⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ1巻(異世界転生したら未来でした)

12 (買い物に行こう)

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 学校に通い始めたてから2週間ほど たったある日。
 寮の食堂で、価格0円のミートキューブを自動販売機で購入?しているトヨカズを見つけた。
 ミートキューブは サイコロ型の一口サイズに固めたクッキーを3つ繋げてスティック状にしたものだ。
 今トヨカズが購入したのはハンバーガー味、最初は食用肉《ミート》味だったが、チョコレート、フルーツ、メープルと次第に増えハンバーガー何て言うマイナーの味もある。
 元が軍用レーションと言う事もあって、あらゆる栄養素を物理限界まで圧縮したそのミートキューブのカロリー量は驚きの1本(100g)で1000キロカロリーで、これは軍人の1食分のカロリーになる。
 勿論《もちろん》必要な栄養素はすべてバランス良く配合されてだ。
 これを違う味で3分の1ずつ合計で1本組み合わせて食べるのが基本だ。
 さてその軍用レーションがなぜここで売っているかと言うと、飢餓きが対策の為だ。
 賞味期限が残り1年を切ると民間にほぼタダで売られ、自販機でタダで販売される。
 所持金を使いすぎている人が腹を空かせると犯罪や問題行動を起こすので、無料で販売している訳だ。
「金に困っているのか?もっと計画的に使ってみたらどうだ?」
 ナオがトヨカズにそう尋ねてみる。
「いや別に金に困ってはいないだけどな、ちょっと買い物があって買うために調整をかけている所だ。」
「なら先月から金を貯めて…ああ生活保障金を使うのか?」
「そういう事、今の所 稼ぎはそれしかないからな」
 生活保障金制度…人間の生活に必要なお金を保障する制度で生存権の一種になる。
 具体的には、10万トニー+5000トニー位(物価調整の為 上下する)のお金が入る。
 これは贅沢せず普通に暮らすなら十分足りる金額だが、ただこれにも1つ制限がある。
 翌月への持ち越しが出来ないのだ。
 つまり月終わりの時点で9万トニー所持してようが0トニーになってようが翌月1日午前0:01分には一律10万トニー+物価調整額になる。
 その為、月末に外食店などに 使い切りたい人の購買意欲をあおり、金が回る景気対策にもなっている。
「って ナオは金に困ってないのか?」
「いや普通に生活保障金で足りてるし、それに義体テストのアルバイトで通常報酬で10万トニー貰ってる。」
 死ぬかもしれない義体テストに月10万ってのはかなり少ないとは思うが、診断や ほぼ特注の高額補修パーツも無料の条件で契約を行った。
 ちなみに生活保障金があるおかげで、最低賃金制度は無くなり時給1トニーでも(やる人はいないと思うが)合法で出来るようになり、労働時間は1日あたり4時間に減少、週休3日になり4日通勤がメジャーだ。(1日24時間勤務とか7日勤務とかも出来る)
 最もその人の価値は、都市システムのケインズに把握されていて『自分の値段の証明書』として発行して貰える…。
 なので、面接の時には その自分の値段を基準に交渉する事になる。
 正直 自分に値段を付けられるのは気に食わないが、こうする事で企業に買い叩かれる事が大幅に減っている。

