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ダンジョンウォー
戦況
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キプロンザウルスの弱点である、喉の奥にある、炎の魔力が貯まっている炎玉を、高圧縮された光の熱により撃ちぬき、レベル的には格上の敵をリンスは倒した。その後、残ったギガスドゥガ二体を俺たちは無難に倒し、そのダンジョンを攻略した。攻略した証として、ボスのアイテムドロップとして攻略メダルを手に入れる。
「もしもしニャン太、こっちのダンジョンは攻略できたよ」
「紋次郎、ご苦労さん。ええと、こちらからも報告があるんだけど・・・いい報告が一つと悪い報告が二つあるんだけどどれから聞きたい?」
「うわ・・そのパターンだとちょっと嬉しい事と、すごく悲しい事ってパターンだよね、聞きたくないな・・でも聞かないと始まらないよね。まずは、いい報告から聞こうかな」
「じゃあ、いい報告だよ、一つ目のダンジョン攻略だけど、紋次郎たちのパーティーが一番遅かったんだよ。アルティ、ポーズ、デナトスの3パーティーは先ほど攻略完了の連絡があったんだ」
「さすがだね、俺たちが一番乗りだと思ってたけど、まさかビリとは思ってなかったよ」
「それで、悪い報告だけど・・・僕たちのパーティー意外が全滅しちゃった」
「え・・えええええ!! 全滅ってランティークさんのパーティーがだよね?」
「そう、ランティークの冒険者は、うちのパーティーに同行している者以外は全部やられちゃったよ」
「そ・・それは本当ですか!」
聞き捨てならなかったのか、そう言ってクロノスが話に割って入ってきた。
「残念ながら事実だよ。なので僕らは1パーティーで3~4か所のダンジョンを攻略しないといけなくなった」
「それでもう一つの悪い話ってのはなんだい」
「早々にランティークのダンジョンの全てが攻略されて、残るは紋次郎のこのダンジョンだけになってしまった」
「なぁ・・・・」
絶句、絶望、絶体絶命、万事休す、そんな言葉が頭をよぎる。
「あ・・あとこれは悪い話とかじゃないんだけど・・・」
「どうしたのニャン太?」
「ランティークがあまりのショックに倒れた」
「うわ・・なんかそれ想像出来る・・」
「なんてことですか・・・全滅だなんて・・」
クロノスは想像以上にショックなのか、呆然としている。
「とにかく落ち込んでいる暇はないよ。早く敵ダンジョンを攻略しないと、ちょっとまずいことになりそうなんだ」
「まずいこと?」
「ランティークのダンジョンを攻略したパーティーには、最低でも英雄級が5人はいるとの情報が入ってきてる」
「英雄級ってミュラーナと同格の冒険者だよね?」
「そうだよ、その英雄級が5人も相手となると、パワーアップしたグワドンとリュヴァのコンビでもちょっと危うい感じがするからね」
俺たちは、かなり劣勢に立たされている状況を知って、急ぎ担当の次のダンジョンへと移動を開始した。
★
「ランティークのダンジョンは全て攻略しました」
そう報告してきた冒険者に、ルイーナは無言で答え、指示を与える。
「紋次郎のダンジョン前に、全ての冒険者を集合させなさい」
「はっ、わかりました」
すでに勝負はついたとルイーナは思っていた。しかし、ベリヒトを始めとする幾人かのメンバーが、あの紋次郎の勢力は油断できないと警告してくる。本来なら、一斉に冒険者を突入させて攻略するつもりであった最後のダンジョンも、念には念を入れて、主力は後方で待機して、中の様子を確認してから突入する、そんな、なんとも無駄としか思えない作戦を取ろうとしていた。
「集まりましたか?」
「はい、全員集合しました」
「では、突入する第一陣メンバーを発表します」
そう言って発表されたメンバーは30人ほどで、上級冒険者、最上級冒険者などで構成されていた。斥候や情報分析に優れたスカウトやハンターなどが多く編入されていて、中の様子を伺う意味合いが強い編成となっていた。
