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リィンカーネートの夢
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「もし、まったく違う生命に生まれ変わったら、何をしてみたい?」
ザンストマーンが尋ねた。
「私は『マグワヒ』というものを体験してみたい」
私は答える。
「マグワヒ? なんだいそれは?」
「ジーネティックプロセス生命と呼ばれる存在が、自身ではなく、種族の繁栄のために行う種族進化プロセスのことだ」
「種族進化プロセス? ますますわからないな」
「マグワヒにより、個体間の情報を交換した、新たな個体を生み出すことで、新たな能力を獲得するという進化手法だ。われわれのように個体が自己進化を続ける生命とはまったく異なる進化プロセスなんだ。理解できないのは無理もない」
「それで、なんでそのマグワヒに興味を持ったんだい?」
「憧れだな。自己進化でなく、他の個体とマグワヒによって新しい個体をつくりだすという行為が、とても興味深い」
「ふむ。ちなみに新しい個体を生み出した個体はどうなるんだい?」
「そのうち死ぬ」
「死ぬ? はははは。俺はそんなの願い下げだね」
ザンストマーンはそう言って笑った。
そして、それが私とザンストマーンの最後の会話となった。
ザンストマーンが尋ねた。
「私は『マグワヒ』というものを体験してみたい」
私は答える。
「マグワヒ? なんだいそれは?」
「ジーネティックプロセス生命と呼ばれる存在が、自身ではなく、種族の繁栄のために行う種族進化プロセスのことだ」
「種族進化プロセス? ますますわからないな」
「マグワヒにより、個体間の情報を交換した、新たな個体を生み出すことで、新たな能力を獲得するという進化手法だ。われわれのように個体が自己進化を続ける生命とはまったく異なる進化プロセスなんだ。理解できないのは無理もない」
「それで、なんでそのマグワヒに興味を持ったんだい?」
「憧れだな。自己進化でなく、他の個体とマグワヒによって新しい個体をつくりだすという行為が、とても興味深い」
「ふむ。ちなみに新しい個体を生み出した個体はどうなるんだい?」
「そのうち死ぬ」
「死ぬ? はははは。俺はそんなの願い下げだね」
ザンストマーンはそう言って笑った。
そして、それが私とザンストマーンの最後の会話となった。
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