Knight&Gunner

かはり かは

文字の大きさ
上 下
4 / 6

第4話 モンスターとの遭遇

しおりを挟む
外の世界へと足を踏み出した2人。
目にしたのは遠くに広がる険しい山脈に森林。
雲にも届くような異常な高さを持った大樹に空島。
そして、自身の立つ草原である。
「すげぇ...グラフィックも異常だし描写距離も無限かと思う程。そして、ちゃんとモンスターも居る!最高すぎるだろこのゲーム!」
崎田は興奮した様子で言葉を発する...が、木浪は冷静な声音でこう放つ。
「おいおい、SAYサイ。此処は昔の家庭にあるような据え置き型のゲームの世界じゃなくフルダイブ型。ならこのグラフィックも描写距離も違和感ねぇだろ?」
「ッ~~!!だぁぁもう!空気読めよKNMコンマ!」
「ははっ、悪ぃ悪ぃ。然し、あれだな...初期スポーン地点の町の目の前だっつーのにモンスター多いんだな。此処」
「あ~確かに。まぁ何か意味があるんじゃねぇかな?」
「まっ、そうだな。取り敢えず武器装備して攻撃システムから学ばねぇとな...」
KNMコンマはそんな言葉を呟きながら自身の背にある重い物体を自身の選択制の初期装備、片手剣であると断定しおもむろに其れを引き抜く。
「よし、剣を引き抜くのには成功したな...後はッ」
視線を下へと落し自身の剣を軽く見ては引き抜くのに成功したのに若干の安堵を見せた瞬間。鋭い目付きで自身の前方、推定65m程に居る自身の方へと背を向けた緑色で二足歩行の猪の様なモンスターへと疾走。8秒ほどでモンスターへと到達。そして、そのまま相手の脳天へと剣を振り下ろせる...訳が無かった。
奇襲するには派手に距離を詰めすぎたのだ。
猪型のモンスター、平原の猪グリーン・ボアはその鋭い聴覚でKNMコンマの接近を感じその屈強な脚で馬のように凄まじい蹴りを喰らわせる。
そんな蹴りを食らったKNMコンマはと言えばまぁまぁHPを削られ平原へと突っ伏していた。
「おいおい、KNMコンマ。流石に調子に乗りすぎだろ。」
「はは、そうかもしれん。」
平原の地面にキスしたままSAYサイの悪戯っぽい言葉に乾いた笑いを零しながら答える。
「良し!このSAYサイ様がFPSで鍛えたエイムを見せてやりましょう。」
瞬間、平原へと連続した初期アサルトライフル⟬M4A1⟭の射撃音が響き渡る。コンマ数秒も経たぬうちに近距離から放たれたM4A1の銃弾は平原の猪グリーン・ボアの体を連続して穿つ。
凄まじいリコイル制御、このゲーム内にて初めて発砲したとは思えぬその精度にKNMコンマは若干ふざけ気味に讃える言葉を放つ。
「おぉ..流石SAYサイ様。良い腕をお持ちでw」
「へへ、だろぉ?」
そんなSAYサイのふざけた賞賛にKNMコンマもまた、ふざけ気味にだろぉ?と言葉を放つ。
体を穿たれた平原の猪グリーン・ボアはそのまま地面へと倒れ伏す。血液が出ることは無くただの水色で半透明のポリゴン片になって空中へ消え失せる。
平原の猪グリーン・ボアがポリゴン片となって消えた瞬間。KNMコンマの視界の右下に
モンスターキルボーナス+50EXP
SAYサイの視界の右下には
モンスターキルアシストボーナス+25EXP
と表示が出る。
初の、モンスターキルである。
しおりを挟む

処理中です...