捨てられた第三王子は最強です

烏の人

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皇帝の証

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「それは…どういう?」

「東洋式の魔力回路には色があるって言ったのは覚えてる?」

「はい。」

 東洋式の魔力回路。それは緻密かつ複雑であり扱いの難しい魔力回路である。そして、属性分けではなく色分けされている。大抵それは4色の系統に片寄っており、朱、蒼、白、黒と教わった。

「それでツカサの色についてなんだけど、詳しい検査も出来てないから単なる予想よ?黄色だと私は思っているの。」

「黄色…?」

 黄色の話しは聞いたことがない。それに、先に上げたどの色の系統にも片寄っていない。大抵、どれかには偏りがあるはずである。

「黄色って言うのはどの色にも対応できるなの。」

「真ん中の色…?」

「そう。この黄色の魔力回路を発現させる存在って言うのはそうそういない。その上、発現したとしても今のツカサみたいに属性魔法を使えないから名前が上がることもない。そう言う二つの面で黄色って言うのは珍しい色なの。」

「そ、それじゃ僕は………。」

「まあ、落ち込まずに聞いて。その代わりに、黄色は独自の属性でもある。」

「独自の属性…?」

「黄色、その性質は万能かつ絶対の中央。ツカサの扱う不変はその片鱗の現れだと思ってる。」

「つまり………僕はまだ強くなれるってことですか?」

「私の仮説が正しければね。本当にツカサが黄色の魔力回路を持っているのであれば...……まあ、野暮な話ね。実際、私はそう信じてるから。」

「え、どう言うことです?」

「まあ、簡単に言うとここから王様まで駆け上がっちゃおう?ってそう言う話よ。」

「な、なるほどです………。」

   正直な話、あまり理解は出来なかった。だが、まだまだこれから強くなれると言うのであれば僕はどんな可能性にだって賭けるつもりだ。

「じゃあ、そうと決まれば黄色の魔力回路の使い方を教えなくちゃね。」

「はい!」

 そこからは、ハクネに魔力回路の制御に関する修行をつけてもらった。
 黄色と言うのはどうやら相当特殊ならしく、今までは単体で済んでいた魔方陣も中央に大きなもの、そこから上下左右に4つ。さらに、それぞれそこから上下左右…と相当必要となり集中力もずいぶん削がれるようになった。

「これ…本当にきつい……です……。」

「いやいや………初めてでこれだけ出来れば上等だよ………それに、本当にツカサの魔力回路が黄色だったって言うのも解ったし………。」

 ハクネはずいぶんと驚いているようだった。黄色の魔力回路自体少ないものらしいし当然だろう。僕は練り上げたその魔方陣を見る。大きく黄色が中央。上方には黒。下方には朱。右側には蒼。左側には白さらにそれぞれ色を中央として同じように…と、教えてもらった通りに展開出来た。

「これが、黄色の魔力回路なんですね。」

「ああ、これが王になり得るものが持つとされる皇帝の証………黄色の魔力回路だよ。」

「皇帝の証…ですか。」

 そこで集中力が途切れ、魔方陣は崩壊する。

「あぁっ、すみません!」

「いいや…ここまで出来るなら本当に………上等だよ。」

 空を見つめたまま、ハクネはそう呟いた。
 それから数日、ハクネと黄色の魔力回路、及び属性について学ぶ日が増えた。どう言うものが攻撃魔法に転じさせることが出来るのか。考えてみたけれど、あまり解らない。黄色にはそもそも攻撃と言う手段がないように思える。だけど、力自体は強力でまさしく色々なものを巻き込むような…そんな属性だと思い知った。

「とまあ、私が教えられるの。正直ここまでなのよね。」

「え?」

「黄色っていうのはそれだけ珍しくて、それだけ完成形に近いの。だから、これ以上の外的要因がない限り炎を扱うとかは出来ない。謂わば究極に統率向けの属性ってことよ。」

「そ、そうなんですね。」

「でも正直………それだけの知識と技量があれば試験の突破は余裕だと思うわよ?」

「それはどうしてです?」

「獣人と素手で渡り合える人間はこの世には存在しないわ。ましてや、一部とはいえ蒼狼を引き出したアオイちゃんと素手でなんて………私ですら寒気がするのに………。」

「そ、そうなんですね………。」

「さてと…それじゃ私もアオイちゃんよろしく元気付けでもしようかな。」

「え?」

「なんでもありの手合わせよ。気になるでしょ?ツカサの得た知識がどこまで通用するのか。」

 確かに気になる。何より、ハクネの実力も。ハクネとは1度も手合わせをしたことがなかった。僕が強くなったタイミングで手合わせをしようと言うことは…そう言うことなのだろう。

「………はい、お願いします。」

「じゃあ早速始めちゃいましょうか。」

 その瞬間、どくんと胸騒ぎがした。

白狐びゃっこ落葉。」
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