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ラブスターミッション5
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さすがに三十年先を行くテクノロジーだ。アジアでは全てが手に入ると言われる上海国際マーケットにでさえお目見えしない代物。すでに衛星によるGPSでさえここでは限定的ではあるが実用化されていた。
出発まえに、愛犬のリチャードとしばしのお別れをした。リチャードはやさしい犬だ。だが、フライングジープには乗せられない。リチャードがすきなササミのゆでたものを一緒に食べた。
リチャードは、聞き分けのいい子だ。おるすばん、というと、すこしさびしい顔をするが、すぐにおすわりをして私を見送るのだ。テレビで漫画映画を見るのが好きだ。たぶん、かなり分かっている。じっと画面を見ている。私なんかよりずっと、いい子だ。
フライングジープの発着場は上海の雑木林の中にある。ここを設計したのは日本人のケイ・ティーという設計士らしい。もしかしたら、わたしの記憶ちがいかもしれないが。発着場は電脳システムによって制御されている。これは、一般には出回っていない国連軍のシステムだ。これも、・・・といったほうがいいだろう。これは、フライングジープ内の電脳システムと連動していて、フライングジープのムーブメントを正確にモニタリングする。三十年後には、当たり前の民間システムになるだろうが、一九五五年現在、ここにしかないかもしれない。
まずはイスタンブールまでのオートパイロット飛行となる。この間、約十時間。私は旅の移動の最中、よく考え事をする。過去を思い出す。
はじめに魔仮面に出会ったのはロンドンだった・・・。仮面を追ってインドチャイナ半島へと歩を進めたのが、全ての始まりだった。『仮面』とはそもそも、何なのか? 私には自問自答せずにはいられなかった。物理的に言えば、それは、顔にかぶるもの。人類史を紐解くと、ヘレニズム時代からギリシャでは仮面劇が上演されていたという。ソフォクレスは演劇『オイディプス』を描き、それは当時二千年以上前に、ギリシャの各地にある円形劇場で上演された。それらの演劇は全て仮面劇であったのだ。演劇にうつつを抜かした青年時代を過ごした哲学者・神学者セント・オーガスティンも、仮面劇を見ていたかもしれない。人間とは、なかなか素で生きられない自分史を持っているのかもしれない。すべてのひとびとが。そして・・・、仮面に託して、人間のなんたるかを演じるのだ! 二千年以上前、ギリシャでは仮面劇の一大ムーブメントが起きていたのだ。 あの魔仮面とギリシャはテサロニケで再会したのも、偶然ではないだろう。もはや、偶然などはなく、私の人生は仮面に翻弄されている! かつてロンドン大学ゴールドスミスカレッジの師が言った、「君の人生と心に仮面がある! そう、仮面があるのだ。君はそれを解き明かさねばならない。」
・・・ ・・・ ・・・彼は私の人生を予見していた。その後、師とは会わずに現在に至る。私はあの港町にもどることがなかったのだ。それでも、私はあの港町で洗礼を受けたビネガー文化をいまも持ち続けている。白身魚のフライ、フレンチフライ・ポテトには、ビネガーが好みだ。ゴールドスミスでのそう長くはなかった日々はいつも思い出でよみがえる。あの頃の恋人。ともにあるいたキャティーサーク広場。KOOKAIのファッション。彼女と打つスヌーカー。シンガポール・フライドヌードル。いっしょによく食べたケバブ。ブリティッシュコミック。恋人はあまりそこを評価しなかったが、けっこう美味だったチャイニーズレストラン・ワンキー。ブリティッシュな朝ごはん、ショートブレッド。私はアジアはジャポンに半分のルーツを持ち、あと半分はフレンチ、パリのリセに通ったが、・・・ブリテンの土壌は好きだ。とくにロンドンで時を過ごすことは楽しかった。ロンドンの下町デプトフォードにスクールが近かったから、あの界隈をよく歩いていたがね。シェークスピアの時代から、じつはデプトフォードはあまり治安がよいとは言えなかったようだが・・・。レイチェルマクミランビルディングがあるストリートのコーナーショップではよく食料を買っていた。そんなささいなことさえ、いい思い出さ。或る時期まで、じつはゴールドスミスに復学しようと思っていたが、しそびれてしまった・・・。
アジアの方にはまりすぎたのかもしれない。そういうこともある。予期しないことに動かされることもある。
