天から二物も三物も与えられ過ぎた俺がダンジョンで青春を取り戻す

黒丸

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興梠さん

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うまく伝わらなかったのか、不思議そうな表情。やっぱり珍しいんだろうな。指定ダンジョンに潜らないのって。
「えっ?あっ、ほんとだ!これ県の個人所有ダンジョン第一号じゃないですか!1人!?1人で行ったんですか!?」
「はい、1人です。」
「危険すぎます!しっかり準備してたここでだって大変なことになってたんですよ!」
「あの、いったい何があったんですか?」
ここは低階層では大変なことになる要素はなかったはずだ。予想外に強力な魔物でもいたんだろうか。
「それが…、探索初日で気合いが入ってたのか猟銃を持ち込んだ探索者さんが多かったんです。それでイヤー、えっとイヤー…、耳栓をつけてた人が多かったみたいで。」
「イヤーマフですか?」
「耳栓のせいでゾンビが近づいてるのに気づかなくて取り囲まれて」
普通にスルーされた。でも銃声がうるさいとはいえ耳を塞ぐなんて。
「なんとか逃げ出してゾンビを引き連れたまま別のパーティーに助けを求めて」
ああー。
「対処しきれずにまた逃げて、それが連鎖した結果、入り口に大量のゾンビが殺到したんです。」
思ったよりしょうもない理由だった…。
「それであんなことになってたんですね。」
「そうなんです。ほんとに死者がでなかったのが唯一の救いですよ。」
「良かった。死者はでなかったんですね。」
本当に良かった。そんなので知り合いが死んでたらたまったもんじゃない。
「はい。自衛隊の皆さんの突入のおかげです。ただ、重軽傷者多数ですけど。」
先行調査に救助、自衛隊には頭があがらない。
「それより貴方です!なんで1人で潜るなんて危ないことしたんですか!」
「いや、自宅の小さなダンジョンですし。それに危なそうにみえますか?」
と、両手を広げてみせる。
「んんん、見えません…」
なぜかしょんぼりする興梠さん。
「ですよね。ということで査定をお願いします。」
「ああ!ごめんなさい、長話してしまって。」
慌てて査定品を乗せるトレイを出してくれる。
「いえ、話を聞きたかったので助かりました。」
ボディバッグから魔石を入れた袋を取り出し、トレイに魔石を並べていく。
「えっ?えっ、えっ?これを1人でですか!?」
「はい。あと回復薬が2本です。」
1本は母さんが欲しそうだったのでプレゼントした。
初探索の記念だし、喜んでもらえたし安いものだ。
顔を上げると、興梠さんが唖然としていた。
「言葉も出ないです。ほんとに凄いですね。」
「ありがとうございます。」
あ、素直に凄いと言われるのって嬉しいものだったんだ。
忘れてた。
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