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ヒトのキョウカイ2巻(エンゲージネジを渡そう)
27 (ダニエルは何を得る?)
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ナオとネジを交換し、しばらく星を眺めていると ナオは心地よい表情で、そのまま眠ってしまった。
起こすか、部屋に運ぼうかとも思ったが、風邪なんか引きようが無いし、ナオが来ているのはパイロットスーツだ…そのままにしても良いだろう。
ナオの寝顔を見ながらまた天井を見上げたクオリアにエルダーから通信が入る。
重要度は符丁Sだ。
コードSは 組織や命に係わる最優先コード…。
『緊急事態です……戦闘機型核ミサイルが発進しました。』
『今度は核ですか…。』
こう言った嫌がらせは度々起こっている。
前にもヒドラジンを積んだ戦闘機がエクスマキナ目掛《めが》けてピンポイントで墜落した。
迎撃は成功したが、燃料タンクのヒドラジンをドームが浴びて穴が開き、空気が漏れだした。
対策も立てて修理したのでヒドラジンを喰らっても大丈夫だったはずだが、今度は核か…。
こちらからすれば、まだ嫌がらせレベルで 迎撃も容易だが…。
狙っているのは各都市の要人か?それともワームの会見を妨害するのが目的か?
エルダーが話を続ける。
『さて…良いでしょうか?
戦闘機型核ミサイルは その名前の通り 戦闘機の中に核爆弾が積んでいる無人機です。
現在、離陸して上昇を終了し…高度はおおよそ150km…』
『おかしいな…弾道軌道じゃないのですか?』
軌道データを見ながらクオリアは言う。
『名目上は新型機のテスト飛行となっています…エンジンは熱核ロケットエンジン。
ただ観測されている出力が異様に低いので、液体燃料、ヒドラジン系の可能性が高いです。
前回のように『エクスマキナ』に対して何らかの攻撃があると想定します。』
『迎撃は?』
『都市の自衛権が使えるのは上空100kmまでです。
その範囲なら秒速8kmでも十分に撃ち抜けます。』
コースから考えて ギリギリまで100km以上を保ち、一気に垂直降下をするはずだ…。
降下前に落とされれば、不当に相手の都市の資産の新型機を迎撃したと言われる。
『ですが…まき散らされる放射性物質が問題です。』
『精々が、500gでしょ…上空だし大気で拡散もします。
どう考えても健康問題が起きるレベルの遥《はる》かに下です。
気にする必要性は無いのでは?』
『私達が気にしなくても周辺の都市が気にします。』
『核アレルギーの都市ですか…』
『そう…高度80kmでの迎撃の場合、放射性物質の拡散地域にギリギリ入ります。
彼らに数値的 安全性をいくら証明しても無意味です…。
つまり分解による完全無力化が必須です。』
分解は、消滅させるのではなく、見えないレベルまでバラバラする事だ。
つまり放射性物質は残るが…イメージ上消えるように見えるので、核アレルギーの都市は黙る。
何せ散《ち》らばっても太陽から出る放射線の方が遥かに高いんだ…測定の仕様が無い。
更に深く調べようとすれば、日常的に発がん確率が高くなる事を散々やっていて、放射線と言う発がん確率1%以下の上昇のリスクに こだわっている事を理解するだろう。
いや…そうなる前に事実を認めたくなくて、調べる事を放棄するか、世界中の発がん確率に関する書類を捏造《ねつぞう》だと決めつけるかだ。
どっちにしろ、がんになった所で末期でもない限り十分に救えるし、身体を捨てて義体化すれば末期でも生きられる。
『なので、分解はプランBに設定…プランAは機体の掌握《しょうあく》です。』
『やはりそうなりますか…。』
『ログを取りつつ機体をハッキングにより掌握…。
問題があれば機能を停止させ、問題が無ければ枝《えだ》を付けてそのままにします。』
この場合の枝《えだ》とはバックドアの事で、何か問題が起きた時にこちらに知らせる為の物だ。
『支援は?』
『今、演算バックアップの人員を集めています…ポートBを使って下さい。』
『了解…プランに問題なし、実行可能レベルです。
バックアップの為、迎撃の準備を…。』
『そちらも既に配置済みです。』
『なら作戦行動を開始します。
では…交信終了…。』
『すまないな…本来私が出るはずなのに…。』
クオリアは隣で暢気に寝ているナオを見ながら言う。
『仕方ない…ナオがそのボディを気に入っているのだろう』
クオリアがクオリアを気遣い言う。
『私は オリジナルに慣れるだろうか?』
『少なくともナオが観測している間はな…。』
