⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ5巻 (亡霊再び)

04 (儲からないガンスミス)

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 ナオとレナがトヨカズの店を出て、紹介された店に入る…。
 店の中に入り、奥にいる店員が作業を止めて出て来る。
 前にリボルバーを作って貰った、ガンスミスのおじさんがいる店だ。
「おお来た…。
 トヨカズから 連絡は入っていたが…やっぱり小さくなってるな…。」
 義体を換え小さくなったナオを見て言う。
「また、お世話になります。」
「ああ…それで、リボルバーはどうだ?
 リサイズするか?」
「いえ…積層プレートのおかげで調整は簡単でした。
 それじゃあ…これを頼みます。」
 ナオがARウィンドウから、トヨカズが作ってくれたデータを取り出し、ガンスミスに送信する。
「さて…今回は…グロック18 CFRPと、ウージーマシンピストルか…。
 グロックが嬢ちゃんで、ナオはウージーか?」
「ええ、そうです。
 どうして分かったのですか?」
 レナが不思議そうに聞く…。
「グロックは ドンパチが多い都市で良く使われている銃だし、ウージーは、旧時代の日本警察が使っていた銃だ。
 2人のプロフィールは知っているからねぇ…。
 それじゃあ、ライセンスを見せてくれ」
 2人は、ガンスミスにハンドガンのライセンスを見せる。
「はい…確認した…。
 じゃあ、しばらく待ってくれ…1丁で30分位掛かるからな…。」
 ガンスミスが3Dプリンターに炭素繊維強化プラスチック樹脂の入れ、樹脂の高速積層とレーザー加工で部品を作って行く。
「結構簡単に出来るんですね…。」
 レナが言う。
「ああ…今は、3Dプリンターが有るから、これでパーツを作って組み立てれば、殆《ほとん》ど出来上がりだ。」
ほとんど?」
「バレルのライフリング…ああ…弾が真っすぐ飛ぶための溝《みぞ》な…。
 それだけは まだオレの方が 技術力が高い。」
「儲かります?」
「全然…技術維持の為に警察の銃のメンテもしているが、この都市で発砲事件が起きるなんて まず無いしな…。
 とは言え、治安が悪くなってオレが儲けるなんて事になったら、それはそれで問題だろうし…。
 廃業してないのは嬢ちゃんのおかげだよ…。
 さぁ…少し静かにしてくれよ…銃のキモだ。」
 炭素繊維強化プラスチックで出来た細長い棒を持って 旋盤に取り付け、円柱が回転し始め、刃物で中をゆっくりと削って行く。
 その目は 長年の経験に裏付けされた自信を持つ 職人の目だ…。
 バレルの加工と同時に行っていた3Dプリンターが止まり、ウージーのパーツが出来上がる。
「組み上げはこっちでやるから、バレルを頼む…。」
 ナオが言う。
「組み立てられるか?」
「流石に目隠しして組み立てるのは無理だけどな…。」
 通常の兵士なら夜間でライトが使えない状況でも、自分の銃を組み立てられるように、目隠しした状態で、銃を組み立てる練習をするのだが、正規軍にはいなかった事もあり、オレには出来ない…。
 工房の机を借り、オレは 細かいパーツの汚れを歯ブラシで落としつつ、ウージーを組み立てて行く…それを後ろからレナが見ている…。
 この銃は オープンボルトからクローズボルトになった為、一番複雑だったトリガー周りが改善された。
 精度自体はそれ程でも無いが、シンプル故に確実な作動性とメンテナンスの高さが魅力の銃だ。
 ただ大型の拳銃位のサイズの為、発射レートが高くなり、その分反動が大きくなり集弾性が落ちる欠点もある…それもスプリングの調整をする事で ある程度マシになっているが…。
「別にナオがやらなくても、プロに任せれば良いのに…。」
 レナが言う。
「いや…パーツ1つ1つをしっかり自分で確認して、信用を得るんだ。
