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ヒトのキョウカイ6巻(赤十字の精神)
17 (過密スケジュール…30分の作戦)
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高度400km周回軌道…。
先頭のスペトラに乗っているニールは 国連の最優先ラインを通って来た命令にどう対処しようか迷っていた。
EHOにテロリスト部隊がやってきて、EHO側の戦力が皆無な為、こちらの降下ポイントを変更…EHOのテロリスト部隊を排除しろとの事だ。
この依頼や資金は国連から出ている為、客の要望には従うべきだろう。
ただ…ここで降ろしてしまえば、ネスト攻略戦を半分の戦力で対処する事になる…それは絶対にダメだ。
今 エレクトンのネットでは この問題に対して専用のチャットルームが設けられ、1瞬の間に多くの議論が交わされている。
問題なのは『全機降ろせ』な事…。
国連いわくネスト攻略作戦は、地上戦力でも十分に対処可能と言う言い分だが、EHOに960機を落とすのも明らかに過剰だ。
現地の情報の第一報がやってくる…これが判断材料になる。
テロリストは、海中に潜む2個大隊の300機…確かに大部隊だ…。
先行部隊は後続の上陸の為に海岸線を先に確保し始めようとしている…。
セオリーなら2倍の600機…いくら何でも、3倍の960機を降ろすのはやり過ぎだ。
『私達が行きましょう。』
このスペトラに乗る6人のエレクトロンのリーダーが言う。
『いや…キミ達は突入部隊…作戦の要だ…。
作戦に投入出来なければ、成功はあり得ない。』
EHOに降ろす部隊にエレクトロン小隊が入っていなかったのは、ネスト攻略作戦に必要だから…まぁ国連の部隊じゃないからと言う事もあるのだろうが…。
『それは、分かっています…。
作戦開始まで残り1時間…今から最短でEHOに行き 30分でテロリスト部隊を排除して、また上がり作戦時間に降下…。
単体で重力を振り切れる私達なら可能です。
タイムスケジュールはクオリアに確認を取りました…十分に実行可能です。』
『同意する…。
例え エレクトロン小隊が遅れて 降下部隊の損失が上がったとしても、メリットが上回ると判断する。』
『同意…。
ネスト攻略作戦は 成功すれば良いと言う物でも無い…。
今後ワームが太陽系外から来た場合に備えての戦力が必要だ。
パイロットの損耗は出来るだけ防ぐべきだ。』
『同意する』『同意する。』
『さて、ニール…結論は出ただろうか?』
クオリアが言う。
これは多数決では無い…私の判断材料を提供して貰っただけだ…決定権は私にある。
『私も賛成だ…エレクトロン小隊は先行し…テロリストを無力化、可能な限り殺傷は控《ひか》えろ…。
ただし タイムラインを優先…時間が無いなら殺傷して良い…。
国連への連絡と命令違反の責任は私が取る。
向こうもEHOが生きていれば文句は言わないはずだ。』
この間1分程度…加速していた思考クロックが 通常に戻る…。
エレクトロン小隊は、すぐさまブリッジを減圧…室内を真空状態にして床を蹴り上げ天井を押して後ろのエアロックを開ける…エアロックの外には 白い地球が見えている…。
エレクトロン小隊はの背中に量子光が集まり、機械翼を展開…スペトラを大きく蹴り上げ、後続の降下部隊を高速で回避しEHOに目掛けて降下して行った。
(頼むぞ…。)
声が届かない真空状態の船内でニールはそう つぶやき…エアロックを閉める…。
気圧が元に戻り、少し水分が蒸発した顔で国連に連絡を入れた。
降下部隊の護衛として付いていた エレクトロン小隊が、先行して減速し、地球に降りる…。
目標はEHO…遂に共食いが始まった。
残り時間は30分程度…。
敵は、海中潜航をしているDL2個大隊…300機…報告は来ていないが追加部隊の可能性もあり…。
ネスト攻略戦の時間を事前に知っていたのだろう…。
敵の想定される目的は、EHOに降下部隊を送らせ ネスト攻略作戦に参加させない事…。
もしくは、降下タイミングに間に合わなくさせ、地球をもう一周させて90分稼ぐか…。
既に先行しているDL部隊は EHO都市に上陸し、攻撃を開始した。
EHOの大半は 医療従事者なのでパイロットになれず、都市の防衛能力は皆無に等しい。
通常、武力攻撃を受ける可能性がある場合、付近の都市に要請し、DL部隊が駆け付けてくれるはずなのだが、ネスト攻略戦でDLの数が足りず、戦力をまわせないと拒否…。
実際は、エクスプロイトウイルスの対応に怒っていて意図的に出していない。
普段から高圧的に見下しているから、いざという時にこうなる…いい例だ。
エレクトロン小隊が 断熱圧縮による加熱で一筋の線となり、更に減速…EHOを目視で確認。
対象は、まず巨大な滑走路に集まり、格納庫のエアトラS2を片っ端から破壊し、EHO職員の退路を塞いでいる。
戦術としては正しい…これで職員は逃げられない…。
滑走路では 大型旅客機が強行離陸する為…エンジン出力全開で滑走路を高速で走っている。
敵DL部隊はそれに気づき、ボックスライフルを構え、タイヤを狙いバースト撃ち…。
離陸目前でタイヤに当たりパンク…スリップし、曲線のタイヤ痕を残して行く…離陸決心速度《V1》は越えていたようで…即座に逆推力装置を使い急減速…タイヤを意図的に仕舞い、胴体着陸…機体の胴体が滑走路を滑って行き、火花が舞い上がる…接地面が大きくなった事で機体が急減速し、オーバーランしつつも何とか止まる…。
DL部隊は大型旅客機を包囲し、ボックスライフルを機体の窓に向ける…トリガーに指が掛かっている…いつでも撃てる状態だ。
逃げ出した職員にDLが銃を向けている…奴らの狙いは何だ?
エレクトロン小隊は、量子光を帯びた手刀で旅客機に銃を向けているDL部隊の腕と切り落とし、コックピットを蹴り上げ、転倒させる…弱点の腹部を手刀で刺し、次のDLに移る…次…。
練度が低すぎる…素人か?なら好都合だ…。
我々にヒトは殺せない…。
三原則を任意で破れる私達だが 死人が出れば エレクトロンへの恐怖が伝染し『殺られる前に殺れ』と私達を排除しようとする大戦が始まってしまう…。
今の この状態でエレクトロンが社会的に孤立するのは非常にマズイ…。
如何に巨大な力を持っていようが、太陽系に構築された社会システムの前には我々は無力だ。
胴体着陸をしているのでタラップは必要ない…入り口のドアを手刀で切断し、中に突入する…。
「我々は エレクロトン所属の救出部隊だ…顔とIDを見せろ!」
乗客の顔を確認しつつ、事前に用意していたデータベースから該当者を検索…乗客名簿のリストを作る。
後ろから2列目の窓際の席に、地球で空気が安定していると言うのにフルフェイスヘルメットを被り、パイロットスーツを着ている人を見つける…。
「顔を見せろ!」
どっちがテロリストだか…乗客の顔を無理やりこちらに向け、反射してこちらの顔が見えるバイザーを上に上げる…目の虹彩から該当者を確認…。
「来てもらおうか?」
無理やり引っ張り、入り口まで連れて行き、フルフェイスヘルメットを外す…アダム代表だ。
「乗客の皆様…現時点では こちらが一番安全です…ここで待機を…。」
機内放送をしつつ…アダム代表を乱暴に引っ張り 下に降ろす。
『要 救助者を確保…。』
『了解…現在 EHO内の敵を無力化中…こちらで対処可能、護衛を優先せよ』
『了解』
エアロックに入り、気圧を安定させ中に入り、飛ぶ…。
空気が抜けているのだろう…天井のドームが萎み垂れ下がっている。
中では、DL部隊が 都市の中心部のEHO本部のビルに 一直線に向かっている。
エレクトロンは、加速し、本部ビル前で待機…迎え撃つ…。
DL部隊は 1機を囲むような陣形で移動していて、逆に真ん中のDLに要人がいると分かってしまう。
囮か?