『ナオには 私達には無い可能性があると感じる。』
『それが何なのか分からないが…じゃあ行ってくる。
ナオはクオリアが守って欲しい。』
『分かった。』
クオリアは機械翼から量子光をまき散らし一瞬で音速を突破し、ソニックブームを放ち上昇していく…更に前方の空間を収縮させ、後方の空間を膨張させる事で移動する空間に乗り進む。
空間波状航行で、空間の隙間に入ったクオリアはあらゆる障害物が避けて行くので意味を成さない。
超高速での断熱圧縮による熱が発生せず…客観視点からはクオリアが消えたように映る。
エクスマキナの上空…高度100kmにクオリアが現れた。
量子光をまき散らしつつ地球の回転方向に飛ぶ…。
つまり相対的に減速をしている事になる。
地球に落ちないように斜め上の向きに加速しつつ…機体を目視…戦闘機ミサイルに向かう。
データ通り、予想ポイントに機体を目視する。
(あれか)
機体の下を高速で通り抜け…体をひねって半回転しスタスターで相対速度を合わせる…。
機体の後ろからのアプローチだ。
機種 特定『スターバードⅢ』…ブレインキューブ搭載型、有人戦闘機…。
特攻か?…いやその情報を知らされていないのか?
スターバードⅢの後ろに付き…ジャミングをかけて…電波から孤立させる。
そしてスターバードⅢの下部に搭載されている20mm機関砲が回転し後ろを向いた。
(マズイ)
クオリアは空間ハッキングを行い分解シールドをピンポイントで展開…。
吐き出された20mm弾、100発が驚くほど正確にクオリアの頭に全弾が当たる。
当たった20mm弾はクオリアの目の前で分解され、霧状に散る…。
電波をジャミングしたのに『トリガーセーフティ』が効かなかった…。
電波じゃない…量子通信か?…いや直接制御?
戦闘機を運用する際には 武装用のトリガーは 必ずヒトが引くようになっている。
これは完全に無人機にし、暴走して殺戮に走らないようにする他に、殺したり破壊したりする責任を戦闘機自身が負えないからでもある。
これが『トリガーセーフティシステム』…。
現代の無人機で遠隔通信でトリガーを引くようになったが、その後ろには必ずヒトがいるはずだ。
ただ遠隔操作の欠点として無人機のアクロバット機動にヒトがついて行けず、どうしても発射タイミングが合わないと言う問題がある。
それを改善したのが『スターバードⅢ』…完全独立型無人機で自分の考えでトリガーを引くが、中に搭載されているのは『ブレインキューブ』。
優秀な戦闘機VRゲームゲーマーの脳をブレインキューブにコピーし、戦闘機に乗せるのだ…。
こうする事で『ポストヒューマン』が搭乗者の有人機が完成し…トリガー問題は解決する。
そして、中のゲーマーは死の恐怖も無くVRゲームと錯覚したまま…最後の最後まで戦えるのだ。
これを無人機と定義して『トリガーセーフティ問題』を問おうとするなら、エレクトロンを始めとしたポストヒューマンがヒトでは無いと定義する事になる為、結局の所…グレーゾーンとして認められるしかない。
(なら)
クオリアは加速し、スターバードⅢの上部に接近し手を伸ばす…ブレインキューブを抜いてしまえば機体は沈黙する。
だが、スターバードⅢが急に回転し出し、クオリアは翼にで叩きつけられる。
クオリアがもう一度上部に付こうとするが…高機動旋回をして、回避され…再加速して20mm弾を頭部に撃ち込んで来る。
(強い)
クオリアは魔法陣を展開し、6発を同時に発射…弾種は端末弾だ。
誘導式の弾頭がスターバードⅢを囲むように放たれる。
スターバードⅢは急上昇して引き付けてギリギリの所で急旋回して回避し、20mm機関砲で正確に撃ち落としていく。
小回りがよく急加速と急減速と急旋回をおこない…軽く見積もっても20Gは出ている機動を平然とやれる…。
通常のパイロットなら操縦以前に完全に潰れている…。
クオリアは、後方から出される推進剤を分解シールドで分解と同時に成分を解析…『非対称ジメチルヒドラジン』と『過酸化水素』と判明…と言う事は…。
『ハイパーゴリック推進』だな。
構造もおおよそは検討がつく…やはり、熱核ロケットエンジンは嘘だ…。
おそらく核爆発の良い訳として使うつもりだったのだろう。
(なら…高機動戦闘で燃料を消費仕切って貰おう)
この機体にはプロペラが無く…微量の空気を回収して推進剤にする事が出来ない…。
動く為には 必ず燃料が消費される。
それでも燃料消費を極力抑え…着々と南極まで向かっていく…。
スターバードⅢが急加速で上昇し…半回転し…急速に落下し始めた…。
予想よりやや早い…計画を前倒しにしたのか?
