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出会いの雨の色
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野良猫は野良猫でも、猫の恩返しは頭にあったらしい。後片付けします、と薄い胸を張った彼はそそくさと食器を下げて洗い始めた。食器を運ぶ時点でおぼつかない常盤に、青藍はひやひやしながら見守っていたのだが、危なげない手つきで洗っているのを見てひとまず任せる事にした。
「割るなよ?割ったらその時点で終了だ」
「はいはい、分かりましたよーだ。皿の一枚にもがめついなんて、如何に色男でもモテないって」
「余計なお世話だ」
どこまでいっても一言多い野良猫である。付き合うにも力尽きてキッチンを後にする。音の外れた鼻歌が流れている気がするが気のせいにしておく。上機嫌な常盤の細い背中を一瞥した青藍は、すっと視線を滑らせた。その視線の先にあったのは、常盤の描き散らした絵。
無造作に纏められた紙を一枚一枚皺を伸ばしつつ眺めていく。
白黒の、単一の線で簡潔に描かれただけの絵。にも関わらず、極彩色豊かに描かれているようにも錯覚させられる。ぱっと見の印象と、少し眺めた印象、じっくりと解釈しようとしながら眺める印象。たった一枚の絵から、三度の違った見方が出来る。
近づけたり遠ざけたり、左右に斜めに見たり、そんな風に物理的に視点を変えるだけでも全く違うものが見えたりもする。たかが紙一枚と、ペン一本だけでこれ程までの世界を作り上げられる事に感嘆して、有無を言わせず引き込まれていく。
常盤の絵を眺めているだけで、ありとあらゆる情景が頭の中に浮かび、様々な人物が勝手に動いて物語を断片的に作り始める。頭の芯が熱くなるようだ。
気が付けば、青藍は絵を見ながらにして絵を見ていなかった。兎に角頭のなかで動き続ける様々なシーンを追いかけ、繋げて、必死に彼らの物語の行方を追っていた。
ワクワクする。彼らは、彼女らは、一体どこへ行くのか、何をするのか、この場所で何が起こるのか、結末はどうなるのか。まさに物語が生まれる瞬間に立ち会い、読者と同じ視点でストーリーを追っていく。指先が疼きだし、青藍は立ち上がった。
湧き上がる物語を忘れないうちに書き起こさなければ。そんな思いに駆られ、青藍は常盤の絵を睨みつけ俯きがちのまま、足早に仕事部屋へと駆け込んだ。早く早く、とせかされるようにパソコンを立ち上げ、昔に比べて遥かに早くなった立ち上がりさえももどかしくて画面を睨みつける。デスクトップが表示されるや否や、飛びつくようにして小説設定作成アプリを呼び出し、猛然とタイプを始めた。
「プロット、設定、登場人物……。クソっ!んな事してたらストーリーが先に行っちまう……!」
普段ならば、緻密に計算して作り上げる為に、登場人物や時代背景、舞台を丁寧に書き起こす。しかし、今回はそれどころではなかった。一瞬でも気を抜けば登場人物たちがさっさと先に進んでその足跡を忘れてしまう。――残せなくなってしまう。
そう思った瞬間に、悪寒にも恐怖にも似た感情に支配されて、決断する。アプリをそのままに、文章作成アプリをを呼び出したのだ。
「書き残す事さえできれば、後で修正はいくらでも効く……!」
適当に名前を割り振って、ひたすらに文字を打ち続けていく。一つ一つ丁寧に拾い上げる情景描写も今回は一行程度でスルー。手がかりさえあれば、幾らでも深堀出来る。それよりも今は、登場人物たちの動向と、言動だけをおって追っていく。
プロットというレールに縛られない久しぶりのやり方は、彼の頭の中の自由な人々をのびのびと演じさせていく。時に笑い、時に泣き、時に歯を食いしばりながらそれぞれの物語を紡いでいく脳内の登場人物の動きを息を忘れてひたすらに見守る。
