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第二章 二人の果て
2-10 〈神の奇跡〉、あるいは〈神々の児戯〉①
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むせ返るような血の臭いでミッコは目を覚ました。
湿った石壁に無数のロウソクの灯が揺らめく。重く冷たい暗闇の底に、十字架を掲げた塔の女王の紋章が浮かび上がる。
意識はぼんやりとしていたが、目は覚めていた。マルーン神父に嵌められたことまでは、はっきりと覚えていた。
裸で寝かされているのだろうか、背中は冷たかった。ミッコは体を起こそうとしたが、力は入らず、手足は動かなかった。ミッコはエミリーの名を呼んだが、声は出ず、空気が漏れるだけだった。もがいたが、今は辛うじて瞳を動かすことしかできなかった。
ミッコは目を凝らして周囲を窺った。隣の石台の上には、裸にされたエミリーが横たわっていた。横顔は暗くよく見えなかったが、少なくとも目覚めていないことは確かだった。そしてその周囲には、無数の白い影が蠢いていた。
目覚めたとき、儀式はすでに始まっていた。
暗闇に、白地に縫われた赤い刺繍が浮かび上がる。ボロボロの本を手にした老聖職者が、意味の分からぬ言葉を呟きながら暗闇を練り歩く。そばに侍る少女たちは、それに続いて祈るように合唱する。
何もできぬミッコのそばで、何かが勝手に進行していく。
白い影がミッコに近づいてくる。何か冷たい物が手のひらに触れる。僅かな痛みとともに、血が流れ落ちていく。横にいるエミリーも同じように手のひらを切られ、杯に血を採取される。
流れ落ちる血が、杯に満たされていく。
また少女たちの合唱が始まる。どちらの血か、エミリーの口元に杯が傾けられ、血が注がれる。同様に、ミッコの口元にも血が流し込まれる。
ミッコはえずき、吐き出そうとしたが、流れ込んでくるものは止められなかった。
血が流し込まれたあと、横たわるミッコとエミリーの間に一人の少女が入ってくる──白いフードの隙間から見えた顔は、メイジだっただろうか──暗闇に僅かに光るその瞳は、うっすらと微笑んでいた。
間に立った少女が、自らの両手のひらをナイフで切る。
少女がエミリーの手を握り、次いでミッコの手を握る。血に濡れた少女を介して、ミッコとエミリーの手が繋がれる。
指先から、血の温もりが伝わる──その瞬間、血ではない何かがミッコに流れ込んできた。
暗闇に浮かぶロウソクの灯が騒めく。
初めて知る感覚にミッコは戸惑った。状況を把握しようと、ミッコはまた周囲に目を凝らした。そのとき、視界の隅に、影が浮かんだ──二つの人影──炎に焼かれた騎士と、頭の潰れた騎士は、石台に横たわるエミリーを見ていた。
二人が何者なのか、ミッコにはわからなかった。しかし見覚えだけはあった。
……風が哭き、血が飛び散る。
戦場で、〈帝国〉の黒竜旗と〈教会〉の十字架旗がぶつかり合う。
黒竜旗を掲げ、黒騎兵が戦場を駆ける。
黒き風となり、ミッコは戦場を駆けた。血塗れの野を駆けながら、ミッコは〈教会〉の旗印に向かって火矢を放った。火は十字架旗を焼き、瞬く間に敵兵を呑み込んでいった。
燃え盛る炎の中に、その騎士はいた。火に焼かれ、叫び声を上げながら、騎士はのたうち回っていた。やがて燃える甲冑は動かなくなり、その断末魔も炎に呑み込まれ消えていった。
見慣れた光景だった。そのとき、ミッコは明確な戦果をあげた満足感で笑っていた。
……また風が哭き、血が飛び散る。
戦場で、〈帝国〉の黒竜旗と〈教会〉の十字架旗がぶつかり合う。
黒竜旗を掲げ、黒騎兵が戦場を駆ける。
黒き風となり、ミッコは戦場を駆けた。血塗れの野を駆けながら、ミッコは〈教会〉の旗印に向かって突撃した。狙った獲物はフルフェイスの兜を被り、全身を板金甲冑で覆った騎士だった。
初撃を防がれ取っ組み合いになり、二人揃って落馬した。地面を転がりながらも、ミッコは相手に馬乗りになり、その頭部にウォーピックを打ちつけた。兜はへこみ、穿たれた隙間からは血や脳漿が噴き出した。しばらくの間、組み合いながら殴り続けた。やがて抵抗は痙攣へと変わり、騎士の頭は兜ごと潰れてなくなっていた。
見慣れた光景だった。そのとき、ミッコは強敵を倒し切った達成感で笑っていた。
見慣れた戦場だった。ミッコはずっとそこで生きてきた。それなのに今、ミッコの胸は張り裂けそうだった。そして初めて罪の意識を覚えている自分自身に、ミッコはまた戸惑った。
(待って! 行かないでお兄様! 置いてかないで! 独りにしないで!)
血を伝って、エミリーの叫び声が聞こえたような気がした。
これは夢か幻か……。とにかく、早く覚めてくれとミッコは叫んだ。
小刻みに震える少女が、ミッコの手をより一層強く握り締める。マルーン神父が声を荒げ、十字架のペンダントをエミリーの体に押し当てる。それに合わせて、少女たちの祈りも激しさを増していく。
無数の手がミッコの体に触れ、這い回る。意味不明な言葉とともに息を荒げる白い影が、湿った暗闇を濡らしていく。
ミッコとエミリーと手を繋いだまま、少女が崩れ落ちる。その周囲にロウソクの灯ではない光が群がり、光虫のように暗闇を飛び回り、模様のような何かを刻む。それを見てマルーン神父が絶叫し、塔の紋章を引きちぎる。血か汗か涙か、泥沼の中にでもいるかのように濡れていくミッコの体にも、無数の光が寄って集ってくる。
(お兄ちゃん……。二人ともお父様と一緒に帰ってくるって信じてたのに……。どうして……)
激しく慟哭する暗闇の底で、影がエミリーを撫でた。泣きじゃくるエミリーを見る二人の視線は優しく、穏やかであった。
(行かないで! せっかくまた会えたんだよ! 一緒にいたいの! また昔みたいに!)
また、エミリーの声が聞こえた気がした。
体は動かなかったが、ミッコはエミリーの手を掴もうと、必死に手を伸ばした。声は出なかったが、ミッコはエミリーの名を呼び続けた。
この得体の知れない儀式が始まって、どれほどの時間が経ったのだろうか──気付いたとき、光虫の灯は薄れ、二つの人影は闇に溶け始めていた。
消えゆく間際、影はミッコを見た。その目には怒りや悲しみはなく、敵意もなかった。そこには、ない混ぜになった人の感情が渦巻いていた。その感情が何なのか、ミッコには最後までわからなかった。
やがて影が消え、暗闇が静けさを取り戻す。
終わったのだろうか……──そして全てが死に絶えたかのような静寂の中で、ミッコは再び闇へと落ちていった。
*****
暗闇の底で、子供たちの笑い声が聞こえた気がした。
(あの野郎! ぶっ殺してやる!)
