不運!勇者さま!!

烏の人

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第5話 冒険へ

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 さて………僕は今、鬼とともに林道を歩いております。僕としてはもう少し仲間が欲しかったところですが、このチーターのせいで晴れて2人パーティでございます。

「まぁ、まずユウキがどれほどのもんか見てみたいよな。」

「まぁそうだな。」

 それに関しては同感だ。僕自身、どれほど強いのかわからない。いや………思い出せ………僕が買われたのはこの運の無さだ。あぁ、思い出したら腹立ってきたな………。

「な、なぁユウキどうかしたのか?なんかすごく寒いんだが。」

「あ?あぁ、すまん。」

 魔法って感情の起伏でも勝手に発動するんだな………え?面倒くさくね?いや、落ち着いていればいいだけか………とりあえず、あのことは思い出さないでおこう。

「ところでだけど今回のクエスト、スライム討伐だっけ?弱いイメージあるけど実際のところどうなのよ。」

「正直なお話、面倒くさい。基本的に斬撃も打撃も効かないし、魔法も極低温で動きごと止めるか極高温で蒸発させるしかない。」

「………は?強くね?」

 僕のメインウェポンがマジモンのゴミと化したんだが。

「強いぞ?ユウキが氷属性じゃ無かったらこんなの受けなかった。」

「あ、だからこれなのね。」

 とはいえ極低温って………。

「この世界の魔物ってそのレベルなのがうじゃうじゃいたりする?」

「いや、スライムは基本的に食物連鎖の頂点だな。」

 おいヒエラルキー覆しとるやんけ。

「というか生物の行き着く先とさえ言われてる。」

「ぶっ壊れすぎんか?」

「代謝もないから実質不老だし。」

「ぶっ壊れすぎんか!?」

「まぁ冒険者の間では相手にしたくない魔物で有名だね。」

「なんでそんなものに挑むかな………。」

「勇者の極低温あれば余裕っしょ!」

 フラグを建てるな。そして僕は魔法の扱いに離れてないぞ。と、その時、物陰からガサガサと音がした。
 僕とサラはそちらの方向を向く。草むらからだ。

「この水っ気の混じった音………スライムかもしれんな。」

 そして、ぐちゃっと音を立てそれは現れた。

「おお、この丸っこいフォルム………。」

「スライムだな。気をつけろ。普通に人くらいなら食べるぞ。」

「危なすぎんか。」

「とっとと凍らせろよ!勇者だろ?」

「無茶言え!!初戦闘で人食いスライムと対峙できるか!!」

「それでも冒険者か!!この豆腐メンタル!!」

「………誰が………。」

「あ?どしたよ?てか早くどうにか………あ………。」

「誰が冷奴じゃア!!」

「言ってない!そこまでは言ってない!!つか寒っ!!」

 あの女神が………ふざけやがって………。と、集中集中………。

「ありゃ?」

「ユウキ………豆腐嫌いなんだな………。」

「………それなりには嫌いだ。」

「うん。悪かった。」

「安心しろ。この状況にドン引きしてるのは僕も同じだ。」

 あぁ、氷属性が鬼ほど強化されてるってこういうことね………だとしてもこの辺一帯をちよっとした南極にすることはなかったろうに………。
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