その背は、朝の常盤のソレに似ていて。まるで何かに憑りつかれたかの様に室内にキーボードをたたく音が途切れることなく続いて行った。
青藍が我に返ったのは、それから数時間後の事だった。ふと顔を上げると、真っ暗な部屋で一人、強い画面の光に照らされていた。いつからかにわかに感じていた腕と目の奥の鈍い痛みが、一気に押し寄せてきて、青藍は顔を覆って体を折り、呻いた。
「……ったく。これじゃアイツの事をとやかく言う資格ねぇな」
ふと脳裏に浮かんだ野良猫の姿。己の今の姿と重なり、青藍は呻いた。誰があんな馬鹿猫と、と嫌そうな声を上げる自分が居る一方で、どことなく清々しい思いを抱ている自分も居た。
「ってか。忘れてた。アイツ、どうなった?」
はたと思い至り、よろよろと立ち上がる。長いこと同じ体勢にあった体は、悲鳴を上げている。この場合は少し体に謝罪するべきだ、と経験則からぼんやり考え、簡単にではあるがゆっくりと体をほぐす。以前、急いでいるからとコレを怠って後に響いたことが忘れられない。
「……歳、か?」
嫌な考えが頭をよぎり、俺はまだ30に達していない、と若者であると思う事にする。年齢詐称疑惑は日々掛け続けられるが。そんな事を思いつつ、ようよう部屋を出てリビングを目指すが、そこには煌々と電気がついているだけで人っ子……猫っ子一匹見当たらなかった。
「アイツ出て行ったのか……。というか、それなら電気消していきやがれ」
若干潔癖な気のある青藍が半眼になって呻く。ドサリ、とソファに重い体を落とすと、手のひらで目元を覆った。常盤が居ないという状況に、何故かせいせいするという思いより、どこか苦い後悔の様な思いが込み上げてきて、眉根を寄せた。
「猫は猫らしく、ふらっと消えてもおかしくないだろうが」
そうは呟いてみるものの、心の何処かで常盤は部屋に居座り続けると思っていたのだろうか。図々しい表情を浮かべた秀麗な顔を思い返し、大きな魚を逃した気分――この場合は猫か――でじっとしていると、ふいに玄関で物音がして我に返る。
「つか、普通に考えてあの馬鹿猫は確実に鍵を閉めずに出て行ったよな?」
合鍵を渡した覚えもなく、そもそも触れされた記憶もなければ、鍵などの貴重品は厳重に保管している。という事は、玄関の物音は碌なものではない。おいおい、と今度は頭を抱えて呻いた。
「念のため警察を呼べるようにっと。そろそろ本格的にお祓いコースかコレは」
ピーチクパーチク喧しい幼馴染の顔を思い浮かべ、げんなりする。前々から神社仏閣に引きずられそうになっていかれるのをどうにか逃げ回って来ていたのだが、寧ろ自分から行きそうだ、と現実逃避しつつそっと腰を浮かべる。ここは二階だから最悪窓から、と考えつつドアを睨みつける。侵入者は迷わず短い廊下を通ってリビングに向かってきているのが足音でわかる。いつでも通話できる状態の携帯を握りしめ、ドアの取っ手が動くのを見届けて……。
「あれ?仕事終わったの?」
能天気な鳴き声に、膝から崩れ落ちそうになった。
ひょっこり顔を出したのは、常盤。何やら大量の荷物を抱えてきょとんとした顔で扉の隙間からこちらを覗き込んでいる。まるで猫が飼い主の機嫌を窺うように上目遣いをしている様な姿に、青藍は体を震わせた。言ってやりたいことも聞きたいことも山ほどあるが、まずは一つ。
「てめぇ。それは一体何のつもりだ?」
「ふえ?……ああ、コレの事?」
やたら大量に抱えた画材に、混ざり込む様に持っているボストンバッグ。引きつった顔でそれらを指さすと、ああ、とにっこり笑った野良猫はこてんと首を倒して可愛らしく鳴いた。
「拾ってもらえそうだから、宝物いっぱい持ってきたニャン」
「……」
どうやらこの野良猫は家猫志望だったらしい。いつのまにか住処として認定されていた事を知り、青藍は黙って常盤に近づいた。ワクワク顏で見上げてくる常盤ににっこり笑いかけると、バタンと音を立てて扉を閉めた。常盤を外に締め出して。
