ねもとやどる

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お兄さん2人とJK

チューベローズ

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「かおりちゃん、だよね」

 そう、声を掛けられたのは偶然。
 ドラッグストアでの出来事だった。


 かおりは熱い息を吐き、ごろりと寝返りをうつ。 

啓輔けいすけさん、あんな事する人だったなんて……」

 柔らかそうな髪質と、色素の薄い瞳に白い肌。
 話し方も見た目通り優しい。

 数年振りに再会したのお兄さん。

 会ったことが有るのは、一度きりだった。
 親戚の何かで、顔を合わせた事があるというだけ。

 香の父親のに当たる人が、啓輔の母親だ。
 親同士すら交流などほぼ無い、遠い親戚。

 更にたまたま居合わせた、彼の連れである隼人はやと
 黒い前髪から覗く、きつい目つきと乱暴な言葉使いの人。

 なのに香が感じていたのは恐怖心よりも、啓輔とは違った優しさだった。

「わたし、なんであんな事……」

 と香は顔をうずめ、ベッドの上で足を上下にバタつかせた。


 ××× ××× ×××


「ゲーセン?」

「そう、ここにね面白い場所が有るんだよ」


 古い外観からは想像し難い広さの、ゲームセンター。


 香を含めた三人はドラッグストアでの再会から、そのまま遊ぶ事になった。
 ゲームセンターまでの道程を歩く中、お互いの紹介をしあう。

 同じ大学に通っているらしい、啓輔と隼人。
 全く違うタイプの二人だったが、仲の良さそうな感じは見ているだけで伝わる。

 初めの頃は身構えていた香も、彼らのやり取りに気を許していった。

 スマホを弄っていた啓輔は、カプセルトイなどが並ぶ入り口付近を抜け奥の方へと二人を先導する。

 壁際のレトロなゲーム台がひっそりと置かれた片隅から、更に奥へと続く入り口が有った。


「わ……すごい」

 啓輔に続き、入り口を入った扉の先。
 そこは先刻の暗い様相とは違った明るく広い部屋になっていた。

「予約制の撮影スタジオ。いいでしょ?たまたま空いててラッキーだったよ」

 啓輔がスマホから予約を取っていたらしい。
 まるで隠れ家のような場所に、香は密かに高揚していた。


「なあこれ、良いんじゃね?」

 隼人が指したのはソファが置かれたプリ機のような撮影ブースだった。


「おい啓輔、詰めろ」

「あ、じゃあ香ちゃんこっち。ここ、おいで」

「う、えっ…わっ」

 ――ち、近いです。近いっ!

 焦る香を強引に引き寄せ、膝の上へと促した啓輔。
 基本、カップル向けらしいソファに三人。
 男二人の真ん中には、小柄な香が収まった異様な光景。

 タブレット型操作パネルを扱い、いざ撮影と言うところまで全て終えた啓輔。

「なれてますね、啓輔さん」

「うん、実は好きなんだよね」

「でも、こいつが好きなのエ口いやつだから」

「っっ!!」

 香の顔が赤くなる様子を見て、楽しそうに笑った隼人。
 そうこうしながら撮影を続ける事、数分。


「そろそろ良いかな?」

 微かな声で、啓輔が呟く。

「……って、っん!」

 突然、唇を塞がれると同時に響くシャッター音。
 角度を変えながら深くなるキスに抗えず、ただ受け入れるしかなかった。

 反射的に中腰になった香の身体は恐怖から力が入らず、その場へ尻餅をつきそうになる。

「おっと、危ねー。お前やりすぎ」

 抱き留めるように支えた隼人。

「……はひっひっ」

 息吐く島も与えてくれなかったキスに、酸欠寸前。

 口を開けたせいで、口内では飲み込めずに蓄積されていた唾液がダラリと垂れ落ちる。

「ごめんごめん、興奮しちゃった……」

「あぅ……ふ」

 紅潮した顔で、ちゅうっと香の口端を啜る啓輔。


「マジ、変態だよな……俺も同類ってか」

「やあっ……んむ」

 啓輔から奪うように顎を掴む隼人。
 強制的に上を向かせると、落ちかけのグロスを指の腹で拭う。

「エロい顔……」

 ぼそりと呟いて、熱く濡れた唇を塞いだ。

「は……んんっ」

 違う。
 さっきとは違うキスの仕方だなと、片隅で思う香。

「んー、っは。何だ、好きかよキス」

「ふあっ……ちがっんん」

 目尻を下げる隼人に反論の余地を与えられず、再び重なる唇。舌同士が絡む感触は、初めての香にはハードルが高過ぎた。


「ははっキスだけでこんなになっちゃうなんて、どうしよ隼人」

「俺に聞くなよ……まあ、壊してみたくなるっつうか」

「言っておくけど、僕の可愛いだよ」

「ああ?それがどうした。つか、フツー親戚に手だすかよ……外道が」

 端々に出る物騒な単語。

 そんな男達の会話を耳にしながら、これから自分はどうなってしまうのだろうか。


 香の思考は不安と、少しの好奇心に支配されていた。


 end
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