(なら好都合…。)
地球に降下直後は 軌道変更は難しいだろう…。
クオリアは スターバードⅢを包み込むように端末弾の誘導弾を発射…その数3000。
単純に相手に飛んで行くのでは無く全方位からスターバードⅢの退路を塞ぐように立ちまわる。
この規模をこれだけ早く出来たのは『演算バックアップ』のおかげだ。
スターバードⅢは前方に20mm機関砲を撃ち 端末弾を迎撃し、一点突破を狙う…。
急上昇で、後方から追ってくる端末弾を引き付け…急降下し20mm機関砲を後方に掃射…100、200と迎撃するが、それを狙うかのように前方からの誘導弾…機体をロールさせて、回避し、エクスマキナのドームに向けて再加速する。
ドームの手前で機体が水平にし減速し、ドーム上ギリギリで機体を再加速…分解が展開されたドーム中に端末弾が大量に命中して行く。
コン
かすった弾がすぐさま機体の制御を奪い…氷の大地に軟着陸する。
結局3000発も使って1発しか命中させられなかった。
しかも最後はパイロットが回避に集中してくれたおかげで、量子通信による起爆が行われる前にどうにか停止する事が出来た。
クオリアがゆっくりとスターバードⅢの前に降りてくる。
クオリアは停止したスターバードⅢからブレインキューブを取り出し、手のひらに乗せる。
「すまないな…『ダニー』アナタは最高のパイロットだ。」
キューブが量子光に輝き分解する。
VRゲームが好きなだけの人を兵器転用し無数にコピーする…。
そこにアイデンティティなんて無いし、ヒトらしい生活すらない。
つまり彼はヒトですらない機械パーツに成り果てた存在だ…。
せめて…大好きな戦闘機に乗って死ねた彼の人生が良き最後だと信じて。
起こすか、部屋に運ぼうかとも思ったが、風邪なんか引きようが無いし、ナオが来ているのはパイロットスーツだ…そのままにしても良いだろう。
ナオの寝顔を見ながらまた天井を見上げたクオリアにエルダーから通信が入る。
重要度は符丁Sだ。
コードSは 組織や命に係わる最優先コード…。
『緊急事態です……戦闘機型核ミサイルが発進しました。』
『今度は核ですか…。』
こう言った嫌がらせは度々起こっている。
前にもヒドラジンを積んだ戦闘機がエクスマキナ目掛《めが》けてピンポイントで墜落した。
迎撃は成功したが、燃料タンクのヒドラジンをドームが浴びて穴が開き、空気が漏れだした。
対策も立てて修理したのでヒドラジンを喰らっても大丈夫だったはずだが、今度は核か…。
こちらからすれば、まだ嫌がらせレベルで 迎撃も容易だが…。
狙っているのは各都市の要人か?それともワームの会見を妨害するのが目的か?
エルダーが話を続ける。
『さて…良いでしょうか?
