⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

文字の大きさ
123 / 207
ヒトのキョウカイ5巻 (亡霊再び)

02 (最強の小隊)

しおりを挟む
「皆集まってくれた見たいだね…。」
 都市長の席に座るアントニーが言う。
 先日…都市長名義で『いつものメンバー』に日時、時間、場所の連絡が来て 呼び出された。
 多分、今後の作戦についてだろう…。
 部屋には向かい合ったソファーがあり、そこにナオ達が座っている。
 ドアから見て左側には、ナオ、クオリア、レナ、トヨカズ、右側にはロウ、カズナ、ジガが座っていて、中央の都市長席にアントニーだ。
「それで?このメンバーって事は、遊撃ゆうげき部隊の話?」
 レナが アントニーに言う。
「それも 有るが、君達には 作戦開始前に現地に飛んで貰う事になった。」
「現地?」
 オレがアントニーに聞く。
「シーランド王国船の『シーランド』だろうか?」
 隣のクオリアが単語が曖昧あいまいだった為、当たりを付けてアントニーに確認を取る。
「あれ?公国じゃ無くて…と言うかあの国ってまだ存在しているのか?」
 自称 世界最小の国家…。
 イギリスが放棄したトーチカを不法占拠ふほうせんきょし、ラジオで海賊放送する為に独立宣言したのがあの国の始まりだ…。
 法的には合法であり、規模が限りなく小さいシーランド公国は、周辺国から国として認識されているものの国として正式な承認はされておらず、国連に加入していない(出来ない)永久中立国だ。
 まぁ実際の扱いは『原住民の土地』と言った所だろうか?
「2025年位に運営資金の問題から競売にかけられて、メガフロート製造企業や造船企業など複数の企業が出資して、今の価値で40億トニー位で買い取られ、シーランド王国になった。
 独立国家だから規制に縛られ無いで、海上都市の運用実験が出来たんだ…。」
 クオリアが答える。
「へぇ…てことは、メガフロートの都市国家なのか?」
「そう…北大西洋に複数ある海上国家の物流を支える重要な国だ。」
「それで、この海上国家にワームの索敵《さくてき》を行《おこな》って貰っているんだ。
 今月末には 探査海域のすべてを調査出来る見通しらしい。」
 アントニーが言う。
「出発は来月の1日…。
 物資運搬で北大西洋の海上都市を回っているシーランド船が最接近するから、それに乗って作戦海域まで行く…。
 君達は、その間に作戦の立案を検討…来月末に作戦開始になる。」
「作戦規模が1個連隊だって聞いてるけど…それだけの数の輸送はどうするつもりなんだ?」
 ナオが聞く。
「月にエレクトロンが管理している国連の所有の機体が2個連隊あるから…6個大隊は地上でかき集めて…後の6個大隊は月から現地に直接下ろす…。」
「低軌道からのパラシュート降下?」
「だろうね…ただでさえ、海上輸送は DLや弾薬 兵士達の兵站物資を運ぶので負担が掛かるだろうから、それなら 宇宙から落とした方が早いしコストも安いって考えただろうね…。」
 昔なら 推進剤節約の為に何年もかけて現地に向かう都合上、人間は積めず、遠隔操作と探査衛星の自己判断のセミオートシステムが主流だった。
 だが、軌道エレベーターが実用化した事で、安くても1㎏当たり50万UMもしたロケットでの輸送費が、1㎏当たり1万UM程度の価格で物資を運べるようになり、その資源で月基地から資源を供給出来るようにして、低重力と無重力を生かしてスペースコロニー群を作り、太陽系の物流が活発になり、地球の資源を使わずに生活出来るようになった。
 そして、地球が氷河期になった事で 地上の物流網は崩壊したが、天候に左右されない宇宙の物流網は それ以降も発展し続け、太陽系全体を繋ぐまでになった…。
 その為、昔とは真逆に物流網がしっかりしている宇宙側から地上に落とすのが最も効率が良くなっていて、降ろしたDLも、製造コストの2倍の輸送費をかけて宇宙に上げるよりか月で生産した方が安いので、生き残った機体は地上で安価で売られる事になる。
「という訳で『責任者レナ』『戦闘用ヒューマノイド、クオリア、ジガ』『戦闘員、ナオ、トヨカズ』『予備員、ロウ』」
「え?ロウも?断ったはずよ…。」
 アントニーとの話が違っていたのかレナが言う。
「ロウは予備員扱いになってる…。
 連れて行くかは自由にしていい…が優秀なSランクパイロットを遊ばせて置くのは難しい。
 戦況が悪化すれば確実に出るだろうし、そうなった場合、一般部隊より独立部隊の方が役に立つだろう。」
 まぁそう なるか…。
 砦都市のDLの部隊は『高度な連携をしつつ敵を叩く』事に重点を置いていて、吐出としゅつした能力を持つ者はそれ専用の中隊に回されるか、平均値に慣らされる…。
 いくら優秀なSクラスパイロットであろうと、一般パイロットが乗るDL6機で囲めば苦戦は強いられるし、優秀な指揮官が いれば、単体の戦力がどれだけ高かろうが 数の暴力には敵わない。
 ロウの場合、個人能力が高いだけで連携は まだまだだ…。
 なら、異種族部隊に入れてしまった方が 学園都市側としても対応が楽だし活躍も出来る…。
「カズナ、いない…。」
 ロウが言う。
「わたしは しねないからね。」
 カズナは調整された新人類と言う事らしいので、レナが戦場に行くと最悪、新人類が絶滅する可能性が出てくる…その為 一緒には行けない。
「いや…遺伝子データと細胞は保存しているから最悪クローンを作れば絶滅は防げるから、これも本人の意思次第だね…。」
 アントニーが生命倫理を完璧に無視して話す…いや…ここでは普通なのかも知れない。
「なら、いこうかな…。
 DLのせいびし めんきょ、もってるし…。」
 カズナが言う。
「良いのか?」
 トヨカズが聞く。
「うん…だって このたたかい まけたら おしまいでしょ?
 なら、いしょうけんめい やって しにたい」
 他人に任せて失敗した場合、後悔するからだろう…。
 なら…連れて行くとしても…問題は技能だ。
「まぁメカニックなら死ぬことは無いだろうけど…。
 カズナってそんなに使えるのか?」
 ナオがトヨカズに言う…。
「小型二足に大型二足2種…DL整備師1級…。
 身体が出来てないから現実での戦闘機動はさせられないんだが、VRならAAA判定…。
 何より DLのクッソ メンドクサイ書類関係が出来る…。
 いなくても如何どうにかなるが、ラクしたいならカズナは必須だな…。」
 トヨカズがカズナを見ながら言う。
「娘と一緒に『DLマスターズ』をやってた成果?」
 レナが皮肉を込めてトヨカズに聞く。
 ああ…そう言えば前にそんな事も言ってたな…。
「そうだな…オレはそれ位しか 教えてやれなかったし…。」
「でも えらんだのは わたし…ここにいてもいいのに、わたしがえらんだの」
 カズナが迷い無く言う。
「じゃあロウ、行く。
 ワームが増えたら、外に住めなくなるから…。」
「それじゃあ…残り2週間…。
 死なないように鍛えるよ」
「ナオは頑張り過ぎだが…私も協力しよう…。」
 オレの言葉にクオリアが言う。
「ロウは 技術より勉強…ウチが面倒を見る。」
 ジガが言う。
「う~ん、頑張る。」
 ロウが渋々《しぶしぶ》了解…。
「なら…わたしは ナビィといっしょに つかうDLのせいびする…。」
「なんだか…やけに気が合ってるね…。」
 アントニーが言う。
「私が考える限り、現時点で最強の小隊だ。」
 嘘を付かないクオリアが言い切った。
「じゃあ…それぞれ 必要な事をやると言う事で 今日は解散…。」
 アントニーの号令で、皆が立ち上がり部屋を出て行った。

