6 / 52
男友達の裏の顔
2
しおりを挟む
「いい奥さんになれそう?」
「おー、絶対なるだろうな」
料理を口に運びながら、應汰はさらりとそう言った。
應汰が何を根拠に絶対と言い切るのか知らないけれど、私には奥さんになる予定なんてない。
もし本当に奥さんになりたければ、勲以外の人を見つけなくちゃならないんだから。
「ああ、でもあれか。もしかしたら男をダメにしちゃうタイプかもな」
「いい奥さんと正反対じゃない」
「男って女に甘やかされると、母親と重ねるのかな?それが心地よくなって、どんどん子供みたいになるから。彼氏はあまり甘やかさない方がいいぞ」
喉元まで出かけた『あいにく私には甘やかすような彼氏なんていないよ』という言葉を慌てて飲み込む。
いや、もしかして私は勲を甘やかしてる?
この辺でハッキリした方がいいのかな?
應汰の言葉が本当だとすれば、男はみんな奥さんや彼女に、少なからず母性を求めているということになる。
だけど母親から与えられないものを求めているから、恋愛や結婚をするのだろう。
「應汰は彼女には甘いの?」
「さぁ……どうだろうな。付き合った子にしかわからないだろ」
彼女に激甘の應汰なんて、全然想像がつかない。
「確かにね。ところで……舞とはいつの間に別れたの?」
「いつだっけ?付き合って3か月で別れた。それが……2か月くらい前?」
「変わり身早過ぎ……!!應汰と付き合ってる時には、もう次が控えてたんじゃないの?もしくは同時進行とか?」
「だろうな。結婚願望のめちゃくちゃ強い子だったみたいだし。付き合って3か月で結婚も何もないだろ?」
この間も言ってたな。
舞がなぜそんなに結婚したかったのか、私にはわからない。
まだまだ若いのにそんなに結婚を急ぐということは、何か理由があるんだろうか。
結婚という目標を達成したらそれで終わりじゃなくて、そこから始まる現実が待っている。
きっと思い描いているほど甘くはないはずだ。
なのになぜそんなに結婚を急ぐんだろう?
「結婚って……そんなにいいものなのかな……」
「芙佳は結婚したくないのか?」
「どうかな……。誰でもいいとは思わないけど、いずれはできたらいいかなってくらいの願望はあると思う」
「なんかおぼろげだなー」
かつては勲との結婚を夢見ていたこともあったけど、それも単なる夢で終わった。
あれから私は結婚に対して、憧れや希望なんていう甘い感情を抱かなくなった。
結婚して幸せに暮らしている人は確かにいると思うし、そんな人たちを見ると羨ましいとも思うけれど、誰もが羨むような相手と結婚しても私と不倫している勲を目の当たりにしているから、不安の方が大きくなるのかも知れない。
「経験ない事に飛び込むのは勇気がいるし、慎重になるものでしょ?應汰には結婚願望はあるの?」
「そうだな……。相手にもよる」
應汰はジョッキのビールを飲み干して、近くにいた店員を呼び止め、おかわりを注文した。
今日はいつになく應汰の飲むペースが早いような気がする。
「相手にもよるって……どういう事?」
「例えばだけど、舞に結婚する気はあるかって聞かれた時、正直この子とは考えられないって思ったから、まだ先かなって答えたんだ」
「なんで考えられないの?」
「うーん……結婚して一緒に生活してる画が思い浮かばないというか、想像できなかった。なんとなく現実とか見えてない気がしたから」
「あー……なんとなくわかる」
「おー、絶対なるだろうな」
料理を口に運びながら、應汰はさらりとそう言った。
應汰が何を根拠に絶対と言い切るのか知らないけれど、私には奥さんになる予定なんてない。
もし本当に奥さんになりたければ、勲以外の人を見つけなくちゃならないんだから。
「ああ、でもあれか。もしかしたら男をダメにしちゃうタイプかもな」
「いい奥さんと正反対じゃない」
「男って女に甘やかされると、母親と重ねるのかな?それが心地よくなって、どんどん子供みたいになるから。彼氏はあまり甘やかさない方がいいぞ」
喉元まで出かけた『あいにく私には甘やかすような彼氏なんていないよ』という言葉を慌てて飲み込む。
いや、もしかして私は勲を甘やかしてる?
この辺でハッキリした方がいいのかな?
應汰の言葉が本当だとすれば、男はみんな奥さんや彼女に、少なからず母性を求めているということになる。
だけど母親から与えられないものを求めているから、恋愛や結婚をするのだろう。
「應汰は彼女には甘いの?」
「さぁ……どうだろうな。付き合った子にしかわからないだろ」
彼女に激甘の應汰なんて、全然想像がつかない。
「確かにね。ところで……舞とはいつの間に別れたの?」
「いつだっけ?付き合って3か月で別れた。それが……2か月くらい前?」
「変わり身早過ぎ……!!應汰と付き合ってる時には、もう次が控えてたんじゃないの?もしくは同時進行とか?」
「だろうな。結婚願望のめちゃくちゃ強い子だったみたいだし。付き合って3か月で結婚も何もないだろ?」
この間も言ってたな。
舞がなぜそんなに結婚したかったのか、私にはわからない。
まだまだ若いのにそんなに結婚を急ぐということは、何か理由があるんだろうか。
結婚という目標を達成したらそれで終わりじゃなくて、そこから始まる現実が待っている。
きっと思い描いているほど甘くはないはずだ。
なのになぜそんなに結婚を急ぐんだろう?
「結婚って……そんなにいいものなのかな……」
「芙佳は結婚したくないのか?」
「どうかな……。誰でもいいとは思わないけど、いずれはできたらいいかなってくらいの願望はあると思う」
「なんかおぼろげだなー」
かつては勲との結婚を夢見ていたこともあったけど、それも単なる夢で終わった。
あれから私は結婚に対して、憧れや希望なんていう甘い感情を抱かなくなった。
結婚して幸せに暮らしている人は確かにいると思うし、そんな人たちを見ると羨ましいとも思うけれど、誰もが羨むような相手と結婚しても私と不倫している勲を目の当たりにしているから、不安の方が大きくなるのかも知れない。
「経験ない事に飛び込むのは勇気がいるし、慎重になるものでしょ?應汰には結婚願望はあるの?」
「そうだな……。相手にもよる」
應汰はジョッキのビールを飲み干して、近くにいた店員を呼び止め、おかわりを注文した。
今日はいつになく應汰の飲むペースが早いような気がする。
「相手にもよるって……どういう事?」
「例えばだけど、舞に結婚する気はあるかって聞かれた時、正直この子とは考えられないって思ったから、まだ先かなって答えたんだ」
「なんで考えられないの?」
「うーん……結婚して一緒に生活してる画が思い浮かばないというか、想像できなかった。なんとなく現実とか見えてない気がしたから」
「あー……なんとなくわかる」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
先生
藤谷 郁
恋愛
薫は28歳の会社員。
町の絵画教室で、穏やかで優しい先生と出会い、恋をした。
ひとまわりも年上の島先生。独身で、恋人もいないと噂されている。
だけど薫は恋愛初心者。
どうすればいいのかわからなくて……
※他サイトに掲載した過去作品を転載(全年齢向けに改稿)
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる