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第一章 出会い編
第1話 二人
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暖かな風が吹き、新緑の草花が咲き乱れる季節。
馬車4台分の幅がある石の大通り、左右に煉瓦の屋根を持った中世風の家が立ち並ぶ道を歩く美男美女2人組が1組。
2人の付近だけ空気が輝いているような、そんな錯覚をさせる様な美しい顔立ち。
女性の方は色白の肌、キリッとした水色の目にて前を真っ直ぐ見据えつつその美しい金髪のストレートヘアを歩く事により発生する向かい風にて気にならない程軽く靡かせ歩いていた。
彼女の左側を歩幅に警戒しつつ歩く男性の方は高い鼻に整った目尻、隆々とした筋肉に身体を包みつつ女性と同じく色白の肌を纏い紺色のロングヘアを後頭部にて纏めポニーテールの様な形にしていた。
その双方に共通する点は幾つかあった。
1つは同じ紋章が刻まれた鎧を着ている事、そしてもう1つは剣を携え更にはお揃いのネックレスをしている事である。
剣と鎧を装備しているのは2人が騎士団に所属しているからである、では何故お揃いのネックレスをしてるのか。
其れは、2人が恋人同士であるからである。
──2年前
これは2人がまだ19歳の時のお話である。
2人は王国騎士団の同期でありながらその実力と権力の差から上と下の関係を持ち、然し互いを牽制し合う良きライバルのような存在であった。
「はは、貴方には負けませんよ。」
男──ヘラクスは口の端に微かな笑みを浮かべながら相対する女性──セラスへと挑発的な言葉を放った。
「其れは私の台詞だ、ヘラクス。」
2人が手に持つのは訓練用の木の剣、殺傷能力は極めて低く模擬戦や訓練に良く用いられる一般的な訓練用装備の1つである。
彼等は去年既に訓練期間は終えている、では何故こんな事をしているのか。
其れは双方共、1秒でも多く会っていたいと思っているからである。
そう、2人とも奥手であり鈍感であった。
自身の好きと言う感情にも気付けず相手が自身を好いているという事にも気付けない、そんな2人であった。
(あぁぁぁぁ、かっこいい...ヘラクス君かっこいい...)
セラスはヘラクスの鎧の合間から見える服を押し上げる筋肉の形を見て、そして想像しては心の中でそんな事を叫ぶ。
その感情を羞恥心から外に漏らせない彼女は心の内に封じ込める為、顔に力を込める。
然し、其れは傍から見れば睨めつけている様に見える様であった。
(ッ...何だあの涼し気な目は...かっこいい。
いつも強いし冷静だし...憧れる...)
ヘラクスもまた心の中で言葉を漏らしていた。
彼は叫ばずどちらかと言えばため息を漏らす様な、そんな口調で言葉を漏らしていた。
(だけど...)
(しかし...)
((胸が締まるようなこの感情は何だろう))
2人は、恋という物を知らない。
馬車4台分の幅がある石の大通り、左右に煉瓦の屋根を持った中世風の家が立ち並ぶ道を歩く美男美女2人組が1組。
2人の付近だけ空気が輝いているような、そんな錯覚をさせる様な美しい顔立ち。
女性の方は色白の肌、キリッとした水色の目にて前を真っ直ぐ見据えつつその美しい金髪のストレートヘアを歩く事により発生する向かい風にて気にならない程軽く靡かせ歩いていた。
彼女の左側を歩幅に警戒しつつ歩く男性の方は高い鼻に整った目尻、隆々とした筋肉に身体を包みつつ女性と同じく色白の肌を纏い紺色のロングヘアを後頭部にて纏めポニーテールの様な形にしていた。
その双方に共通する点は幾つかあった。
1つは同じ紋章が刻まれた鎧を着ている事、そしてもう1つは剣を携え更にはお揃いのネックレスをしている事である。
剣と鎧を装備しているのは2人が騎士団に所属しているからである、では何故お揃いのネックレスをしてるのか。
其れは、2人が恋人同士であるからである。
──2年前
これは2人がまだ19歳の時のお話である。
2人は王国騎士団の同期でありながらその実力と権力の差から上と下の関係を持ち、然し互いを牽制し合う良きライバルのような存在であった。
「はは、貴方には負けませんよ。」
男──ヘラクスは口の端に微かな笑みを浮かべながら相対する女性──セラスへと挑発的な言葉を放った。
「其れは私の台詞だ、ヘラクス。」
2人が手に持つのは訓練用の木の剣、殺傷能力は極めて低く模擬戦や訓練に良く用いられる一般的な訓練用装備の1つである。
彼等は去年既に訓練期間は終えている、では何故こんな事をしているのか。
其れは双方共、1秒でも多く会っていたいと思っているからである。
そう、2人とも奥手であり鈍感であった。
自身の好きと言う感情にも気付けず相手が自身を好いているという事にも気付けない、そんな2人であった。
(あぁぁぁぁ、かっこいい...ヘラクス君かっこいい...)
セラスはヘラクスの鎧の合間から見える服を押し上げる筋肉の形を見て、そして想像しては心の中でそんな事を叫ぶ。
その感情を羞恥心から外に漏らせない彼女は心の内に封じ込める為、顔に力を込める。
然し、其れは傍から見れば睨めつけている様に見える様であった。
(ッ...何だあの涼し気な目は...かっこいい。
いつも強いし冷静だし...憧れる...)
ヘラクスもまた心の中で言葉を漏らしていた。
彼は叫ばずどちらかと言えばため息を漏らす様な、そんな口調で言葉を漏らしていた。
(だけど...)
(しかし...)
((胸が締まるようなこの感情は何だろう))
2人は、恋という物を知らない。
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