護衛のベックタイプの機体が、ボックスライフルこちらに向け、こちらの未来予測システムの警告が発せられる。
エレクトロンは、銃弾を回避し、手を前に出し銃弾を放つ…。
DL部隊は爆発反応盾を構え、腹部を守るが、盾ごと腹部装甲を貫通させ、前のめりにの状態で停止させる。
7機の小隊を無力化…侵入したのは、これだけのようだ…。
『内部部隊を無力化…これより確認作業に入る。』
『了解』
エレクトロンが、機体の内部にいる兵士を引きずり出そうとするが、装甲の爆発ボルトが作動して DLの装甲が吹き飛び、中から脱出用のバギーが現れ加速する…。
その後、バギーの後ろに取り付けられてチャフ付きのスモークグレネードが作動し、一面を煙で覆われ、光学観測、電波観測が共にロスト…。
7機中…4台が逃走…残りの3機は、バギーになったものの、瓦礫にタイヤをとられ空転を繰り返す。
エレクトロンは粘着弾を生成し、射出…3人の兵の腹部に命中し 身動きを取れなくする。
この執念…本部に何かあるのか?
エレクトロンがバギーの後を追い始めた。
3人が本部のセキュリティを突破し、建物の中に入って行く…。
だが、エレクトロンは扉の前で止まり、走る彼らに一定の間隔を保ちつつ、追尾する。
彼らの目的が明確では無い以上、目的の場所に連れて行って貰う方が良い…。
さて、ある程度 予想はついていたが…予想通りサーバールームだ。
このサーバーは メディク専用のサーバーで、ここから地球中のメディクにアップデートをかけている。
彼らが扉の中に入って行き、エレクトロンが壁を背に向け扉に手を当てる。
中にいるテロリストの放つ声が、僅《わず》かに扉を振動させ、それを手で受け取って 音に再変換する。
『見つけた…これだ。』
『早くアップデートしろ』
『分かっている。』
物理キーボードを叩く音がする…。
なるほど…そう言う事か…。
エレクトロンは、扉を開けて 中に飛び込み、敵が即座に銃を向けてくるが、エレクトロンは素早く粘着弾を放ち2人を拘束…1名のエンジニアは こっちを無視してキーボードに打ち込んでいる。
「エクスプロイトウイルスの治療法をメディクにアップデートさせるのか…。」
「ああ…そうだ…。
メディクの指示を無視して、私の都市の感染した患者を救ってくれた私の同僚が、医療法違反で逮捕された。
治療は完璧だった…アンタらの仲間のハルミが出した治療方法だ。」
今の地球に医者はいても医師は殆《ほとん》どいない…。
ありとあらゆる治療方法を学習している機械に対し、人では一生を論文を読む事に費やしても足りないし、そもそも記憶《メモリ》の容量が圧倒的に足りない…。
なので、病気の細分化が進んだ今の時代、機械の方が遥かに 優秀な指示を飛ばせる為、人の医師がいなくなった。
そして医者…。
つまり 診断は出来ないが、医療行為を出来る者が殆ど となり、診断はメディクが、治療を医者が行う 今の体制が出来た。
そして、指示に従わず、医療行為を行う者は 医療法違反になる…。
当然だ…細分化した病気を人の認知を超えて診断が出来るメディクなのに、それを信用しないで勝手に治療したら、医療クオリティが保てなくなる…例え、それでメディクが間違っていても…。
「止めないんだな…。」
テロリストが言う。
「ああ…私個人としては賛成だからな…。
アップデートしないのは不効率過ぎる。
終わったら、外のテロリストを止めてくれ…。」
「無理だろう…アイツらは、株の暴落で破産寸前のパイロットだ。
最後に上層部のメンバーと派手に道連れにするつもりで動いている。
私達は戦力が欲しかった為、それに便乗しただけだ。」
「なら、損失額を脅しつけて保証させれば良いか?
身代金として…。」
『だそうだ…。
逃げ出したメンバーに交渉をして見ろ…。
使えない程 金が有り余っているはずだから 消される位なら金を支払うだろう…。』
資本主義経済を行う以上…労働格差が大きくなるのは当然だ。
その格差は2000倍にもなる。
正直、ルールに従い株取引で敗北した者達が逆恨みしているだけなのだが、額が額だけに、要人を巻き込んで自爆されても困る…。
『結果が出た…全員を殺せとの事だ。
依頼費を20倍に増額するそうだ。』
「今、テロリストの皆殺しにしろと言われているんだが…。
全く時間が無いと言うのに…如何《どう》するか…。」
作戦時間は30分…後10分程度で高度100kmまで、また上がらないと行けない。
『報告…海上から本隊の1.5個大隊が上陸を始めます。
交渉チャンネルに応答なし…。』
海岸にDL部隊が集まってきている…1.5個大隊、機数216…。
EHOのドームの上空で監視しているエレクトロンは対応を議論している。
『如何《どう》する?