溢れる殺意でミッコは目覚めた。礼拝所の天井に描かれた絵が目に入った瞬間、殺意はさらに燃え上がった。
跳ね起き、まず武器を探した。目の前にはエミリーがいた。そのそばには、ハンターとメイジもいた。エミリーはハンターを抱き寄せながら、メイジの手を撫でていた。メイジの手に巻かれた包帯には血が滲んでいた。
夏の陽射しに輝く深緑の瞳が、ミッコを見る。
「おはよう、ミッコ」
「エミリー……? 大丈夫か?」
「うん」
痩せこけてはいたが、エミリーの目には生気が戻っていた。
にわかには信じられなかった。まだ夢の中にいるのではないかと思った。
戸惑うミッコの手に、エミリーの指先が触れる。
ミッコもエミリーに触れた。手に、頬に、髪に、ミッコは触れた。それは確かに知るエミリーのものだったが、それでもまだ、これが現実だとミッコは受け入れられなかった。
ミッコとエミリーは互いの体を抱き寄せた。
その体は温かく、鼓動は力強く息づいていた。それでようやく、ミッコはエミリーの存在を確信することができた。
「ずっとそばにいてくれてありがとう、ミッコ」
ミッコはエミリーの胸の中に顔を埋めた。確かに脈打つ鼓動を感じるたび、涙は止めどなく溢れた。
湿った石壁に無数のロウソクの灯が揺らめく。重く冷たい暗闇の底に、十字架を掲げた塔の女王の紋章が浮かび上がる。
意識はぼんやりとしていたが、目は覚めていた。マルーン神父に嵌められたことまでは、はっきりと覚えていた。
裸で寝かされているのだろうか、背中は冷たかった。ミッコは体を起こそうとしたが、力は入らず、手足は動かなかった。ミッコはエミリーの名を呼んだが、声は出ず、空気が漏れるだけだった。もがいたが、今は辛うじて瞳を動かすことしかできなかった。
ミッコは目を凝らして周囲を窺った。隣の石台の上には、裸にされたエミリーが横たわっていた。横顔は暗くよく見えなかったが、少なくとも目覚めていないことは確かだった。そしてその周囲には、無数の白い影が蠢いていた。
目覚めたとき、儀式はすでに始まっていた。
暗闇に、白地に縫われた赤い刺繍が浮かび上がる。ボロボロの本を手にした老聖職者が、意味の分からぬ言葉を呟きながら暗闇を練り歩く。そばに侍る少女たちは、それに続いて祈るように合唱する。
何もできぬミッコのそばで、何かが勝手に進行していく。
白い影がミッコに近づいてくる。何か冷たい物が手のひらに触れる。僅かな痛みとともに、血が流れ落ちていく。横にいるエミリーも同じように手のひらを切られ、杯に血を採取される。
流れ落ちる血が、杯に満たされていく。
また少女たちの合唱が始まる。どちらの血か、エミリーの口元に杯が傾けられ、血が注がれる。同様に、ミッコの口元にも血が流し込まれる。
ミッコはえずき、吐き出そうとしたが、流れ込んでくるものは止められなかった。
血が流し込まれたあと、横たわるミッコとエミリーの間に一人の少女が入ってくる──白いフードの隙間から見えた顔は、メイジだっただろうか──暗闇に僅かに光るその瞳は、うっすらと微笑んでいた。
間に立った少女が、自らの両手のひらをナイフで切る。
少女がエミリーの手を握り、次いでミッコの手を握る。血に濡れた少女を介して、ミッコとエミリーの手が繋がれる。
指先から、血の温もりが伝わる──その瞬間、血ではない何かがミッコに流れ込んできた。
暗闇に浮かぶロウソクの灯が騒めく。
初めて知る感覚にミッコは戸惑った。状況を把握しようと、ミッコはまた周囲に目を凝らした。そのとき、視界の隅に、影が浮かんだ──二つの人影──炎に焼かれた騎士と、頭の潰れた騎士は、石台に横たわるエミリーを見ていた。
二人が何者なのか、ミッコにはわからなかった。しかし見覚えだけはあった。
……風が哭き、血が飛び散る。
戦場で、〈帝国〉の黒竜旗と〈教会〉の十字架旗がぶつかり合う。
黒竜旗を掲げ、黒騎兵が戦場を駆ける。
黒き風となり、ミッコは戦場を駆けた。血塗れの野を駆けながら、ミッコは〈教会〉の旗印に向かって火矢を放った。火は十字架旗を焼き、瞬く間に敵兵を呑み込んでいった。
燃え盛る炎の中に、その騎士はいた。火に焼かれ、叫び声を上げながら、騎士はのたうち回っていた。やがて燃える甲冑は動かなくなり、その断末魔も炎に呑み込まれ消えていった。
見慣れた光景だった。そのとき、ミッコは明確な戦果をあげた満足感で笑っていた。
……また風が哭き、血が飛び散る。
戦場で、〈帝国〉の黒竜旗と〈教会〉の十字架旗がぶつかり合う。
黒竜旗を掲げ、黒騎兵が戦場を駆ける。
黒き風となり、ミッコは戦場を駆けた。血塗れの野を駆けながら、ミッコは〈教会〉の旗印に向かって突撃した。狙った獲物はフルフェイスの兜を被り、全身を板金甲冑で覆った騎士だった。
初撃を防がれ取っ組み合いになり、二人揃って落馬した。地面を転がりながらも、ミッコは相手に馬乗りになり、その頭部にウォーピックを打ちつけた。兜はへこみ、穿たれた隙間からは血や脳漿が噴き出した。しばらくの間、組み合いながら殴り続けた。やがて抵抗は痙攣へと変わり、騎士の頭は兜ごと潰れてなくなっていた。
見慣れた光景だった。そのとき、ミッコは強敵を倒し切った達成感で笑っていた。
見慣れた戦場だった。ミッコはずっとそこで生きてきた。それなのに今、ミッコの胸は張り裂けそうだった。そして初めて罪の意識を覚えている自分自身に、ミッコはまた戸惑った。
(待って! 行かないでお兄様! 置いてかないで! 独りにしないで!)
