⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ6巻(赤十字の精神)

11 (浸食)

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 翌日、10月22日水曜日…ナオはホテルで目覚める。
 隣のベットにはクオリアが座っており、ARウィンドウを複数開いてファントムの最終調整をやっている。
 あの後、夜明けまで アドミとファントムのアップデートについて意見を出し合い、アドミとドラム達が分散コンピューティングで即座にアップデートパッチを仕上げ、クオリアが内容を確認し、現在修正中だ。
 そして、その間に90分の睡眠を取り…起きた…。
 頭はすっきりしていて眠気も無い…加速も無しに…と言うより自前で加速していたのか?
 普段に比べ幾分いくぶんか快調だ。
 あーそう言えば、昨日ってメシ食って無かったな…完全に忘れていた。
 寝る前に充電ケーブルは挿《さ》したが…。
 首に接続されているマグネットの充電ケーブルを引き抜く…。
 生身の時 見たいな高カロリーのドカ食いするような事は無くなり、食事はもっぱら片手で食べられる物…。
 ブリトーやトルティーヤ…ハンバーガーにおにぎりと言った物が多く、作業中の片手間に食べていて、食事の時間をちゃんと作っていない。
 ヤバイな…完全に食事が義務ぎむになりかけている…機械側に寄ってきているな…。
 確か人出身のハルミも軽食が中心だったよな…帰ったらジガとハルミに聞いてみるか…。
「おはよう…ん?」
 クオリアがこちらをじっと見て何かを考えている…。
「どうした?」
「いや…昨日のナオの食事シーンを見てないと思ってな…。」
「隠し事は出来ないな…。」
 オレが笑いながら降参と手を上げる。
「味覚は正常か?
 空腹と満腹は感じるか?」
「いや…味は感じるんだが、空腹は感じて無いな…。
 満腹感が あるかは微妙だし…。」
「異常のレポートは担当のジガに送って置く…。
 これが精神の方ならハルミの分野なんだが…。」
 帰ったら検査かな…。
「脳が機械の身体と折り合いが着かず、線引きが出来ていないのかも知れない。」
「線引きね…。」
 確かに最近は機械寄りになって来た感じがしている…。
 今まではそうなった以上考えるだけ無駄と、成り行きに任せていたが…。
 オレはARウィンドウを開きアイテムボックスから、目玉焼きサンドを出す…。
 軽く焦げたカリカリの食パンに バターを塗り、2個の目玉焼きを乗せ 醤油とケチャップを加え、カリカリの食パンでフタをした物だ。
 オレが ながら作業では無く、しっかりと両手で持って大きく口を開き食べる…うん味覚はちゃんと感じているし美味いと感じている。
 でも、ちゃんと欲求が働いているかは謎だ。
 そもそも、身体の栄養が不足するから脳が信号を発し空腹としてサインを出して、食べ物を身体に入れようとするんだ。
 実質じっしつ電気で動いているオレに空腹のサインが出るのか怪しい。
 逆にクオリアのように電気の味は感じないし、バッテリー残量で空腹になったり満腹になったりする事もない…。
 もしかしたらオレは この世界に来た時から人の行動を模倣もほうしていてそれに自覚が無かっただけかもしれない。
 いや…転生前からオレは自分を隠し、人を模倣もほうし続けて来た…なら一緒か?
「なあ…クオリア、オレ自身がオレをチューリングテストで騙す事は可能か?」
「……十分にあり得る。
 とは言っても、意識は ニューロ回路のネットワークの総称だ。
 ナオがナオと認識している限りはナオでは無いか?」
「そっか…。
 終わったらフルメンテかな…。」
「私もそれが良いと思う…。
 特にナオは機械との親和性しんわせいが高いみたいだからな…。」
「そりゃ…生体脳を使っているだけで、ほとんどど人工無能だったからな…。」
 アスペルガー症候群で悩んでいたオレが少し笑いながらそう言った。

 午後イチで背中のフライトユニットを禁止して、ドラムキング相手に地上戦をやる…。
「やっぱり強いな…。」
 ドラムキングからの射撃と砲撃を横に飛び回避しつつ、ナオ機が発砲…1機ずつ正確に命中させていく…。
 地上戦と言う事もあり、被弾の割合は昨日よりも多いが、昨日の被弾の統計を元にQEの自動分配システムをアップデートされ、いちいち配分を手動で変える必要が無くなった…。
 この精度から言って…もう、ほっといても機能するだろう…。
 ファントムがライオットシールドを展開し、弾を防ぎつつ撃つ…ドラムキングを狙うが 未来予測システムを上手く使い回避する。
「さすがに凄い…。」
 通常のDLならとっくに大破しても不自然おかしくないレベルの被弾だが、ドラムキングの装甲は防ぎきっている。
 オレ達が使うDL…黒鋼より、スレイブロイド ファクトリーのドラムキングの方が全体的に性能が良い…。
 と言うのも ダイレクトリンクシステムを使う事で人型に縛られているDLと違い、ドラムキングは 戦車の発展系だ。
 戦車は 装甲が分厚く 接地面が多い事から反動の大きい砲を使えるので、火力が高く、高さが低いので被弾面積が低く、移動速度も速い…。
 そのDLの天敵の戦車だが、履帯りたいを使って機体を安定させている為、瞬発力は無く、未来予測システムを搭載しても回避が出来ない欠点が存在した…。
 それは、縦長の為 被弾面積は大きいが重心位置が高いので 瞬発力が高く、回避が出来るDLの有効性の証明にも繋がり、前線はDLに任せ、後方からの高火力の砲を撃つ戦車は、最終的に自走砲的な役割に落ち着いた…。
 さて、その戦車なのだがドラムキングは、4本足にする事で瞬発力と安定性の両取りが出来るようになり、更に戦車ゆずりの高火力に分厚い装甲と厄介やっかいさが、数段増している。
 ドラムキングは 空から砲弾の雨…横からはボックスライフルを二丁持ちのフルオート…。
 弾が無くなると副腕サブアームを器用に使いリロードする…。
 人ゆえに扱いずらいサブアームを廃止してハードポイントに切り替えた こちらとは違い、ちゃんと4本の腕を使いこなしている…種族に合わせて兵器が進化している。
 とは言え、こっちのファントムは、量子転換装甲で高装甲、高機動、高火力が実現出来た為、負けるはずは無いのだが…。
 大量の弾丸により逃げ道を防ぎ、圧倒的火力でQEをそぎ落として動けなくされる…。
 つまり…また負けだ。
「前線部隊は全滅させたか…。」
「ああ…前線の150機は削り切った。
 この分だとコスパでは大勝利だな…。」
 オレが後ろに座るクオリアに言う。
「1機で1個大隊に大量の弾薬に砲撃支援…相当な物資を消費しただろうからな~」
 DLの最大の強み…コストパフォーマンス…。
 旧時代の戦車は強いが1台10億もする…。
 兵器である以上、世界中にばらく事も出来ず、買い手が限られ、それが原因で大量生産する事は出来ないので、単価を下げる事が出来ない…。
 これが大量生産する程の需要が生まれて単価が下がった場合は戦争に突入している時くらいな物だ。。
 だが、それに比べ DLは 重機として大量生産されている事もあり、2000万程で生産が可能で、戦車1台をDL 2~3機で安全に撃墜出来るとされている…。
 つまり、運良くDL3機と相打ちだったとしても、戦車側に16倍の損害が出る。
 ドラムキングは土木工事の用途にも使えるので、DLと同じ2000万だとしても、150機の撃墜なので30億の損害だ…。
 まぁ今回は昨日と同じ模擬弾で停止させただけなので、損害は弾だけなのだが…。

「凄い戦果ですね…まさか前線部隊が全滅するとは…脅威度きょういどをもっと上げないと行けませんか…。」
「それにしても、良いのか?
 弾代だけでも馬鹿にならないだろう…。」
 こちらを撃墜する為にコストパフォーマンスに見合わない火力のゴリ押しだ。
 昨日の弾薬も相当だったが 今日も昨日と同じ位 消費している。
「いえいえ…実質消費したのは、電力 くらいですよ…。」
「え?」
 どういう理屈でそうなるんだ?
「ナオ…ドラムには、私達の理屈は通じない…。
 そうだな…この世のすべての資源は基本的に無料だ。
 なら何故なぜ、私達は資源を有料で取引している?」
 クオリアが こちらが理解しやすいように質問してくる。
「そりゃ…資源はタダでも掘削さいくつに掛るコストが、有るからだろう…。」
「なら、その掘削機もタダの集合体だな…。」
「え?まぁ…ん?てことは…。」
 機械の生産…その機械を構成するパーツの生産…さかのぼれば、すべてはタダの鉱山から始まっている…それに値段をかけているのは…。
「そうか…人件費か…。
 採掘から製造までをドラムで全部やるなら、人件費は0…消費するのはエネルギー位か…。」
「そう…つまり、この演習のほとんどが無料で出来ているんだ。
 それに、ここには リサイクル炉もデュプリケーターもあるから、本当に消費しているのは電気だけだな…。」
「考え方がブラック過ぎる…。」
 オレが苦笑いしつつ ツッコむ…。
「とは言え、人と違いドラムはそれで問題が起きないのだからホワイトだ…。」
 価値観の違いか…まぁ学園都市も ほぼ無料タダドラム奴隷で支えられている訳だし…人の事は言えないのか…。
 オレはそう思った。
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