非日常な日常を送る保護猫カフェ

せん猫

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ギルド依頼

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 ギルドから相談があると呼び出されたので今日はギルドへとやってきた。受付で話すと奥の部屋へ通される。そこにはギルドマスターのトウギさんと一人の男性が待っていた。

「突然呼び出してすまんの。ありがとう。まず彼を紹介しておく。町から北の森に住んでいる木こりのノリじゃ」

「はじめまして。紬さん。ノリと申します。よろしくお願いします」

「はじめまして。保護猫カフェの元井紬です。よろしくお願いいたします」

「とりあえずかけておくれ。今、美味しいお茶を用意してもらっておるからな。で、先に少し話しておくとな。保護猫カフェに依頼を出したいのじゃよ」

「依頼ですか?」

「あぁ。ギルドとしての依頼じゃから報酬は出す。もちろん断っても大丈夫じゃよ」

「うちへと言うことは猫の関係ですか?」

「うむ。詳しくは彼からしてもらおう」

「はい。突然のことで申し訳ない。先ほどの話のとおり私は北にある森で木こりをしております。我々は木を切り、それを建築や家具などの材木へ加工することが主な仕事です。
 他にも間伐をして薪を作ったり、森の植物の採取もしています。それらを貯蔵する倉庫があるのですがネズミなどにかじられないように猫を飼うことが一般的なのです。
 それでなのですが……。私の師匠が街の南にある森で木こりをやっております。しかしもう高齢なので引退を決めたそうです。木こりの仕事は他にもいるので分配をすれば大丈夫なのですが問題はそこにいる猫たちの行き場がないのです。周りの木こりや私のところでもこれ以上は飼えないので……どうしたらよいか……もし可能であればこちらで保護をしていただきたいのです」

「お話はわかりました。保護をできるかどうかは今ここで判断はできません。すみません。一度その場所を見せていただきたいです。それからの判断となります。ただそこにいる猫ちゃんたちに感染する病気などあると保護猫カフェで保護している子たちに伝染ってしまうことがあるのですぐには保護できないかもしれません、また病状によっては保護自体ができないこともありますのでお願いいたします」

「わかりました。大丈夫です。こちらこそよろしくお願いします」

「ちなみに猫ちゃんたちはどのような状況で飼われていて何匹が室内で飼われていますか?」

「外と中を自由に行行き来できるようにしています。ごはんは猫専用を与えているそうです。数は5匹です」

「わかりました。トウギさん。このご依頼受けることは受けますが状況次第で保護できないとなった場合なにか問題ありますか?」

「いや。特にはない。また他の受注者をさがすだけじゃ」

「わかりました。ノリさん。伺うのは明日で大丈夫でしょうか?」

「はい。では明日の朝、町の南門でお待ちしております」

次の日、お店はみんなにまかせて南の森へ向かった。南門から歩いて一時間ほどの場所に目的の家があった。

「おーい。ヤノさんやー。おるかのー?」

ノリさんの呼びかけに対して裏からヤノさんらしき人の声が聞こえた。裏へ行くために建物の横を通る。すると縁側に猫の置物がたくさん並んでいた。全部木で彫ってある。眺めながら進むとヤノさんがいた。

「おう。ヤノさん。ここにいたか。例の猫をもらってくれる人連れてきたぞ」

「おーノリさんか。そいつは助かる。ちょっと待ってな」

そういってヤノさんは建物へ入る。

「すみません。ノリさん。まだ保護できるかはわかりませんので……」

「おうおう。大丈夫。そんときはそんときだ」

こういったやり取りは日本でもよくあった。

「おう。ふたりとも入ってくれ。ここにいる猫は全部で10匹いてな。5匹はどうにか飼えるが全部はきつくてな。仕事もやめるしなぁ。どいつもいい子ばかりなんでな。好きなのを持って行ってくれ」

「どの子でも。ですか……」

「あぁ。今そこに寝ているのが一番大人しい子でな。うちで一番年上じゃ。んでこっちにいるのがそれの兄弟。本当は5匹いたが3匹は動物に取られてしまったんじゃ。で、そいつらの子猫が合わせて5匹いてな。あとは外に居着いたやつが3匹いるんじゃがあまり姿はみせん」

「捕まえるのは難しそうですか?」

「ごはん食べているときなら捕まえられるから大丈夫じゃ」

この場合は……

「わかりました。ヤノさんに特に懐いている子はいますか?」

「んー特にいないがそこの寝ている母猫と子猫のうち4匹はほとんど家の中にいて寝るときも大体一緒じゃ」

「わかりました。でしたらその5匹はヤノさんに飼っていただいて残りを引き取るようにします。ですが健康診断の結果次第では保護できない場合があります。特に猫ちゃん同士で感染する病気があった場合は今こちらで保護している子たちを守らなくてはいけませんので申し訳ないですが保護はできませんのでご理解の程よろしくお願いいたします。」

「そりゃ今いる子を大事にしてもらわんとな。無理は言わんよ」

「ありがとうございます。とりあえず状況はわかりました。受け入れの用意をしてから後日改めて引き取りにきます。その際に捕まえていただけると助かります」

「おう。あーそれでじゃが費用とかどれくらいなんだ……?」

「通常ですと受入れ前の検査等の費用がかかるのでそちらの協力金としていただいたりご自身で検査等をやっていただいたりですが今回はギルド経由ですのでそちらからいただきます。ですので特に必要はありませんがもしよろしければお店へ遊びにきてください」

「そうか。ありがとうよ。ぜひ遊びに行くよ」

後日といったものの連絡手段がないので三日後に引き取る約束をしてその日は帰った。木彫りの猫を数体持たされて。

後日、伺うとすでに引き取る猫たちは捕まっていたので、ノリさんと一緒に治療院へ向かった。検査結果は特に問題がなかったのでそのまま正式に引き取ることとなった。外で自由に暮らしていたのでまずは室内のみに慣れてもらうためお店のバックヤードでしばらく暮らしてもらう。その後猫エリアの子たちと少しずつ顔を合わせをして保護猫カフェデビューすることになる。


 ★登場人物
 *ノリ:北の森の木こり。ヤノの弟子。保護依頼相談の相談
 *ヤノ:南の森の木こり。ノリの師匠。猫の保護依頼主
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