時間があるなら、どうにかなるかも知れないが、残り10分だ…。
私はこちらを切り捨てるしか無いと考えている。
上陸部隊を一気に殲滅し、降下部隊に合流する。』
『賛成だ。
こちらには取れる手段が少ない。』
『反対だ…私達が力を見せれば人との関係は悪化する。
今後の事も考え、予定通り上陸と同時にDLの腹部装甲を撃ち抜き 無力化するのが最善であると判断する。
合流が多少遅れても、降下部隊の安全は 現地のエレクトロン1個小隊とハルミとジガ、クオリアの3体が守ってくれる。
少なくともこちらが 合流までの時間は十分に稼いでくれるだろう…』
『同意する』
『同意する』…。
『警告、降下部隊より連絡、ヒューマノイド型が降下…予定に無いユニット』
『通信ラインを構築、不可能なら接近してコンタクト…。』
『了解』
エレクトロンは降下予測地点の海岸線に向かう。
速い…。
ほぼ減速せずに高度100kmから10秒足らずで降りてくる…。
容姿は、マントのような外套を来ていて 視認出来ないが、身長は130cm…断熱圧縮に耐えたマントと、量子光が放たれている事から見て エレクトロンとは別の ポストヒューマンと考えて間違い無いだろう…。
『名前と目的を述べよ…。』
可能な限りの周波数と言語や光学アプローチを含めて試すが 彼は無視…。
彼は両手を広げ、手のひらに丸い何かを生成する…データに無いタイプの空間ハッキング?
エレクトロンは距離を取りつつ、眼をズームして確認する。
丸い空間…中は?中性子星と白色矮星…。
それから導き出される結論は……マズイ!
『全機…救助対象を防御…可能なら生存個体から逐次撤退…。
月のエレクトロン サーバーへ逃げろ…。』
恐らくデータでの撤退は間に合わない…。
彼は右手と左手の球体を目の前で融合させ、圧縮…。
バチバチと言う音と眩しい位の光…。
彼は 手を前に向ける…狙いは海岸…DL部隊だ。
『ガンマレイバースト』…星系1つを完全に破壊するエレクトロンの最終技…。
しかも単機で実用レベルで運用出来るなんてエレクトロンのデータベースには無い…。
明らかにエレクトロンが感知していない別の組織…。
太陽系のどこかの組織が ワームが宇宙に広がらないように地球を切り捨てたのか?
となると出力はある程度は抑《おさ》えられているはず…全力で撃てば太陽系が消滅するからだ。
どの程度まで抑《おさ》えられている?
ガンマレイバーストを照射…。
大量のガンマ線が放たれた熱線は海を焼き、1.5個大隊いたDL部隊を瞬時に蒸発させる…。
照射範囲の海は 地面がえぐれるまで蒸発し、海水が瞬時にプラズマ化…。
水蒸気爆発も起きない…。
が、その程度で済んだ…。
放射線量も健康被害が出るレベルになっているが許容範囲…数日もあれば元の数値に戻るだろう…。
ただ…えぐった海面が大きな津波になり、海岸を襲う…。
『全機…津波が来る。
被害予測!』
『被害は軽微…浸水程度…。』
『同じく浸水程度…。
機械類などの損害は出るだろうが、死者は無し…1ヵ月以内の完全復興が可能…。』
『分かった…第一波を防いだら、すぐに上昇し合流する。』
『同意する 了解した。』
『了解』
エレクトロンが 津波を防いでいる中、ゆっくりと上昇する彼を見上げる…。
先ほどからコンタクトを取っているが…応答なし…。
いや…来た。
『ポジトロン』
ポジトロン…ヤツの名前か組織名か?
