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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)
28 (夜景が綺麗なラーメン屋)
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ライブが終わり、トヨカズが店の様子を確認したいとの事で、現地解散でナオとクオリアの2人が残された…気を使ってくれたのか?
「さて…これからどうする?」
「デートマニュアルなら、夜景が見える綺麗な場所でディナー…その後ホテルだが…。」
クオリアが言う…。
「AR対応の飯屋か…。」
この都市にAR対応の飯屋は少ない…。
そもそも義体の人が少なく、AR料理ならネットでいくらでも購入できるからだ…。
何なら綺麗な夜景VRに行って食事をする事だって出来る。
「まぁあそこかな…。」
つくづく、オレは恋愛に向かないな…。
目高屋…ピースクラフト都市から、こっちに帰って来て カズナ達と一緒に行った梅の家の隣にあるラーメン店だ。
デートの雰囲気何て微塵も無い所だが、数少ないAR対応店でオレが旧時代によく行った店でもある。
持ち込み料金を2人が支払い、ARウィンドウを開いてアイテムボックスからワインを取り出す。
超音波熟成がされ、人工的に数年の熟成を30分で成し遂げた1本500トニーの安物赤ワインだ。
トヨカズがジョッキで飲む位 好きなワインで、トヨカズのおすすめもあり、ナオは 1万UMでメーカーからデータそのものを買った。
クオリアが、ARで店の内装を夜景の見えるレストランに変更した事で雰囲気が出ている。
「「乾杯…。」」
カリン…。
ワイングラスがぶつかり、2人は味を確かめる様に慎重にゆっくりと飲む。
おお…美味い…まさにコスパ最強…。
舌にある仮想の味覚受容体が、ワインの「酸味」を脳に伝える。
熟成前によくあるトゲのような…安っぽい酸味が、このワインにはしない。
また、口当たりもまろやかで すごく美味い…。
ただ…好み的には、雑な熟成無しのワインの方がオレは好みなのだが…こんなデートには良いだろう。
ズルズルズル……。
高級レストランのARの内装で2人は雰囲気をぶち壊し、黙々とラーメンをすする…クオリアは醤油…オレは味噌チャーシューに半ライスと餃子…。
デート中にいつものノリで、にんにく入りの餃子を頼む悪手を打つオレ…。
流石に口臭まで再現されていないので、問題無いのだが…デートなのだろうか?
「美味しいと感じる…。」
「そりゃよかった…。」
感じるか…数値では無く…クオリアの感情に引っかかったのか?
クオリアはメニューを見てアイスを注文し…すぐにテーブルに現れ、スプーンですくって食べる。
「う~ん…心地よい?」
「それは料理のコメントなのか?」
「そうとしか言いようが無い…私はまだ味覚表現を定義出来ていないから…。
ただ…この冷たいと甘いのアイスは私を心地よく…気持ち良くさせてくれる。」
「気に入ってる?また食べたいと思うか?」
「思う…多分これが『好み』なのだな…。」
食べ物に関心の無かったクオリアが『好み』か…。
クオリアがもう1個アイスを追加注文する頃には、味噌ラーメンも餃子も無くなり、味噌ラーメンを半ライスにぶっかけた雑炊を掻き込む。
程無くして、2人は食べ終わり席を立つ。
「ごっさんでした。」
「ありがとうございます。」
厨房で何もしていなかったドラムが答えた。
「さて…どうする?今調べて見たが ホテルはどこも満員だ。」
クオリアが言う。
「そりゃそうだよな…祭りの最終日の夜なんだから…。
若い男女が入ればそりゃホテルに行くだろう。」
「いや…同性同士もかなり多いのだが…。」
「…。」
GLかBLか?個人的にはGLで会って欲しい。
「どうやって抜いたか分からないけどプライベートだから詮索せず行こう…。」
「それで、これからどうする?」
「どうするも何も…これで解散だろう…オレとクオリアじゃ出来ないんだし…。」
ナオは寮に向けて足を進める。
「この身体ではな…だがVR空間でなら、私側にパッチを当てれば十分に可能だ。」
「…。」
クオリアが後ろから付いてくる。
『前に性欲は無いって言ったよな…あくまでコミュニケーションの一手段だと…。』
ナオが内緒話回線でクオリアに言う…感情が感じられず淡々とした声でだ。
『言った。
でも、コミュニケーション手段を放棄する気も無い。』
『…。』
ナオが黙る。
『ナオが女性に不信感を持っている事も、触れる事を避けているのも、私が理詰めの機械だから好きになってくれた事も知っている。』
『…。』
『でも…私はクオリアなんだ…女性はタグの1つでしか無い。
私自身を観測て欲しい。』
それが相棒。
『…。』
ナオは無言でARウィンドウを操作し、古風な鍵が現れ 私に手首で投げる動作をする。
1回限りでナオの部屋の鍵を開けられるインスタントキーだ。
