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第1話 追放酒場
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「弓使いユライ=エヴァンス。てめぇーはこのパーティーから追放だ!!」
そう言って剣を突き出したのは、僕が所属するパーティー【占星の騎士団】がリーダー、バニス=メントだった。
「つ、追放ってどうして? 理由を教えてよ!」
「てめぇ、この後に及んでまだ分かってないのかよ。だから追放されんだろ、馬鹿が!!」
バニスは怒りを唾に混ぜて吐き出した。
僕の足元にぺちゃりと広がる。
「てめぁはよぉ、村人たちから野菜やら果物やらを貰って生活してるらしいじゃねぇか。乞食みたいな真似を一流パーティーのメンバーがしてんじゃねよ!!」
「そ、それは……!!」
確かに僕は村人たちからお裾分けを貰っていた。でも、彼らだって善意でくれているんだ。全部を拒否しなくてもいいじゃないか。
「それに、だ。お前は後衛として魔法が貧弱過ぎる。使える魔法が一つだけって雑魚過ぎんだろ」
「そーそ。妙に勘がいいのと、こんな弱い奴がいても敵を倒せてますよってアピールのためにパーティーに入れてたけど、その必要はなくなったのよ」
「プリスまで……!」
早く出てけてと同意するのは法撃使いのプリス。彼女とは同じ後衛として他のメンバーよりも強い絆で結ばれていると思っていたが、僕の勘違いだったようだ。
その視線はグラスに注がれた酒を見ている時より興味がなかった。
「で、でも……。ぼ、僕の勘のお陰で助かったことも――」
「うるせぇーな。俺達は勘なんて曖昧なモノに頼らなくても戦えるようになったんだよ」
「……っ!!」
「いつまでも勘なんてもんに頼ってるから、弱いままなんだ。いい加減気付けよ、無能が!!」
確かに僕は皆よりも使用できる魔法が少ない。だから、毎日、何百回と弦を引き、的を射抜いた。だが、どれだけ技術を鍛えても魔法の一撃には敵わない。
夜は酒を飲んで過ごしただけのバニス達に追い付けないなんて――世の中は残酷だ。
努力は決して報われない。
時間だけが喰われ、無が残る。
「どれだけ矢を放とうと、プリスの魔法の一発より弱い。大体、盾使いの私から言わせて貰うと、君の弓は邪魔でしかないんですよ」
「邪魔って……そんな言い方しなくても」
「私だって言いたくて言ってるわけじゃないんです。事実だから言っているんです」
いつでも冷静な盾使いオストラが、コロンとグラスを傾ける。
彼の言葉に他の2人も手を叩いて笑っていた。
そうか。
皆、俺のことを邪魔者だと思っていたのか。役に立たずに村人たちからのお裾分けで暮らす乞食人と――。
僕はただ、善意を受け取り、自分に出来る努力をしてきただけなのに。
悔しい。
自然と涙が溢れる。
長い付き合いだったメンバーにずっとそう思われていたなんて……。
「てなわけで、お前は明日から今まで通り乞食として生きろ。ま、俺達のパーティーから追放されたお前が、村人たちから食料を分けて貰えるとは思わないけどなぁ!!」
バニスが抜いていた剣を振るう。
それだけで突風が吹き荒れ俺の身体を飛ばす。
魔法――斬撃《スラッシュ》だ。
バニスが使える5つの魔法の中でも最弱の魔法。
俺はそれを正面から受けることすら出来なかった。無様にひっくり返った姿に手を叩いて笑う。
「ぷっぷぷ。こんな雑魚魔法すら耐えられないんじゃ、ここで追放してやる方がお前のためでもあるよな」
「本当ね。バニスは優しすぎるわよ」
プリスが立ち上がると、甘いささやきと共に、バニスの肩に頬を付けた。
横に並び戦ってきた僕よりも、強い背中の方が好きなんだ。
「それに、あなたの穴を埋める人材は既にスカウトしています。【炎の闘士】に所属していた付与使いと言えば、その凄さはあなたにも伝わると思いますが?」
「【炎の闘士】!?」
それは【占星の騎士団】と並ぶ実力を持つとされるパーティーだ。まさか、そこからメンバーを引き抜くなんて……。
一気にパワーバランスが崩れバニス達が断トツでトップに躍り出る。それが……狙いなのか。
「しかも、彼女はあなたと違って高貴で美しい。私たちのメンバーに相応しい」
努力と運だけで生き残ってきた僕よりも、実力と実績のあるメンバーの方が良い。
かつての仲間だった三人はそう言い残すと背を向けた。
考え直してくれと叫ぶが、彼らにとって僕はいないと同義。
振り向くことさえしなかった。
「くそ。僕だって勘だけじゃなくて実力が欲しい。強い魔法が欲しい!!」