戦闘機型核ミサイルは その名前の通り 戦闘機の中に核爆弾が積んでいる無人機です。
現在、離陸して上昇を終了し…高度はおおよそ150km…』
『おかしいな…弾道軌道じゃないのですか?』
軌道データを見ながらクオリアは言う。
『名目上は新型機のテスト飛行となっています…エンジンは熱核ロケットエンジン。
ただ観測されている出力が異様に低いので、液体燃料、ヒドラジン系の可能性が高いです。
前回のように『エクスマキナ』に対して何らかの攻撃があると想定します。』
『迎撃は?』
『都市の自衛権が使えるのは上空100kmまでです。
その範囲なら秒速8kmでも十分に撃ち抜けます。』
コースから考えて ギリギリまで100km以上を保ち、一気に垂直降下をするはずだ…。
降下前に落とされれば、不当に相手の都市の資産の新型機を迎撃したと言われる。
『ですが…まき散らされる放射性物質が問題です。』
『精々が、500gでしょ…上空だし大気で拡散もします。
どう考えても健康問題が起きるレベルの遥《はる》かに下です。
気にする必要性は無いのでは?』
『私達が気にしなくても周辺の都市が気にします。』
『核アレルギーの都市ですか…』
『そう…高度80kmでの迎撃の場合、放射性物質の拡散地域にギリギリ入ります。
彼らに数値的 安全性をいくら証明しても無意味です…。
つまり分解による完全無力化が必須です。』
分解は、消滅させるのではなく、見えないレベルまでバラバラする事だ。
つまり放射性物質は残るが…イメージ上消えるように見えるので、核アレルギーの都市は黙る。
何せ散《ち》らばっても太陽から出る放射線の方が遥かに高いんだ…測定の仕様が無い。
更に深く調べようとすれば、日常的に発がん確率が高くなる事を散々やっていて、放射線と言う発がん確率1%以下の上昇のリスクに こだわっている事を理解するだろう。
いや…そうなる前に事実を認めたくなくて、調べる事を放棄するか、世界中の発がん確率に関する書類を捏造《ねつぞう》だと決めつけるかだ。
どっちにしろ、がんになった所で末期でもない限り十分に救えるし、身体を捨てて義体化すれば末期でも生きられる。
『なので、分解はプランBに設定…プランAは機体の掌握《しょうあく》です。』
『やはりそうなりますか…。』
『ログを取りつつ機体をハッキングにより掌握…。
問題があれば機能を停止させ、問題が無ければ枝《えだ》を付けてそのままにします。』
この場合の枝《えだ》とはバックドアの事で、何か問題が起きた時にこちらに知らせる為の物だ。
『支援は?』
『今、演算バックアップの人員を集めています…ポートBを使って下さい。』
『了解…プランに問題なし、実行可能レベルです。
バックアップの為、迎撃の準備を…。』
『そちらも既に配置済みです。』
『なら作戦行動を開始します。
では…交信終了…。』
『すまないな…本来私が出るはずなのに…。』
クオリアは隣で暢気に寝ているナオを見ながら言う。
『仕方ない…ナオがそのボディを気に入っているのだろう』
クオリアがクオリアを気遣い言う。
『私は オリジナルに慣れるだろうか?』
『少なくともナオが観測している間はな…。』
『ナオには 私達には無い可能性があると感じる。』
『それが何なのか分からないが…じゃあ行ってくる。
ナオはクオリアが守って欲しい。』
『分かった。』
クオリアは機械翼から量子光をまき散らし一瞬で音速を突破し、ソニックブームを放ち上昇していく…更に前方の空間を収縮させ、後方の空間を膨張させる事で移動する空間に乗り進む。
空間波状航行で、空間の隙間に入ったクオリアはあらゆる障害物が避けて行くので意味を成さない。
超高速での断熱圧縮による熱が発生せず…客観視点からはクオリアが消えたように映る。
エクスマキナの上空…高度100kmにクオリアが現れた。
量子光をまき散らしつつ地球の回転方向に飛ぶ…。
つまり相対的に減速をしている事になる。
地球に落ちないように斜め上の向きに加速しつつ…機体を目視…戦闘機ミサイルに向かう。
データ通り、予想ポイントに機体を目視する。
(あれか)
機体の下を高速で通り抜け…体をひねって半回転しスタスターで相対速度を合わせる…。
機体の後ろからのアプローチだ。
機種 特定『スターバードⅢ』…ブレインキューブ搭載型、有人戦闘機…。
特攻か?…いやその情報を知らされていないのか?
スターバードⅢの後ろに付き…ジャミングをかけて…電波から孤立させる。
そしてスターバードⅢの下部に搭載されている20mm機関砲が回転し後ろを向いた。
(マズイ)
クオリアは空間ハッキングを行い分解シールドをピンポイントで展開…。
吐き出された20mm弾、100発が驚くほど正確にクオリアの頭に全弾が当たる。
当たった20mm弾はクオリアの目の前で分解され、霧状に散る…。
電波をジャミングしたのに『トリガーセーフティ』が効かなかった…。
電波じゃない…量子通信か?…いや直接制御?
