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ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)
05 (造顔師)
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ジリジリジリジリジリジリジリジリ~…。
ソファーに座り、ネットサーフィンをしていたナオは SEでしか聞いたことが無い、昔懐かしい黒電話のベル音を聞き、ソファーから立ち上がる。
「どこだ?」
音の方向を探り向かってみると どうやら外みたいだ。
玄関にあった靴を履き、外に出て見る…。
外の風景もオレの記憶の通り…いやオレの記憶から作られたのだから当たり前か…。
玄関を出てすぐの道路そこにあったのは、オレの時代では もはや使われるシーンを見たことが無い…『公衆電話』だった。
「マニアック過ぎるだろう…。」
ナオは突っ込むが、これもオレの記憶が元に作られているんだよな…。
「オレとしては バックドアを想像していたんだが…。」
ナオは電話ボックスに入り 受話器を取り耳に当て、片手を突っ込んできそうな位置にある駐車しているトラックにかざす…。
ナオは想像通り受話器に吸い込まれて行った。
2つのキューブがある…1つはナオが今いるキューブ、もう1つがクオリアの予備義体…いやナオの新しい義体の中にあるキューブだ。
クオリアは手早く繋いでいく…。
ナオのキューブのUSBポートにケーブルを差し込み、ナオの義体の首に小型の量子通信機を繋ぐ…。
後は2つを量子接続させれば完成…。
「何で電話ボックスなんだ?」
クオリアがジガに尋ねる…。
通常は ドアを開けると別の空間に行けるドア方式が主流だ。
「クオリア…この映画知らないのか?」
「知らない」
「うわぁ~時代だね…。
大戦の切っ掛けの1つだってのに…。」
「その時代の化石映画を私が知る訳無いだろう…。」
何せ入手すら困難なのだ。
まぁジガが大量に私蔵している事は知っているのだが…。
「ニューアキバに『20世紀シネマ館』と言う化石映画を扱っている映画館がある。
館長がエレクトロン嫌いだが、良い人らしい…。
手土産を持って話に行ってみたはどうだ?」
「ん~それも面白いかもな…。」
モリタニングしているナオが音につられて移動する…。
バックドアの電話ボックスに入り受話器を取り耳を当て、手を前に伸ばした…。
「トラックでも突っ込ませるか…。」
ジガが唐突につぶやく…。
「確かに転生はトラックに引かれるのが 定番らしいが…」
「はははネタが通じない…。」
ジガが 苦笑いを浮かべた。
受話器に吸い込まれ、次に見た光景は倉庫の中で…多分クオリアの部屋…。
「どうだ?ナオ…違和感はあるか?」
クオリアと同じ銀色の短髪で少しボーイッシュな女性が聞く。
多分、オレの身体を作ってくれた義体整備師だろう。
ナオは作業台から起き上がり、降りて立ち上がる。
「前の義体見たいな違和感はないな…。」
「前の義体データも含めて計算してパッチを当てているからな…。」
ナオは 身体をひねって感覚を確認する…。
「あっ違和感あった…。」
「どこだ?まさかチ〇コか?」
「ジガはそこにこだわるな…。」
「いやだって…再現出来なかったのは そこだけ なんだぞ…」
「あ~確かに そこも確かに違和感はあるんだが…。」
下腹部を見る…確かに前にあった物が無い。
だがそれよりも遥かにに重要な事だ。
「寒いし…何故《なぜ》全裸?」
「あ~」
どうやら、クオリアと自我?は…パーツばっかり気が行き、服の事を忘れていたらしい。
とりあえず クオリアのワンピースを来たオレは、自室まで着替えに行く。
下着の類は一切なく、ただ上を着ただけのノーパンだ。
スカートが膝より下にあるので すごく歩きずらい…。
走ると布が膝に干渉して転びそうになる。
先ほど鏡で確認したが オレの容姿は 前の義体と比べ 多少童顔度が増した…。
年齢にすれば1歳減ぐらいだろう…。
ギリギリボーイッシュな女の子で通せる感じのナオは 階段で上がって行く…。
エレベータを使わないのは、鉢合わせる確率を下げたいからだ。
どうやらスニーキングミッションは成功しそうだ…が…。
ガチャ…ガチャガチャ。
ドアのノブを動かしてもロックがかかったままだ。
あ~あ
「マジかよ…義体が変わったから生態認証、通らなくなっちまった。」
ナオは叫び、スニーキングミッションは失敗…。
「あれ?あの子誰?確か…ナオ君の部屋…。ナオ君の妹?」
「いやいや、ナオ君は2020年から来たんでしょ…。
妹がいたとしてもとっくに寿命で…。」
「と言うよりナオ君じゃない?…ワンピース来ているけど…。」
「なんでワンピース?性転換でもしたの?」
「いや単に服が無かっただけだと思うよ。
直したのは、クオリアだろうしね…。」
「クオリア?」
「エレクトロンの銀髪で小っさくて、可愛い子…。」
「あー避難アプリの子ね…あれは助かったわ~。
私が入ったのが戦闘区域の近くのお店でね…。
逃げるか迷ってた時に避難アプリが起動してくれたからね…。
それでバスタクを操ってビルの下まで来てくれて、おかげで助かったのよ」
「おでこに、ケガしているけどね…。」
「ワームの突撃を回避した時に窓ガラスに頭をぶつけてね…。」
廊下でガールズトークが始まった。
さて、ここは談話室…。
いつもはあまり人が来ない所なのだが、かつてない程に人でにぎわっていた。
その中心にいるのがナオだった。
あの後 クオリアの部屋に戻り、義体の登録の更新の手続きをしようとしたが、ワーム侵攻事件で手、足、臓器、などを失い 義体が必要な人が大量に出た為、この都市のシステムのケインズが 義体に必要な物資を手配し、義体の生産量のチェックと忙しくなり、今日は義体を取り付け終わり、義体の登録や更新が一気に来たので一時的な過負荷になっていた。
今は 登録が順番待ちになっており、大体3時間待ちだ…。
クオリアに頼んで開けてもらおうとしたが、開けるにはケインズのナオの登録データを擬装するしかなく、だがケインズは今過負荷で受け入れない…流石に物理的にドアを破壊する程でも無かった為、大人しく待つ事にした。
次に服を買いに行こうとするが、7割が女性のこの都市で男性用を取り扱っているリアル店舗が殆《ほとん》ど無く、服用の3Dプリンターでのオーダーメイドになるのだが…気温120℃の猛暑で営業している店がある訳も無く、トヨカズに頼むが『160cmのオレのサイズが着れる訳ないだろう』と笑いながら答えた…絶対面白がっている。
そう言った訳でいつもの習慣でタベルナに行き『あー食事出来ないんだっけ』と思い出し、夕食をARで食べ、いつも通り談話室に行くと周りを女性に囲まれた。
「ナオト君だよね…」
「そう…この服の訳は聞かないでくれると…。」
「義体の更新待ちなんでしょ…話題になってたからね…でちょっと失礼。」
いきなりオレより少し年上の15歳位の女性がオレの前髪をまくり顔を覗き込み、オレは眉をひそめる。
「どう?この顔…。」
隣の少し年下の少女が「凄いね…。」と答え、今度はオレの腕や顔を触ってくる。
「この顔、誰が創ったの?あのエレクトロンの子?」
「もしかしてオレ…ブサイクになってる?」
鏡で見た時には 問題ないと思っていたけれど オレの感性がおかしかっただけか?
「いいえ、むしろその反対…アタシ達『義体心理学』と『造顔学』の講義と実習を受けていてね…。」
「すん~ごく、完成度が高くて芸術を見ている見たいだったから…。」
女性と少女がそれぞれ感想を言ってくる…。
正直言っている事の半分も分からないが、この顔を作ったジガの実力が証明される形になった。
その光景を見た造顔学の娘が集まって来て、それぞれの意見を言い始める。
「やっぱ顔をあまり良くしないで、本人と同化させてる感じが良いよね」
オイ。
「どうした?ナオが女性に囲まれる何て珍しいな…。」
クオリアとジガが廃熱用のリンスを持ちナオに尋ねる。
「2人は風呂か?」
「おう…『エクスマキナ』のシャワーでも洗浄用プールじゃないマジもんの風呂が入れるって言うんでな…。
リアルの湯船に入るなんて何年前になるかな…。」
ジガがワクワクしながら話す。
「あれ?クオリア以外のエレクトロン?お客さん?」
造顔学の1人がオレを離れジガに向かう。
「もしかしてナオト君の造顔師さんですか?」
先ほどの女性がジガに聞く。
「あ~ウチだが…てことはコイツら皆、造顔師なのか?」
「オレの顔の出来と言うか身体を褒めていたよ」
ナオは 少し照れくさそうに言う。
「あったりまえだ…こちとら550年もやってんだ…。
人とは年季が違うんだよ」
ジガが少し笑いながら答える。
「あの~えーと造顔師さん」
「あー名前か?ジガだ…どうした?」
「ジガさん少し見て頂きたいのですが…。」
女性はARウィンドウから生首…と言うか義体の頭部を取り出しジガに見せる。
女性によっては悲鳴を上げそうな光景ではあるが、周りは皆、造顔師だ。
