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遡った時間
25:枕を皇女と呼ぶ宮廷の人々
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当分僕の視界に入らないでくれ
とまで言われては顔を会わせるような場所にいるのは逆に失礼。
と、言う事で私は部屋に閉じこもるフリをする事にしましょう。
「アガタ、アガタ」
「なんでしょう」
「この枕を幻覚で、他の人からは私の姿に視ようにして」
「…枕でよろしいんですか?いつものように私どもが代わりをいたしますよ?」
「いいえ。トゥットもそろそろシドンのもとに戻らせてあげたいし、アガタとコラーロは一緒に来て欲しいのよ」
「えーっ!皇女様、僕は置いてけぼりにするの?僕も伝説のペルラ人に会ってみたいです!!」
トゥット言葉に首を傾げてしまう。伝説のペルラ人?なぁにそれ?
アガタの方を見ても指を横に振るので、残ったコラーロを見つめーーようとしたけど目を背けられてしまう。追っかけていって顔を合わせようとしても、ふいっと逆を向かれる。
「コラーロ?」
「そうは言いましても皇女様!私も良く知らなかったのです!」
「ええっ!?コラーロは僕を騙したの!?」
「違うの!騙したつもりはないのよ。でも良い表現がなくって…」
コラーロの言葉にアガタがため息をついていた。
コラーロは子供が好きだし、恐らく興味津々で尋ねてくるトゥットを邪険に出来なかったのだろう。
「まぁ…あながち間違いでもないかもね。250年も生きていてペルラや他の国々の事や魔術の研究をしているんですもの。ちょっと偏屈で表には滅多に出てこない人らしいから私も会った事もないし」
「そうだったのですか」
「そーよ。今のところこの中でアケロンと会った事があるのはコラーロだけ…」
と思ったけど、もう全員会ったことあるわ。
うん。この部屋にいたのは私とアガタとコラーロ、それにトゥットの4人だったはずだけど、今5人居るもの。
ひとり多い。
顔色の悪い不健康そうな青年がいるわ。
「コラーロだけと思ってたけど、トゥット、良かったわね。ここにいるわ」
「うわぁぁぁあ!!何で気がつかなかったんだろう!すっげぇ」
「アケロン、ルサルカよ。遠いところ良く来てくれたわね」
カーテシーをして感謝を伝えようとしたところで、アケロンが拒否するように掌を見せてくる。
それから無言で手を叩くと、テーブルの上には懐かしいペルラ流のアフタヌーンティーのようなお茶とお菓子が現れた。
「100年くらい暇だったらか面白い事に誘ってもらえて嬉しいよ。じゃあ早速皇女様の計画をお聞かせ願いますぞ」
始めて来たとは思えないほどにくつろぎながら、賢者は私の部屋で紅茶を啜るのだった。
とまで言われては顔を会わせるような場所にいるのは逆に失礼。
と、言う事で私は部屋に閉じこもるフリをする事にしましょう。
「アガタ、アガタ」
「なんでしょう」
「この枕を幻覚で、他の人からは私の姿に視ようにして」
「…枕でよろしいんですか?いつものように私どもが代わりをいたしますよ?」
「いいえ。トゥットもそろそろシドンのもとに戻らせてあげたいし、アガタとコラーロは一緒に来て欲しいのよ」
「えーっ!皇女様、僕は置いてけぼりにするの?僕も伝説のペルラ人に会ってみたいです!!」
トゥット言葉に首を傾げてしまう。伝説のペルラ人?なぁにそれ?
アガタの方を見ても指を横に振るので、残ったコラーロを見つめーーようとしたけど目を背けられてしまう。追っかけていって顔を合わせようとしても、ふいっと逆を向かれる。
「コラーロ?」
「そうは言いましても皇女様!私も良く知らなかったのです!」
「ええっ!?コラーロは僕を騙したの!?」
「違うの!騙したつもりはないのよ。でも良い表現がなくって…」
コラーロの言葉にアガタがため息をついていた。
コラーロは子供が好きだし、恐らく興味津々で尋ねてくるトゥットを邪険に出来なかったのだろう。
「まぁ…あながち間違いでもないかもね。250年も生きていてペルラや他の国々の事や魔術の研究をしているんですもの。ちょっと偏屈で表には滅多に出てこない人らしいから私も会った事もないし」
「そうだったのですか」
「そーよ。今のところこの中でアケロンと会った事があるのはコラーロだけ…」
と思ったけど、もう全員会ったことあるわ。
うん。この部屋にいたのは私とアガタとコラーロ、それにトゥットの4人だったはずだけど、今5人居るもの。
ひとり多い。
顔色の悪い不健康そうな青年がいるわ。
「コラーロだけと思ってたけど、トゥット、良かったわね。ここにいるわ」
「うわぁぁぁあ!!何で気がつかなかったんだろう!すっげぇ」
「アケロン、ルサルカよ。遠いところ良く来てくれたわね」
カーテシーをして感謝を伝えようとしたところで、アケロンが拒否するように掌を見せてくる。
それから無言で手を叩くと、テーブルの上には懐かしいペルラ流のアフタヌーンティーのようなお茶とお菓子が現れた。
「100年くらい暇だったらか面白い事に誘ってもらえて嬉しいよ。じゃあ早速皇女様の計画をお聞かせ願いますぞ」
始めて来たとは思えないほどにくつろぎながら、賢者は私の部屋で紅茶を啜るのだった。
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