょうぶ…。」
カズナは背中に担いでいる電動キックボードを降ろして乗り、危なげも無く、キックボードを低速で走らせる。
そして空中に丸く光る妖精が現れて カズナの肩に座り、カズナに無言で話しかけていた。
主に隣の区画にある学校に行く学生が住んでいる場所で、ここにある店は学生がバイトをしている所が多い…。
オレ達の寮の1階には大浴場にスーパーマーケット、カラオケにビリヤードが収まっていて、他の棟も1階は何かしらの店になっており、定期的に物資が必要な販売店は都市中を通る物流コンベアの『動脈』に接続される都合上、動脈の近くになる。
さて、オレ達が向かうのは 日本の牛丼屋やラーメン屋などのファストフードがある棟だ。
旧時代に梅の家が潰れ、当時の愛好家がレシピをネットにアップし、この時代で復活させた店だ。
ちなみに隣のラーメン屋は目高屋になる。
分厚いスライドドアと開け、ナオ達は店内に入る…。
店内にはカウンター席の12席と4人が座れる団体席が2席あり、カウンター席にトヨカズ、レナ、ロウ、カズナの『食べられるチーム』…。
団体席にはナオ、クオリア、ジガ、ハルミの『食べれないチーム』に分かれる…。
「カズナちゃん いらっしゃい…もうすっかり常連ですね…。」
店のドラムが カズナに話しかける。
「ここの おいしいから」
カズナはそう言うと背中に背負っている電動キックボードを下す…。
どうやらドラムが常連客認定する程の頻度で来ているらしい…。
オレは ARで表示されたメニューが見る。
トニー王国に移る前に日本で食べた梅の家のメニューは、牛丼、肉定食、ハンバーグ、カレーがメインで、後は季節ものの期間限定メニューがあった…。
今では、そのメニューに新たに揚げ物が追加され、カツや唐揚げが追加されている。
ARのメニューはラミネート加工された紙のメニューと変わらないが、商品をタッチすると横にキャッシャーが現れる。
ナオは手を乗せて Yボタンを押し、支払いを済ます。
料理は10秒で出され、ナオの目の前に召喚される。
もちろんオレ達『食べられないチーム』はARだ。
オレは、牛丼大盛つゆだくと生卵。
クオリアはハンバーグセットで、ジガはカルビ焼肉セットでハルミはカレー。
ARのピッチャーでコップに水を注ぐ。
「お先にどうぞ…。」
カウンター席のトヨカズが言う。
当然ながら現実で料理を出す方が遅くなる…。
「「それじゃあ頂きます…。」」
団体席組はそれぞれ食べ始める。
「それにしても良かったのか?
もっと高い所でも良かったのに…。」
「うん、ここがいい」
市販の量産品には無い味を楽しめるのが 外食店の魅力だが、ここは 500トニー前後で食べられるC級グルメの中では最上級の味を出している。
その味の美味さ故《ゆえ》に砦学園都市の政府から『B級グルメに格上げして値段を1000トニーまで上げろ』と言われた位だ。
だが、労働者のソウルフードたる牛丼をB級に上げる事を経営側は拒否し続け、その後 都市側から『無理やり価格を下げているのではないか?』と疑いを掛けられ、チェックされたりしたが…無事、労働基準をクリアし 正式にC級グルメとして認められた。
だからカズナがコスパの良いここを選ぶのは 大変賢い選択なのだが…。
父親としてはもっと…こう…欲望を持って欲しいなーと思う。
厨房ではドラムが驚くべき同時作業で料理を作る。
殆ど出来上がっていて最終調理だけとは言え、凄い。
オレが頼んだカツを揚げつつ、どんぶりにご飯を計量器無しで正確によそう。
よそい終わった所で電子レンジでの解凍が終わり、すぐに牛丼の具を出す。
これをご飯に盛り、特性のたれを かけて出来上がりだ。
「おまたせしました。」
カズナとレナ、ロウに牛丼が出される。
「ありがとう」
「ごゆっくり」
さてドラムがカツを揚げ、皿に乗せキャベツを盛り付ける。
サラダに味噌汁とサイドメニューも乗せ、トヨカズに出される。
「相変わらず、早いね…」
「この道100年の職人ですから…。」
ドラムが軽く礼をして下がる。
「ワンオペ、かわいそう…。」
カズナがスタッフルームに戻るドラムを見て言う。
「可哀想か…でもドラムにとって労働は趣味だからな…」
「しゅみ?」
カズナが首をかしげる。
「そう、カズナも遊べないとツライだろ…。
ドラムにとって働く事は遊ぶ事と同じなんだ。
だから仕事を取り上げたらドラムに怒られるぞぉ…。」
この都市ではそう言った問題も解決しているが、捨てられた『スレイブロイドファクトリー』のドラムが ピースクラフトで働く為に今回のワーム戦に参加して、ドラムの労働規制を緩和する運びにさせた。
ドラムは労働に対して貪欲で、こう言った策略めいた事もする。
なら労働をすべてドラムに任せれば良いかと言うと、それでは ただ介護されるだけの人になってしまい、それは人類の文明の崩壊を意味する。
結局の所…バランスなんだ…。
「また きたら、よろこぶ?」
「多分な…。」
「ごっさんでした。
おいしかったです。」
「また食べに来て下さい。」
カズナはドラムに軽く頭を下げて スライドドアを開けて外に出た…。
時刻は夜の8時で辺りは薄暗く…天井の壁紙ディスプレイが、綺麗な星空が映しだしている…。
「それじゃあ…私 りょうに もどる…。」
「ああ、気を付けて帰れよ。」
トヨカズはカズナの頭を撫でる。
「ナヴィがいるから、だいじょうぶ…。」
カズナは背中に担いでいる電動キックボードを降ろして乗り、危なげも無く、キックボードを低速で走らせる。
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