「って、ちょっとぉ?!」
猫が入れろと主張して爪をカリカリと扉をひっかくかの様に、必死に扉を叩いて存在を主張している常盤。ずるずると扉に背を預けたまま座り込んだ青藍は、背中に振動を感じつつ遠い目をしていた。何が悲しくて躾のなっていない野良猫を。本格的にお祓いに行こうかと考えつつも、その口元は無意識に笑みの形を刻んでいた。
そうして、奇妙な野良猫との奇妙な同居が始まったのだ。
「割るなよ?割ったらその時点で終了だ」
「はいはい、分かりましたよーだ。皿の一枚にもがめついなんて、如何に色男でもモテないって」
「余計なお世話だ」
どこまでいっても一言多い野良猫である。付き合うにも力尽きてキッチンを後にする。音の外れた鼻歌が流れている気がするが気のせいにしておく。上機嫌な常盤の細い背中を一瞥した青藍は、すっと視線を滑らせた。その視線の先にあったのは、常盤の描き散らした絵。
無造作に纏められた紙を一枚一枚皺を伸ばしつつ眺めていく。
白黒の、単一の線で簡潔に描かれただけの絵。にも関わらず、極彩色豊かに描かれているようにも錯覚させられる。ぱっと見の印象と、少し眺めた印象、じっくりと解釈しようとしながら眺める印象。たった一枚の絵から、三度の違った見方が出来る。
近づけたり遠ざけたり、左右に斜めに見たり、そんな風に物理的に視点を変えるだけでも全く違うものが見えたりもする。たかが紙一枚と、ペン一本だけでこれ程までの世界を作り上げられる事に感嘆して、有無を言わせず引き込まれていく。
常盤の絵を眺めているだけで、ありとあらゆる情景が頭の中に浮かび、様々な人物が勝手に動いて物語を断片的に作り始める。頭の芯が熱くなるようだ。
気が付けば、青藍は絵を見ながらにして絵を見ていなかった。兎に角頭のなかで動き続ける様々なシーンを追いかけ、繋げて、必死に彼らの物語の行方を追っていた。
ワクワクする。彼らは、彼女らは、一体どこへ行くのか、何をするのか、この場所で何が起こるのか、結末はどうなるのか。まさに物語が生まれる瞬間に立ち会い、読者と同じ視点でストーリーを追っていく。指先が疼きだし、青藍は立ち上がった。
湧き上がる物語を忘れないうちに書き起こさなければ。そんな思いに駆られ、青藍は常盤の絵を睨みつけ俯きがちのまま、足早に仕事部屋へと駆け込んだ。早く早く、とせかされるようにパソコンを立ち上げ、昔に比べて遥かに早くなった立ち上がりさえももどかしくて画面を睨みつける。デスクトップが表示されるや否や、飛びつくようにして小説設定作成アプリを呼び出し、猛然とタイプを始めた。
「プロット、設定、登場人物……。クソっ!んな事してたらストーリーが先に行っちまう……!」
普段ならば、緻密に計算して作り上げる為に、登場人物や時代背景、舞台を丁寧に書き起こす。しかし、今回はそれどころではなかった。一瞬でも気を抜けば登場人物たちがさっさと先に進んでその足跡を忘れてしまう。――残せなくなってしまう。
そう思った瞬間に、悪寒にも恐怖にも似た感情に支配されて、決断する。アプリをそのままに、文章作成アプリをを呼び出したのだ。
「書き残す事さえできれば、後で修正はいくらでも効く……!」
適当に名前を割り振って、ひたすらに文字を打ち続けていく。一つ一つ丁寧に拾い上げる情景描写も今回は一行程度でスルー。手がかりさえあれば、幾らでも深堀出来る。それよりも今は、登場人物たちの動向と、言動だけをおって追っていく。
プロットというレールに縛られない久しぶりのやり方は、彼の頭の中の自由な人々をのびのびと演じさせていく。時に笑い、時に泣き、時に歯を食いしばりながらそれぞれの物語を紡いでいく脳内の登場人物の動きを息を忘れてひたすらに見守る。
その背は、朝の常盤のソレに似ていて。まるで何かに憑りつかれたかの様に室内にキーボードをたたく音が途切れることなく続いて行った。
青藍が我に返ったのは、それから数時間後の事だった。ふと顔を上げると、真っ暗な部屋で一人、強い画面の光に照らされていた。いつからかにわかに感じていた腕と目の奥の鈍い痛みが、一気に押し寄せてきて、青藍は顔を覆って体を折り、呻いた。
「……ったく。これじゃアイツの事をとやかく言う資格ねぇな」
ふと脳裏に浮かんだ野良猫の姿。己の今の姿と重なり、青藍は呻いた。誰があんな馬鹿猫と、と嫌そうな声を上げる自分が居る一方で、どことなく清々しい思いを抱ている自分も居た。
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嫌な考えが頭をよぎり、俺はまだ30に達していない、と若者であると思う事にする。年齢詐称疑惑は日々掛け続けられるが。そんな事を思いつつ、ようよう部屋を出てリビングを目指すが、そこには煌々と電気がついているだけで人っ子……猫っ子一匹見当たらなかった。
「アイツ出て行ったのか……。というか、それなら電気消していきやがれ」
若干潔癖な気のある青藍が半眼になって呻く。ドサリ、とソファに重い体を落とすと、手のひらで目元を覆った。常盤が居ないという状況に、何故かせいせいするという思いより、どこか苦い後悔の様な思いが込み上げてきて、眉根を寄せた。
「猫は猫らしく、ふらっと消えてもおかしくないだろうが」
そうは呟いてみるものの、心の何処かで常盤は部屋に居座り続けると思っていたのだろうか。図々しい表情を浮かべた秀麗な顔を思い返し、大きな魚を逃した気分――この場合は猫か――でじっとしていると、ふいに玄関で物音がして我に返る。
「つか、普通に考えてあの馬鹿猫は確実に鍵を閉めずに出て行ったよな?」
合鍵を渡した覚えもなく、そもそも触れされた記憶もなければ、鍵などの貴重品は厳重に保管している。という事は、玄関の物音は碌なものではない。おいおい、と今度は頭を抱えて呻いた。
「念のため警察を呼べるようにっと。そろそろ本格的にお祓いコースかコレは」
ピーチクパーチク喧しい幼馴染の顔を思い浮かべ、げんなりする。前々から神社仏閣に引きずられそうになっていかれるのをどうにか逃げ回って来ていたのだが、寧ろ自分から行きそうだ、と現実逃避しつつそっと腰を浮かべる。ここは二階だから最悪窓から、と考えつつドアを睨みつける。侵入者は迷わず短い廊下を通ってリビングに向かってきているのが足音でわかる。いつでも通話できる状態の携帯を握りしめ、ドアの取っ手が動くのを見届けて……。
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能天気な鳴き声に、膝から崩れ落ちそうになった。
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「てめぇ。それは一体何のつもりだ?」
「ふえ?……ああ、コレの事?」
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「拾ってもらえそうだから、宝物いっぱい持ってきたニャン」
「……」
どうやらこの野良猫は家猫志望だったらしい。いつのまにか住処として認定されていた事を知り、青藍は黙って常盤に近づいた。ワクワク顏で見上げてくる常盤ににっこり笑いかけると、バタンと音を立てて扉を閉めた。常盤を外に締め出して。
「って、ちょっとぉ?!」
猫が入れろと主張して爪をカリカリと扉をひっかくかの様に、必死に扉を叩いて存在を主張している常盤。ずるずると扉に背を預けたまま座り込んだ青藍は、背中に振動を感じつつ遠い目をしていた。何が悲しくて躾のなっていない野良猫を。本格的にお祓いに行こうかと考えつつも、その口元は無意識に笑みの形を刻んでいた。
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