圏ガク!!

はなッぱち

文字の大きさ
111 / 411
圏ガクの夏休み

危機回避

しおりを挟む
 騒ぎに気付いて教師らが駆けつけるまで、袋叩きにされて死にかけたが、自分の足で立てる程度には持ち堪えられた。初日以上に満身創痍だが、ケツ掘られるのを回避出来たと思えば上出来だろう。

 その後、中島に付き添われ響先生の所で治療を受けた。しつこいくらいに入院(と言っても響病院に入院施設はなく響先生の自宅なのだが)を勧められたが、生徒が騒ぎを起こした事で休みモードは終了したのか、緩さが抜け圏ガクの教師の顔に戻った中島によって、半ば連行されるよう学校へと戻った。

 前日までとは違い、病院で時間を食ってしまい学校に着く頃にはすっかり日も暮れ、旧館に点々と灯りが灯っていた。いつもなら、寮の前で生徒を下ろしてからバスは車庫に戻されていたが、今日は寮の前で止まる事はなく、車庫に直行されてしまった。

「お疲れ様です。後は引き受けますんで、中島先生は先に休んで下さい」

 車庫にある喫煙スペースで一人煙草を吹かしていた担任は、オレらがバスから降りるとすぐに火を消し、中島に礼を言って頭を下げた。

「ガキちゃんこそお疲れさん。ほんじゃあ、お言葉に甘えて、先に上がらせてもらおうかな」

 軽く手を上げて答えると、中島は担任と入れ代わり喫煙スペースにどっかりと腰を下ろして、電池が切れたように柔和な顔が剥がれ落ち、その下から現れた疲労の濃い表情で懐を漁りだした。

 中島がオフになるのを見届け、視線を担任に向けると、有無を言わさぬ迫力で「ついてこい」と一言だけ言われ、仕方無く黙って担任の背中を追いかける。

 校舎を横切り、新館を越えて、旧館へ。脱いだ靴を片手に、食事も入浴も終わり、人気のない廊下をペタペタと歩き……その行く先に、まさかの物置部屋が見えてしまった。

「……反省室」

 気の重くなる現実を口にすると「そうだ」と望んでいない返事が聞こえた。それ以外なんの説明もされず、既に開いていた蓋のような扉を潜り、地下への階段を下りていく。

 春先のような底冷えする寒さは感じなかったが、反省室の空気は外とは違い冷たい。蒸し風呂よりはマシだろうが、怪我でボロボロの体には堪えそうな環境だった。オレが中まで入ると、そのままクルリと反転して担任は一人階段を上がりだす。このまま放置されるのかと愕然としたが、担任は反省室へと続く重い扉を閉じて戻って来た。

「お前の処分が決まった。一週間は下山させられない。謹慎だ」

 公民館の窓ガラスと椅子をぶっ壊したんだから仕方無いと素直に思える反面、その原因を作った香月たちの事が気になり、黙ったままジッと担任の顔を見てしまう。

「今日、岸本と何かあったか?」

 唐突に出された名前に思い当たらず、首を傾げていると、担任は「そうか」と深い溜め息を吐いて階段に腰掛けた。

「お前が先に岸本を殴ったから、香月らは手を出したと言ってる」

 今日は本気で一方的にやられただけだ。自分の体を庇うのが精一杯で、一矢報いる事すら出来ていない。何かの間違いだろうと馬鹿正直に伝えたが、担任の面倒臭そうな表情でどういう状況なのかを把握する事が出来た。
 オレから仕掛けたのだと、示し合わせて訴えたようだ。

「怪我してる本人が言ってるのを頭から否定は出来ん。香月たちの言い分も認めて、今回は双方に処分を与える事になった」

「あの……その岸本とかいう奴は、どうしてるんですか?」

 怪我をしていると聞いて、もしかしたら振り回した椅子が知らずに当たっていたり、椅子を投げ飛ばした先にそいつが居たのだとしたら、そう考えると落ち着かず、つい口を挟んでしまった。

