【完結】たんぽぽ!

大竹あやめ

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「こういう時、体が柔らかいと便利だな」

「……っ」

やはりニヤリと口の端を上げた月成に、いつかそのセリフを言われた時のことを思い出す。

一緒に練習した時、月成は水を飲む英を鏡越しに凝視し、何を考えていたのか。

「あああんた、あの時からそういう目で見てたのかよっ」

「あの時? ……ああ、俺が呼びかけても気付かなかった時か」

月成が英の額にかかった前髪を除ける。

そこに軽くキスを落とすと、唇が付きそうな位置で英を見た。

「スイッチ入ってるお前はゾクゾクした。なのに何で普段はあんなにへなちょこなんだ? 演技を考えながらやってる証拠じゃねぇか」

できるくせに何故やらない、と月成は英の唇を吸う。

「……っ、んんんっ!」

それと同時に月成の腰が動き出す。出し入れする動きではなく、中を掻き回すような動きで、英は後ろがじん、と熱くなっていくのを自覚した。

「あ、あ、あ、あ……」

キスどころではなくなって口を離すと、月成の腰の動きが次第に前後になってくる。

首に噛みつかれてびくりとのけ反ると、後ろが締まったのが分かってしまった。

「ううっ、んっ、んっ、んっ……」

自分がこんなにも分かりやすく反応していることが恥ずかしくて、顔を腕で隠して声を殺した。

しかし、月成はお気に召さなかったらしい、腕をどけると英の顔の横に張り付けてしまう。

「可愛い声出してんじゃねぇか。もっと聞かせろよ」

「うーっ!」

英は首を振る。この行為がこんなにも気持ちが良いものだと思ってもみなかったので、感じている自分に驚いて、それを隠すのに必死だ。

「じゃ、どうしようもなくなるまでいじめるか」

「い、嫌、だっ」

月成は冗談じゃなくすごいことをする。そう感じた英は反射的に口を開くと、その隙を狙って奥の奥を突かれて、やたら甘い声が出てしまう。

「良いから全部曝け出せ英。それがそのうち快感になる」

「――あああっ!」

今度は力強く突き入れられ、背中が浮いた。押し出されるように出てきた汗と、先端から出てくる体液が英の身体を湿らせる。
その汗が体を伝い落ちるのにも感じてしまい、急激に排泄感が襲ってきた。
月成を受け入れた場所が、英の意思とは関係なく複雑に動いている。
それがどういうことか英には分からなかったが、何かの一線を越えてしまったことだけは感じ取った。

「あっ、あっ、いっちゃう、いっちゃう……っ」

止まらない律動に悶える英は、声を抑えるどころではなくなってしまう。
それを楽しそうに眺める月成を、心の中で「性格悪!」と罵ってやる。

「そんな涙目で睨まれても可愛いだけだぞ。ほら、せっかくだから後ろだけでいけ」

「ああああっ」

笑いながら後ろを貫く月成に、完全に翻弄されてしまって悔しいと思う反面、この人になら、何をされてもいい、とそんな考えもよぎる。
早くなる律動に、脳までが撹拌されておかしくなってしまったのかもしれない。

(何でもいい、もう、いきたいっ)

しかし体は限界を訴えていて、すぐにでも放出を求めていた。もうなりふりかまっていられない。

「光洋、いきたい、いかせて……っ」

「……っ」

英がお願いすると、月成の分身が大きく震えたのが分かった。本人も眉間に皺を寄せて、苦しそうな表情をする。

「ったく、お前は大した役者だ」

いかせてやるよ、と声が聞こえると、月成は体を起こした。少しそれが寂しいと思っていると、次の瞬間には声もなく悶える。

彼は英の腰を抱えると、小刻みに動かした。先端が英の中の良い場所に当たり、あまりの強烈な刺激に上半身を捩る。

「あっ……ああっ」

ベッドの端を掴んで耐えていると、腹や胸に熱い液体が落ちてくる。
射精したと言うよりも押し出された、というそれはなかなか終わらず、月成が動きを止めるまで続いた。

「――はぁっ、はぁっ……」

気付けば自分は体液まみれで、何だこれはと呆然とする。
酸欠で頭がクラクラし、ベッドの上でくたりと体の力を抜くと、湿ったシーツが気持ち悪かった。

「大丈夫か?」

「……大丈夫に見えますか?」

月成はまだ息が整わない英の下唇を指でなぞると、そこにキスをした。優しい仕草にホッとする。

「溜めすぎだろ」

「……悪かったですね、こういうことには縁がないもので」

またもや経験値のことを揶揄されると、ムッとしてつい言い返す。こういう物言いさえしなければなぁ、とそう思う。

「悪かねぇよ? ま、気持ちいいことだけしといて楽しむつもりが、危うくがっつくところだったが」

そう言って、彼はまたキスをしてくる。肉厚の唇に英のそれが擦れると、体に甘い痺れが走った。

そのまま軽いキスを何回か繰り返し、流れで深いものに変わる。

「んん……」

指と舌を絡め、その心地よさを味わっていると、月成の手が英の胸に降りてくる。そして突起を摘まむと、くにくにと捏ねてきた。

「ちょ、っと?」

やはり敏感なそこはすぐに硬さを取り戻し、英は口を離す。ゾクゾクする背中をベッドに押し付けて耐えていると、月成は笑った。

「もう一回するぞ」

「は? ちょっと待ってっ……あっ」

がっつく年でもないと言ったのはどこのどいつだ、と英は抵抗したが、月成の優しい手つきに全身の力を抜かれ、あれこれされてしまうのだった。
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