ポジトロンは 瞬時に音速まで加速し、空に上がって行った。
『ヤツは?』
『光学観測…レーダーから完全にロスト…』
こちらの観測技術でも追えないステルス能力…。
『分かった…こちらもすぐに上がる。』
周辺安全を確認しつつ、色々と放置のまま、エレクトロン達は飛び上がり、音速を突破して上昇して行った。
先頭のスペトラに乗っているニールは 国連の最優先ラインを通って来た命令にどう対処しようか迷っていた。
EHOにテロリスト部隊がやってきて、EHO側の戦力が皆無な為、こちらの降下ポイントを変更…EHOのテロリスト部隊を排除しろとの事だ。
この依頼や資金は国連から出ている為、客の要望には従うべきだろう。
ただ…ここで降ろしてしまえば、ネスト攻略戦を半分の戦力で対処する事になる…それは絶対にダメだ。
今 エレクトンのネットでは この問題に対して専用のチャットルームが設けられ、1瞬の間に多くの議論が交わされている。
問題なのは『全機降ろせ』な事…。
国連いわくネスト攻略作戦は、地上戦力でも十分に対処可能と言う言い分だが、EHOに960機を落とすのも明らかに過剰だ。
現地の情報の第一報がやってくる…これが判断材料になる。
テロリストは、海中に潜む2個大隊の300機…確かに大部隊だ…。
先行部隊は後続の上陸の為に海岸線を先に確保し始めようとしている…。
セオリーなら2倍の600機…いくら何でも、3倍の960機を降ろすのはやり過ぎだ。
『私達が行きましょう。』
このスペトラに乗る6人のエレクトロンのリーダーが言う。
『いや…キミ達は突入部隊…作戦の要だ…。
作戦に投入出来なければ、成功はあり得ない。』
EHOに降ろす部隊にエレクトロン小隊が入っていなかったのは、ネスト攻略作戦に必要だから…まぁ国連の部隊じゃないからと言う事もあるのだろうが…。
『それは、分かっています…。
作戦開始まで残り1時間…今から最短でEHOに行き 30分でテロリスト部隊を排除して、また上がり作戦時間に降下…。
単体で重力を振り切れる私達なら可能です。
タイムスケジュールはクオリアに確認を取りました…十分に実行可能です。』
『同意する…。
例え エレクトロン小隊が遅れて 降下部隊の損失が上がったとしても、メリットが上回ると判断する。』
『同意…。
ネスト攻略作戦は 成功すれば良いと言う物でも無い…。
今後ワームが太陽系外から来た場合に備えての戦力が必要だ。
パイロットの損耗は出来るだけ防ぐべきだ。』
『同意する』『同意する。』
『さて、ニール…結論は出ただろうか?』
クオリアが言う。
これは多数決では無い…私の判断材料を提供して貰っただけだ…決定権は私にある。
『私も賛成だ…エレクトロン小隊は先行し…テロリストを無力化、可能な限り殺傷は控《ひか》えろ…。
ただし タイムラインを優先…時間が無いなら殺傷して良い…。
国連への連絡と命令違反の責任は私が取る。
向こうもEHOが生きていれば文句は言わないはずだ。』
この間1分程度…加速していた思考クロックが 通常に戻る…。
エレクトロン小隊は、すぐさまブリッジを減圧…室内を真空状態にして床を蹴り上げ天井を押して後ろのエアロックを開ける…エアロックの外には 白い地球が見えている…。
エレクトロン小隊はの背中に量子光が集まり、機械翼を展開…スペトラを大きく蹴り上げ、後続の降下部隊を高速で回避しEHOに目掛けて降下して行った。
(頼むぞ…。)
声が届かない真空状態の船内でニールはそう つぶやき…エアロックを閉める…。
気圧が元に戻り、少し水分が蒸発した顔で国連に連絡を入れた。
降下部隊の護衛として付いていた エレクトロン小隊が、先行して減速し、地球に降りる…。
目標はEHO…遂に共食いが始まった。
残り時間は30分程度…。
敵は、海中潜航をしているDL2個大隊…300機…報告は来ていないが追加部隊の可能性もあり…。
ネスト攻略戦の時間を事前に知っていたのだろう…。