子供の頃、あまり学校は好きじゃなかった。楽しかったこともあるが、たぶん、あまり合わなかったんだろう。まあ、それでも、なんとなく学校生活を送っていた。両親が学校生活に対して厳しかったこともある。だが、あの時代は比較的どの家も学校生活に対して厳しかった。寄宿学校に行く子供らが多かった。そこで、あるいみ、親から精神的な分離が無意識的に執り行われるのかもしれない。だが、そういったなかで混乱もする。混乱の日々が四年はつづくとおもう。学校には嫌な奴もいる。どうやって嫌な奴との時間をもやり過ごすか、そういったことも、考える日々でもあるのだ。学問はどんどん難しくなる。リセに入学するころになると、ついていけなくなる科目もでてきてしまう。子供ごころにある種の劣等感も感じるが、じつはリセを出たあとに、リセでの学問をほとんど社会で使うことはない。不思議なものだ。まあ、人間はあたまをきたえなければいけない期間というものがあるのかもしれない、と今はおもう。ある本で読んだが、ユダヤ人の家庭では、子供に「学校で習っていることが、チンプンカンプンでもいいから、まあ、学校に行って、教室にすわっていなさい」と教えるという。これは、じつに深い意味がある。『学問に敬意を払うこと』を教えているのだ。人類全体として見た時、学問に敬意を払うことは重要なことだ。学問の進歩が人類の文化・生活を進歩させたことは、疑いようのない事実だ。じつにノーベル賞を取る五人に一人がユダヤ人であるというのは、まさに、この教えの証明だろう。
そんなこんなな私だが、インドチャイナでは少年トゥトゥベのほぼ家庭教師のような仕事をしていた、というのは何の運命の巡り合わせだろう。いや、なにかしらの必然と考えることもできる。
ロンドンにいるとき、しばしカナダに仕事に行った事があった。バンクーバーのチャイナタウンでの仕事だ。ペンダーストリートに滞在していた。(中華民国の出身者が多い地域だが、彼らはペンダーボーイズと呼ばれていたこともある)そこでは、わたしの運命に重要な意味を持つ友人クリントに出会った。クリントは飄々とした性格だったのがよかった。私はときに深刻だからだ。深刻同士はまずい。クリントは俗物雑誌が大好きで、その記事のあることないこと笑って楽しめる稀有な性格だった。世の中には、そんな馬鹿げた俗物雑誌も必要なのだ。深刻過ぎる世界は辛い。そんな俗物クリントだが、仕事は人一倍できる。簡単に飛行機の運転ライセンスもとってしまうしね。じつは、そんなやからこそ、ひそかな努力は人一倍だったりするのかもしれない。
国連軍は、このところ、私設財団である東マレーシア映画社との関係を持っている。つまりは、ここのところ起きている『魔仮面』事件をうまく隠すためのカヴァーストーリーをつくりだすためだ。巨大なメディアをつかえば、人々を目くらますことが出来る。これは、現段階では大切かも知れない。『魔仮面』は、おそらく古代に宇宙人のテクノロジーによって作り出されたもので、それは、未知の力を有し、可能性として、人類の敵にもなりかねないのだ。これは、いまのところ公表するわけにはいかないのだ。地球外のエネミー、それはパニックの元にもなり得る。東マレーシア映画社では、漫画によって、「地球外からの侵略的脅威の存在をすこしずつ人類に知らせる」ということを目的にしている。
今回は、われわれのティームは、実働部隊として『魔仮面』に対峙することになる。今回の任務が終わったらすこし休暇を取ろう。そしてインドチャイナにしばらく戻ろう。すこし大きくなったトゥトゥベと再会するかもしれない。そんな日々を少し送ろう。
さて、われわれのフライングジープは、インド上空を通過していた・・・・・・・。
フライングジープ内の電脳モニタリングシステムは、チューブに次の情報を映し出していた。
#1・・・ 地球を周回軌道にある国連軍の衛星システム。これは、正常に動いている。これによって、われわれはギャルソンのサイバーグラスを通じて、可能な限り、あらゆる情報を地球上どこででも入手することができるのだ。
#2・・・ 魔仮面のデータ。魔仮面は材質不明。最高レベルのアナライザーをつかっても、その物質がなんなのか分からず。おそらく宇宙物質だ。不気味に光り輝く。それは、ある種、黄金の光にも似たもの・・・。 保管先、持ち主は、過去に転々としてきた。だが、独裁者がもっていたことが多いようだ。それゆえに危ない。独裁者の手に渡らぬように、一時期フランスの考古学研究機関が保管していたことも分かって居る。その際、仮面の額に、『N』の文字が書き入れられたとされる。それは、ノワールのNらしい。しかし、この仮面は持ち主によって、そのアピアランスが変化するとも言われている。
