⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

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ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)

17 (3人の母親)

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 駐機場から雪上車で10kmほど進み『エクスマキナ都市』の前に車を止める。
 入口はエアロックになっていて、ナオ達が入ると扉が閉まり、気圧と温度の調節が行われて 奥のスライドドアが開く。
 エアドーム式の都合上…中から逃げる空気は可能な限り減らさないといけない…。
 そうさないと屋根がしぼんでしまうからだ。
『気圧、温度共に問題なし…ヘルメットを脱いでもいいぞ』
 クオリアが言い、ナオ達はヘルメットと一体化していて肩辺まである面ファスナーをビリビリと剥がしていく。
 空気のサイズより小さい間隔で配置されている面ファスナーの毛は 通常の面ファスナーに比べて剥がしにくい…。
 ナオ達が思いっきり引っ張りヘルメットを外す。
「少し顔が寒いくらいか…身体は十分に温かいし…。」
 気温は5℃…エレクトロン大使館もそうだったが この気温がエレクトロンの適温らしい。
 中は長い夜の外とは違い青空だ。
 そう言えばまだ午後3:00位なんだよな…。
 南極って時差はどの位だ?
「今ここは何時だ?」
「3:20になる。
 太陽系内の都市はグリニッジ標準時を使っているから時差0だ。
 だから、昼なのに辺りは真っ暗なんて事も普通にある。」
 クオリアが答える。
「何だ…廃止しちゃったのか。」
「時差がある理由は その土地の太陽が真上に来た時刻を正午としているからだ。
 だが、移動もして常に太陽の位置が変わり続けるスペースコロニーだと面倒な事になる。
 だから地球のグリニッジ標準時を適用しているんだ。」
「時差はサーバーの処理能力を平均化するって役割もあったんだが、太陽系のレベルになると流石さすがにデメリットが多すぎる」
 ジガがクオリアの後に続く。
 太陽を周るスペースコロニーは1機ずつ軌道が違い、太陽の見え方も違う。
「空、青く、無い、光っているだけ?」
 ロウが空を見て答える。
「ARなのか?」
 トヨカズがARを切り、直接目で見る。
「ビルの上から光を拡散させていて天井は鏡なのか?」
「正確に言うなら反射材を天井の布に織り込んでいるだけ…これで光源が確保できる。
 ただ見た目の問題でARと併用《へいよう》だな…。
 この都市はこう言うのが結構多い…複合現実って言うんだが…。」
 ジガが歩きながら話す。
「へぇ…建造物なんかは効率重視の規格品…それにARでペイントをする感じか?」
「ウチらには現実も仮想も違いは無いからな…。
 そうするのが一番効率が良いってだけだ…。」
 ジガとトヨカズが歩きながら話す。
「なぁさっきから車の類が見当たらないんだが、ここの交通機関は?」
 ジガとトヨカズの後ろを歩くナオがクオリアに聞く。
「ありませんよ…だって皆、空飛んじゃいますから。」
 クオリアの隣にいるコンパチが笑いながら答える…。
「と言う事はオレら徒歩?」
「10km程度なら人でも問題ないのでは?」
 隣にいるクオリアが言う。
「オレらは時速5km程度しか出ねぇんだぞ…。」
「それでも2時間程歩けば…。」
「出来るとやれるは違うんだ…。」
「ですよね…私は慣れましたが…。
 これからヒトの出入りも多くなるでしょうし、車でも作りましょうか?」
「確か車マニアで宇宙暴走族をやっているエレクトロンがいたはずです…。
 名前は『バギー』でしたか?」
「あの子は エレカの修理をしに あちこち周ってますからね…。
 そうなると、やっぱり輸入でしょうか?」
「エルダー…バギーの倉庫にバギーカーが有るみたいです。
 今交渉中…『乗れるものなら乗って見ろ』との事です…許可は取れました。」
「それ…絶対に危ないバギーですよね?
 構造解析して修正して量産しましょうか…とりあえず12台で。」
「寝てる生産課のヒトが喜ぶと思いますよ…。」
「寝てる?」
 今は3:30だ…いくら何でも早くないか?
「あれ?クオリア…『さとり病』は、ナオトさんに教えましたか?」
 オレの言動に疑問に思ったコンパチがクオリアに聞く。
「いや…まだです。
 今回の滞在中に教えるつもりでした。」
「さとり病…なんかの病気?いや…ウイルスの類?」
「いえ…どちらかと言えば精神病ですね。
 ナオトさんも将来発症する可能性もありますし…。
 クオリア…これから カナリアに会うのでしょう?
 ナオトさんも連れて行って見たら?」
「そのつもりです。
 アレでも一応設計者母親の1人ですから…。」
教育係育ての親としてはカナリアと仲良くしてもらいたいのですが…。」
「話が合わないだけです。
 実際、製作の親ジガとは仲がいいです。
 じゃあナオと行ってきます…エルダー、レナを頼みます。」
「はーい任されました。」
 クオリアは機械翼を展開して オレを背中から抱き上げ、宙に浮かぶ。
「おいおい…レナの護衛は?」
「基本は飾りだ…交渉の場でいればいい。
 それに戦術核レベルのエレクトロンが150人もいるんだ…。
 護衛としては十分だろう。」
「はは…まぁね」
 確かに外敵による攻撃は防げるだろうが…敵がエレクトロンの場合は?
 まぁ一人で戦術核と戦うのは無理か…。
 クオリアはオレに気を使っているのか低速で進んでいく。
「なあカナリアさんってどんなヒトなんだ?」
「一言で言うなら…ニートだ。」
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