『感謝する』
ナオが少し速足で私から遠ざかり、私は気を使って足を緩め、距離がどんどん離れて行く…。
もうナオは 取り繕う事は出来ないだろう…。
大人の女性を嫌うナオは…。
「さて…これからどうする?」
「デートマニュアルなら、夜景が見える綺麗な場所でディナー…その後ホテルだが…。」
クオリアが言う…。
「AR対応の飯屋か…。」
この都市にAR対応の飯屋は少ない…。
そもそも義体の人が少なく、AR料理ならネットでいくらでも購入できるからだ…。
何なら綺麗な夜景VRに行って食事をする事だって出来る。
「まぁあそこかな…。」
つくづく、オレは恋愛に向かないな…。
目高屋…ピースクラフト都市から、こっちに帰って来て カズナ達と一緒に行った梅の家の隣にあるラーメン店だ。
デートの雰囲気何て微塵も無い所だが、数少ないAR対応店でオレが旧時代によく行った店でもある。
持ち込み料金を2人が支払い、ARウィンドウを開いてアイテムボックスからワインを取り出す。
超音波熟成がされ、人工的に数年の熟成を30分で成し遂げた1本500トニーの安物赤ワインだ。
トヨカズがジョッキで飲む位 好きなワインで、トヨカズのおすすめもあり、ナオは 1万UMでメーカーからデータそのものを買った。
クオリアが、ARで店の内装を夜景の見えるレストランに変更した事で雰囲気が出ている。
「「乾杯…。」」
カリン…。
ワイングラスがぶつかり、2人は味を確かめる様に慎重にゆっくりと飲む。
おお…美味い…まさにコスパ最強…。
舌にある仮想の味覚受容体が、ワインの「酸味」を脳に伝える。
熟成前によくあるトゲのような…安っぽい酸味が、このワインにはしない。
また、口当たりもまろやかで すごく美味い…。
ただ…好み的には、雑な熟成無しのワインの方がオレは好みなのだが…こんなデートには良いだろう。
ズルズルズル……。
高級レストランのARの内装で2人は雰囲気をぶち壊し、黙々とラーメンをすする…クオリアは醤油…オレは味噌チャーシューに半ライスと餃子…。
デート中にいつものノリで、にんにく入りの餃子を頼む悪手を打つオレ…。
流石に口臭まで再現されていないので、問題無いのだが…デートなのだろうか?
「美味しいと感じる…。」
「そりゃよかった…。」
感じるか…数値では無く…クオリアの感情に引っかかったのか?
クオリアはメニューを見てアイスを注文し…すぐにテーブルに現れ、スプーンですくって食べる。
「う~ん…心地よい?」
「それは料理のコメントなのか?」
「そうとしか言いようが無い…私はまだ味覚表現を定義出来ていないから…。
ただ…この冷たいと甘いのアイスは私を心地よく…気持ち良くさせてくれる。」
「気に入ってる?また食べたいと思うか?」
「思う…多分これが『好み』なのだな…。」
食べ物に関心の無かったクオリアが『好み』か…。
クオリアがもう1個アイスを追加注文する頃には、味噌ラーメンも餃子も無くなり、味噌ラーメンを半ライスにぶっかけた雑炊を掻き込む。
程無くして、2人は食べ終わり席を立つ。
「ごっさんでした。」
「ありがとうございます。」
厨房で何もしていなかったドラムが答えた。
「さて…どうする?今調べて見たが ホテルはどこも満員だ。」
クオリアが言う。
「そりゃそうだよな…祭りの最終日の夜なんだから…。
若い男女が入ればそりゃホテルに行くだろう。」
「いや…同性同士もかなり多いのだが…。」
「…。」
GLかBLか?個人的にはGLで会って欲しい。
「どうやって抜いたか分からないけどプライベートだから詮索せず行こう…。」
「それで、これからどうする?」
「どうするも何も…これで解散だろう…オレとクオリアじゃ出来ないんだし…。」
ナオは寮に向けて足を進める。
「この身体ではな…だがVR空間でなら、私側にパッチを当てれば十分に可能だ。」
「…。」
クオリアが後ろから付いてくる。
『前に性欲は無いって言ったよな…あくまでコミュニケーションの一手段だと…。』
ナオが内緒話回線でクオリアに言う…感情が感じられず淡々とした声でだ。
『言った。
でも、コミュニケーション手段を放棄する気も無い。』
『…。』
ナオが黙る。
『ナオが女性に不信感を持っている事も、触れる事を避けているのも、私が理詰めの機械だから好きになってくれた事も知っている。』
『…。』
『でも…私はクオリアなんだ…女性はタグの1つでしか無い。
私自身を観測て欲しい。』
それが相棒。
『…。』
ナオは無言でARウィンドウを操作し、古風な鍵が現れ 私に手首で投げる動作をする。
1回限りでナオの部屋の鍵を開けられるインスタントキーだ。
『感謝する』
ナオが少し速足で私から遠ざかり、私は気を使って足を緩め、距離がどんどん離れて行く…。
もうナオは 取り繕う事は出来ないだろう…。
大人の女性を嫌うナオは…。
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