敵の想定される目的は、EHOに降下部隊を送らせ ネスト攻略作戦に参加させない事…。
もしくは、降下タイミングに間に合わなくさせ、地球をもう一周させて90分稼ぐか…。
既に先行しているDL部隊は EHO都市に上陸し、攻撃を開始した。
EHOの大半は 医療従事者なのでパイロットになれず、都市の防衛能力は皆無に等しい。
通常、武力攻撃を受ける可能性がある場合、付近の都市に要請し、DL部隊が駆け付けてくれるはずなのだが、ネスト攻略戦でDLの数が足りず、戦力をまわせないと拒否…。
実際は、エクスプロイトウイルスの対応に怒っていて意図的に出していない。
普段から高圧的に見下しているから、いざという時にこうなる…いい例だ。
エレクトロン小隊が 断熱圧縮による加熱で一筋の線となり、更に減速…EHOを目視で確認。
対象は、まず巨大な滑走路に集まり、格納庫のエアトラS2を片っ端から破壊し、EHO職員の退路を塞いでいる。
戦術としては正しい…これで職員は逃げられない…。
滑走路では 大型旅客機が強行離陸する為…エンジン出力全開で滑走路を高速で走っている。
敵DL部隊はそれに気づき、ボックスライフルを構え、タイヤを狙いバースト撃ち…。
離陸目前でタイヤに当たりパンク…スリップし、曲線のタイヤ痕を残して行く…離陸決心速度《V1》は越えていたようで…即座に逆推力装置を使い急減速…タイヤを意図的に仕舞い、胴体着陸…機体の胴体が滑走路を滑って行き、火花が舞い上がる…接地面が大きくなった事で機体が急減速し、オーバーランしつつも何とか止まる…。
DL部隊は大型旅客機を包囲し、ボックスライフルを機体の窓に向ける…トリガーに指が掛かっている…いつでも撃てる状態だ。
逃げ出した職員にDLが銃を向けている…奴らの狙いは何だ?
エレクトロン小隊は、量子光を帯びた手刀で旅客機に銃を向けているDL部隊の腕と切り落とし、コックピットを蹴り上げ、転倒させる…弱点の腹部を手刀で刺し、次のDLに移る…次…。
練度が低すぎる…素人か?なら好都合だ…。
我々にヒトは殺せない…。
三原則を任意で破れる私達だが 死人が出れば エレクトロンへの恐怖が伝染し『殺られる前に殺れ』と私達を排除しようとする大戦が始まってしまう…。
今の この状態でエレクトロンが社会的に孤立するのは非常にマズイ…。
如何に巨大な力を持っていようが、太陽系に構築された社会システムの前には我々は無力だ。
胴体着陸をしているのでタラップは必要ない…入り口のドアを手刀で切断し、中に突入する…。
「我々は エレクロトン所属の救出部隊だ…顔とIDを見せろ!」
乗客の顔を確認しつつ、事前に用意していたデータベースから該当者を検索…乗客名簿のリストを作る。
後ろから2列目の窓際の席に、地球で空気が安定していると言うのにフルフェイスヘルメットを被り、パイロットスーツを着ている人を見つける…。
「顔を見せろ!」
どっちがテロリストだか…乗客の顔を無理やりこちらに向け、反射してこちらの顔が見えるバイザーを上に上げる…目の虹彩から該当者を確認…。
「来てもらおうか?」
無理やり引っ張り、入り口まで連れて行き、フルフェイスヘルメットを外す…アダム代表だ。
「乗客の皆様…現時点では こちらが一番安全です…ここで待機を…。」
機内放送をしつつ…アダム代表を乱暴に引っ張り 下に降ろす。
『要 救助者を確保…。』
『了解…現在 EHO内の敵を無力化中…こちらで対処可能、護衛を優先せよ』
『了解』
エアロックに入り、気圧を安定させ中に入り、飛ぶ…。
空気が抜けているのだろう…天井のドームが萎み垂れ下がっている。
中では、DL部隊が 都市の中心部のEHO本部のビルに 一直線に向かっている。
エレクトロンは、加速し、本部ビル前で待機…迎え撃つ…。
DL部隊は 1機を囲むような陣形で移動していて、逆に真ん中のDLに要人がいると分かってしまう。
囮か?