「最強の小隊か…。」
 そもそも ロウとカズナは若すぎる為、2人はメンバーに入れる事自体を想定して無かった。
 だが、クオリアに確認を取った所、ロウとカズナを追加で入れるように言われて、話合った結果、皆を集める事になった。
 2人で約束した事は、アントニーとクオリアはカズナを誘導ぜず、中立の立場を維持する事…。
 結果…クオリアの想定通りなのだろう…ロウとカズナが自分の意思で行く事を決めた…。
「誘導されたのか…それとも自由意志だったのか…。」
 そもそも、なんでカズナを入れたのかが分からない…。
 確かにあの歳で これだけ優秀な人材もいないが…クオリアやジガには簡単に出来る事だ。
「カズナが何かしらの鍵になっているのか?」
 そう言いつつ、アントニーはARウィンドウを開き書類作業を再開した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】

リコピン
ファンタジー
前世の兄と共に異世界転生したセリナ。子どもの頃に親を失い、兄のシオンと二人で生きていくため、セリナは男装し「セリ」と名乗るように。それから十年、セリとシオンは、仲間を集め冒険者パーティを組んでいた。 これは、異世界転生した女の子がお仕事頑張ったり、恋をして性別カミングアウトのタイミングにモダモダしたりしながら過ごす、ありふれた毎日のお話。 ※日常ほのぼの?系のお話を目指しています。 ※同性愛表現があります。

異世界従魔具店へようこそ!〜私の外れスキルはモフモフと共にあり〜

渡琉兎
ファンタジー
日本での生活に疲れ切っていた犬山楓(いぬやまかえで)は、異世界が行った勇者召喚に巻き込まれてしまう。 しかし彼女は異世界系の作品を読み漁っており、異世界での生活に憧れを抱いていた。 「城を出て行くというのか!?」 「え? あ、はい」 召喚した異世界の王子に驚かれながらも、楓は自分の道を進むことを選択する。 授かったスキルは〈従魔具職人〉。 召喚された異世界では外れスキルと呼ばれるものだったが、そんなことは気にしない。 「それじゃあ皆さん、お元気で!」 憧れていた異世界での生活。 楓は自分のスキルで自由に生きていこうと決めた……のだが、実は楓の〈従魔具職人〉はスキルレベルが規格外の〈EX〉だった!! 楓の従魔具が従魔たちの人生を一変させる。 そんな楓の異世界生活は、忙しくも充実した生活になる……のかも? ※カクヨム、小説家になろう、アルファポリスにて掲載しています。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

案山子の帝王

柚緒駆
SF
神魔大戦から百年。世界は『Dの民』が支配していた。そこにある日現われる、謎の存在。エリア・エージャンをパニックに陥れ、オリンポス財閥総合本社ビル『グレート・オリンポス』に迫る。迎え撃つのはジュピトル・ジュピトリス、しかし想像を超える敵に追い詰められたとき、彼が現われる。 「俺の名前は3J。デルファイの3J」 デルファイの『五人目の魔人』であり『案山子の帝王』と呼ばれる彼が現われたのは何故か。彼の目的は何か。謎が謎を呼び、世界は混沌に叩き込まれる。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと…… 帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。 生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。 そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。 そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。 もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。 「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!

処理中です...