血を伝って、エミリーの叫び声が聞こえたような気がした。
これは夢か幻か……。とにかく、早く覚めてくれとミッコは叫んだ。
小刻みに震える少女が、ミッコの手をより一層強く握り締める。マルーン神父が声を荒げ、十字架のペンダントをエミリーの体に押し当てる。それに合わせて、少女たちの祈りも激しさを増していく。
無数の手がミッコの体に触れ、這い回る。意味不明な言葉とともに息を荒げる白い影が、湿った暗闇を濡らしていく。
ミッコとエミリーと手を繋いだまま、少女が崩れ落ちる。その周囲にロウソクの灯ではない光が群がり、光虫のように暗闇を飛び回り、模様のような何かを刻む。それを見てマルーン神父が絶叫し、塔の紋章を引きちぎる。血か汗か涙か、泥沼の中にでもいるかのように濡れていくミッコの体にも、無数の光が寄って集ってくる。
(お兄ちゃん……。二人ともお父様と一緒に帰ってくるって信じてたのに……。どうして……)
激しく慟哭する暗闇の底で、影がエミリーを撫でた。泣きじゃくるエミリーを見る二人の視線は優しく、穏やかであった。
(行かないで! せっかくまた会えたんだよ! 一緒にいたいの! また昔みたいに!)
また、エミリーの声が聞こえた気がした。
体は動かなかったが、ミッコはエミリーの手を掴もうと、必死に手を伸ばした。声は出なかったが、ミッコはエミリーの名を呼び続けた。
この得体の知れない儀式が始まって、どれほどの時間が経ったのだろうか──気付いたとき、光虫の灯は薄れ、二つの人影は闇に溶け始めていた。
消えゆく間際、影はミッコを見た。その目には怒りや悲しみはなく、敵意もなかった。そこには、ない混ぜになった人の感情が渦巻いていた。その感情が何なのか、ミッコには最後までわからなかった。
やがて影が消え、暗闇が静けさを取り戻す。
終わったのだろうか……──そして全てが死に絶えたかのような静寂の中で、ミッコは再び闇へと落ちていった。
*****
暗闇の底で、子供たちの笑い声が聞こえた気がした。
(あの野郎! ぶっ殺してやる!)
溢れる殺意でミッコは目覚めた。礼拝所の天井に描かれた絵が目に入った瞬間、殺意はさらに燃え上がった。
跳ね起き、まず武器を探した。目の前にはエミリーがいた。そのそばには、ハンターとメイジもいた。エミリーはハンターを抱き寄せながら、メイジの手を撫でていた。メイジの手に巻かれた包帯には血が滲んでいた。
夏の陽射しに輝く深緑の瞳が、ミッコを見る。
「おはよう、ミッコ」
「エミリー……? 大丈夫か?」
「うん」
痩せこけてはいたが、エミリーの目には生気が戻っていた。
にわかには信じられなかった。まだ夢の中にいるのではないかと思った。
戸惑うミッコの手に、エミリーの指先が触れる。
ミッコもエミリーに触れた。手に、頬に、髪に、ミッコは触れた。それは確かに知るエミリーのものだったが、それでもまだ、これが現実だとミッコは受け入れられなかった。
ミッコとエミリーは互いの体を抱き寄せた。
その体は温かく、鼓動は力強く息づいていた。それでようやく、ミッコはエミリーの存在を確信することができた。
「ずっとそばにいてくれてありがとう、ミッコ」
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