後に彼らは気付くことになる。
僕の勘は時代を先取りし過ぎた力で、魔法の真理に近い力であったのだと。
そう言って剣を突き出したのは、僕が所属するパーティー【占星の騎士団】がリーダー、バニス=メントだった。
「つ、追放ってどうして? 理由を教えてよ!」
「てめぇ、この後に及んでまだ分かってないのかよ。だから追放されんだろ、馬鹿が!!」
バニスは怒りを唾に混ぜて吐き出した。
僕の足元にぺちゃりと広がる。
「てめぁはよぉ、村人たちから野菜やら果物やらを貰って生活してるらしいじゃねぇか。乞食みたいな真似を一流パーティーのメンバーがしてんじゃねよ!!」
「そ、それは……!!」
確かに僕は村人たちからお裾分けを貰っていた。でも、彼らだって善意でくれているんだ。全部を拒否しなくてもいいじゃないか。
「それに、だ。お前は後衛として魔法が貧弱過ぎる。使える魔法が一つだけって雑魚過ぎんだろ」
「そーそ。妙に勘がいいのと、こんな弱い奴がいても敵を倒せてますよってアピールのためにパーティーに入れてたけど、その必要はなくなったのよ」
「プリスまで……!」
早く出てけてと同意するのは法撃使いのプリス。彼女とは同じ後衛として他のメンバーよりも強い絆で結ばれていると思っていたが、僕の勘違いだったようだ。
その視線はグラスに注がれた酒を見ている時より興味がなかった。
「で、でも……。ぼ、僕の勘のお陰で助かったことも――」
「うるせぇーな。俺達は勘なんて曖昧なモノに頼らなくても戦えるようになったんだよ」
「……っ!!」
「いつまでも勘なんてもんに頼ってるから、弱いままなんだ。いい加減気付けよ、無能が!!」
確かに僕は皆よりも使用できる魔法が少ない。だから、毎日、何百回と弦を引き、的を射抜いた。だが、どれだけ技術を鍛えても魔法の一撃には敵わない。
夜は酒を飲んで過ごしただけのバニス達に追い付けないなんて――世の中は残酷だ。
努力は決して報われない。
時間だけが喰われ、無が残る。
「どれだけ矢を放とうと、プリスの魔法の一発より弱い。大体、盾使いの私から言わせて貰うと、君の弓は邪魔でしかないんですよ」
「邪魔って……そんな言い方しなくても」
「私だって言いたくて言ってるわけじゃないんです。事実だから言っているんです」
いつでも冷静な盾使いオストラが、コロンとグラスを傾ける。
彼の言葉に他の2人も手を叩いて笑っていた。
そうか。
皆、俺のことを邪魔者だと思っていたのか。役に立たずに村人たちからのお裾分けで暮らす乞食人と――。
僕はただ、善意を受け取り、自分に出来る努力をしてきただけなのに。
悔しい。
自然と涙が溢れる。
長い付き合いだったメンバーにずっとそう思われていたなんて……。
「てなわけで、お前は明日から今まで通り乞食として生きろ。ま、俺達のパーティーから追放されたお前が、村人たちから食料を分けて貰えるとは思わないけどなぁ!!」
バニスが抜いていた剣を振るう。
それだけで突風が吹き荒れ俺の身体を飛ばす。
魔法――斬撃《スラッシュ》だ。
バニスが使える5つの魔法の中でも最弱の魔法。
俺はそれを正面から受けることすら出来なかった。無様にひっくり返った姿に手を叩いて笑う。
「ぷっぷぷ。こんな雑魚魔法すら耐えられないんじゃ、ここで追放してやる方がお前のためでもあるよな」
「本当ね。バニスは優しすぎるわよ」
プリスが立ち上がると、甘いささやきと共に、バニスの肩に頬を付けた。
横に並び戦ってきた僕よりも、強い背中の方が好きなんだ。
「それに、あなたの穴を埋める人材は既にスカウトしています。【炎の闘士】に所属していた付与使いと言えば、その凄さはあなたにも伝わると思いますが?」
「【炎の闘士】!?」
それは【占星の騎士団】と並ぶ実力を持つとされるパーティーだ。まさか、そこからメンバーを引き抜くなんて……。
一気にパワーバランスが崩れバニス達が断トツでトップに躍り出る。それが……狙いなのか。
「しかも、彼女はあなたと違って高貴で美しい。私たちのメンバーに相応しい」
努力と運だけで生き残ってきた僕よりも、実力と実績のあるメンバーの方が良い。
かつての仲間だった三人はそう言い残すと背を向けた。
考え直してくれと叫ぶが、彼らにとって僕はいないと同義。
振り向くことさえしなかった。
「くそ。僕だって勘だけじゃなくて実力が欲しい。強い魔法が欲しい!!」
後に彼らは気付くことになる。
僕の勘は時代を先取りし過ぎた力で、魔法の真理に近い力であったのだと。
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