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Vtuberはじめました

02:自己紹介動画を撮ろう!

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「うーん、どうしたものかな・・・」

僕は今非常に悩んでいる。

そう、自己紹介動画の撮影を行わないといけないからだ。

本来なら男性アバターで考えていたのでその時の原稿なんかは全て書き直し。

考えていた名前も完全に没行きに。

まぁこの3Dモデルどちゃくそ可愛いから良いんだけどね。

ただこの娘をもっと広めたい。

この先生の絵をもっと広めていきたい。
まぁ広めるのはピヨッターでやっていたけど知名度ないただのモブアカウントだったからね。

でもそんな事よりも大事な事がある。

「いやでもやっぱり性別の問題がなぁ・・・声、作ってみるかな?」

「うーん、本人には分かり辛い問題だし、動画を誰かに見てもらって声の問題は解決しよう。」

「次に名前だけど、これも考え直さないとなぁ。」

「白い髪の毛だから安直だけど白は入れたい。」

「名前に僕の名字にもある姫をいれたらそれっぽい名前になりそうな気もするなぁ。」

そして長い事考えた末に出た名前の案がこれだった。

白姫しらひめゆか

まずキャラデザをした先生がゆるという名前なのでそれに似せる事で先生のキャラだと思ってもらいやすいような響きの名前を選んだ。

白は髪色を意識して入れた。
姫って言葉にはピンクのイメージを持つ僕はこれを入れる事で完全に髪色をモチーフにした名前になった。
他の人がどう思うかは分からないけどね。

そうなると次にキャラの方向性。
キャラ付けっていうやつだね。

この娘の見た目だとどちらかと言えば妹キャラの方が合っている気がするので視聴者の事はお兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ぶ方がしっくりと来そう。

次に喋り方はクラスにいる友人に動画を見てもらって判断してもらう事にしよう。

友人もVtuber沼にハマってる人だからきっといい意見をくれると思うし。


そうして原稿の内容を改変し、僕は動画を撮るために今モーショントラッキングをする装置を身に付けている。

正直暑いのでクーラーを入れておく。
季節も7月になったばかりとは言え長袖を着てると流石に暑いね。

そして僕は意を決して録画開始ボタンを押した。

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次の日になり休みも終わってしまい学校へと向かう。

いつものように教室へと入り、まだHRの前なので席に座っている友人に動画を見せに行く事にした。

「おはよう裕翔、見てもらいたいVtuberの動画あるんだけど見てくれない?」

彼の名前は佐々木ささき裕翔ゆうと
僕が小学生の頃から連んでいる俗に言う腐れ縁ってやつ。
でも僕が困ってる時に助けてくれたりととても頼りになる友人だね。

「おぉ優希か、おはよう、それで動画って?」
「これなんだけどさ、どう思うか教えてくれないかな?」
「オッケーオッケー、任せてくれたまえ。」

そうして僕の撮影した動画を裕翔に見せる。

画面からは僕が中に入ったバーチャル美少女が動きながら喋っている。

『この動画を見てくれているお兄ちゃん、お姉ちゃん初めまして!ボクは白姫ゆか、今日からVtuberとして活動していくことにしました!』

「なぁ優希、何この娘めっちゃ可愛くね?」
「だ、だよね。」

動画を見ながら裕翔は僕にそう語りかける。
僕も同意するしか無いくらいこの娘は可愛いのだ。

中身が僕じゃなければ素直に可愛いと言えたかもしれないけど今は何とも言えない複雑な心境だったりする。

『そしてこの動画はタイトルの通り、ボクの自己紹介動画になっています!良ければ最後まで見ていってね!お兄ちゃん♪』

「ぐはっ」
裕翔がいきなり胸を抑えて苦しみ始めた。

「えっ裕翔どうしたの!?大丈夫!?」
「このお兄ちゃんはダメだ、胸がきゅんとなる、死ぬ。」

そ、そこまで?

「え、えぇ・・・?」
「とりあえず冒頭だけの感想だけ言うぞ、この娘は流行る、この声にキャラデザ間違いなく強い。」

声については流石に素のままだと男バレしそうだからちょっと作ってはいるのは確かだけどそこまでなのかな?本人からするとよく分からないなぁ。

『まずボクの名前は最初にも言ったと思うけど白姫ゆか、17歳!本当だからね!』

『次にボクの趣味はゲームや歌う事、流石に版権の問題があると思うから歌ってみたはボカロ曲で許可が取れたものや民謡なんかになっちゃうと思うけど許してね!』

『それと配信は基本的に週末にやる予定だから皆良かったら遊びに来てくれると嬉しいなー、なんて。』

『初配信は来週の7月11日、夕方の18時から始めるからよろしくね♪』

『次に動画の投稿についてなんだけど、基本的に週に3本を予定しているよ!動画は配信と違ってボクが話題の物を食べた反応だったり、動画にしやすいゲームをプレイしたり、そんなちょっとした事をしていく予定なので是非皆見ていってね!』

裕翔は自己紹介が始まってからはずっと口を閉ざしていた。

「どうだった?何か違和感とか感じた?」
「俺、推すわ。」

「へっ?」
「ヤバイ、俺Vtuberにガチ恋したかもしれん。」

やばい、このままでは裕翔が叶わぬ恋に落ちてしまう。

「あのさ、裕翔?」

「「「「「何この娘!!!ちょーカワイイんだけど!!!」」」」」

「えっ?あれ?」

僕のスマホがクラスの女子達の注目を集めている。

流れているのはさっきの動画。

あっこれだめなやつだ。

「「「「「「白姫ゆか、検索しよ。」」」」」

待って!!!!まだチャンネル無いの!!!
バレる!!!!神様助けて!!!!!!

「俺も検索しよう。」
裕翔まで検索を始めた。

でも出る訳がない。

だってまだ未発表なんだもの。


「「「「「「あれ?存在しない?」」」」」」

「なぁ、優希。」
「「「「「ねぇ、姫くん?」」」」」
「ひゃ、ひゃい!?」

「「「「「「この娘の動画、どうやって手に入れたのか教えてもらおうか?」」」」」」

あぁ、もうだめみたいです。
都合良くHRを告げるチャイムなんてなる訳が無く。

「・・・くです。」
「「「「「「ん?なんて?」」」」」」

「このVtuberは僕だよ!!!!!」
「「「「「「え“っ?」」」」」」

「まだチャンネルも作ってないのはこれで裕翔の反応良ければこの動画でデビュー飾ろうと思ってたの!」
「え?マジで言ってるのか?企業勢?」

「いや個人だよ。」
「マジで?どうやってあんな破壊力抜群のモデル手に入れたんだよ。」

「50万出したからね・・・」
遠い目をしながら僕は答える。

「50万出してまでやるとか姫くんちょーやる気じゃん・・・私応援してるよ!」

「うちもうちも!姫くんがんば!」

「ロリ声出せるショタ・・・うぇへへ。」

「なんか今変な事言ってた人いなかった?」

「き、気のせいだと思う、よ。」

「スパチャさせて、私が姫くんを養うんだ。」

「優希、お前凄いな・・・俺に出来ることあったらさ、手伝うから何かあったら言ってくれよ?」

「「「「「私たちも何かあったら協力するよ!!」」」」」


まさかのクラス中の女子と裕翔が早速ファンになったようだった。

あれ?喋り方とかの問題解決してなくない?
まぁ、あれでよかったのかな?
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