⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)

04 (第一印象が重要)

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「は~やっと終わった。」
 ジガは 造顔師の仕事を終え病院から帰り、新しく出来た自分の部屋を見る。
 隣の部屋の壁を取り払い、2部屋を使用するウチの部屋は棚にDVDのディスクケースと漫画があり、液晶ディスプレイと20世紀、21世紀の映画やアニメ、漫画が好きなウチらしい部屋だ…まぁ全部ARなんだけどな。
 そして この部屋に同居しているのはロウ…。
 ロウのベットは竹を組み合わせて出来たベットで かなり丈夫に出来ている。
 とは言え、竹なんて この都市で栽培している訳無いんで、疑似的に作った炭素繊維の特注の竹だ。
 ベットの横には 疑似竹のポールハンガーが有り、狼の毛皮の上着が かけられている。
 上着の名前は『ワイズ母さん』…集落の狩人が『少女が狼に襲われている』と思い彼女を守る為に竹のクロスボウで射殺された狼だ。
 ロウが暴れ、狩人に何人か死傷者が出るが 村人は全員無事で、事情を知った狩人の長老がロウを引き取り 育てた。
 その後、長老にワイズウルフと名付けられた母親狼の肉をロウと村人が食べて 自分の血肉と変え、毛皮は長老の嫁が服に加工してくれたらしい。
 これが 会ってから要領を得ないロウから聞き出した毛皮の物語エピソードだ。
 その毛皮は ロウをここに連れてきた時に着ていた物で 獣臭かった事もあり 薬品でにおいの元の油を落とし、洗濯機に放り込まれた。
 高速回転する『ワイズ母さん』をロウは何かの拷問にかけているのかと 洗濯機の窓を見つめながらウチとじっと待ち、洗濯が終わり綺麗になった毛皮をロウに渡すとロウは 母さんの匂いが無くなったと涙を流した。
 そして、狼の毛皮の上着の横には 牙が小さいロウの為の部族の証『ワイズ母さんの牙のネックレス』がある。

 8月4日…の月曜日…。
 どうにか幼年学校の卒業カリキュラムをこなしたロウは 初等部の1年に転入し今日が初登校だ。
 ジガが ワーム侵攻事件で顔の崩れた人を治すので、ジガの生徒と一緒に病院まで行かないと行けない。
 ロウを心配して送り向かいをしようとするが、ロウは1回ジガと一緒に学校まで行ってた事もあって 1人で行けると言い、ジガは病院に向かった。
 砦学園都市の学校は 制服と言った物が無く服装は自由だ。
 だが、ジガから『』と教えられたロウは『出来る限りの正装』をして学校に向かった。

 教室でロウを廊下に待たせた先生が ロウを紹介し スライドドアを開け、皆が一斉にロウを見た瞬間、一部の…主にメスが生徒が泣き出した。
 顔には両目の下から頬辺りまでべにで牙を描き、毛皮になっても 今にも得物えものを殺そうとする威圧感を持ち続ける『ワイズ母さんの毛皮の服』を羽織り、首には殺傷力が高そうな『ワイズ母さんの牙のネックレス』…自衛用に竹槍とピースクラフトの家から強奪したルビー2つにサファイヤ1つの撲殺に適した重い石をくくり付けたボーラを装備している。
「ロウ…がっこうに きたんだ…。」
 同じクラスで窓際に座るカズナが言う。
「かっけーな…映画でしか見た事が無いけど、狩猟民族のエミシの服装だっけか?」
 カズナから少し離れた席にいるオスが、ロウに近づく…。
 ロウは姿勢を低くし、すぐに攻撃体勢に移れるようにしている。
「ぐるるるるぅ」
「怖がらなくても良い…オレはヒロム…オマエは?」
 攻撃意思を感じない、人のオスのヒロムがロウに聞く。
「ロウ…狼族、ワイズウルフの娘、ロウ・ワイズウルフ。」
「おお、ロウよろしく」
 ヒロムが右手を出す…。
「?」
 ロウは不思議そうにヒロムの手を見る。
「何だ…握手、知らねーんのか?」
「あくしゅ?」
「手を握るんだ…。」
「手、握る…。」
 ロウが、ヒロムの手を取り、握る。
「あだだだだだ…そっとな…そっと…。」
 握力の強いロウに手を握り潰しかけられる。
「あー謝る」
 ロウは今度はちゃんと握手し、ヒロムが握手した事で怯えていたメスが泣き止む。
 こちらが敵では無いと分かってくれたらしい。
 