「第一陣は攻略を考える必要はない、少しでも多くの情報を持ち帰ってもらいたい」
「了解しました」
そう言って、第一陣パーティーは、紋次郎のダンジョンへと足を踏み入れていった。
「もしもしニャン太、こっちのダンジョンは攻略できたよ」
「紋次郎、ご苦労さん。ええと、こちらからも報告があるんだけど・・・いい報告が一つと悪い報告が二つあるんだけどどれから聞きたい?」
「うわ・・そのパターンだとちょっと嬉しい事と、すごく悲しい事ってパターンだよね、聞きたくないな・・でも聞かないと始まらないよね。まずは、いい報告から聞こうかな」
「じゃあ、いい報告だよ、一つ目のダンジョン攻略だけど、紋次郎たちのパーティーが一番遅かったんだよ。アルティ、ポーズ、デナトスの3パーティーは先ほど攻略完了の連絡があったんだ」
「さすがだね、俺たちが一番乗りだと思ってたけど、まさかビリとは思ってなかったよ」
「それで、悪い報告だけど・・・僕たちのパーティー意外が全滅しちゃった」
「え・・えええええ!! 全滅ってランティークさんのパーティーがだよね?」
「そう、ランティークの冒険者は、うちのパーティーに同行している者以外は全部やられちゃったよ」
「そ・・それは本当ですか!」
聞き捨てならなかったのか、そう言ってクロノスが話に割って入ってきた。
「残念ながら事実だよ。なので僕らは1パーティーで3~4か所のダンジョンを攻略しないといけなくなった」
「それでもう一つの悪い話ってのはなんだい」
「早々にランティークのダンジョンの全てが攻略されて、残るは紋次郎のこのダンジョンだけになってしまった」
「なぁ・・・・」
絶句、絶望、絶体絶命、万事休す、そんな言葉が頭をよぎる。
「あ・・あとこれは悪い話とかじゃないんだけど・・・」
「どうしたのニャン太?」
「ランティークがあまりのショックに倒れた」
「うわ・・なんかそれ想像出来る・・」
「なんてことですか・・・全滅だなんて・・」
クロノスは想像以上にショックなのか、呆然としている。
「とにかく落ち込んでいる暇はないよ。早く敵ダンジョンを攻略しないと、ちょっとまずいことになりそうなんだ」
「まずいこと?」
「ランティークのダンジョンを攻略したパーティーには、最低でも英雄級が5人はいるとの情報が入ってきてる」
「英雄級ってミュラーナと同格の冒険者だよね?」
「そうだよ、その英雄級が5人も相手となると、パワーアップしたグワドンとリュヴァのコンビでもちょっと危うい感じがするからね」
俺たちは、かなり劣勢に立たされている状況を知って、急ぎ担当の次のダンジョンへと移動を開始した。
★
「ランティークのダンジョンは全て攻略しました」
そう報告してきた冒険者に、ルイーナは無言で答え、指示を与える。
「紋次郎のダンジョン前に、全ての冒険者を集合させなさい」
「はっ、わかりました」
すでに勝負はついたとルイーナは思っていた。しかし、ベリヒトを始めとする幾人かのメンバーが、あの紋次郎の勢力は油断できないと警告してくる。本来なら、一斉に冒険者を突入させて攻略するつもりであった最後のダンジョンも、念には念を入れて、主力は後方で待機して、中の様子を確認してから突入する、そんな、なんとも無駄としか思えない作戦を取ろうとしていた。
「集まりましたか?」
「はい、全員集合しました」
「では、突入する第一陣メンバーを発表します」
そう言って発表されたメンバーは30人ほどで、上級冒険者、最上級冒険者などで構成されていた。斥候や情報分析に優れたスカウトやハンターなどが多く編入されていて、中の様子を伺う意味合いが強い編成となっていた。
「第一陣は攻略を考える必要はない、少しでも多くの情報を持ち帰ってもらいたい」
「了解しました」
そう言って、第一陣パーティーは、紋次郎のダンジョンへと足を踏み入れていった。
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