ARの生首は見慣れている。
「課題なのですが…如何《どう》しても上手くいかなくて…。」
「見せてみ…あーなんだ『不気味の谷』には 入ってんじゃねーか…。
後もう少しじゃん」
「そのもう少しが行かないんです…。」
「さすがに課題に手を出すのはマズイよな…。
コイツのコピー貰えるか?」
「はい」
ジガの手元にARの義体の頭部が表示され、造顔師たちがジガを囲むように集まってくる。
「問題なのは、コイツが無表情だって事だな…。
それが各段に難易度を上げてる…。」
「とは言いましても、中身が入っていないのですから…無表情なのは当然では?」
「だな…だから…」
皮膚を外し、表情筋を再配置する。
「あれ?この配置違いませんか?」
「そう…お前らは人の顔の筋肉を参考にしているんだろうが、ヒューマノイドの場合は こう…幅を持たせる。
こうする事で表情筋の可動範囲が広くなるから、ソフトウェアの方で誤魔化しが聞くようになるんだ。」
皮膚を取り付け、表情がコロコロ変わる。
「もしかして義体を遠隔操作していますか?」
「ARだから疑似的だけどな…。
でもこうやって義体とデータを共有すれば細部の修正も出来る。」
ジガが顔の表情を変えながら塗装を施していく…。
「おお~」
「これで超えたか?
基礎は出来ているなら後はこのやり方を極めればいい」
「盲点でしたけど…整形と、リモート義体のマルチタスクか~出来るかな…。」
「そっちはソフトウェア側である程度は負担を減らせる…。
ソフトウェア側もかじって見たらどうだ?」
「たしか義体ソフトウェアをやっていた子 いたよね…。」
「聞いて見ればどうにかなるかな…。」
「それじゃあな」
「ありがとうございました。」
造顔師の娘達がジガに頭を下げた。
「おまたせ…さぁて風呂だ…。」
「教えて良かったのか?ジガが編み出した技術だろう」
クオリアが不思議そうにジガに聞く。
「向こうは人生が短いんだ…。
ウチ見たいに550年も試行錯誤 出来ないだろう。」
「ジガがそれならいいが…。」
それに方法論は教えたが細部は伏せたしな…。
ワンピースを着たナオは ぼっちになった。
ソファーに座り、ネットサーフィンをしていたナオは SEでしか聞いたことが無い、昔懐かしい黒電話のベル音を聞き、ソファーから立ち上がる。
「どこだ?」
音の方向を探り向かってみると どうやら外みたいだ。
玄関にあった靴を履き、外に出て見る…。
外の風景もオレの記憶の通り…いやオレの記憶から作られたのだから当たり前か…。
玄関を出てすぐの道路そこにあったのは、オレの時代では もはや使われるシーンを見たことが無い…『公衆電話』だった。
「マニアック過ぎるだろう…。」
ナオは突っ込むが、これもオレの記憶が元に作られているんだよな…。
「オレとしては バックドアを想像していたんだが…。」
ナオは電話ボックスに入り 受話器を取り耳に当て、片手を突っ込んできそうな位置にある駐車しているトラックにかざす…。
ナオは想像通り受話器に吸い込まれて行った。
2つのキューブがある…1つはナオが今いるキューブ、もう1つがクオリアの予備義体…いやナオの新しい義体の中にあるキューブだ。
クオリアは手早く繋いでいく…。
ナオのキューブのUSBポートにケーブルを差し込み、ナオの義体の首に小型の量子通信機を繋ぐ…。
後は2つを量子接続させれば完成…。
「何で電話ボックスなんだ?」
クオリアがジガに尋ねる…。
通常は ドアを開けると別の空間に行けるドア方式が主流だ。
「クオリア…この映画知らないのか?」
「知らない」
「うわぁ~時代だね…。
大戦の切っ掛けの1つだってのに…。」
「その時代の化石映画を私が知る訳無いだろう…。」
何せ入手すら困難なのだ。
まぁジガが大量に私蔵している事は知っているのだが…。
「ニューアキバに『20世紀シネマ館』と言う化石映画を扱っている映画館がある。
館長がエレクトロン嫌いだが、良い人らしい…。
手土産を持って話に行ってみたはどうだ?」
「ん~それも面白いかもな…。」
モリタニングしているナオが音につられて移動する…。
バックドアの電話ボックスに入り受話器を取り耳を当て、手を前に伸ばした…。
「トラックでも突っ込ませるか…。」
ジガが唐突につぶやく…。
「確かに転生はトラックに引かれるのが 定番らしいが…」
「はははネタが通じない…。」
ジガが 苦笑いを浮かべた。
受話器に吸い込まれ、次に見た光景は倉庫の中で…多分クオリアの部屋…。
「どうだ?ナオ…違和感はあるか?」