護衛のベックタイプの機体が、ボックスライフルこちらに向け、こちらの未来予測システムの警告が発せられる。
エレクトロンは、銃弾を回避し、手を前に出し銃弾を放つ…。
DL部隊は爆発反応盾を構え、腹部を守るが、盾ごと腹部装甲を貫通させ、前のめりにの状態で停止させる。
7機の小隊を無力化…侵入したのは、これだけのようだ…。
『内部部隊を無力化…これより確認作業に入る。』
『了解』
エレクトロンが、機体の内部にいる兵士を引きずり出そうとするが、装甲の爆発ボルトが作動して DLの装甲が吹き飛び、中から脱出用のバギーが現れ加速する…。
その後、バギーの後ろに取り付けられてチャフ付きのスモークグレネードが作動し、一面を煙で覆われ、光学観測、電波観測が共にロスト…。
7機中…4台が逃走…残りの3機は、バギーになったものの、瓦礫にタイヤをとられ空転を繰り返す。
エレクトロンは粘着弾を生成し、射出…3人の兵の腹部に命中し 身動きを取れなくする。
この執念…本部に何かあるのか?
エレクトロンがバギーの後を追い始めた。
3人が本部のセキュリティを突破し、建物の中に入って行く…。
だが、エレクトロンは扉の前で止まり、走る彼らに一定の間隔を保ちつつ、追尾する。
彼らの目的が明確では無い以上、目的の場所に連れて行って貰う方が良い…。
さて、ある程度 予想はついていたが…予想通りサーバールームだ。
このサーバーは メディク専用のサーバーで、ここから地球中のメディクにアップデートをかけている。
彼らが扉の中に入って行き、エレクトロンが壁を背に向け扉に手を当てる。
中にいるテロリストの放つ声が、僅《わず》かに扉を振動させ、それを手で受け取って 音に再変換する。
『見つけた…これだ。』
『早くアップデートしろ』
『分かっている。』
物理キーボードを叩く音がする…。
なるほど…そう言う事か…。
エレクトロンは、扉を開けて 中に飛び込み、敵が即座に銃を向けてくるが、エレクトロンは素早く粘着弾を放ち2人を拘束…1名のエンジニアは こっちを無視してキーボードに打ち込んでいる。
「エクスプロイトウイルスの治療法をメディクにアップデートさせるのか…。」
「ああ…そうだ…。
メディクの指示を無視して、私の都市の感染した患者を救ってくれた私の同僚が、医療法違反で逮捕された。
治療は完璧だった…アンタらの仲間のハルミが出した治療方法だ。」
今の地球に医者はいても医師は殆《ほとん》どいない…。
ありとあらゆる治療方法を学習している機械に対し、人では一生を論文を読む事に費やしても足りないし、そもそも記憶《メモリ》の容量が圧倒的に足りない…。
なので、病気の細分化が進んだ今の時代、機械の方が遥かに 優秀な指示を飛ばせる為、人の医師がいなくなった。
そして医者…。
つまり 診断は出来ないが、医療行為を出来る者が殆ど となり、診断はメディクが、治療を医者が行う 今の体制が出来た。
そして、指示に従わず、医療行為を行う者は 医療法違反になる…。
当然だ…細分化した病気を人の認知を超えて診断が出来るメディクなのに、それを信用しないで勝手に治療したら、医療クオリティが保てなくなる…例え、それでメディクが間違っていても…。
「止めないんだな…。」
テロリストが言う。
「ああ…私個人としては賛成だからな…。
アップデートしないのは不効率過ぎる。
終わったら、外のテロリストを止めてくれ…。」
「無理だろう…アイツらは、株の暴落で破産寸前のパイロットだ。
最後に上層部のメンバーと派手に道連れにするつもりで動いている。
私達は戦力が欲しかった為、それに便乗しただけだ。」
「なら、損失額を脅しつけて保証させれば良いか?
身代金として…。」
『だそうだ…。
逃げ出したメンバーに交渉をして見ろ…。
使えない程 金が有り余っているはずだから 消される位なら金を支払うだろう…。』
資本主義経済を行う以上…労働格差が大きくなるのは当然だ。
その格差は2000倍にもなる。
正直、ルールに従い株取引で敗北した者達が逆恨みしているだけなのだが、額が額だけに、要人を巻き込んで自爆されても困る…。
『結果が出た…全員を殺せとの事だ。
依頼費を20倍に増額するそうだ。』
「今、テロリストの皆殺しにしろと言われているんだが…。
全く時間が無いと言うのに…如何《どう》するか…。」
作戦時間は30分…後10分程度で高度100kmまで、また上がらないと行けない。
『報告…海上から本隊の1.5個大隊が上陸を始めます。
交渉チャンネルに応答なし…。』
海岸にDL部隊が集まってきている…1.5個大隊、機数216…。
EHOのドームの上空で監視しているエレクトロンは対応を議論している。
『如何《どう》する?
時間があるなら、どうにかなるかも知れないが、残り10分だ…。
私はこちらを切り捨てるしか無いと考えている。
上陸部隊を一気に殲滅し、降下部隊に合流する。』
『賛成だ。
こちらには取れる手段が少ない。』
『反対だ…私達が力を見せれば人との関係は悪化する。
今後の事も考え、予定通り上陸と同時にDLの腹部装甲を撃ち抜き 無力化するのが最善であると判断する。
合流が多少遅れても、降下部隊の安全は 現地のエレクトロン1個小隊とハルミとジガ、クオリアの3体が守ってくれる。
少なくともこちらが 合流までの時間は十分に稼いでくれるだろう…』
『同意する』
『同意する』…。
『警告、降下部隊より連絡、ヒューマノイド型が降下…予定に無いユニット』
『通信ラインを構築、不可能なら接近してコンタクト…。』
『了解』
エレクトロンは降下予測地点の海岸線に向かう。
速い…。
ほぼ減速せずに高度100kmから10秒足らずで降りてくる…。
容姿は、マントのような外套を来ていて 視認出来ないが、身長は130cm…断熱圧縮に耐えたマントと、量子光が放たれている事から見て エレクトロンとは別の ポストヒューマンと考えて間違い無いだろう…。
『名前と目的を述べよ…。』
可能な限りの周波数と言語や光学アプローチを含めて試すが 彼は無視…。
彼は両手を広げ、手のひらに丸い何かを生成する…データに無いタイプの空間ハッキング?
エレクトロンは距離を取りつつ、眼をズームして確認する。
丸い空間…中は?中性子星と白色矮星…。
それから導き出される結論は……マズイ!
『全機…救助対象を防御…可能なら生存個体から逐次撤退…。
月のエレクトロン サーバーへ逃げろ…。』
恐らくデータでの撤退は間に合わない…。
彼は右手と左手の球体を目の前で融合させ、圧縮…。
バチバチと言う音と眩しい位の光…。
彼は 手を前に向ける…狙いは海岸…DL部隊だ。
『ガンマレイバースト』…星系1つを完全に破壊するエレクトロンの最終技…。
しかも単機で実用レベルで運用出来るなんてエレクトロンのデータベースには無い…。
明らかにエレクトロンが感知していない別の組織…。
太陽系のどこかの組織が ワームが宇宙に広がらないように地球を切り捨てたのか?
となると出力はある程度は抑《おさ》えられているはず…全力で撃てば太陽系が消滅するからだ。
どの程度まで抑《おさ》えられている?
ガンマレイバーストを照射…。
大量のガンマ線が放たれた熱線は海を焼き、1.5個大隊いたDL部隊を瞬時に蒸発させる…。
照射範囲の海は 地面がえぐれるまで蒸発し、海水が瞬時にプラズマ化…。
水蒸気爆発も起きない…。
が、その程度で済んだ…。
放射線量も健康被害が出るレベルになっているが許容範囲…数日もあれば元の数値に戻るだろう…。
ただ…えぐった海面が大きな津波になり、海岸を襲う…。
『全機…津波が来る。
被害予測!』
『被害は軽微…浸水程度…。』
『同じく浸水程度…。
機械類などの損害は出るだろうが、死者は無し…1ヵ月以内の完全復興が可能…。』
『分かった…第一波を防いだら、すぐに上昇し合流する。』
『同意する 了解した。』
『了解』
エレクトロンが 津波を防いでいる中、ゆっくりと上昇する彼を見上げる…。
先ほどからコンタクトを取っているが…応答なし…。
いや…来た。
『ポジトロン』
ポジトロン…ヤツの名前か組織名か?
ポジトロンは 瞬時に音速まで加速し、空に上がって行った。
『ヤツは?』
『光学観測…レーダーから完全にロスト…』
こちらの観測技術でも追えないステルス能力…。
『分かった…こちらもすぐに上がる。』
周辺安全を確認しつつ、色々と放置のまま、エレクトロン達は飛び上がり、音速を突破して上昇して行った。
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