戦闘機を運用する際には 武装用のトリガーは 必ずヒトが引くようになっている。
これは完全に無人機にし、暴走して殺戮に走らないようにする他に、殺したり破壊したりする責任を戦闘機自身が負えないからでもある。
これが『トリガーセーフティシステム』…。
現代の無人機で遠隔通信でトリガーを引くようになったが、その後ろには必ずヒトがいるはずだ。
ただ遠隔操作の欠点として無人機のアクロバット機動にヒトがついて行けず、どうしても発射タイミングが合わないと言う問題がある。
それを改善したのが『スターバードⅢ』…完全独立型無人機で自分の考えでトリガーを引くが、中に搭載されているのは『ブレインキューブ』。
優秀な戦闘機VRゲームゲーマーの脳をブレインキューブにコピーし、戦闘機に乗せるのだ…。
こうする事で『ポストヒューマン』が搭乗者の有人機が完成し…トリガー問題は解決する。
そして、中のゲーマーは死の恐怖も無くVRゲームと錯覚したまま…最後の最後まで戦えるのだ。
これを無人機と定義して『トリガーセーフティ問題』を問おうとするなら、エレクトロンを始めとしたポストヒューマンがヒトでは無いと定義する事になる為、結局の所…グレーゾーンとして認められるしかない。
(なら)
クオリアは加速し、スターバードⅢの上部に接近し手を伸ばす…ブレインキューブを抜いてしまえば機体は沈黙する。
だが、スターバードⅢが急に回転し出し、クオリアは翼にで叩きつけられる。
クオリアがもう一度上部に付こうとするが…高機動旋回をして、回避され…再加速して20mm弾を頭部に撃ち込んで来る。
(強い)
クオリアは魔法陣を展開し、6発を同時に発射…弾種は端末弾だ。
誘導式の弾頭がスターバードⅢを囲むように放たれる。
スターバードⅢは急上昇して引き付けてギリギリの所で急旋回して回避し、20mm機関砲で正確に撃ち落としていく。
小回りがよく急加速と急減速と急旋回をおこない…軽く見積もっても20Gは出ている機動を平然とやれる…。
通常のパイロットなら操縦以前に完全に潰れている…。
クオリアは、後方から出される推進剤を分解シールドで分解と同時に成分を解析…『非対称ジメチルヒドラジン』と『過酸化水素』と判明…と言う事は…。
『ハイパーゴリック推進』だな。
構造もおおよそは検討がつく…やはり、熱核ロケットエンジンは嘘だ…。
おそらく核爆発の良い訳として使うつもりだったのだろう。
(なら…高機動戦闘で燃料を消費仕切って貰おう)
この機体にはプロペラが無く…微量の空気を回収して推進剤にする事が出来ない…。
動く為には 必ず燃料が消費される。
それでも燃料消費を極力抑え…着々と南極まで向かっていく…。
スターバードⅢが急加速で上昇し…半回転し…急速に落下し始めた…。
予想よりやや早い…計画を前倒しにしたのか?
(なら好都合…。)
地球に降下直後は 軌道変更は難しいだろう…。
クオリアは スターバードⅢを包み込むように端末弾の誘導弾を発射…その数3000。
単純に相手に飛んで行くのでは無く全方位からスターバードⅢの退路を塞ぐように立ちまわる。
この規模をこれだけ早く出来たのは『演算バックアップ』のおかげだ。
スターバードⅢは前方に20mm機関砲を撃ち 端末弾を迎撃し、一点突破を狙う…。
急上昇で、後方から追ってくる端末弾を引き付け…急降下し20mm機関砲を後方に掃射…100、200と迎撃するが、それを狙うかのように前方からの誘導弾…機体をロールさせて、回避し、エクスマキナのドームに向けて再加速する。
ドームの手前で機体が水平にし減速し、ドーム上ギリギリで機体を再加速…分解が展開されたドーム中に端末弾が大量に命中して行く。
コン
かすった弾がすぐさま機体の制御を奪い…氷の大地に軟着陸する。
結局3000発も使って1発しか命中させられなかった。
しかも最後はパイロットが回避に集中してくれたおかげで、量子通信による起爆が行われる前にどうにか停止する事が出来た。
クオリアがゆっくりとスターバードⅢの前に降りてくる。
クオリアは停止したスターバードⅢからブレインキューブを取り出し、手のひらに乗せる。
「すまないな…『ダニー』アナタは最高のパイロットだ。」
キューブが量子光に輝き分解する。
VRゲームが好きなだけの人を兵器転用し無数にコピーする…。
そこにアイデンティティなんて無いし、ヒトらしい生活すらない。
つまり彼はヒトですらない機械パーツに成り果てた存在だ…。
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