29 / 57
1章
29
しおりを挟む気が付けばベッドに横になっていて辺りは暗かった
あれからどれだけ時間が経ったのだろう
まだ身体は火照っているけれどあの時程ではなくて、、、
すると扉が開きかずさんが入ってきた
「なつくん、、、目が覚めたんだね。帰ってきたら倒れていたからビックリしたよ、、、ヒートきたんだね、、、」
その言葉に頷けば、ふと自分の身なりが綺麗になっているのに気付く
"1人で慰めていたこともあってきっと汚れていたはずなのに、、、"
そう思っていれば「あの状態のままだとあれかなと思って一応綺麗にしたんだ、、、」俺の気持ちを察してか、かずさんが少し言いずらそうに伝える
「あと、ベッドに運んだ時に少しだけ意識を戻したからなつくんが持っていた抑制剤も飲ませたんだけど、、、その時の記憶はないかな....?」
その言葉に驚いたけどマシになっている身体の様子からそうなのかと納得する
仕事で疲れて帰ってきたはずなのにヒートで倒れた俺の世話をしてもらったお礼を伝えようと思っても近くに伝える手段がなくて、、、
そう思っていれば近付いてきたかずさんが「気にしなくていいからね。」と微笑みながら言う
その言葉にかずさんの目を見た後に頭を下げる
"本当にかずさんにはお世話になりっぱなしだ...."
「じゃあ俺はここで、、、来週あたりに戻ってくるね。」
そう言いながら部屋を出るかずさんの言葉の意味が分からなくて首を傾げれば、すぐ後に優人さんが入ってきた
一瞬驚くが部屋いっぱいに広がっていく優人さんの匂いに落ち着いていたと思ったはずの疼きが顔を出し始める
"なんでここに優人さんが.....?"
そう思いながら優人さんの顔を見つめれば
「かずさんから連絡もらって急いできた」
そう一言告げる優人さんに困惑する
"どうして....ヒート中の俺の元にきてくれるの....?"
そんな俺の考えている事が分かるかのように優人さんが続ける
「前にも言ったけど、なつの事が好きだよ。こうやってヒートの時にはそばに居て支えたい。これから先何年何十年と一緒にいたいと思ってる。」
その言葉に心臓がうるさいくらいに音をたてる
嬉しい嬉しい
優人さんの事を考える度に幸せで
会えた日はすごく嬉しいし、頭を撫でられたりして触れられた時には早くなる鼓動
笑顔を向けられた時、優しくしてもらった時そのすべてを独り占めしたいと思ってしまう
優人さんと一緒にいたい
俺も優人さんの事が好きだ、、、
それに優人さんはアルファ、俺はオメガ
世間一般的に言えば番になりこれから一緒に生きていく事になんの問題もないだろう
でも自分の今までがどうしても頭によぎる
始めて会った時俺は色んな人と肌を重ねる事をしていた
親しくなってからも何人もの人と肌を重ねてきた
その時気持ち悪いと思いながらお風呂で自分の体を痛くなるまで洗い続けた時が頭の中に流れ込んできた
そうだ、、、俺の体は汚れてる、、、そんな自分が優人さんの隣にいたいなんてそんな事、、、あっていいわけがない、、、
優人さんの匂いでクラクラする中どうしても否定してしまう自分が居て応えられない
"ほしい....ゆうとさんが.....ほしい....."
頭の中を占め始める優人さんが欲しいという感情に従えずにいれば、優人さんの手が俺の手をそっと包んだ
「ねぇなつ、、、かずさんから聞いたよ。俺の服握り締めながらヒート起こしてたって。着替えさせた時もベッドに移動させた時も離すことなくずっと掴んでたって、、、今だって俺の服握りしめてさ、、、 」
その言葉に手元を見れば優人さんのパーカーをぎゅっと握っていた
「なつ、本当の気持ち教えて。俺はもう今すぐにでもキスしてなつの全部を俺のものにしたい、ぐずぐずに甘やかしたいって思ってるよ、、、。」
それでも応えられるずにいる俺に優人さんは縋るように『お願い、、、応えて、、、』 そう言って抱きしめた
抱きしめられた事により優人さんの匂いに包まれた俺はもう何も考えられなくなって
ただ本能に従おう。そう思った
だけどこの気持ちは伝えたくて、、、
そう思った俺は少し離れ優人さんの手を取り、手のひらに [す.き.で.す] とそう書いた
343
あなたにおすすめの小説
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
運命よりも先に、愛してしまった
AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。
しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、
2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。
その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年。
かつて自分を救った玲に再会した静は、玲を自分に惚れさせた上で捨てようとするが…
多分嫌いで大好きで
ooo
BL
オメガの受けが消防士の攻めと出会って幸せになったり苦しくなったり、普通の幸せを掴むまでのお話。
消防士×短大生のち社会人
(攻め)
成瀬廉(31)
身長180cm
一見もさっとしているがいかにも沼って感じの見た目。
(受け)
崎野咲久(19)
身長169cm
黒髪で特に目立った容姿でもないが、顔はいい方だと思う。存在感は薄いと思う。
オメガバースの世界線。メジャーなオメガバなので特に説明なしに始まります( . .)"
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる