香しきファンタジー、汝の名はなろうなり

大戦前夜、ナショナリズムと帝国主義の時代

　さて、前回は世界大戦の原因の一つである「民族国家」について語りました。

　今回は「産業革命」が生み出したもう一つの原因でありタイトルにもある「帝国主義」について語って行きたいと思います。

　十八世紀初頭に起こった産業革命は機械を使用した製品の大量生産を可能にし、蒸気機関による大量輸送を可能にしました。
　これこそまさに革命なのですが、世界のありようはここを境に劇的変わったと言って良いでしょう。

　そして、帝国主義を語る前にもう一つ抑えておきたいワードがありますが、皆さん何となくお気づきかも知れません。
　それは「資本主義」です。

　産業革命を機に、人々は機械や工場を持つ「資本家」とその資本家の元で賃金を貰い働く「労働者」に二分されました。
　所謂格差社会の誕生なのですがここは一旦置いておきまして、資本家達の己の利益の為に国内のみならず国外にも資本の投下先を求めました。
　これが植民地支配を強めるきっかけなった訳ですが、これらの一連の流れを総称して「帝国主義」と言うのです。

　以前にも軽く触れましたが、大戦前夜は正に帝国主義真っ盛りの時代であり、イギリスやフランスを始めとした欧州各国がアジア・アフリカにこぞって資本を投下して莫大な利益を得ていました。
　
　この帝国主義の波から逃れられた国は無く、日本も例外ではありませんでしたね…。　しかし、日本はこの帝国主義の時代で勝者となる事が出来たのですが、それは後に大きな悲劇を生みます。
　
　その話は後にするとしてまとめに入りますと、「民族国家」と「帝国主義」によって生まれた各国の軋轢は改善のしようが無く、衝突は避けられないものとなりその規模は世界レベルになってしまいました。
　
　次回は第一次世界大戦の直前に起こった事件と、凄惨な戦いの内容を語って行きます。　

　それではまたお会いしましょう。