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我儘ダズ兄様

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「へえ~ユカタって言う服を着るんだな、凄い!!布一枚でこんなに綺麗なのか」

「おすし?魚を生でたべるのか…!?お腹壊さないのかな、でも、美味しそう……」

「ふあぁ~…後ちょっと………ジンジャのお祭りって、凄いな…イッセ王国の命日祭みたいなものかな?」

「………ん、……むにゃ………にほん、いきたいなあ…………」

「…………」







ちゅんちゅんと小鳥の囀りと共に
朝の陽射しが窓から降り注いでくる


「…ん、んん………」

「おーい、朝だぞ」

「ん、…………?ふぁぅ…」

「あと十秒で起きないと襲うぞ」

「ふえぇ、起きますよぅ……って、あれ!?何で!?!?なんでダズ兄様が部屋に!!!??」


渋々目を開けて横を見ると、何時ものじいやじゃなくてダズ兄様が添い寝するみたいに横になっていた

思わず飛び起きるけど、また違和感に気付いた


「…ん、あ、あれ?俺椅子で寝ちゃったんじゃ」

そう、俺は昨日の夜本を読みながら寝ちゃった筈で
でも今居るのは何時ものベッドだった


「ああ、何か寝れねぇから歩き回ってたんだがお前の部屋から異音がしてな、中入ったら本落として机に突っ伏して寝てる奴が居たから運んだんだよ」

「それはありがとうごさいます、ですけど…っんわぁ!?」

感謝しとけ~?なんて言いながら起き上がった俺を抱き込んで倒れてしまった


「だからご褒美に俺と二度寝な?」

「え、はい二度寝なら……ってダメです!!今日は皇太子様が来るんですから!」

「チッんだよ、大好きな兄様より見ず知らずの男優先か?」

「いやそうではなくて…」

不機嫌丸出しの顔で俺を抱き締める力を強める兄様……っく、くるしい!!!

何とか兄様の胸を叩いて離れて貰おうとするが益々しがみついてくる、我儘な子どもか!?

「お、お願いですからぁ…婚約のお話、断りに行けなくなっちゃいます」

「…ちゃんと断るよな?流されてそのまま結婚とかしないな?」

「しませんよ!!俺は兄様達と働くんですから!」

「…ならいい」


やっといつも通りのご機嫌な顔に戻ってはくれたが、離してくれない


「まだ時間はある、もう少し寝るぞ」

「兄様!?俺は起きますからっ…離れてぇ~!!!」



結局、三十分後
じいやが兄様を追い出すまで俺は捕まったままであった
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