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第二章 日本編一
スタジオ三日目 さらなる出会い
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昨夜の晩餐会の会話が気になっているのか、新幹線の中ではお互い無口だった。駅を出てタクシー乗り場に並んだ。いつも通り振り返る人がたくさんいる。二人ともサングラスをしているせいもあるのだろう。
別に気にはならないが、悪い気もしない。道が混んでなくて早く着いたので、スタバでみんなの分もコーヒーを買ってスタジオに向かった。
「コーヒー買ってきました」
「ありがとう。こちらの二人がハーモニィーをやってくれる櫻さんと遼大くん。現役の芸大生で十九歳、ほぼ同世代だね。外見だけじゃなく、声もとってもいいよ。ページとタヨ」将生さんがお互いを紹介した。
「ごめんね。あなた達のコーヒー忘れちゃった。私、タヨです。こっちがページ。よろしく」
「かっこいいな、ふたりとも。作られてない美しさがあるっていうか。髪もドレッドだし。惚れちゃいそう」櫻はジェンダーレス的な雰囲気を漂わせて、いきなりの挨拶であった。
「ありがとう。ページです。あなた方も凄く魅力的です。僕の方が櫻さん、君に惚れそうだ」
「今回のプロジェクトには日本絡みで、ずっと参加してくれることになっているんですね。最初にお伝えしておきます。私たちのやっているのはレゲエです。タイミングの取り方難しいと思いますが、よろしくお願いします」
私は、将生さんが連れて来た若いアーティストだ、問題ないと思っている。商業的な目で見ると、既に彼らも売れるアーティストの素養は十分あるように思える。
「これからレゲエ来ますよ。俺もドレッドにしようかと思っていたところです。昨日聴かせてもらいましたが、良い曲ですね。将生さん、始めましょうか。僕達なりの解釈は出来ていますが、ダイレクションよろしくです」
「この曲は、日本語と英語でリリースする。で、ジャマイカ側はロビーという魔王がヴォーカルテイクからハーモニィーのアレンジもやることになっている」
「出来上がりは全く違う感じになるかもしれないが、それを気にすることはしないようにしている。先ずは、コーラス。タヨのリードは全部生でとっているので、コピペはできない」
「歌詞もちょっと変えてるし。八小節全部ハーモニィーを付けてくれ。二人で自由に飛びまくっていい。何度、上下なんて気にしなくて、気持ちのいいハーモニィーで歌ってくれ。二人同時で、ダブルもとる。先ずは君たちの解釈で、一応録音する。では、ブースの方へ」
将生さんはあまり時間をかけたくないと言っていた。おそらく二、三回のテイクで大丈夫なものが出来るはずだ。
「あまりコンプレッサー強くかけないでください。俺達コントロールできるんで。リバァ―ブも少な目でお願いします。準備オッケーです」
「カウント四拍頭に入れてある。では、ロール」
ページ、タヨ、私と中田社長はスタジオの後にあるソファーで聞いている。
それほど前衛的でなく、それほどの主張もなく、主旋律を盛り立てる美しいハーモニィーがニアフィールドモニターら聞こえて来た。
「パーフェクトだね。ダブルできるかい?」
「大丈夫、回してください」と、櫻。
ファーストテイクが終わった。このテイクでみんな満足しているように頷いている。櫻と遼大がブースから出て来た。
卓のそばで失敗が無いか慎重に聞いている。
「素敵なハーモニィー、ありがとう。私はとても満足です」タヨの言葉にページも頷いた。
「さて、次はヴァースとブリッジ、ここはそんなにたくさんのハーモニィーは必要ない。ヴァースは二拍目と四拍目をユニゾンで、櫻はオクターヴ上を、遼大はオクターヴ下を歌ってくれ。ブリッジはうーあーでうねりを付けてくれ。トラックにストリングスは入れないので」
この簡単な会話だけで、彼らはやるべき仕事を理解している。将生さんは二度テイクをやり直した。出来るだけコンピューターで音程を直したくないと言っていた。
別に気にはならないが、悪い気もしない。道が混んでなくて早く着いたので、スタバでみんなの分もコーヒーを買ってスタジオに向かった。
「コーヒー買ってきました」
「ありがとう。こちらの二人がハーモニィーをやってくれる櫻さんと遼大くん。現役の芸大生で十九歳、ほぼ同世代だね。外見だけじゃなく、声もとってもいいよ。ページとタヨ」将生さんがお互いを紹介した。
「ごめんね。あなた達のコーヒー忘れちゃった。私、タヨです。こっちがページ。よろしく」
「かっこいいな、ふたりとも。作られてない美しさがあるっていうか。髪もドレッドだし。惚れちゃいそう」櫻はジェンダーレス的な雰囲気を漂わせて、いきなりの挨拶であった。
「ありがとう。ページです。あなた方も凄く魅力的です。僕の方が櫻さん、君に惚れそうだ」
「今回のプロジェクトには日本絡みで、ずっと参加してくれることになっているんですね。最初にお伝えしておきます。私たちのやっているのはレゲエです。タイミングの取り方難しいと思いますが、よろしくお願いします」
私は、将生さんが連れて来た若いアーティストだ、問題ないと思っている。商業的な目で見ると、既に彼らも売れるアーティストの素養は十分あるように思える。
「これからレゲエ来ますよ。俺もドレッドにしようかと思っていたところです。昨日聴かせてもらいましたが、良い曲ですね。将生さん、始めましょうか。僕達なりの解釈は出来ていますが、ダイレクションよろしくです」
「この曲は、日本語と英語でリリースする。で、ジャマイカ側はロビーという魔王がヴォーカルテイクからハーモニィーのアレンジもやることになっている」
「出来上がりは全く違う感じになるかもしれないが、それを気にすることはしないようにしている。先ずは、コーラス。タヨのリードは全部生でとっているので、コピペはできない」
「歌詞もちょっと変えてるし。八小節全部ハーモニィーを付けてくれ。二人で自由に飛びまくっていい。何度、上下なんて気にしなくて、気持ちのいいハーモニィーで歌ってくれ。二人同時で、ダブルもとる。先ずは君たちの解釈で、一応録音する。では、ブースの方へ」
将生さんはあまり時間をかけたくないと言っていた。おそらく二、三回のテイクで大丈夫なものが出来るはずだ。
「あまりコンプレッサー強くかけないでください。俺達コントロールできるんで。リバァ―ブも少な目でお願いします。準備オッケーです」
「カウント四拍頭に入れてある。では、ロール」
ページ、タヨ、私と中田社長はスタジオの後にあるソファーで聞いている。
それほど前衛的でなく、それほどの主張もなく、主旋律を盛り立てる美しいハーモニィーがニアフィールドモニターら聞こえて来た。
「パーフェクトだね。ダブルできるかい?」
「大丈夫、回してください」と、櫻。
ファーストテイクが終わった。このテイクでみんな満足しているように頷いている。櫻と遼大がブースから出て来た。
卓のそばで失敗が無いか慎重に聞いている。
「素敵なハーモニィー、ありがとう。私はとても満足です」タヨの言葉にページも頷いた。
「さて、次はヴァースとブリッジ、ここはそんなにたくさんのハーモニィーは必要ない。ヴァースは二拍目と四拍目をユニゾンで、櫻はオクターヴ上を、遼大はオクターヴ下を歌ってくれ。ブリッジはうーあーでうねりを付けてくれ。トラックにストリングスは入れないので」
この簡単な会話だけで、彼らはやるべき仕事を理解している。将生さんは二度テイクをやり直した。出来るだけコンピューターで音程を直したくないと言っていた。
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