クオリアと同じ銀色の短髪で少しボーイッシュな女性が聞く。
多分、オレの身体を作ってくれた義体整備師だろう。
ナオは作業台から起き上がり、降りて立ち上がる。
「前の義体見たいな違和感はないな…。」
「前の義体データも含めて計算してパッチを当てているからな…。」
ナオは 身体をひねって感覚を確認する…。
「あっ違和感あった…。」
「どこだ?まさかチ〇コか?」
「ジガはそこにこだわるな…。」
「いやだって…再現出来なかったのは そこだけ なんだぞ…」
「あ~確かに そこも確かに違和感はあるんだが…。」
下腹部を見る…確かに前にあった物が無い。
だがそれよりも遥かにに重要な事だ。
「寒いし…何故《なぜ》全裸?」
「あ~」
どうやら、クオリアと自我?は…パーツばっかり気が行き、服の事を忘れていたらしい。
とりあえず クオリアのワンピースを来たオレは、自室まで着替えに行く。
下着の類は一切なく、ただ上を着ただけのノーパンだ。
スカートが膝より下にあるので すごく歩きずらい…。
走ると布が膝に干渉して転びそうになる。
先ほど鏡で確認したが オレの容姿は 前の義体と比べ 多少童顔度が増した…。
年齢にすれば1歳減ぐらいだろう…。
ギリギリボーイッシュな女の子で通せる感じのナオは 階段で上がって行く…。
エレベータを使わないのは、鉢合わせる確率を下げたいからだ。
どうやらスニーキングミッションは成功しそうだ…が…。
ガチャ…ガチャガチャ。
ドアのノブを動かしてもロックがかかったままだ。
あ~あ
「マジかよ…義体が変わったから生態認証、通らなくなっちまった。」
ナオは叫び、スニーキングミッションは失敗…。
「あれ?あの子誰?確か…ナオ君の部屋…。ナオ君の妹?」
「いやいや、ナオ君は2020年から来たんでしょ…。
妹がいたとしてもとっくに寿命で…。」
「と言うよりナオ君じゃない?…ワンピース来ているけど…。」
「なんでワンピース?性転換でもしたの?」
「いや単に服が無かっただけだと思うよ。
直したのは、クオリアだろうしね…。」
「クオリア?」
「エレクトロンの銀髪で小っさくて、可愛い子…。」
「あー避難アプリの子ね…あれは助かったわ~。
私が入ったのが戦闘区域の近くのお店でね…。
逃げるか迷ってた時に避難アプリが起動してくれたからね…。
それでバスタクを操ってビルの下まで来てくれて、おかげで助かったのよ」
「おでこに、ケガしているけどね…。」
「ワームの突撃を回避した時に窓ガラスに頭をぶつけてね…。」
廊下でガールズトークが始まった。
さて、ここは談話室…。
いつもはあまり人が来ない所なのだが、かつてない程に人でにぎわっていた。
その中心にいるのがナオだった。
あの後 クオリアの部屋に戻り、義体の登録の更新の手続きをしようとしたが、ワーム侵攻事件で手、足、臓器、などを失い 義体が必要な人が大量に出た為、この都市のシステムのケインズが 義体に必要な物資を手配し、義体の生産量のチェックと忙しくなり、今日は義体を取り付け終わり、義体の登録や更新が一気に来たので一時的な過負荷になっていた。
今は 登録が順番待ちになっており、大体3時間待ちだ…。
クオリアに頼んで開けてもらおうとしたが、開けるにはケインズのナオの登録データを擬装するしかなく、だがケインズは今過負荷で受け入れない…流石に物理的にドアを破壊する程でも無かった為、大人しく待つ事にした。
次に服を買いに行こうとするが、7割が女性のこの都市で男性用を取り扱っているリアル店舗が殆《ほとん》ど無く、服用の3Dプリンターでのオーダーメイドになるのだが…気温120℃の猛暑で営業している店がある訳も無く、トヨカズに頼むが『160cmのオレのサイズが着れる訳ないだろう』と笑いながら答えた…絶対面白がっている。
そう言った訳でいつもの習慣でタベルナに行き『あー食事出来ないんだっけ』と思い出し、夕食をARで食べ、いつも通り談話室に行くと周りを女性に囲まれた。
「ナオト君だよね…」
「そう…この服の訳は聞かないでくれると…。」
「義体の更新待ちなんでしょ…話題になってたからね…でちょっと失礼。」
いきなりオレより少し年上の15歳位の女性がオレの前髪をまくり顔を覗き込み、オレは眉をひそめる。
「どう?この顔…。」
隣の少し年下の少女が「凄いね…。」と答え、今度はオレの腕や顔を触ってくる。
「この顔、誰が創ったの?あのエレクトロンの子?」
「もしかしてオレ…ブサイクになってる?」
鏡で見た時には 問題ないと思っていたけれど オレの感性がおかしかっただけか?