#3・・・ 現在、魔仮面を持っているのは、謎の人物だ。分かって居ることは、男性のテロリストである、ということだけ。出生も素性も、国連軍では調べがつかなかった。
#4・・・ 魔仮面を持っている男は、『魔仮面の男』というコードネームが国連軍に登録された。現在、情報によれば、トルコ領内のある村を占拠、そして住民を拉致、彼らに強制労働をさせているというのだ。ほかに、いくつかの中東の地域に勢力を拡大しているという・・・。
#5・・・ 魔仮面は村人らを拉致し、ある遺跡を発掘させているらしい。この遺跡は、どこにも登録されていない。一説によれば、聖書などにも書かれている「アジアの古代教会」遺跡だという。魔仮面は、ここに神秘の力が眠っていると考えているらしい。それを見つけ出すことで、最強の存在になりたいというわけだ。いったいそれはなんなのか? 衛星から撮影した、現在発掘中の古代教会は、上空から見ると、十字架の形をしている。
・・・・・・・・・・このミッションは、国連軍ミッション・コードネーム『The Love Star Mission』(愛の星作戦)と登録されている。
インド上空を通過しているとき、電脳計算により、我々の動きに少し修正が入ることになった。まず、イスタンブール入りする前に、イタリア・ローマで或る日本人ビジネスマンに会え、と言うのだ。日本人ビジネスマンがローマで闊歩するようになっていた・・・。日本はアジア世界においては、マシナリーに優れていた。あるとき、ヤワラート出身のアジア人富豪が、日本のビジネスマンから、ローマ郊外のあるゾーンの掘削用にマシーンを購入したというのだ。その富豪はローマ郊外地下から、あの魔仮面を掘り出した。つまり、こういうことだ。あの魔仮面は自力で様々な場所へ移動することができるということだ。そして、その所有者は様々な人々らとなる。その所有者は、あの魔仮面をピュアーゴールドで出来ていると考えているが、じつは地球上の物質ではなく、被れば、クレイジーになる。被り続ければ、われを失なう事も知らずに・・・。 そう、独裁者とは、その者さえ知らず知らずに、そうなっていくのかもしれないのだ。自分の支配欲に気付かぬ者らが、圧倒的力を手に入れたとき、独裁者が生み出される・・・! だが、実際にその圧倒的力を制御できる人間などいないのだ。それは滅びへの道・・・。
イタリア・ローマ。
そこに、日本人ビジネスマンが待っていた。
さすがに三十年先を行くテクノロジーだ。アジアでは全てが手に入ると言われる上海国際マーケットにでさえお目見えしない代物。すでに衛星によるGPSでさえここでは限定的ではあるが実用化されていた。
出発まえに、愛犬のリチャードとしばしのお別れをした。リチャードはやさしい犬だ。だが、フライングジープには乗せられない。リチャードがすきなササミのゆでたものを一緒に食べた。
リチャードは、聞き分けのいい子だ。おるすばん、というと、すこしさびしい顔をするが、すぐにおすわりをして私を見送るのだ。テレビで漫画映画を見るのが好きだ。たぶん、かなり分かっている。じっと画面を見ている。私なんかよりずっと、いい子だ。
フライングジープの発着場は上海の雑木林の中にある。ここを設計したのは日本人のケイ・ティーという設計士らしい。もしかしたら、わたしの記憶ちがいかもしれないが。発着場は電脳システムによって制御されている。これは、一般には出回っていない国連軍のシステムだ。これも、・・・といったほうがいいだろう。これは、フライングジープ内の電脳システムと連動していて、フライングジープのムーブメントを正確にモニタリングする。三十年後には、当たり前の民間システムになるだろうが、一九五五年現在、ここにしかないかもしれない。
まずはイスタンブールまでのオートパイロット飛行となる。この間、約十時間。私は旅の移動の最中、よく考え事をする。過去を思い出す。
はじめに魔仮面に出会ったのはロンドンだった・・・。仮面を追ってインドチャイナ半島へと歩を進めたのが、全ての始まりだった。『仮面』とはそもそも、何なのか? 私には自問自答せずにはいられなかった。物理的に言えば、それは、顔にかぶるもの。人類史を紐解くと、ヘレニズム時代からギリシャでは仮面劇が上演されていたという。ソフォクレスは演劇『オイディプス』を描き、それは当時二千年以上前に、ギリシャの各地にある円形劇場で上演された。それらの演劇は全て仮面劇であったのだ。演劇にうつつを抜かした青年時代を過ごした哲学者・神学者セント・オーガスティンも、仮面劇を見ていたかもしれない。人間とは、なかなか素で生きられない自分史を持っているのかもしれない。すべてのひとびとが。そして・・・、仮面に託して、人間のなんたるかを演じるのだ! 二千年以上前、ギリシャでは仮面劇の一大ムーブメントが起きていたのだ。 あの魔仮面とギリシャはテサロニケで再会したのも、偶然ではないだろう。もはや、偶然などはなく、私の人生は仮面に翻弄されている! かつてロンドン大学ゴールドスミスカレッジの師が言った、「君の人生と心に仮面がある! そう、仮面があるのだ。君はそれを解き明かさねばならない。」
