⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ6巻(赤十字の精神)

02 (空飛ぶDL)

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 10月13日(月)
 航行中のデパート艦『シーランド』に大量のエアトラS2が着艦し、物資を降ろして行く。
 直接メガフロートの都市に向かわないのは 全長500mのデバート艦は 停泊するだけでも一苦労になるからだ…。
 100m潜水艦『ディープブルーホエール』も海上からの荷物を降ろす…DLを24機詰め込めるスペースは相当に大きく、足の速い輸送艦としても役に立っている。
 そして、空母『ドロフィン1』にも、大量のエアトラS2が着艦と離陸を繰り返しており、荷下におろしが忙しくなっている。
 ここでの主な荷物は DLとそのパイロットになる…。
「急に人が増えたな…。」
 ナオが言う。
「作戦海域に近づいたのだろう…。
 ギリギリまで各都市にいたパイロット達が一斉に来ているんだ。」
 オレの隣で空を見ているクオリアが言う。
「おおスゲー」
 トヨカズ達が下の区画から上に上《あ》がって来た。
 少し前までは低酸素症ていさんそしょうに悩まされていたが、今は適応出来たのか ヘルメットを被っていない。
「そろそろかな…ハルミとエルダーが来るんでしょう…。」
 トヨカズの隣にいて、大量のエアトラS2に はしゃぐロウとカズナを押さえているレナがジガに聞く。
「ああ…それにエレクトロン1個小隊もな…。」

 『Gウォークバード』の戦闘機が エクスマキナ都市から飛び立ち、マッハ3…時速にして3000kmの速度で雲の上を飛ぶ…。
 操縦しているパイロットは ハルミ…後ろの席に座っているのはエルダー・コンパチ・ビリティ…『エクスマキナ都市』『月の静かな海 都市』に住むエレクトロンと ヒト種族の架け橋になり、エレクトロンの最上級階級の長老エルダーを持つ者。
 ハルミのGウォークを先頭にし、エレクトロン1個小隊が、V字の飛行編隊を組んで飛んでいる。

「そろそろ…かな…。」
 シーランド艦の500km圏内にそろそろ入る…そろそろ向こうのレーダーに捕捉《ほそく》される頃だろう。
「シーランドコントロール…。
 こちら、Gウォークバードハルミ機 編隊、ドロフィン1への着艦を要請…Requestリクエスト
『こちら、シーランドコントロール…Gウォークバードハルミ機 編隊のリクエストを受理…。
 指定の空域にて空中待機せよ…』
 管制AIから空域情報が即座に送信される…。
「ハルミ機、了解…これより空中待機に入る。」
 珍しく管制AIから空中待機が言い渡され、速度を下げつつ 雲の下に降下。
 雲の下にエアトラS2の反応が多数…。
 これからの戦闘の為にDLやパイロット、物資を降ろしているのだろう。
 こりゃ…管制AIがすぐに下ろせなくなる訳だ。
 VTOLヴィトール機能の無い航空機なら空域を旋回して待機する所だが、指示は空中待機…つまり『空中に静止して順番を待て』と言う意味だ。
 ハルミ機のGウォークから脚と腕を展開し、脚を前に向けての逆推力による急減速…腕は水平を保ち空力を確保しつつ、姿勢を維持する。
 ハルミ機は十分に減速した所で脚を下に向けてホバリングに移る…。
 前方には、エアトラS2がヘリモードで 一定間隔を開けつつ並んでいて、ハルミ機とエレクトロン小隊は最後尾につく…。
 効率良く先頭が着艦して行き、待つこと5分…着陸許可が降り、ハルミ機が降下…。
 エレクトロン小隊は ハルミ機の次に降りる事になるので そのまま待機。
 ハルミ機は 脚を少し斜め後ろにして 推力を稼ぎ、ドロフィン1の正面から入り降下…少し走る形で着艦…。
 機体を指定された位置まで持って行き、駐機姿勢で待機させる。
 こちらの動きが完全に止まるとトヨカズを先頭に皆がやって来た。

「ガウォーク!?」
 トヨカズがそう言い…機体に近づき触ってみる。
 今の時代 大半がVTOLヴィトール機で、滑走路が200mもあるこの空母も、余裕を持っても50mもあれば着陸距離には十分な状態で、後方から100mは駐機場になっていて、人の出入りもそれなりに多い。
 装甲版におおわれたコクピットが開閉し、エルダー・コンパチが装甲に足をかけて機体から降りる。
「Gウォークな…Gウォークバード…。」
 そう言い…ハルミが降りて来た…。

「へえ…戦闘機型のDLか…。」
 ナオが機体を眺めながら言う。
 戦闘機形態での横の長さは10m位で、今は 脚を降ろした駐機姿勢でDLより少し高い5mだ。
「とは言っても…空戦がメインで地上での戦闘はまず無理だけどな…。
 ただし、VTOLヴィトールで戦闘が出来るのはコイツの利点かな」
 オレの隣に来たジガが言う。
 昔の20mの戦闘機からは小型化されて半分程度のサイズになっているが、脚が簡略化していて、あくまで可動式のスラスターの範疇はんちゅうに収まっている。
 DLでの形で空中での高速戦闘をやる事は不可能なので これが1つの答えなんだろう。
 ゲストカード担当の兵士がやってきて2人を登録して貰いカードを発行して貰い受け取る。

「お久しぶり…1ヵ月位でしょうか…。」
 マッハ3の殺人的な加速でも何ともないエルダーがカードをポケットに仕舞しまいつつ ナオに言う。
「ええ…お久しぶりです…コンパチさん。」 
 ナオとエルダーが握手をする。
「あークオリア 本当に根回ねまわしは助かった…。
 じゃなかったらこっちに来れなかったし…。」
 ハルミが言う。
「メディクは?」
「そっちはまだ…で、こっちの名義でいいからコイツをネットに流してもらえないか?」
 私は手を差し出し、クオリアがハルミの手を掴《つか》む…。
 Fポート経由でデータを送り、クオリアがデータのを確認する。
「いいのか?
 メディクの誤診のデータと 正しい対処法…それもハルミ名義で…。」
「ああ…私も医師だし、診断結果をレポートに書いて送るだけだ。
 それを参考に自主的に治療を試してみる人がいても良いんじゃないか?」
「医師の診断無く、患者を治療すれば、医療法違反になるぞ…。」
「なら、間接的に私が診察しんさつしたって事にするさ…。
 とにかく頼む…。
 検閲けんえつに引っかかって検索出来無くなる可能性があるから、こう言うのは、クオリアの方が得意だろう…。」
 今のネットは 必ず 天尊のネットワークを経由する。
 基本的に検閲はしていないはずだが…今回は、天尊側に不利益が出る可能性もあるので、ダークウェブもふくめてクオリアに流して貰う必要がある…。
「やってみよう…高確率で天尊の妨害は無いと思うが…。」
 『私達と天尊の考えは おおよそ一致している』とクオリアは行っていたが、天尊相手なら いくら警戒しても し過ぎにはならない…。
 単体での戦闘能力はエレクトロンの方がダントツで高いが、同じリングで戦わず 物流や経済を武器に戦う天尊がこっちを攻撃してきた場合 私達は確実に負ける。
 最強の私達も 太陽系のコミュニティで生きている以上 コミュニティからの抹殺まっさつには耐えられないからだ。
「それでは クオリア…作戦指揮官の方にお話しをしたいのですが、立ち会ってもらえますか?」
 エルダーが言う。
 エレクトロンは 信用度の高い仲間が始めての相手を紹介して貰う事で最低限の信用を確保する慣習しゅうかんがある。
 この場合、クオリアが自分の信用を担保たんぽに作戦指揮官を紹介する事で、作戦指揮官に一定の信用が得られる。
「ええ…分かりました。
 それでは、少し行ってくる…。」
「ああ…それじゃあ後で…。」
 隣のナオが言う。
「1~2時間で戻ってくる。」
 エルダーとクオリアが2人で 面会を申し込み、階段を降りて行った。
「さーて、難しい話はあっちに任せて、艦を案内してくれないか?」
「構わないけど…オレらのセキュリティレベル低いからな~」
 ナオはそう言い、私は 皆とワイワイ騒ぎながら あちこち艦内を案内をして貰った。
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