「いいえ、むしろその反対…アタシ達『義体心理学』と『造顔学』の講義と実習を受けていてね…。」
「すん~ごく、完成度が高くて芸術を見ている見たいだったから…。」
女性と少女がそれぞれ感想を言ってくる…。
正直言っている事の半分も分からないが、この顔を作ったジガの実力が証明される形になった。
その光景を見た造顔学の娘が集まって来て、それぞれの意見を言い始める。
「やっぱ顔をあまり良くしないで、本人と同化させてる感じが良いよね」
オイ。
「どうした?ナオが女性に囲まれる何て珍しいな…。」
クオリアとジガが廃熱用のリンスを持ちナオに尋ねる。
「2人は風呂か?」
「おう…『エクスマキナ』のシャワーでも洗浄用プールじゃないマジもんの風呂が入れるって言うんでな…。
リアルの湯船に入るなんて何年前になるかな…。」
ジガがワクワクしながら話す。
「あれ?クオリア以外のエレクトロン?お客さん?」
造顔学の1人がオレを離れジガに向かう。
「もしかしてナオト君の造顔師さんですか?」
先ほどの女性がジガに聞く。
「あ~ウチだが…てことはコイツら皆、造顔師なのか?」
「オレの顔の出来と言うか身体を褒めていたよ」
ナオは 少し照れくさそうに言う。
「あったりまえだ…こちとら550年もやってんだ…。
人とは年季が違うんだよ」
ジガが少し笑いながら答える。
「あの~えーと造顔師さん」
「あー名前か?ジガだ…どうした?」
「ジガさん少し見て頂きたいのですが…。」
女性はARウィンドウから生首…と言うか義体の頭部を取り出しジガに見せる。
女性によっては悲鳴を上げそうな光景ではあるが、周りは皆、造顔師だ。
ARの生首は見慣れている。
「課題なのですが…如何《どう》しても上手くいかなくて…。」
「見せてみ…あーなんだ『不気味の谷』には 入ってんじゃねーか…。
後もう少しじゃん」
「そのもう少しが行かないんです…。」
「さすがに課題に手を出すのはマズイよな…。
コイツのコピー貰えるか?」
「はい」
ジガの手元にARの義体の頭部が表示され、造顔師たちがジガを囲むように集まってくる。
「問題なのは、コイツが無表情だって事だな…。
それが各段に難易度を上げてる…。」
「とは言いましても、中身が入っていないのですから…無表情なのは当然では?」
「だな…だから…」
皮膚を外し、表情筋を再配置する。
「あれ?この配置違いませんか?」
「そう…お前らは人の顔の筋肉を参考にしているんだろうが、ヒューマノイドの場合は こう…幅を持たせる。
こうする事で表情筋の可動範囲が広くなるから、ソフトウェアの方で誤魔化しが聞くようになるんだ。」
皮膚を取り付け、表情がコロコロ変わる。
「もしかして義体を遠隔操作していますか?」
「ARだから疑似的だけどな…。
でもこうやって義体とデータを共有すれば細部の修正も出来る。」
ジガが顔の表情を変えながら塗装を施していく…。
「おお~」
「これで超えたか?
基礎は出来ているなら後はこのやり方を極めればいい」
「盲点でしたけど…整形と、リモート義体のマルチタスクか~出来るかな…。」
「そっちはソフトウェア側である程度は負担を減らせる…。
ソフトウェア側もかじって見たらどうだ?」
「たしか義体ソフトウェアをやっていた子 いたよね…。」
「聞いて見ればどうにかなるかな…。」
「それじゃあな」
「ありがとうございました。」
造顔師の娘達がジガに頭を下げた。
「おまたせ…さぁて風呂だ…。」
「教えて良かったのか?ジガが編み出した技術だろう」
クオリアが不思議そうにジガに聞く。
「向こうは人生が短いんだ…。
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