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第1章

221、空中露天風呂ー両親編

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あれから、アジャーニ家は一家全員奴隷落ちして鉱山送りになったらしい。小さい弟もいたそうだ。
メイドや料理人は大した罪には問われなかったとか。
アレクによるとこれからクタナツ代官と反本家アジャーニ家であるヤコビ二派の抗争が激化するらしい。蟻の事件もヤコビ二派が黒幕でまず間違いないらしい。
グリーディアント、暗殺ギルド、ヤコビ二派。どんどん気に入らない奴等が増えていくな。
まあ私が一方的に敵視してるだけだが。

ところで、アジャーニ君が私の殺しを依頼したはずだが、この場合はどうなるのだろう?
最低クラスの殺し屋を雇う程度の金しか払ってないってことはもう来ないよな?

一流のプロなら依頼人が死のうがどうなろうが、依頼をキャンセルしない限り中止は有り得ないらしい。依頼人が死んだのをいいことに依頼を放り出すのは二流の殺し屋だと聞いた。

そんなプロを雇われていたらと思うと怖いが……



それから、蟻の巣は見つかったらしい。
グリードグラス草原の中東部、バランタウンから東北東に百八十キロル辺りだとか。
ゴレライアスさんやアステロイドさんのパーティーも参加し、あっさり全滅させたらしい。
何でも大群に囲まれる前に巣から出て来る蟻を片っ端から倒していったとか。
卵や女王蟻はどうやって処理したのだろうか。

しかしこれが今回の犯人、犯蟻? の巣かどうか特定できないため、引き続き蟻の巣を捜索する依頼は出されている。

魔法でDNA鑑定ができないものか……
どうやったらいいのか想像もつかないな。
まずは血液型の判別が先かな。





父上も最近は一週間に一度は帰ってくるので、空中露天風呂に招待してあげた。私の代わりに母上と二人で入ってもらったのだ。
湯浴み着もプレゼントした。
母上が風壁と隠形を使うので、私は下から浮身を使うだけ。高く上がれば上がるほど魔力の消費が増えるが現在の私なら半日でも余裕だ。目測で一キロル程度上空に浮かべてあげた。
時間は一時間と伝えてあるので、降りた時に着衣が乱れているということもないだろう。
上空で激しい運動をするかも知れないが、そのぐらいで私の浮身はビクともしない。重心の乱れに対応するのも精密制御のいい修行だ。






「ふぅ、ありがとな。よかったぞ。さすがカースだ。」
「よかったわよカース。外でお風呂に入るのもよかったし、空でお風呂に入るなんて想像もしてなかったわ。」

「よかった。そのうち循環阻止の首輪をつけたままでもできるように頑張るよ。」

着々と家族が露天風呂の虜になっている。
独り占めするのもいいが分かち合うのもいい。そのうちマリーにも布教してオディ兄と二人で空中露天風呂に招待しよう。
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