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 第1章 旅立ち

第10話 スキル3

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「今日はこの辺にしとこう。いろいろとパニックになってるみたいだし…」
「う、うん…ありがとう」
 俺は疲れた顔をしたアリーを見ながら
「続きは明日にしよう、町長さんが夕飯出来たって言ってるから行こっか」
 町長さんのいる部屋に行って
「町長さん、待たせてすみません」
「町長さん、ランティス様もこんなに良くしてもらって…ありがとう」
「こんな物しかないんだけど…」
「わぁ、美味しそう!」
アリーの嬉しそうな声が予想外だったのか
「じゃあ、頂きましょう」

 俺とアリーはちゃんとした自己紹介をしてない事に気付き
「町長さん、俺の名前はランで、敬語じゃなくていいよ。平民になったばっかだし…」
 最後の言葉は小声になった。
「私の名前はアリエッタです。アリーと呼んで下さい」
「あたしはユリアよ。町長じゃなくてユリアでいいよ」
「分かった」
 返事をした後、恥ずかしいくて俯きながら
「あの…平民に対しての知識はあるんですが…何をすればいいか分からなくて」
ユリアさんが子供をあやすみたいな声で
「まぁまぁ、何が分からないの?」
 それから平民として暮らすには何をすればいいか、何が出来るかを自分で考え、行動することが大事だと教えてもらった。
「すいません、アリーはまだ本調子ではないので今日は泊まらせて貰ってもいいですか?俺はどこでもいいので…」
 そう頼んだ。そしたらアリーが
「そ、そんなに気をつかわないで」

「まぁ、何を言ってるの。あなた達の部屋ぐらいあるわよ」
なんだか同情されている様に聞こえてきた。
「…じゃぁ、お言葉に甘えて」
 俺とアリーは泊まらせていただくことにした。

「あ、そうだ。この袋、林の入り口に落ちてたけどアリーの物かと思って…」
 ユリアさんは今、思い出したように
「あ、そうです。あの…見つけてくれてありがとうございます。その袋は私の大事な人に貰った物だから…」
 その袋を見て見ると俺が持ってる鞄と、同じぐらいな大きさだ。
「お、おやすみなさい」
「おやすみ」

「ユリアさん、部屋を貸してくれてありがとうございます」
「いえいえ、疲れきった女の子をそのままにするのは心ともないですから」
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