39 / 44
壊すべきものは
39
しおりを挟む
緋嶺は大きく足を振り上げると、かかとをロン目掛けて振り落とす。しかし彼はそれをすんでのところで避け、後ろに飛び去った。
彼が体勢を整える前にもう一度ロンの間合いに飛び込み、右ストレートを繰り出す。今度こそ当たったかと思ったけれど、また身体を回転させて避けられ、その勢いを利用して回し蹴りをされる。それは見事に緋嶺のうなじに入り、地面に倒れ込むと視界がチカチカした。
「……ッ、ぅあああああああ!!」
緋嶺はすぐに起き上がりざまに泥を左手で掴み、ロンの顔を目掛けて投げつける。その反対の手で同じく顔を狙って拳を突きつけると、ロンはそのどちらもひらりと避け、蹴りで足を掬い、緋嶺は派手に転んだ。
「【契】を自分で切ったか。私の真似を直ぐに実行できるのは、やはり勘は良いんだな」
「……うっ」
背中を地面に打ちつけ呻いていると、ロンは緋嶺の胸ぐらを掴んで持ち上げる。緋嶺は苦しくて顔を顰めると、彼は静謐ささえ感じる表情で緋嶺を見た。
「……私もお前一人のために、多くの種族を危険に晒されるのは我慢ならないんだ、死んでもらうぞ」
緋嶺は苦しさで霞み始めた意識でこう思う。
俺が死ねば、多くの種族を危険に晒さずに済むのか。
それなら、いっそ……。
「緋嶺!」
鷹使の声がした。緋嶺は反射的に胸ぐらを掴むロンの腕に爪を立てると、ロンの手が離れる。しかしすかさずその場で身体を回転させ、彼は蹴りを繰り出してきた。緋嶺は彼の足を脇で挟むように掴むと、身体全体を使ってその足を捻る。
けれどロンはその回転に逆らうことなく身体を捻り、逆にそれを利用して地面に手をつくと、もう片方の足で緋嶺の顔を狙ってくる。緋嶺は彼の足を離し腕で受け身を取ると、素早い動きで体勢を立て直したロンは、身を屈めて深く緋嶺の懐に入り、肘でみぞおちを打った。
「か……は……っ!」
どうやらロンは戦闘に慣れているようだ、身のこなしに隙が無く軽い。息が詰まった緋嶺はみぞおちを押さえてその場にうずくまると、また目の前に足が見えたので、後ろに転がって避ける。そしてすぐさま動けるよう、片膝を付いた状態でロンを見据えた。
その様子を見たロンは、眉間に皺を寄せた。
「……目が慣れてきたようだな。お前が生きていると迷惑なのに、なぜ抵抗する?」
「鷹使が……俺は望まれて産まれてきたと言ったからだ」
はぁはぁと息を乱しながら、緋嶺は立ち上がる。そういえば鷹使は無事か? と彼がいた方向を見ると──彼は地面に横たわっていた。
「鷹使!」
緋嶺はすぐ彼の元へ駆け寄ろうとするけれど、進路にロンが立ちはだかる。そして喉に腕が掛けられ、緋嶺はその腕を掴むと、そのまま逆方向へ連れて行かれた。そして再び車に投げつけられる。どこからその力が出るのか車の形は歪み、緋嶺は今度こそ意識が落ちそうなほど視界が眩んだ。
(ああ……鷹使、ごめんな……)
母さんとの約束、守らせてあげられそうにない。
動けないでいる緋嶺がそんな事を思っていると、ロンの手が緋嶺の首にかかる。すぐに気道を塞がれ息ができなくなり、本能的に彼の手を掴んだ。
「さっさと諦めろ。それが世界の為だ」
ロンが静かな声で言う。緋嶺は意識が無くなりそうだったので、それもそうだな、と納得しかけた。
すると覚えのある、鉄の匂いがする。──血の匂いだ。
美味そうな匂いだ。これは、この龍の血の匂いか?
緋嶺の意識が戻ってくる。
「血を寄越せ。……寄越せ、寄越せ寄越せ……っ」
「……くっ」
緋嶺は首を絞める龍の手を全力で離そうとする。しかし力は拮抗しているのか、なかなかその手は動かない。それでもどうにか声が出せるほど手が浮いたので、緋嶺は龍を睨む。
「お前の血を寄越せ……っ」
そこで初めて、龍は静かな表情から狼狽えた顔をした。手が少しずつ喉から離れていき、それでも龍は首を絞めようと力を込めてくる。
それならば、と緋嶺は掴んだ手を力強く握った。
ぐしゃり、と潰れる音がする。龍は途端に痛みに顔を顰め、手を引こうとした。しかし緋嶺は離さず、手首からだらんと垂れた龍の手を口に持っていく。
「や、めろ!」
「……お前、オレを殺そうとしていたセリフじゃないぞ、それは」
殺るなら、殺られる覚悟はあるんだろうな、と緋嶺はその垂れた指に齧り付いた。ポキン、と音がして指の先を噛みちぎると、玉のような汗を額に浮かべた龍が見える。
「痛いか?」
食べた指を咀嚼しながら尋ねると、龍は緋嶺を睨んだ。
「お前は、やはり殺さねばならん……っ」
緋嶺は鼻で笑う。
「生きるか死ぬかは、オレが決める」
「ぐ……っ、──ッ!!」
龍の手を引き首筋に歯を立てると、ぷつりと肌が破れた。そこから溢れ出た血液を、零すまいと啜り飲み込む。天使の程ではないけれど、この龍の血もなかなか美味だ。緋嶺は満足するまで龍の血を味わい、ほう、とため息をついた。
「……肉はそれ程でもなかったな……」
どうやら種族によって味が違うのだろう。それではやはり、血も肉も美味しい天使が一番だ。悪魔は見るからに不味そうだし、麒麟は味が薄そうだ。
緋嶺は肉塊となった龍を捨てて、天使の元へ足を進める。確か鷹使とか言ったか……だが今となっては名前など、どうでもいい。
「おい、生きてるのか?」
緋嶺は足で天使を蹴って仰向けにさせる。反応はない。
「まあ、いいか……」
生きてようが死んでようが、これから食べるのだから関係ない。
緋嶺は天使を跨いで座り、身体を屈めた。そしてその白い柔らかそうな首筋に、歯を立てようとする。
その時だった。
天使の意識が急に戻り、緋嶺の下腹に触れられる。
「──あ……っ!」
触れられた箇所が火傷をしそうな程熱くなり、緋嶺はその手を離そうと天使の手首を掴んだ。しかし手はビクともしない。
「おい天使、手を離せっ」
「お前こそ、正気に戻れっ!」
俺を食べる気だっただろ、と睨まれ、緋嶺は天使を睨む。
「正気? これが本来のオレだ、血を啜り肉を喰らう、鬼だ!」
「だが心は違う! 人間に近い優しい心を持ってる!」
緋嶺は天使の首を絞めた。彼は苦しそうな顔をしながらも、下腹部の手は離さない。
何だこの天使は? なぜこんなにもイライラする事を言う?
「見ただろ!? 俺は索冥もセナも殺した! これが鬼じゃなくて何なんだ!?」
「お前のせいじゃない!」
緋嶺の目から唐突に涙が溢れ出る。力が抜け、鷹使の肩口に顔をうずめた。鷹使は緋嶺の下腹部から手を離すと、緋嶺の頭を優しく撫でてくれる。それが更に涙を誘い、声を上げて泣いた。
「二人とも、俺を気に入ってくれてたのに……っ! 俺が……っ」
「お前のせいじゃない……」
「挙句鷹使まで食べようとしてた! 俺、いま自分が一番嫌いだ!!」
「俺はお前が好きだよ。愛してる……」
緋嶺の言葉に、鷹使はひとつひとつ慰めてくれる。それが嬉しくて、でも自己嫌悪はなかなか止まらなかった。
「どうして……っ、なぁ? どうして両親は俺を産んだ!?」
「……緋月とサラが、一番愛し合った結果がお前だ」
「じゃあどうして俺が苦しまなきゃいけない!?」
こんなこと、鷹使に言ってもどうにもならない事は分かっている。けれど、両親が禁忌を犯したせいで、緋嶺が苦しめられているのは事実だ。
「しかもアイツら、さっさと死んで……親なら責任持って俺を護れよ……っ!」
「緋嶺……」
緋嶺は止まらない涙を拭うこともせず、子供のように泣いた。思えば記憶があるうちに、こんな風に泣くことは無かったな、と目を閉じる。
そして、こんな風に優しく慰められる事も初めてだ、と緋嶺は鷹使に思い切り抱きつく。
鷹使も緋嶺をきつく抱き締めた。
彼が体勢を整える前にもう一度ロンの間合いに飛び込み、右ストレートを繰り出す。今度こそ当たったかと思ったけれど、また身体を回転させて避けられ、その勢いを利用して回し蹴りをされる。それは見事に緋嶺のうなじに入り、地面に倒れ込むと視界がチカチカした。
「……ッ、ぅあああああああ!!」
緋嶺はすぐに起き上がりざまに泥を左手で掴み、ロンの顔を目掛けて投げつける。その反対の手で同じく顔を狙って拳を突きつけると、ロンはそのどちらもひらりと避け、蹴りで足を掬い、緋嶺は派手に転んだ。
「【契】を自分で切ったか。私の真似を直ぐに実行できるのは、やはり勘は良いんだな」
「……うっ」
背中を地面に打ちつけ呻いていると、ロンは緋嶺の胸ぐらを掴んで持ち上げる。緋嶺は苦しくて顔を顰めると、彼は静謐ささえ感じる表情で緋嶺を見た。
「……私もお前一人のために、多くの種族を危険に晒されるのは我慢ならないんだ、死んでもらうぞ」
緋嶺は苦しさで霞み始めた意識でこう思う。
俺が死ねば、多くの種族を危険に晒さずに済むのか。
それなら、いっそ……。
「緋嶺!」
鷹使の声がした。緋嶺は反射的に胸ぐらを掴むロンの腕に爪を立てると、ロンの手が離れる。しかしすかさずその場で身体を回転させ、彼は蹴りを繰り出してきた。緋嶺は彼の足を脇で挟むように掴むと、身体全体を使ってその足を捻る。
けれどロンはその回転に逆らうことなく身体を捻り、逆にそれを利用して地面に手をつくと、もう片方の足で緋嶺の顔を狙ってくる。緋嶺は彼の足を離し腕で受け身を取ると、素早い動きで体勢を立て直したロンは、身を屈めて深く緋嶺の懐に入り、肘でみぞおちを打った。
「か……は……っ!」
どうやらロンは戦闘に慣れているようだ、身のこなしに隙が無く軽い。息が詰まった緋嶺はみぞおちを押さえてその場にうずくまると、また目の前に足が見えたので、後ろに転がって避ける。そしてすぐさま動けるよう、片膝を付いた状態でロンを見据えた。
その様子を見たロンは、眉間に皺を寄せた。
「……目が慣れてきたようだな。お前が生きていると迷惑なのに、なぜ抵抗する?」
「鷹使が……俺は望まれて産まれてきたと言ったからだ」
はぁはぁと息を乱しながら、緋嶺は立ち上がる。そういえば鷹使は無事か? と彼がいた方向を見ると──彼は地面に横たわっていた。
「鷹使!」
緋嶺はすぐ彼の元へ駆け寄ろうとするけれど、進路にロンが立ちはだかる。そして喉に腕が掛けられ、緋嶺はその腕を掴むと、そのまま逆方向へ連れて行かれた。そして再び車に投げつけられる。どこからその力が出るのか車の形は歪み、緋嶺は今度こそ意識が落ちそうなほど視界が眩んだ。
(ああ……鷹使、ごめんな……)
母さんとの約束、守らせてあげられそうにない。
動けないでいる緋嶺がそんな事を思っていると、ロンの手が緋嶺の首にかかる。すぐに気道を塞がれ息ができなくなり、本能的に彼の手を掴んだ。
「さっさと諦めろ。それが世界の為だ」
ロンが静かな声で言う。緋嶺は意識が無くなりそうだったので、それもそうだな、と納得しかけた。
すると覚えのある、鉄の匂いがする。──血の匂いだ。
美味そうな匂いだ。これは、この龍の血の匂いか?
緋嶺の意識が戻ってくる。
「血を寄越せ。……寄越せ、寄越せ寄越せ……っ」
「……くっ」
緋嶺は首を絞める龍の手を全力で離そうとする。しかし力は拮抗しているのか、なかなかその手は動かない。それでもどうにか声が出せるほど手が浮いたので、緋嶺は龍を睨む。
「お前の血を寄越せ……っ」
そこで初めて、龍は静かな表情から狼狽えた顔をした。手が少しずつ喉から離れていき、それでも龍は首を絞めようと力を込めてくる。
それならば、と緋嶺は掴んだ手を力強く握った。
ぐしゃり、と潰れる音がする。龍は途端に痛みに顔を顰め、手を引こうとした。しかし緋嶺は離さず、手首からだらんと垂れた龍の手を口に持っていく。
「や、めろ!」
「……お前、オレを殺そうとしていたセリフじゃないぞ、それは」
殺るなら、殺られる覚悟はあるんだろうな、と緋嶺はその垂れた指に齧り付いた。ポキン、と音がして指の先を噛みちぎると、玉のような汗を額に浮かべた龍が見える。
「痛いか?」
食べた指を咀嚼しながら尋ねると、龍は緋嶺を睨んだ。
「お前は、やはり殺さねばならん……っ」
緋嶺は鼻で笑う。
「生きるか死ぬかは、オレが決める」
「ぐ……っ、──ッ!!」
龍の手を引き首筋に歯を立てると、ぷつりと肌が破れた。そこから溢れ出た血液を、零すまいと啜り飲み込む。天使の程ではないけれど、この龍の血もなかなか美味だ。緋嶺は満足するまで龍の血を味わい、ほう、とため息をついた。
「……肉はそれ程でもなかったな……」
どうやら種族によって味が違うのだろう。それではやはり、血も肉も美味しい天使が一番だ。悪魔は見るからに不味そうだし、麒麟は味が薄そうだ。
緋嶺は肉塊となった龍を捨てて、天使の元へ足を進める。確か鷹使とか言ったか……だが今となっては名前など、どうでもいい。
「おい、生きてるのか?」
緋嶺は足で天使を蹴って仰向けにさせる。反応はない。
「まあ、いいか……」
生きてようが死んでようが、これから食べるのだから関係ない。
緋嶺は天使を跨いで座り、身体を屈めた。そしてその白い柔らかそうな首筋に、歯を立てようとする。
その時だった。
天使の意識が急に戻り、緋嶺の下腹に触れられる。
「──あ……っ!」
触れられた箇所が火傷をしそうな程熱くなり、緋嶺はその手を離そうと天使の手首を掴んだ。しかし手はビクともしない。
「おい天使、手を離せっ」
「お前こそ、正気に戻れっ!」
俺を食べる気だっただろ、と睨まれ、緋嶺は天使を睨む。
「正気? これが本来のオレだ、血を啜り肉を喰らう、鬼だ!」
「だが心は違う! 人間に近い優しい心を持ってる!」
緋嶺は天使の首を絞めた。彼は苦しそうな顔をしながらも、下腹部の手は離さない。
何だこの天使は? なぜこんなにもイライラする事を言う?
「見ただろ!? 俺は索冥もセナも殺した! これが鬼じゃなくて何なんだ!?」
「お前のせいじゃない!」
緋嶺の目から唐突に涙が溢れ出る。力が抜け、鷹使の肩口に顔をうずめた。鷹使は緋嶺の下腹部から手を離すと、緋嶺の頭を優しく撫でてくれる。それが更に涙を誘い、声を上げて泣いた。
「二人とも、俺を気に入ってくれてたのに……っ! 俺が……っ」
「お前のせいじゃない……」
「挙句鷹使まで食べようとしてた! 俺、いま自分が一番嫌いだ!!」
「俺はお前が好きだよ。愛してる……」
緋嶺の言葉に、鷹使はひとつひとつ慰めてくれる。それが嬉しくて、でも自己嫌悪はなかなか止まらなかった。
「どうして……っ、なぁ? どうして両親は俺を産んだ!?」
「……緋月とサラが、一番愛し合った結果がお前だ」
「じゃあどうして俺が苦しまなきゃいけない!?」
こんなこと、鷹使に言ってもどうにもならない事は分かっている。けれど、両親が禁忌を犯したせいで、緋嶺が苦しめられているのは事実だ。
「しかもアイツら、さっさと死んで……親なら責任持って俺を護れよ……っ!」
「緋嶺……」
緋嶺は止まらない涙を拭うこともせず、子供のように泣いた。思えば記憶があるうちに、こんな風に泣くことは無かったな、と目を閉じる。
そして、こんな風に優しく慰められる事も初めてだ、と緋嶺は鷹使に思い切り抱きつく。
鷹使も緋嶺をきつく抱き締めた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
望まれなかった代役婚ですが、投資で村を救っていたら旦那様に溺愛されました。
ivy
BL
⭐︎毎朝更新⭐︎
兄の身代わりで望まれぬ結婚を押しつけられたライネル。
冷たく「帰れ」と言われても、帰る家なんてない!
仕方なく寂れた村をもらい受け、前世の記憶を活かして“投資”で村おこしに挑戦することに。
宝石をぽりぽり食べるマスコット少年や、クセの強い職人たちに囲まれて、にぎやかな日々が始まる。
一方、彼を追い出したはずの旦那様は、いつの間にかライネルのがんばりに心を奪われていき──?
「村おこしと恋愛、どっちも想定外!?」
コミカルだけど甘い、投資×BLラブコメディ。
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる