84 / 240
第1章
84
しおりを挟む
サンドラちゃんが領都に出発して二週間、今頃大会の真っ最中だろう。
その間に私は八歳になった。
大会参加者は各部門に四人ずつしかいないため盛り上がりに欠けそうだが、その分厳正に判定されるのだろう。
自分が出ることには興味ないが、対戦を見たくなってきてしまった。テレビもビデオもないのは困るな。
映像魔法を開発するか?
遠くとの通信にも使えそうだが。
だめだな、全くイメージが湧かない。
通信なら伝書鳩の方が無難かつ簡単かも知れない。
その代わり空をガンガン飛べるようになってきた。鉄のボードをギリギリまで薄くして、下面は鏡面仕上げにしてやった。
これで下からは見えまい、ふふふ。
苦労したものだ。地道に金操で磨いたのだ。
魔力を垂れ流せば速度もドンドン上がる。
この先は形状にさらなる工夫が必要だろう。
例えば風防とか屋根とか、空力も考えた形にすれば魔力も節約しつつ速度も上がるだろう。
現在は畳ほどの広さの鉄の板だからな。
まだまだ長距離移動はできないな。
空を飛びながら他の魔法もいつも通り使えるよう修行しなければ、もし空中で何かに襲われたら大変だからな。
後は昼間でも飛べるように迷彩的な工夫が欲しいが、思いつかない。
上空に上がってしまえば見つかることなどないだろうが、そこまでの最中が問題なのだ。
よし! 母上に相談だ。
教えてもらった。
中級魔法『隠形』
物理的に見られないわけではなく、気にされにくくなる魔法。
森に隠れるなら木遁、荒野に隠れるなら土遁など他の身を隠す魔法と併用するとさらに効果的。
ちなみに風や金属には元々身を隠せないので、風遁や金遁はない。
火遁はあるが半分自爆技なのであまり使いたくない。
だからついでに、
火遁
水遁
木遁
土遁
も覚えておいた。
空の上では、使い道がないが覚えて損はないだろう。
隠形が中級魔法ということは、もっと強力な隠れる魔法もあるのだろう。
透明になったりとか、全く気にされないとか。
結局バレるかどうかは相手の魔力次第なので、油断は禁物、やはり基本に立ち返り魔力をガンガン上げることが大事だということだな。
コツコツ行こう。
ついに空を自由に飛べるようになってしまったカース。
天測を覚え、形状を最適化したならば、どこまでも行けてしまう八歳児。
空は安全なのか?
魔物はいないのか?
雨は? 雷は?
鉄の塊なのだから雷一発でほぼ即死。
この世界にゴム製品はない。
ゴムの木を探す当てもなければ知識もない。
四年生の社会で天測を習う前に気付かなければ死あるのみ。
しかも、もし今死んだら徳があまり貯まってない上に、親より先に死ぬ大罪。
もちろん来世は選べない、ミジンコか大腸菌か、よくても蟻だろう。
さあどうなる?
その間に私は八歳になった。
大会参加者は各部門に四人ずつしかいないため盛り上がりに欠けそうだが、その分厳正に判定されるのだろう。
自分が出ることには興味ないが、対戦を見たくなってきてしまった。テレビもビデオもないのは困るな。
映像魔法を開発するか?
遠くとの通信にも使えそうだが。
だめだな、全くイメージが湧かない。
通信なら伝書鳩の方が無難かつ簡単かも知れない。
その代わり空をガンガン飛べるようになってきた。鉄のボードをギリギリまで薄くして、下面は鏡面仕上げにしてやった。
これで下からは見えまい、ふふふ。
苦労したものだ。地道に金操で磨いたのだ。
魔力を垂れ流せば速度もドンドン上がる。
この先は形状にさらなる工夫が必要だろう。
例えば風防とか屋根とか、空力も考えた形にすれば魔力も節約しつつ速度も上がるだろう。
現在は畳ほどの広さの鉄の板だからな。
まだまだ長距離移動はできないな。
空を飛びながら他の魔法もいつも通り使えるよう修行しなければ、もし空中で何かに襲われたら大変だからな。
後は昼間でも飛べるように迷彩的な工夫が欲しいが、思いつかない。
上空に上がってしまえば見つかることなどないだろうが、そこまでの最中が問題なのだ。
よし! 母上に相談だ。
教えてもらった。
中級魔法『隠形』
物理的に見られないわけではなく、気にされにくくなる魔法。
森に隠れるなら木遁、荒野に隠れるなら土遁など他の身を隠す魔法と併用するとさらに効果的。
ちなみに風や金属には元々身を隠せないので、風遁や金遁はない。
火遁はあるが半分自爆技なのであまり使いたくない。
だからついでに、
火遁
水遁
木遁
土遁
も覚えておいた。
空の上では、使い道がないが覚えて損はないだろう。
隠形が中級魔法ということは、もっと強力な隠れる魔法もあるのだろう。
透明になったりとか、全く気にされないとか。
結局バレるかどうかは相手の魔力次第なので、油断は禁物、やはり基本に立ち返り魔力をガンガン上げることが大事だということだな。
コツコツ行こう。
ついに空を自由に飛べるようになってしまったカース。
天測を覚え、形状を最適化したならば、どこまでも行けてしまう八歳児。
空は安全なのか?
魔物はいないのか?
雨は? 雷は?
鉄の塊なのだから雷一発でほぼ即死。
この世界にゴム製品はない。
ゴムの木を探す当てもなければ知識もない。
四年生の社会で天測を習う前に気付かなければ死あるのみ。
しかも、もし今死んだら徳があまり貯まってない上に、親より先に死ぬ大罪。
もちろん来世は選べない、ミジンコか大腸菌か、よくても蟻だろう。
さあどうなる?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる