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第7話 魔法上限
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「よし!!」
僕はこの数日、ひたすら魔物を倒していた。
元々、持っていた魔法が少ないから、集めるのには苦労したけど目に見えて強くなっていることを実感した。
と、言っても倒しているはスライムだけなんだけど
□■□■□■□■□■□■□■□■
【強化の矢】×2
【泡弾《フォーム・ショット》】×4
□■□■□■□■□■□■□■□■
「って、あれ? スライムは5匹倒したはずなのに、4回しか使えるようになってないな……」
「そりゃそうだ。同じ魔法は最大4回までしか使えないからな。それに、いくら【魔眼】を持っているからと毎回、魔法が手に入るわけじゃない」
「え、そうなの?」
「ああ。相手が強いほど入手確率は低くなる。スライムなら50%。雷竜なら2%ってところか」
「に、2%!?」
雷竜を倒してもそれだけの確率なのか……。
そりゃ、強い魔法を使える人が増えない訳だよ。
「とにかく、雷竜クラスの魔物を倒すには、もっと鍛えないと駄目だ。だから、今は倒せる範囲で魔物を倒していこう。この辺だと後はゴブリンかな?」
翌日。
俺は受けるクエストをゴブリンに変えた。報酬額もいいし、持ってない魔法も手に入る。
一石二鳥だ。
草原を探し歩いていると、目当てのゴブリンがいた。
「よし……! 早速、倒してやるか!」
腕を掲げて魔法を発動する。
選択した魔法は、スライムを倒して手に入れた泡弾《フォーム・ショット》。スイカくらいの大きさをした泡が、ポヨポヨと地面を跳ねながら進む。
使用回数最大の4つの泡を繰り出す。
ポポポポポン。
泡がゴブリンに当たって弾けると、身体に力が流れ込んできた。
新しい魔法を手に入れた証だ。
「ゴブリンはどんな魔法を持ってるんだろ」
早速、ステータス画面を確認する。
□■□■□■□■□■□■□■□■
【強化の矢】×2
【泡弾《フォーム・ショット》】×4
【腕力強化《小》】
□■□■□■□■□■□■□■□■
「わ、腕力強化だ……!」
僕が欲しかった魔法の一つ。
敵はいないけど、直ぐ使ってみたくなる。僕は近くに転がっていた岩に目を付ける。
「せいっ!!」
瓦割みたい拳を岩に振り下ろす。
ビキィ!
岩にひびが入り二つに割れた。後衛だから腕力強化がなくてもいいと思っていたけど――本当は憧れていたんだ。
これがあれば、パーティーで前衛にだってなれるかもしれない。
「ふわぁ……。毎日毎日、魔物を探し回って飽きないな。俺はもう飽きたぞ!!」
「……ごめんごめん。でも、怪我もだいぶ良くなったから、帰ってもいいんだよ? フェンリルだって家族がいるでしょ?」
「……そういうわけにいかないんだよ」
「へ? なんだって?」
いつもは大声で偉そうに話すのに、フェンリルは急に小声になった。
お陰で何と言ったのか聞き取れなかった。
「なんでもない。それより、あっちの方にゴブリンの匂いがするぜ?」
「本当!? って、今日はもう使える魔法少ないから、明日にしようかな」
魔法は一日決められた数しか使用できない。
残りは【強化の矢】×2だけ。
これだけじゃ、ゴブリンを倒すのは無理だ。
「地道に、コツコツ集めてくしかないか」
でも、強くなれると分かってるんだ。
先の見えた道なら歩き続けられる。僕は明日に向けて体力を休めようと街に帰るのだった。
僕はこの数日、ひたすら魔物を倒していた。
元々、持っていた魔法が少ないから、集めるのには苦労したけど目に見えて強くなっていることを実感した。
と、言っても倒しているはスライムだけなんだけど
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【強化の矢】×2
【泡弾《フォーム・ショット》】×4
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「って、あれ? スライムは5匹倒したはずなのに、4回しか使えるようになってないな……」
「そりゃそうだ。同じ魔法は最大4回までしか使えないからな。それに、いくら【魔眼】を持っているからと毎回、魔法が手に入るわけじゃない」
「え、そうなの?」
「ああ。相手が強いほど入手確率は低くなる。スライムなら50%。雷竜なら2%ってところか」
「に、2%!?」
雷竜を倒してもそれだけの確率なのか……。
そりゃ、強い魔法を使える人が増えない訳だよ。
「とにかく、雷竜クラスの魔物を倒すには、もっと鍛えないと駄目だ。だから、今は倒せる範囲で魔物を倒していこう。この辺だと後はゴブリンかな?」
翌日。
俺は受けるクエストをゴブリンに変えた。報酬額もいいし、持ってない魔法も手に入る。
一石二鳥だ。
草原を探し歩いていると、目当てのゴブリンがいた。
「よし……! 早速、倒してやるか!」
腕を掲げて魔法を発動する。
選択した魔法は、スライムを倒して手に入れた泡弾《フォーム・ショット》。スイカくらいの大きさをした泡が、ポヨポヨと地面を跳ねながら進む。
使用回数最大の4つの泡を繰り出す。
ポポポポポン。
泡がゴブリンに当たって弾けると、身体に力が流れ込んできた。
新しい魔法を手に入れた証だ。
「ゴブリンはどんな魔法を持ってるんだろ」
早速、ステータス画面を確認する。
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【強化の矢】×2
【泡弾《フォーム・ショット》】×4
【腕力強化《小》】
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「わ、腕力強化だ……!」
僕が欲しかった魔法の一つ。
敵はいないけど、直ぐ使ってみたくなる。僕は近くに転がっていた岩に目を付ける。
「せいっ!!」
瓦割みたい拳を岩に振り下ろす。
ビキィ!
岩にひびが入り二つに割れた。後衛だから腕力強化がなくてもいいと思っていたけど――本当は憧れていたんだ。
これがあれば、パーティーで前衛にだってなれるかもしれない。
「ふわぁ……。毎日毎日、魔物を探し回って飽きないな。俺はもう飽きたぞ!!」
「……ごめんごめん。でも、怪我もだいぶ良くなったから、帰ってもいいんだよ? フェンリルだって家族がいるでしょ?」
「……そういうわけにいかないんだよ」
「へ? なんだって?」
いつもは大声で偉そうに話すのに、フェンリルは急に小声になった。
お陰で何と言ったのか聞き取れなかった。
「なんでもない。それより、あっちの方にゴブリンの匂いがするぜ?」
「本当!? って、今日はもう使える魔法少ないから、明日にしようかな」
魔法は一日決められた数しか使用できない。
残りは【強化の矢】×2だけ。
これだけじゃ、ゴブリンを倒すのは無理だ。
「地道に、コツコツ集めてくしかないか」
でも、強くなれると分かってるんだ。
先の見えた道なら歩き続けられる。僕は明日に向けて体力を休めようと街に帰るのだった。
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