血に濡れた約束は廃墟に眠る

まちにゃ

文字の大きさ
71 / 91
仲間

新たな同行者

しおりを挟む
地下街の通り

レヴィア、マチルダ、ラナード、そして新たに加わったイリナ。
鳥を逃がし終えた後、4人は並んで地下の通りを歩いていた。

「なぁなぁ!俺も仲間に入れてくれよな、レヴィアの兄貴!」
「……兄貴はやめろ」

イリナは先ほどまでの疲れを引きずっている様子もなく、ぴょこぴょことレヴィアの横を歩く。
片手は腰に、もう片方は勢いよく振りながら、声のボリュームは一定して高い。

「だってさ、地下じゃ有名だろ?レヴィアの兄貴、最強ってさ!一緒にいたら私も安全かな~なんて!」

「レヴィアは有名人だなぁ」
ラナードが肩をすくめる。

「チッ……」

レヴィアは肩越しにマチルダへ視線を送った。

マチルダは無言のまま、小さく微笑んでいた。
“レヴィアの好きにしていいよ”、そんなサインだ。

(……やれやれ、面倒ごとがまた一人増えたか)

「……仕方ねぇな」
ポツリとそう呟けば、

「やったー!!」
イリナは飛び上がるほどの勢いで喜んだ。

「OKだってよ、よかったな」
ラナードがニッと笑いかけると、イリナは拳を軽く掲げる。

「じゃあまず年齢確認!マチルダと同い年くらいか?」

「いや、私は17!中身も見た目もバッチリ成長中!」

「17!?マジか……」

ラナードの視線がマチルダとイリナを交互に行ったり来たりした。

(……あいつ、17にしては無邪気すぎるが、まぁ年相応か。となると……)

レヴィアも、無意識にマチルダへ目をやる。
整った顔立ちに冷めた眼差し。落ち着いた声色。
とてもじゃねぇが14歳には見えない。

「ん?何だよ、二人とも」
イリナが首を傾げる。

「ラナード、なに」
マチルダの目線が刺さる。ジト目だ。容赦ない。

「いやいや、なんか……ごめん。マチルダってホントに14歳……?」

「???」

イリナもマチルダをまじまじと見つめる。

「マチルダって14歳なのか?じゃあ私の方が“お姉さん”だな!」

ラナードとレヴィアが同時に、無言で「は?」という顔をした。

(どこをどう見れば、こいつがお姉さんだ……)

「な、なにその顔!?」

「???」

全力で意味が分かっていないマチルダの「天然ジト目」と、突っ込まれてふてくされるイリナ。
その中間で肩を落とすラナード。
無言で頭痛を抱えるレヴィア。

――こうして、新たな日常が始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...