⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ6巻(赤十字の精神)

26 (もう一つの遺伝子)

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「うーん」
 ナオがゆっくりと目を開ける…。
 なんか変だが如何どうにか生き残った見たいだな…。
 腕を見る…ロボットアームにエアダクトのホースのような腕…うんドラムだな…。
 と言う事は オレのブレインキューブは 義体から外してドラムに入れられたと言う事か…。
「起きたか…ちゃんと見えているか?」
 ディスプレイの首をまわし、作業台で何かをしている銀髪の女性を見つける。
「ジガか?…オレの義体は?また失ったのか…。」
「いや…ちゃんと生きてるよ…。
 ただ、最大出力時の廃熱に問題が出てね…。
 人工皮膚が焦げちまったし、それを無理やり海水で冷却したもんだから 海水が体中に入ってる。
 今は脱塩作業中で、皮膚はこの際 全取っ換えかな…。」
 ドラムの身体は動くか?
 折り畳んでいた4本の足を上げ、作業台の上を見て見ると、そこにあるのは オレの義体だ。
 義体を見て見ると確かに、あちこちが焼けていて、中には海水が入っており今 ジガは 皮膚を全部 剥がしている最中だ…。
「これ、結構時間が掛かるから、先に復旧させたんだ。
 それと、色々と浸食しんしょくされてた原因が分かったしな…。」
「浸食ってアレか…空腹を感じ無くなったり、食べ物に興味が無くなったり、まるで人から機械に代わっているような気がしていたが…。」
「そう、それ…。
 ナオOSが使える処理スペックが急に増えて、学習した事が原因だな。
 ヒトと機械の間でデータの整合性が取れなくて不具合を起こしていた。
 一応パッチは当てたから経過観察かな…。」
「OK…助かった…クオリアは?」
「周辺海域のワームを徹底的に探している…。
 作戦が終わってから丸一日経ってるけど…もういない見たいだな…。
 撤退てったいの命令を貰えるか?
 最後のワームを発見してから12時間は立つし…。」
「あ…そうか…なら『自己判断で排除したと思ったら撤退てったいして良し』とクオリアに言ってくれないか?」
 こっちから クオリアに伝えたいが、この身体じゃ いつもの内緒話通信は出来ない。
「じゃあ入れとく…。
 量子転換素子の皮膚は明日には出来るから…。」
「量子転換素子の皮膚?」
「そう、ファントムの量子転換装甲の皮膚ひふ版な…。」
「安全性は?」
「正直に言うなら テストはしてない…。
 けど仕組み自体は 量子転換装甲の流用だし、最大の問題も肌触りが悪い位で危険という訳でも無い…あーちなみに それは解決しているから、生体義体の皮膚と変わらないはず…。
 明日まで ドラムの身体で のんびりすればいいさ…。」
「はは…楽しませてもらうよ…。」
 オレは スライドドアを開けて部屋から出て行った。

 ナオドラムは、長い廊下をゆっくりとタイヤで自走しながらつぶやく。

 せっかくなので、この身体でこの辺りを探検して見る。
 扱い方は 研究都市のドラムを動かした時と同じで、流石さすがに戦闘は出来ないだろうが、ドラムに入っている義体制御アプリのアシストが上手く効いている…。
 ここは デパート艦だろうか…。
 テナントの店は見る限り全部閉店…。
 と言うより、人がいない…。
 ナオドラムは、ネットを使い自分がいる場所を特定…あ~やっぱり…。
「スレイブロイドファクトリーか…。」
 戦闘海域から近く、あんな専門設備が揃《そろ》っている事となれば ここしかないだろう。
 辺りを見回す…施設整備のドラムなのだろうか?
 人も来ないと言うのに、ドラム12機が床を水拭きをしている。
 ナオドラムが周りを見る…老朽化を感じさせられない程の建物…。
 こんな良い設備を遊ばせて置くなんて勿体もったいないし、ちゃんと使って施設整備をして貰いたい。
 スレイブロイドファクトリーも新事業に繰り出すつもりだし、ここが賑わってくれれば良いのだけど…。
 ナオはそう思った。

 翌日…10月29日水曜日…。
「さて、準備は良いか?」
「ああ…。」
 ドラムの身体からキューブが外され、視点がブレインキューブの視点に切り替わる…。
 カメラ、マイク、スピーカーと一通り付いているので、外の状況は分かるが手足は無い。
 オレの義体の後頭部のカバーを開け、オレが頭に入り、オレの下に付いているコネクタが接続される。
 義体再接続…システムOK、義体の送受信開始…。
 10秒程で徐々に感覚が戻ってくる…。
 ナオはとりあえず、病院服を着せられていた状態から、ハンガーにかけられていたパイロットスーツをぎこちない動作で取る…。
 内側を見ると肌に当たる熱伝導率が高いゼリー状の層が 全取っかえ されているが 他に損傷は無い…。
 オレは病院服を脱ぎ、新しく用意してもらった下着を着てパイロットスーツを着る…。
 パイロットスーツは当然ながら 宇宙で活動出来るように設計されている為、外と内を完全に隔離かくりしてパイロットを守っている。
 たが、逆に言えば 体温の廃熱はいねつを外に出来ず、熱が溜まり蒸し風呂状態になってしまう。
 その為にパイロットの中には耐弾ジェルの熱交換を利用した冷却機構きこうが付いているのだが、どうやら最大出力でオレから発せられる熱を冷却しきれ無かった見たいだ。
 そうなれば熱が溜まり、温度が上昇して皮膚が耐えられなくなる…と。
「エレクトロン用のパイロットスーツに変えて見たらどうだ?
 流石に、人用の汎用型だと もう廃熱はいねつが間に合わないだろう…。」
「だな…見積書頼む…帰ったら買うかどうか決める…。」
 学園都市では義体用のパイロットスーツもあったはずだ。
 どうせ買うなら、自分の都市に金を落として経済を回した方が良いだろう…。
 帰ったら作れるかどうか見て決めよう…。
「それじゃあ、ありがと…。
 ちょっと慣らし運転に行ってくる。」
「ああ…お疲れ…それと明日の朝に艦に戻って合流するから…。
 戻ったら生還パーティをするんだってさ…。」
「あーオレがいなかったから出来なかったのか…。」
 オレはスライドドアを開け、綺麗に掃除された無人のデパートでリハビリをかねたランニングをし始めた…。
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