・・・ ・・・ ・・・彼は私の人生を予見していた。その後、師とは会わずに現在に至る。私はあの港町にもどることがなかったのだ。それでも、私はあの港町で洗礼を受けたビネガー文化をいまも持ち続けている。白身魚のフライ、フレンチフライ・ポテトには、ビネガーが好みだ。ゴールドスミスでのそう長くはなかった日々はいつも思い出でよみがえる。あの頃の恋人。ともにあるいたキャティーサーク広場。KOOKAIのファッション。彼女と打つスヌーカー。シンガポール・フライドヌードル。いっしょによく食べたケバブ。ブリティッシュコミック。恋人はあまりそこを評価しなかったが、けっこう美味だったチャイニーズレストラン・ワンキー。ブリティッシュな朝ごはん、ショートブレッド。私はアジアはジャポンに半分のルーツを持ち、あと半分はフレンチ、パリのリセに通ったが、・・・ブリテンの土壌は好きだ。とくにロンドンで時を過ごすことは楽しかった。ロンドンの下町デプトフォードにスクールが近かったから、あの界隈をよく歩いていたがね。シェークスピアの時代から、じつはデプトフォードはあまり治安がよいとは言えなかったようだが・・・。レイチェルマクミランビルディングがあるストリートのコーナーショップではよく食料を買っていた。そんなささいなことさえ、いい思い出さ。或る時期まで、じつはゴールドスミスに復学しようと思っていたが、しそびれてしまった・・・。
アジアの方にはまりすぎたのかもしれない。そういうこともある。予期しないことに動かされることもある。
子供の頃、あまり学校は好きじゃなかった。楽しかったこともあるが、たぶん、あまり合わなかったんだろう。まあ、それでも、なんとなく学校生活を送っていた。両親が学校生活に対して厳しかったこともある。だが、あの時代は比較的どの家も学校生活に対して厳しかった。寄宿学校に行く子供らが多かった。そこで、あるいみ、親から精神的な分離が無意識的に執り行われるのかもしれない。だが、そういったなかで混乱もする。混乱の日々が四年はつづくとおもう。学校には嫌な奴もいる。どうやって嫌な奴との時間をもやり過ごすか、そういったことも、考える日々でもあるのだ。学問はどんどん難しくなる。リセに入学するころになると、ついていけなくなる科目もでてきてしまう。子供ごころにある種の劣等感も感じるが、じつはリセを出たあとに、リセでの学問をほとんど社会で使うことはない。不思議なものだ。まあ、人間はあたまをきたえなければいけない期間というものがあるのかもしれない、と今はおもう。ある本で読んだが、ユダヤ人の家庭では、子供に「学校で習っていることが、チンプンカンプンでもいいから、まあ、学校に行って、教室にすわっていなさい」と教えるという。これは、じつに深い意味がある。『学問に敬意を払うこと』を教えているのだ。人類全体として見た時、学問に敬意を払うことは重要なことだ。学問の進歩が人類の文化・生活を進歩させたことは、疑いようのない事実だ。じつにノーベル賞を取る五人に一人がユダヤ人であるというのは、まさに、この教えの証明だろう。
そんなこんなな私だが、インドチャイナでは少年トゥトゥベのほぼ家庭教師のような仕事をしていた、というのは何の運命の巡り合わせだろう。いや、なにかしらの必然と考えることもできる。
ロンドンにいるとき、しばしカナダに仕事に行った事があった。バンクーバーのチャイナタウンでの仕事だ。ペンダーストリートに滞在していた。(中華民国の出身者が多い地域だが、彼らはペンダーボーイズと呼ばれていたこともある)そこでは、わたしの運命に重要な意味を持つ友人クリントに出会った。クリントは飄々とした性格だったのがよかった。私はときに深刻だからだ。深刻同士はまずい。クリントは俗物雑誌が大好きで、その記事のあることないこと笑って楽しめる稀有な性格だった。世の中には、そんな馬鹿げた俗物雑誌も必要なのだ。深刻過ぎる世界は辛い。そんな俗物クリントだが、仕事は人一倍できる。簡単に飛行機の運転ライセンスもとってしまうしね。じつは、そんなやからこそ、ひそかな努力は人一倍だったりするのかもしれない。