 このパーツの出来次第で、オレの命が左右される…。
 だからもし、この銃がジャムってオレが死んだとしても、オレが確認をおこたったせいだって納得が出来る。
 ガンスミスをうらんで 死にたくないからな…。」
 最後にガンスミスが持って来てくれたバレルをナオが取り付け、完成。
 立ち上がり構える…。
「あれ?前が軽くないか?」
 フルオートでの命中率は バレルのライフリングと銃の重量バランスで決まる。
 この銃は 前側が軽いので撃ったら上に向くだろう。
「そこの棚から、ハンドガン用のレーザーサイトを取り付けてみ…バランスが会うから…。」
 3Dプリンターでグロックのパーツを作りつつ、グロックのバレルに取り掛かっている。
 ナオは複数のレーザーサイトから赤色を選ぶ…取り付け…構える…。
「おお…バランスが丁度 釣り合った…。」
「後はパテ調整なんだが…こっちは、警察署のレーンで撃って調節しないと分からない。
 任せていいか?」
「やり方は知っている…多分先端を少し重くしないとダメかな…。」
 正式名称は『ウエイトバランス調整』で、パテと言う粘土の状の重りで、本人の癖に合わせてワザと銃の重量バランスを崩す事で結果的に命中率を高くする調整方法だ…。
 オレの場合、フルオート時に銃口が若干上に行く癖がある為、先端に重りを付けてバランスを取る事になる。
 この調整は長年、銃の面倒を見て来た『かかりつけのガンスミス』が出来る芸当で、当然ながら ここで それが出来る訳も無く、結局自分で撃ってみて最終調整をする事になる。
「500発も撃てば分かるかな…計測器は?」
「あ~シュートレンジに備え付けのハイスピードカメラがある…。
 弾の軌道や撃つ姿勢をリアルタイムで3D化して分析が出来るヤツだな…。」
「ああ…あのリプレイ映像が出せるヤツね…分かった。」
 警察署の地下にある以前射撃練習に言ったシューティングレンジだ。
 これが終わったら銃登録を済ませて撃って、そのリプレイデータを元に修正をかければいいか…。
「さて…嬢ちゃんのは 最低限のカスタムしか してないヤツな…。
 まだ こだわる時期じゃないだろうし、ボロボロの銃を使っていたなら、まずはデフォルトの状態で身体を慣れさせた方が良い…。」
 レナがグロック18 CFRPを受け取る。
「まぁ近寄って撃てば当たるし…。」
「必中距離まで詰めるやり方か…。
 でも遠距離からのフルオートには対応出来ないだろう…。」
「その距離だと、どっちにしても当たらないからトヨカズに任せるしかないわね。」
「トヨカズのも精々が500mだ…あれは分子構造レベルで合わせたバレルを使っているから精度は良いんだが…銃の性能上 有効射程が短い…。」
「…?遠近両用だって聞いていたけど?」
 レナが言う。
「狙撃って言うと1kmとか2kmとかの超長距離狙撃とかが 注目されがちだけど…。
 実際は そんな開けた位置から撃つより、もっと近づいて当たる位置から撃つ事が殆《ほとん》どだ…。
 だから 長くても500m…トヨカズのはM4は 300mで敵の手のひらに当てられる精度な…。
 この精度じゃないと人質を盾にされた時に狙撃が出来なくなるんだ…。」
「あーなるほど…。」
「それじゃあ…行くよ…。」
「ああ…後二人共…仕事が終わって帰ったら 必ず持って来いよ…まぁマトイの方でも良いけど…リボルバーと違ってデリケートなんだから…。」
「分かった…。」
 ナオが右のホルスターにウージーを入れ、左のホルスターにリボルバーを入れる。
 リボルバーを利き手では無い左手から取る事になるが、義体化した事でいくらかスムーズに取れるようになっている…。
 ナオ達はスライドドアが開き、警察署に向かった。
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