 その後トヨカズが買い物に行くと言うので、ナオは付いていく事にした。
 単純に暇だった事もあるが、ここに来てから 学校と寮と病院を行き来きするルーチンワークになっていたので、都市の中を見たいと言う気持ちもある。
「で何を買うんだ?」
 ナオがトヨカズが歩きながら言う。
3Dスリーディ QNキューエヌ CPUシーピーユーつまりホームサーバーの増設」
「ああ新しいCPU方式の奴ね」
「とは言っても500年前の規格なんだがな…旧時代からの人が見ると新しく感じるのか?」
「そりゃオレの時代には無かったからな、今はどれ位の性能になってる?」
 コンピューターが好きなオレはトヨカズに聞く。
「今回買うのは毎秒1エクサバイトだな…やっと民間で買える価格になったからな」
「はい?遅すぎじゃね?」
 前時代…ナオがいた2020年でのコンピューターは、毎秒16GBから32GBが主流だった。
 勿論スーパーコンピューターはもっと早く2020年に出来ると言われていた 天尊てんそんの『エクサ』が文字通り毎秒1エクサバイト…。
 当時の『エクサ』コンピューターがノイマン型の物理限界で、その後の二次元基盤に高さが加わり、三次元基盤になって、更にノイマン型規格とは違う人の脳と同じニューロ型に切り替わり、その後は、量子通信のゼロタイム情報伝達をニューロ細胞に搭載する事で、人の脳の構造を機械的に完全模倣《かんぜんもほう》する事に成功した。
 それが3DQNCPU(三次元量子ニューロ中央演算装置)だ。
 人の脳が毎秒10ペタバイトなので人の脳100人分の処理を行う事が出来る計算だ。
 さてこの時点で2050年…。
 つまり550年前のCPUが民間型の最新モデルになっている訳だ。
 小型化に手間取ったとしても いくら何でも遅すぎる。
「普通にヨタバイトを超えていると思ってた。」
 集積密度が上がりにくかったとしても550年も立ってこれだけしか性能が上がってないなんてな…。
 一回文明でも崩壊したのか?
「あ……うん。その感覚は合ってる。
 この都市は『内部機構を完全把握している物』しか使うことが出来ねぇんだ。
 このスペックには2050年の時点で達成はしていたんだが、人工知能が設計した物でな…中の機構が全く分からなかったんだ…。
 まぁ入力と出力規格は当時の方式になっていたから問題は無く使えたんだが…。
 そいつを人類に分かるように再設計したのが今のヤツな。
 ここで出来たのが数年前…生身の人類では初なんだぞ」
「生身でなんだ…。」
「そう…脳の一部を改造しているサイボーグトランスヒューマンは30年前には普通に出来ていたし、ほぼ機械の人類は2100年、エレクトロン…当時はオートマタか?は2050年だな」
 そう言いつつ ナオとトヨカズは 大通りに寮の隣にある大通りに出る。
 大通りのデザインは『上り』二車線、『下り』二車線の計四車線で作られていて、その間にビルの三階建て位の高さのY字の柱が立っていて、その上に有る道路を支えている。
 トヨカズは左右を確認しつつ、信号の一切ない大通りを渡《わた》り、Y字の柱の中にあるハシゴに手をかけ上っていく。
 ナオはとっさに高速道路外環に生身で出て大丈夫か?と思ったが上を見ても車が通っている気配は無いし、騒音対策の防音壁もない、あるのはT字の屋根だけだ。
 何があるのだろうと気になってトヨカズに続いてハシゴを上ってい行った。

「なんじゃこりゃ」
 上にあったものそれはローラーコンベアだった。
 等間隔に並ぶローラーの上に炭素繊維強化プラスチック製のパレットが一枚づつ並べられており左から右へ流れており、こちらも上り二車線下り二車線の四車線だ。
 パレットの上には 折り畳みコンテナがパレットいっぱいに配置されていて転倒防止用のネットが被《かぶ》され、パレットに固定されている。
 ナオがしばらく見ていると、パレットの流れが停止し、パレットが寮に繋がっているコンベアを使って物が搬入《はんにゅう》されていく、5台ほど補充されるとまた一定速度で動き出した。
 なるほど20万人分の物資をどう運搬《うんぱん》させているのか、おおかた深夜帯に大量のトラックを使って搬入《はんにゅう》しているのだろうと思っていたが、ローラーコンベアならほぼ自動化出来て渋滞もしない…。
 20kmの空間だけで生産消費が完結しているアーコロジーならではのシステムか…。
 そう関心していると、手前のローラーコンベアに定期的に回っているのであろう手すりと座席を取り付けた『座席パレット』がやってきた。
「こっちは人用なのか?」
 完全に停止してくれない『座席パレット』は走れば楽に乗れる速度で走り、トヨカズとナオは、手すりにつかまりゴンドラに乗る。
 座席に座ると感圧センサーが重さを検知したのかスピードが次第に上がっていく…時速は大体30kmほどだろうか?
「近づいたら座席から立てば減速してくれる。
 目的地は商業地区の電気街…通称『ニューアキバ』」
「秋葉原?なんで日本の地名(?)が?ここトニー王国領土だろ?」
「日本を追い出された純血日本人の移民が大量に入ってきたからな~。
 もともと砦学園都市も つくばにあったって聞いたし…。」
「じゃあ日本は?まだ実質中国領?」
「記録上はな…。
 と言ってもどこもかしこも独立都市を作って都市ごとに法律を作っているから、もう国境線も意味が無いからなぁ」
 同じルールでやろうとすると国同士でケンカが起きるだから国境線を引いて『ここからは、こちらのルールに従いなさい』としているが、自分の都市の周辺しか守らない この世界では、この都市の周辺位が国境線なんだろうな…。
 いや…そもそもケンカが起きなければ区分する意味もないか…
 それからしばらくして、ナオとトヨカズは『ニューアキバ』についた。
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