 登校当日の学校終了後、流石に服装は自由な学校でも ロウの服装には NGが掛かり、改善するようにウチの所に連絡が来た。
 普通なら、保育士のる初等部の寮にロウを住ませるのがセオリーだったんだが、この都市の常識が通じない異文化を持ち、かつ腕力が凄いロウをいきなり放り込むのは 色々と危険と言う事で、結果ウチが保護者役をしている。
「さて、どうすっかな…。」
 部屋の内装が済み、自分のベットに座り ジガは考える。
 造顔師は身体を整えるのが仕事だが、当然 人は素っ裸でいる訳では無いので服を着る。
 服のコーディネートも その人のメンタルが変わるようで、大事な要素らしい…。
 だが普段から機能性重視でパイロットスーツを着ているようなウチではセンスが無く、服のコーディネート何て かなり難しい…。
「でも、やるっきゃないか…。」

 ロウと一緒に 1階の食堂『タベルナ』で食事を取り、隣の談話室のソファーに座り、ARウィンドウを開き、服を検索する。
 ジガ隣で画面を見ているのはロウだ。
「ロウ…どれがいい?」
「どれでもいい」
「それが一番問題なんだよ…なんか良いの無いのか?」
「ロウ、服選ぶの、初めて」
「ウチだって選んだ事 何て殆《ほとん》ど無いからな…。
 普段はパイロットスーツだし、必要な時は予め用意して貰ってたから…。」
 クオリアに頼んでみるか?
 いやアイツは、ひざ位のたけのワンピースをしか着ない…。
 理由は 廃熱の問題だ。
 ウチらポストヒューマンの平熱は40度位で普通の人なら高熱で動けないレベルだ。
 そして、身体が小さく高処理を得意とするクオリアは 平熱が50℃で、戦闘などの高負荷時には100℃を超える事も普通にある。
 そんな中で通常の服を着れば熱がこもり、熱暴走になりかねない。
 な訳で、クオリアは問題外…。
「あ…これ、良い。」
 ジガが服の画像を切り替えながら見ているとロウが言う。
 戻してみるとそれは 犬の着ぐるみパーカーだった。
「これの、狼、無い?」
「狼ってマイナーだからな…いっそ作ってみるか…。」
 ジガは ネットから服用の製作アプリをダウンロードし起動する。
 昔はオーダーメイド何て高くて出来なかったが、今は3Dプリンターの普及で、コンソールに服のデータを送り、糸の状態から10分程で服が完成させられる。
 こうする事で売れ残りを出さず、布のロスも無く 小さい店内で客の要望にも広く答えられる。
「ロウの事だから、がらは『お母さん』だろ」
「うん、そう」
 なら少しデフォルメさせて再現するか…。
 慣れない作業をする事、数分…。
 インパクトの強い初登校が寮内の女子生徒の間で話題に上がっていた事で談話室にいつもより多く集まる…中には服飾科の生徒もいた。
 その後、服飾科の生徒の意見を聞きつつ、お祭り騒ぎになるものの彼女達の協力もあり、どうにか完成した。
「後は、服屋に行くだけだな。」
 今回はパーカーだけなので3000トニー程で、全身一式でも1万トニーと旧時代のオーダーメイドから見れば 破格の安さになっている。
 後は採寸して3Dプリンターで出力すれば終わりだが、服用の3Dプリンターは服屋か服飾の学校位にしかない…。
 幸い明後日は 水曜日なので学校は休みで 職員と外に出て 遊びや買い物に行く日だ。
 その時に買いに行けば良いだろう…それまでのロウの服装は…。
「まぁ『お母さん』を被らなければ 大丈夫だろう」
 そうジガはつぶやき、あくびをし始めたロウと共に部屋に戻った。
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