「すぐに村主さんが市民病院に連れて行って下さった。当分は入院だとさ」

 担任はパンと自分の手のひらを拳で打って、一撃で顔が潰されていたと岸本の容体を教えてくれた。オレに出来るような芸当ではないと、力なく笑いながら。

 奉仕作業中に脱走しようとしたら一夏を反省室で過ごすというペナルティーがある訳で、これを基準に考えれば下山中に騒動を起こす事にどれだけリスクがあるのか分かる。それを少しでも軽くする為に一人を生け贄にしたか。

「村主さんや響先生とも相談してな、香月たちには強制的に一週間奉仕作業に参加させて、夷川には同じ期間を学校で謹慎させる事に決まった」

 一週間か……長いな。しかも鉄格子の中でだ。

「反省室に入れる事は響先生からの提案だ」

 人に入院を勧めておきながら、容赦のない仕打ちだな。口には出さなかったが、表情にしっかり出ていたらしく、担任は苦笑して説明してくれる。

「さすがに謹慎中に校舎内で寝起きさせる訳にもいかんだろ? 他の連中の目もある。かと言って、まともに鍵のかかる場所なんて、旧館にはここくらいしかないんでな。まあ場所は反省室だが、その目的はお前とあいつらを隔離する為だ」

 確かに『自室で待機』なんて言われた日には、『窓から飛び降りる』くらいしか逃げ道がない。

「反省室で反省文を書けとは言わんだろうが、一応お前にも明日から監視役が付く事になる」

「監視役、先生じゃないんですね」

 頷かれてしまったので、明日からオレは、木刀振り回す野村か、さっき充電切れを起こしていた中島のどちらかに監視されながら過ごすようだ。

「おれは香月たちの方へ行く。お前の事は学校に残る先生の誰かに頼むつもりだ」

 あいつらと離れられる。そう思うと愉快ではない現状でも、安堵からホッと一息吐いてしまう。今度は素直に「はい」と返事をする。

 地下の空気は際限なく憂鬱な気分にさせるが、カビ臭さに目を瞑れば冷たい壁も床も天然のエアコンな訳で、気持ちの方向を全力でポジティブに固定すれば、一週間のあいだ寝床になる反省室へと入る事が出来た。

「風呂は明日入れ。おれは少し外す。念の為、鍵を掛けるが、いいな」

 そう言うと担任はオレの入った部屋(牢屋)に鍵をかけて出て行ってしまった。地上に続く蓋の扉は開かれたままだったが、静まり返った空気が体に染み込むと心細さが途端に襲ってくる。気持ちを紛らわせたくて、寝床の安全を確保しようとベッドや机をとりあえず蹴り飛ばしてみた。初めて入った時は、ちょっと動かしただけでもワサワサと虫が出て来たのに、今日はどうしてか一匹も姿を見せなかった。

「あれ? 意外とキレイだ」

 恐る恐るベッドに腰掛けて、その表面を撫でてみると、固く寝心地は期待できそうにないが、埃は全く積もっていない。自分の手のひらとベッドをまじまじと見て、まさか反省室にまで狭間の手が伸びているとは……そんな推測に呆れ半分笑っていると、地上から慌ただしい足音が聞こえてきた。

 階段を踏み外しかけたのか、ギャーギャーと騒ぎながら下りて来たのは、何故か布団を山のように抱えた小吉さんだった。

「小吉さん、何その布団?」

 朝とは違い元気そうな小吉さんの姿に嬉しくなって、オレは鉄格子へと近づく。

「あの……そのぉ、ささ、寒い、かなと思って……! 思いましてっ! お、おぉ思いましたっ!」

 グイグイと鉄格子に布団を押しつけてくる小吉さん。

「なんで敬語なの?」

 布団を押し下げて、隠れていた小吉さんの顔を覗き込んでやる。すると、どうしてか今にも泣き出しそうな顔が出て来た。

 布団を抱えたまま項垂れた小吉さんは、「だって、おれのせいでお前……」と何度も口の中でモゴモゴ言い出す。別に小吉さんのせいじゃない、素直にそう言えばいいのだが、そんなつまらない事をする気分にもなれず、オレはちょっと大きめの声で「小吉さん、二日酔い治った?」と聞いてみた。

