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第4章
短剣の折れる音が
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短剣の折れる音がその場に響きました。
ミントは目でもう一度右手を確認しました。短剣の柄の部分だけが残っています。
ブルーベリーが剣を振り上げ、
「これで終わりだ。」
と言いながら振り下ろしました。かろうじてよけたミントは、柄だけになった武器を放り、ダガーと呼ばれる小型ナイフを複数右手にかまえ、投げつけます。しかしブルーベリーの起こした真空波で、ダガーだけでなく体までもふき飛ばされました。地面に叩き付けられます。すぐに上半身を起こして再びダガーをかまえますが、立ち上がる暇もなく、一気に間合いをつめたブルーベリーに右肩を切りつけられてしまいました。
ミントの手からダガーがこぼれ落ちました。ひどい痛みに、目から涙もこぼれ落ちました。
「まいったな、右手使えなかったら、もう何もできないよ。」
ミントはぐいと涙をぬぐいました。それから困った顔で笑って、両手のひらを開いて見せます。
「ねぇ、見逃してくんない?」
「なに?」
ブルーベリーの元々きびしい表情が、もっとけわしくなります。ミントは、
「あのね、私、実はあの二人におどされてて。ほら、なんて言うか、さからったら殺すぞ、
みたいな。だから仕方なくやってたの。」
人なつっこい声と笑顔で話しました。しかし、ブルーベリーは眉ひとつ動かさず、
「だからなんだっていうんだ。私に攻撃をしかけたことには、かわりはない。」
と、ミントの言葉を切り捨てました。
「こんな無抵抗な人にも手をかけるの?」
先ほどの自分は棚にあげミントは嫌々と首を横に振りますが、無言でブルーベリーはその距離をつめていきます。
「うそ、やめてよ!」
モンスターににらまれた少女は、おしりをついた状態でなんとか距離をとろうとしました。とん、と腰が切り株にぶつかってしまいます。もうそれ以上は動けません。自由に動く左手を振りつつ、
「だって、私もう武器も持ってないのに。殺したって、なんにも出てこないよ。昔から貧
乏でさ、」
どうにか助けてもらおうと話し続けます。ブルーベリーはそんなミントを冷ややかな目で見つめ、
「もう、そのくらいでいいか?」
と、言いました。
「待って!」
「待たない!」
ブルーベリーが剣を思いっきり上へと振り上げて、
そして、
ドサッ。
くずれ落ちたのはブルーベリーのほうでした。
「貴様…!」
余裕を持って立ち上がり、足についた砂をはらって、それからミントは、足に細い針を刺されて、倒れた相手を見下ろしました。
「しびれ粉を大量にぬっておいたから、三日くらいは動けないんじゃない?」
わずかな差ではありましたが、ミントの動きの方が早かったのです。
ブルーベリーは悔しさで震えます。手をにぎろうとしたのに、ただ砂をつかむばかりでした。力が入りません。
「武器は持っていないと言ったではないか。」
にらみつける目線にミントは軽く舌を出して、横を歩いて通り過ぎました。
「そんなの、だまされるほうが悪いんだよーだ。」
最後の言葉は、振り返りもしませんでした。
ミントは目でもう一度右手を確認しました。短剣の柄の部分だけが残っています。
ブルーベリーが剣を振り上げ、
「これで終わりだ。」
と言いながら振り下ろしました。かろうじてよけたミントは、柄だけになった武器を放り、ダガーと呼ばれる小型ナイフを複数右手にかまえ、投げつけます。しかしブルーベリーの起こした真空波で、ダガーだけでなく体までもふき飛ばされました。地面に叩き付けられます。すぐに上半身を起こして再びダガーをかまえますが、立ち上がる暇もなく、一気に間合いをつめたブルーベリーに右肩を切りつけられてしまいました。
ミントの手からダガーがこぼれ落ちました。ひどい痛みに、目から涙もこぼれ落ちました。
「まいったな、右手使えなかったら、もう何もできないよ。」
ミントはぐいと涙をぬぐいました。それから困った顔で笑って、両手のひらを開いて見せます。
「ねぇ、見逃してくんない?」
「なに?」
ブルーベリーの元々きびしい表情が、もっとけわしくなります。ミントは、
「あのね、私、実はあの二人におどされてて。ほら、なんて言うか、さからったら殺すぞ、
みたいな。だから仕方なくやってたの。」
人なつっこい声と笑顔で話しました。しかし、ブルーベリーは眉ひとつ動かさず、
「だからなんだっていうんだ。私に攻撃をしかけたことには、かわりはない。」
と、ミントの言葉を切り捨てました。
「こんな無抵抗な人にも手をかけるの?」
先ほどの自分は棚にあげミントは嫌々と首を横に振りますが、無言でブルーベリーはその距離をつめていきます。
「うそ、やめてよ!」
モンスターににらまれた少女は、おしりをついた状態でなんとか距離をとろうとしました。とん、と腰が切り株にぶつかってしまいます。もうそれ以上は動けません。自由に動く左手を振りつつ、
「だって、私もう武器も持ってないのに。殺したって、なんにも出てこないよ。昔から貧
乏でさ、」
どうにか助けてもらおうと話し続けます。ブルーベリーはそんなミントを冷ややかな目で見つめ、
「もう、そのくらいでいいか?」
と、言いました。
「待って!」
「待たない!」
ブルーベリーが剣を思いっきり上へと振り上げて、
そして、
ドサッ。
くずれ落ちたのはブルーベリーのほうでした。
「貴様…!」
余裕を持って立ち上がり、足についた砂をはらって、それからミントは、足に細い針を刺されて、倒れた相手を見下ろしました。
「しびれ粉を大量にぬっておいたから、三日くらいは動けないんじゃない?」
わずかな差ではありましたが、ミントの動きの方が早かったのです。
ブルーベリーは悔しさで震えます。手をにぎろうとしたのに、ただ砂をつかむばかりでした。力が入りません。
「武器は持っていないと言ったではないか。」
にらみつける目線にミントは軽く舌を出して、横を歩いて通り過ぎました。
「そんなの、だまされるほうが悪いんだよーだ。」
最後の言葉は、振り返りもしませんでした。
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