国連軍は、このところ、私設財団である東マレーシア映画社との関係を持っている。つまりは、ここのところ起きている『魔仮面』事件をうまく隠すためのカヴァーストーリーをつくりだすためだ。巨大なメディアをつかえば、人々を目くらますことが出来る。これは、現段階では大切かも知れない。『魔仮面』は、おそらく古代に宇宙人のテクノロジーによって作り出されたもので、それは、未知の力を有し、可能性として、人類の敵にもなりかねないのだ。これは、いまのところ公表するわけにはいかないのだ。地球外のエネミー、それはパニックの元にもなり得る。東マレーシア映画社では、漫画によって、「地球外からの侵略的脅威の存在をすこしずつ人類に知らせる」ということを目的にしている。
今回は、われわれのティームは、実働部隊として『魔仮面』に対峙することになる。今回の任務が終わったらすこし休暇を取ろう。そしてインドチャイナにしばらく戻ろう。すこし大きくなったトゥトゥベと再会するかもしれない。そんな日々を少し送ろう。
さて、われわれのフライングジープは、インド上空を通過していた・・・・・・・。
フライングジープ内の電脳モニタリングシステムは、チューブに次の情報を映し出していた。
#1・・・ 地球を周回軌道にある国連軍の衛星システム。これは、正常に動いている。これによって、われわれはギャルソンのサイバーグラスを通じて、可能な限り、あらゆる情報を地球上どこででも入手することができるのだ。
#2・・・ 魔仮面のデータ。魔仮面は材質不明。最高レベルのアナライザーをつかっても、その物質がなんなのか分からず。おそらく宇宙物質だ。不気味に光り輝く。それは、ある種、黄金の光にも似たもの・・・。 保管先、持ち主は、過去に転々としてきた。だが、独裁者がもっていたことが多いようだ。それゆえに危ない。独裁者の手に渡らぬように、一時期フランスの考古学研究機関が保管していたことも分かって居る。その際、仮面の額に、『N』の文字が書き入れられたとされる。それは、ノワールのNらしい。しかし、この仮面は持ち主によって、そのアピアランスが変化するとも言われている。
#3・・・ 現在、魔仮面を持っているのは、謎の人物だ。分かって居ることは、男性のテロリストである、ということだけ。出生も素性も、国連軍では調べがつかなかった。
#4・・・ 魔仮面を持っている男は、『魔仮面の男』というコードネームが国連軍に登録された。現在、情報によれば、トルコ領内のある村を占拠、そして住民を拉致、彼らに強制労働をさせているというのだ。ほかに、いくつかの中東の地域に勢力を拡大しているという・・・。
#5・・・ 魔仮面は村人らを拉致し、ある遺跡を発掘させているらしい。この遺跡は、どこにも登録されていない。一説によれば、聖書などにも書かれている「アジアの古代教会」遺跡だという。魔仮面は、ここに神秘の力が眠っていると考えているらしい。それを見つけ出すことで、最強の存在になりたいというわけだ。いったいそれはなんなのか? 衛星から撮影した、現在発掘中の古代教会は、上空から見ると、十字架の形をしている。
・・・・・・・・・・このミッションは、国連軍ミッション・コードネーム『The Love Star Mission』(愛の星作戦)と登録されている。
インド上空を通過しているとき、電脳計算により、我々の動きに少し修正が入ることになった。まず、イスタンブール入りする前に、イタリア・ローマで或る日本人ビジネスマンに会え、と言うのだ。日本人ビジネスマンがローマで闊歩するようになっていた・・・。日本はアジア世界においては、マシナリーに優れていた。あるとき、ヤワラート出身のアジア人富豪が、日本のビジネスマンから、ローマ郊外のあるゾーンの掘削用にマシーンを購入したというのだ。その富豪はローマ郊外地下から、あの魔仮面を掘り出した。つまり、こういうことだ。あの魔仮面は自力で様々な場所へ移動することができるということだ。そして、その所有者は様々な人々らとなる。その所有者は、あの魔仮面をピュアーゴールドで出来ていると考えているが、じつは地球上の物質ではなく、被れば、クレイジーになる。被り続ければ、われを失なう事も知らずに・・・。 そう、独裁者とは、その者さえ知らず知らずに、そうなっていくのかもしれないのだ。自分の支配欲に気付かぬ者らが、圧倒的力を手に入れたとき、独裁者が生み出される・・・! だが、実際にその圧倒的力を制御できる人間などいないのだ。それは滅びへの道・・・。
イタリア・ローマ。
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