「うわあ馬鹿、そんなこと大声で言うなよ! 谷垣先生が戻って来てたらどうすんだ」

 小吉さんは布団を足下に落として、片手をバタバタとオレの目の前で振り、もう片方を自分の鼻先に持って行き人差し指を立て「しぃー! しぃーっだ」と言いながら血相を変える。黙っていろの必死のジェスチャーをオレが笑い飛ばすと、小吉さんはいつもの調子を取り戻した。

「あと、これ。腹減ってるだろ。お前の分のお弁当だ」

 敬語が抜けた小吉さんは、畳んだ布団の中に手を突っ込むと、小さなつづらのような箱とペットボトルのお茶を取り出した。

「ほんとは駄目なんだけど、謹慎中は缶詰って決まってるんだけど、ごはんのおばちゃんが夷川にって」

 ごはんのおばちゃん、由々式のおばさんが、わざわざ作ってくれたらしい。腹は減っているので、本当だったら飛び上がるくらい嬉しい差し入れなのだが、どうしても差し出された弁当を受け取る気になれなかった。

「小吉さん……食べていいよ、それ」

 目と口を丸くして驚く小吉さんが、食事も喉を通らないくらい酷い怪我をしたのかと心配し始めたので、そうじゃないと否定する。

「なんか、ここでは物を食う気になれないから」

 首を傾げて不思議そうな顔をされてしまう。

「ほら、便器があるだろ。便所で飯とか食う気になれないから、小吉さんの夜食か朝飯にでもしてよ」

「お前……意外とデリケートなんだな」

 普通だと思うんだけどな。オレはデリケートなんだろうか……甚だ不本意だ。

「それより、小吉さん。布団多いよ。真冬じゃないんだから一組あれば十分だろ」

 足下に積み重なった布団に視線をやりながら言う。少なくとも三組はありそうだ。

「一人一組だ。だから、丁度だぞ」

「え、小吉さんもここで寝るの?」

 小吉さんは気にしていないが、自分の声がちょっと弾んでしまったのが恥ずかしい。どうしてと聞けば「おれだけじゃなくて、谷垣先生も一緒だぞ」と更に疑問は大きくなる。

「ここ使う時ってな、二時間ごとに見回りしないと駄目ならしくてさ、そんなんじゃあ休まらないからって先生もここで寝ることにしたんだって」

 生徒が寝てる時間帯も見回りをしないといけないのか……確かに二時間ごとに起きていたら体は休まらないし、単純に面倒だ。オレとしては、香月たちの抑止力として、教師が近くに居てくれるのはありがたい話だが

「小吉さんは、なんでここで寝るの?」

小吉さんまで反省室で寝起きする必要はない。飲酒が見つかった訳でもなさそうだし、一体どうしたんだろう。

「うん……実はな、今日も、山センたち、アレみたいで……逃げて来た」

 実に賢明な小吉さんは、オレの分だけ残して、隣の二部屋へ布団を運び込んだ。「意外ときれいだな」とオレと同じ事を言いながら、自分と担任の寝床を準備し始める。あまり器用ではないらしく、かなり時間がかかっていた。

 一仕事終えたとばかりに額を腕で拭いながら戻って来た小吉さんは、今度はオレの番だと掛け布団を鉄格子の間から差し入れようと奮闘し始める。オレも中から引っ張るが、先っぽだけしか通らず途中でつっかえてしまい、鉄格子越しに二人、押したり引いたりしていると、用事は終わったのか小吉さんが言っていた通り、ここで寝るらしい担任が戻って来た。

「阿呆な事やっとらんで、早く飯食って来い」

 小吉さんを押しのけ鍵を開けた担任は、敷き布団の上にちょこんと置かれた弁当とお茶をオレに手渡し「まだ食堂に中島先生がいらっしゃる。一緒させて貰え」と反省室から出してくれた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※この物語はフィクションです。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。 ■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。 ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

狂わせたのは君なのに

一寸光陰
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。 完結保証 番外編あり

処理中です...